転生したらラプラス・ダークネスだった件   作:飽和水溶液_pixiv

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第33話です。今回はいつもよりは早めに投稿できたかな?まあ、本編は最近に比べたら短めですけどね。でもそれだと皆さんが物足りないと思いますので、次話もすぐに投稿します。ですので、どうかそれでお許しください……。


また、この作品と直接関係は無いのですがどうしても言いたいことがあるのでこの場を借りて言わせてください。皆様は、先日我らがラプ様のチャンネルにて投稿された『デーモンロード』の歌ってみたの動画はご視聴になりましたでしょうか。僭越ながら一ぷらすめいとである私から言わせていただきますと……めっちゃくちゃ良くありませんか?全然関係ないはずなのに、曲調などの雰囲気がこの作品とどことなく似ている気がして大変興奮いたしました。サビとかもう本当に最高。まだお聴きでない方は、是非正座して観てみてください!



【追記】
……の前に、皆さん前回の32話はお読みいただけたでしょうか。色々と新しい情報を詰め込んだので、混乱している方もいるかもしれません。ですが、今後一つずつ解き明かされていきますのでご安心ください。何たって、予定では二章はまだ三分の一くらいしか終わってないのだから!(え、こんなに頑張って書いてるのにマジ……?)
また、今回はそれに関連して前話の最後に登場した【"魔乃ちゃん"】についてほんの少しだけ触れておきます。

彼女は皆さんのご察しの通り、現実世界でのホロライブ五期生に所属していた【魔乃アロエ】ちゃんです。当時は他の五期の皆と共に『ほろふぁいぶ』というユニットを組んでいました。活動期間が短く知らない方もいるかもしれませんが、私にとっては魔乃ちゃんもれっきとしたホロメンの一人だと思っています。いろいろと事情や解釈があるかもしれませんが、少なくともこの作品の中ではそのように扱っていきますのでご理解の程よろしくお願いします。


第33話 ノイズ交じりの交信と夢路

 

 

その日、吾輩は夢を見た。

 

 

 

 

 

 

 

目は開けられない。声も出せない。

 

 

 

 

 

 

 

まるで水の中にいるみたいで、意識がはっきりとしない。

耳鳴りが絶えず鳴り響き、ゴボゴボと溺れているような夢。

 

 

 

 

 

それでも、苦しくはない。痛みも無い。

ただ、そこにあるのは凍てつくような寒さだけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……遠くで、誰かの声が聞こえる。

何人かの、まるですすり泣いているような声。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーあぁ、そうだ。この声は、確か……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お願いラプ……目を、覚まして……」

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

身体を揺さぶられる衝撃と、自分の名を呼ぶ声によってラプラスは目を覚ます。

 

 

「ラプラス様、起きてくださいませっ」

 

 

未だはっきりしない意識の中、そう呼びかけてきた者の方をゆっくりと向く。すると、片手に無線機を持った今のラプラスの護衛を任されている女隊員が慌てた様子で吾輩のことを起こそうとしていた。

 

 

「おまえ、は……」

 

 

「ラプラス様!よかったです、起きられたのですね……」

 

 

その彼女の様子を見て、ラプラスは若干意識を取り戻す。

どうやら我輩は、少し休むつもりのはずが本格的に眠ってしまっていたようだ。どれくらいの時間が経過したのかははっきりとしないが、少なくとも小一時間は経っているだろうと思われる。

 

 

「悪い、寝ちゃってたみたいだ……」

 

 

あろうことか、大切な任務中に眠りこけてしまったことをラプラスは謝罪する。吾輩は総帥なのに、みっともないところを見せてしまったな……。

しかしそのことは特段気にしていないらしい彼女が、そんなことよりもと切羽詰まった口調でこう言った。

 

 

 

「いえ、お疲れの様でしたので……それよりも、一大事です。実は先程、倉庫で見張りをしている者から連絡がありまして……他のメンバー二人との、連絡が途絶えたそうです」

 

 

 

「なっ!?」

 

 

衝撃的事実を聞き、微睡みを纏っていたラプラスは一瞬にして脳が覚醒する。

それはつまり、情報収集にあたっていたラプツナズの隊員たちが行方不明になっているという事か?!一体、どうして……。

 

 

「なっ、何があったんだ!?」

 

 

「シッ!落ち着いてくださいませ、ラプラス様。……数分前に受け取った連絡によりますと、ラプラス様の指示通り情報を集めていた者達がある程度時間が経ったので一度倉庫に集合したそうです。そこで、軽い情報交換を行った後20分後にまた再度集合しようと約束したらしいのですが……倍の時間が経った今でも、合流はおろか連絡すらつかないらしいのです」

 

 

思わず叫んでしまった吾輩を諫めつつ、彼女はそのように説明してくれた。確かに、本来の約束の時間はとうに過ぎており、かつ無線にも応答しないところを見るに……少なくとも、何かしらの問題が生じているのだろうと容易に想像できる。しかも、今我々の置かれている状況から察するに……もしかして、彼らもまた暗殺部門の連中のように”発見されてしまった”のだろうか。

 

でも、もしそうだとしたら……一体、どうやって。

 

 

 

 

寝起きの頭をフル稼働させ、ラプラスは考える。

そうだ、吾輩たちはもっと警戒するべきだったのだ。あの巨大組織holoXの暗殺部門に所属する”潜入のプロ”たちが、多少のミスを犯してしまったところでそう簡単に敵に発見されるものだろうかと。彼らは普段から現場で任務にあたっているからこそ、わかっているはずなのだ。たった一つの小さな失敗が、命を落とす結果につながるという事を。そんな者達が、幹部から直接渡った潜入任務に対しそんな致命的ミスを果たして犯してしまうだろうか。勿論、人間ならばたまの失敗くらい誰でもしてしまうものだ。だからこそ、吾輩たちも今回の件はその”たまたま”に該当してしまった結果だと思っていた。

 

しかし、もし仮にそうでは無かったら?

考慮すべきだった、もう一つの可能性。それは、相手が『彼らよりも優秀だった場合』だ。今回の暗殺部門による失態が偶然ではなく、宝鐘海賊団の船員によって引き起こされた当然の結果だったとしたら。もしそうなら、潜入任務において【飼育員】たちに経験値で劣る吾輩たちが発見されてしまうことはもはや必然だ。恐らく、先輩方の中にこういった侵入者を見つけることに長けた者が居るのだろう。その者のせいで、クロヱ達も今回の任務を失敗させられたんだ。

 

 

ラプラスは自分の見落としてしまっていたかもしれない可能性について、思考を巡らせる。

すると、ふと長考に耽っていた吾輩の隣に居る部下からの視線を感じた。こちらも彼女に視線を移すと、そこには静かに総帥からの指示を待つ眷属の姿があった。

 

 

「……如何なさいましょう、ラプラス様」

 

 

そう問われ、ラプラスはとりあえず目先の問題について解決しようと試みる。兎に角、まずは再度状況を確認するべきだろう。幸いにも集合地点の倉庫で待機しているラプツナズとはまだ連絡が取れるようだし、一度集結して情報交換をしているなら吾輩たちの知らない事情についても何か判明しているかもしれない。それに、確かに行方不明になってしまった隊員たちの安否は気になるが、最終的に宝鐘海賊団との和解が目的なら多少後回しになってしまっても問題ないだろう。

 

 

「まずは、今の向こうの状況をもう一度確認するぞ。倉庫で待機してるやつと連絡を取ってくれ」

 

 

「御意」

 

 

ラプラスはそう思い、部下に指示を出す。

すると、まるでタイミングを見計らっていたかのように吾輩の無線機から『応答要請』の信号が点滅しだした。実はこの無線機は潜入任務用に作られた特注品であり、連絡を取り合う際にはまず相手から応答要請を受信してランプが点滅するのだ。そして、その後に周りの安全を確保してから通信を行うことになっている。こうすることで、潜伏中にいきなり音が鳴ってしまう等の事故を防ぐことが出来るのだ。

 

 

「お、丁度向こうから連絡してきたみたいだな」

 

 

不慣れな手つきで無線機のアンテナを伸ばし、通話を開始するためのスイッチを押す。そして、こちらが今応対できる状態にあることを相手側に知らせた。

 

 

「あー、あー、こちら吾輩。聞こえてるか?どうぞー」

 

 

こういうときに何と言ったらいいのかわからず、ラプラスは適当に言葉を発する。しかし、内容はどうあれ相手には聞こえていたようで直ぐに返答があった。

 

 

 

『ザザッ……はぁ、はぁ……ら、ラプラス様でしょうか?…ザッ……』

 

 

 

ただし、そこから聞こえてきた声は明らかに向こうの者が平常状態にないことを表していた。息も絶え絶えで、無線機から酷いノイズ音も聞こえてくる。その様子にびっくりしつつ、ラプラスは再度言葉を発した。

 

 

「お、おい、どうした?何かあったのか?!」

 

 

『ザッ…も、申し訳ありませんラプラス様。はぁ、ぁ………我々の存在が、既に敵に気が付かれていたようです。他の二人も、恐らく捕まっているかと……ジジ』

 

 

なんだとっ!?

やっぱり、吾輩たちがこの船に潜入していることが既に先輩方に気が付かれているんだ。とすると、これは非常にまずい。仮に吾輩たちがるしあ先輩たちに和解を持ち掛けようとしていたとしても、それにはアプローチの仕方というものがある。最初から正しい手順で会話の場を設けているのと、無断で船内に潜入したことがバレてしまったあとに話を持ち掛けるのではその交渉の成功率が大きく変わる。当然、こちらの落ち度を晒した上で信用しろなんて土台無理な話。もはや、これは和解などと言っている場合ではないかもしれない。

 

 

どうしたものかと、ラプラスは頭を悩ませる。しかし、その思考を遮るように再度切羽詰まった様子の部下から通信が入った。

 

 

『……ラプラス様、私は現在船内のA棟一階にて鳴りを潜めております。ですが、何故か先程からどこに逃げても”奴ら”に見つかってしまって……』

 

 

「奴ら……?おい、奴らってなんだ!誰かこの船に居るのか?!」

 

 

無線から聞こえてきた言葉を疑問に思い、ラプラスはそう聞き返す。

通信の内容から、この隊員は今何者かに追われている真っ最中なようだ。しかも、その口ぶりからは”その相手”が複数人居るだろう事が伺える。しかし、少なくとも吾輩たちが通ってきた道ではあくあ先輩以外の誰ともすれ違ったりなどしていない。報告書にあった通りこの二番船には極端に船員が少ないようだし、そんな追手なんて……。

 

 

「おい!聞こえてるか?!お前、今誰に追われてるんだよ!」

 

 

自分の質問に対し返事が無かったので、ラプラスは再度そう問いただす。しかし、回線が悪いのかこちらの声は向こうに届いていないようだった。それどころか、一際酷いノイズの中またしても言葉が紡がれる。

 

 

 

『ザザッ……ラプ…様……私が、囮にな…すので、今の…に…………クロヱ様が……”A棟の、地下に”……ザザザザザウ゛ア゛ァ゛ザザザザザ』

 

 

 

絶え絶えな通信の中、部下が最後に何かを必死に訴えかけていた。しかし、それもしばらくすると静かになり音を発さなくなってしまう。しかも、最後に響いていたノイズ音の中には”人のうめき声”の様なものが聞こえた気して、ラプラスの心を焦燥感と僅かな恐怖心が支配した。

 

 

 

 

 

「ラプラス様……これから、どうしましょう」

 

 

数秒の静寂に包まれた後、一早く冷静になっていた吾輩の護衛にそう問われる。しかし、未だラプラスの脳内には不安と焦りが渦巻いていた。

 

 

どうしよう。

こうしてる間にも、吾輩たちが発見されるリスクは高まっていく。このまま何もしなければ、捕まるのは時間の問題だ。そうなってしまっては、幹部たちとの約束を破ることになるし何よりフレンズ王国での失態の二の舞になってしまう。既に失敗を犯しているのに、これ以上総帥の地位を貶めることは出来ない。

 

最後にあいつは、吾輩に何かを訴えかけていた。そのほとんどがノイズでかき消されていしまっていたが、辛うじて聞き取れた言葉もある。『囮』、『クロヱ様』、そして『A棟の地下』……そういえば、さっき護衛の女が他のラプツナズの隊員たちは”一度集まって情報交換をした”って言ってたっけ。ということは、倉庫で見張りをしていたあいつももしかしたらある程度この船のことを把握し始めていたのかもしれない。とすれば、もしかして当初の目的であった『捕まっている暗殺部門の連中』の居場所をもう突き止めていたのだろうか。

 

 

「……とにかく、動くしかないか」

 

 

ここに居ても何も始まらない。それどころか、時間が過ぎれば過ぎる程事態は悪化すると言っていい。ともすれば、先輩方と話を付けるにしても囚われた部下たちを助けるにしてもここでじっとしているわけにはいかないな。

 

 

「おい、準備しろ。行くぞ」

 

 

「えっ……行くって、どこにでしょうか?」

 

 

「一先ず、事態の確認だ。さっきの通信のやつが今A棟に居るって言ってたし、そこに向かってみるぞ」

 

 

とりあえず、先程連絡が途絶えてしまった隊員の下に向かってみよう。吾輩が寝ている間にヘッドギアの充電も終わってるようだし、直ぐにでも向かえるな。ただ問題は、消息を絶った連中が一体どうやって見つかったのかってことだが……。

 

 

「もしかして、博士の作ったヘッドギアが機能していないとか……?」

 

 

ラプラスは勿論、端から博衣こよりの作った発明品のすべてに絶対的な信頼を置いている。よって、その言葉は博士の用意してくれたステルス機能が不全であるという意味で使われたものでは無かった。つまりは、相手陣営にこの光学迷彩の通用しない者が居るのではないかという事である。音なのか、気配なのか、ともかく透明になり見えなくなった程度ではその存在を見失わないやつがいるんだ。だから、決して油断などしていなかった暗殺部門の連中も、ラプツナズの隊員達も先輩方に発見されてしまったのだろう。博士も言っていたが、やはり見えないからと言って油断してはいけないんだな。

 

 

「おい、これはあくまで推測なんだが……恐らく、相手側にステルス機能を見破れるやつが居るぞ。それに、もしかしたら既に吾輩たちがここに隠れてるのもバレてるかもしれない。ここからは、そのつもりでこっちも動く」

 

 

「はい。状況から鑑みて、その可能性は高そうです。……で、でも、それなら一度宇宙船に戻るというのは如何でしょう?詳しい状況もわからず、闇雲に船内を歩き回るのは危険では……」

 

 

ラプラスの忠告を了承しつつも、彼女はそう進言した。

確かに、今吾輩たちが置かれている事態はかなり深刻だ。敵地のど真ん中で取り残され、他の仲間とも現在連絡が取れなくなってしまっている。言うなれば、完全な孤軍と化してしまっているのだ。そんな状況下での考え無しの行動は、どう転んでも命取りになる。ならば、まず吾輩たちだけでも撤退して作戦を練り直すのも一つの手なのかもしれない。

 

 

「我々がどんな事態に陥ろうとも、最も優先されるべきは御身の安全です。そして、そのラプラス様をお守りするのが私の務めです。……ですので、やはりここは一度宇宙船に帰還したほうが……」

 

 

「……まあ、お前の言うこともわからなくはないぞ。このままいけばクロヱ達の二の舞になるだろうし、一旦戻って仕切り直すのも悪くはない。…………それが、出来ればの話だけどな」

 

 

そう言ったラプラスは、自分の無線機を取り出しそのランプが黄色に光っているのを見せつけた。

先程も記したとおり、この無線通信機は博士の特注品であり備え付けられたランプが緑・赤・黄の三色に点滅する。緑は通信相手からの応答要請を受信したサイン、逆に赤はこちらが要請を送信した際に光るのだ。では今点いている黄色はというと、こちらからもあちらからも送受信が出来ず機器が不接続状態であることを示すものとなっている。つまり、先程の通話の際中に時折鳴っていたノイズ音はこれが原因だと思われる。十中八九先輩方の仕業なのだろうが、現在この無線機は通信妨害の様なものを受けているのだ。これでは、宇宙船に帰還しようにも機内で残っているラプツナズの隊員と連絡をとる手段が無いのである。

 

 

「さっきのやつとの通信が切れたあたりからこの調子だ。これじゃあ、戻るにしても連絡通路を降ろしてもらえないからこの船からは出られないぞ」

 

 

この二番船に潜入する際に、吾輩たちは自分たちの乗ってきた宇宙船から連絡通路のような役割を持つ管を通して船内に入った。またここから帰還するときの段取りとしては、船で留守中のラプツナズに連絡を取って再度管を開通してもらう事になっている。だから吾輩たちがこの船から脱出するためには、まず宇宙船と通信を行うことが絶対条件なのだ。だが、それも無線機が使えない今不可能という事になる。

 

また、他にも自力でこの海賊船から脱出するという手段も無くはない。一応吾輩たちにはヘッドギア式宇宙服があるので宇宙空間での活動自体は何とか可能だろう。しかしそれも決して長い時間出来るという訳ではないし、何より動力も無いまま宇宙空間に飛び出して連絡も付いていないholoXの宇宙船に戻れるとも思えない。つまりは、吾輩たちだけでこの事態をどうにかするしかないのだ。

 

 

「そんな……」

 

 

どうしようもない現実を突き付けられ、彼女は悲痛そうな表情を浮かべる。確かに、その気持ちはわからなくもない。……だが、それで立ち止まるわけにはいかないのだ。

 

 

「……まあ、嘆いてても仕方ないだろ。とにかくそういう訳だから、まずは現場の状況を確認しに行くんだ。出来るだけこっそり行くつもりだけど、どーせ見つかってるだろうからな……いざって時は、お前の力を借りるぞ」

 

 

そう言ったラプラスは、徐に立ち上がり光の当たるところに置いてあったヘッドギアを被った。そして、覚悟を決めた様子で客室の扉の方へと向かう。また、その総帥の姿を見て彼女も腹を括ったのだろう。すぐにラプラスと同様に立ち上がり、ヘッドギアを被ってから腰の剣に手を伸ばした。

 

 

「……はい、お任せくださいラプラス様。主君の身は、必ず私がお守りいたします」

 

 

「あぁ、頼りにしてるぞ」

 

 

そう答えたラプラスは、目の前にそびえる扉のノブに手を掛けた。そして、大きな深呼吸を一つしてからドアを開け放つ。今回もきっと、必死に頑張ればなんとかなる。そんな、淡い期待を抱きながらーーー

 

 

 

 

 

「ア゛ア゛ア゛ァ˝ァ˝……ッ!!」

 

 

 

 

 

……しかし、それが本当に淡いものだったということを目の前の『動く死体』が物語っていた。

 

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