マイハーク沖海戦から3日後の朝
ロウリア王国 港湾町「バレマナ」
見張り1「なぁ、聞いたか?」
見張り2「ん?何がだ?」
港の入口で二人の見張り兵が雑談をしていた。
見張り1「しっ!声が大きい!ここだけの秘密だぞ…どうやらこの前出撃した東方討伐海軍が大日本帝國とか言う国の軍船27隻により壊滅したようだ…」
見張り2「………嘘をつくならもう少しマシな嘘をつけよ…」
見張り1「本当だって!!」
見張り2「だって4000隻の大艦隊だぞ?それがたかが27隻に完敗するなんてとてもじゃないが出来ないぞ。」
見張り1「それが本当らしい。さっき盗み聞きした魔信で上の人達が随分焦っていたらしい。」
見張り2「お前…それだから中々階級が上がらないんだぞ。」
見張り1「…………」
二人が雑談をしているとふと水平線から何かが現れる。
見張り2「ん?おいあれは何だ?」
見張り2が見張り1に聞く。
見張り1「う〜ん……良く見えないな…」
見張り1は自分の良い視力でそれを見つめる。すると…
見張り1「うん?何か爆発s………」
見張り1が爆発に気づいた時には2人が居たところには大きなクレータが形成されていた。
同町 東方討伐海軍司令部
将軍「敵襲だと!?」
側近「はっ!その数およそ500隻!今起こっている爆発は敵艦隊の大型艦からの攻撃です!」
側近が報告している間も地面が衝撃で揺れている。
将軍「敵の正体は?!」
側近「はっ!目の良い者からの報告によると大日本帝國の海軍の旗のようです!」
将軍「何!?もう仕掛けてきたのか!?」
短期間で反攻に入っている日本軍に驚く。
側近「将軍いかがなさいますか!?」
側近が命令を待つ。
将軍「前線部隊にワイバーンの応援をしろ!生き残っている兵は武器を装備して海岸で防衛戦を築くのd…」
将軍は命令を下そうとするがそこを35.6cm砲弾が襲い司令部は跡形無く消え去った。
バレマナ強襲上陸部隊護衛艦隊 旗艦戦艦「比叡」
比叡の主砲から先程発射した砲撃時の煙がまだ出ていた。
中佐「艦長、観測機から連絡。」
大西「内容は?」
中佐「はっ、(砲弾敵司令部ラシキ建物二命中、効果アリ引キ続キ射撃ノ続行ヲ求厶)とのこと。」
大西「うむ、老朽化してきたとはいえ流石35.6cm砲の威力だな…次弾装填急げ。」
中佐「はっ!次弾装填急げ!」
強襲上陸部隊 上陸指揮艦「熱田丸」
山下「壮観だな。」
上陸部隊の司令官山下大将が艦橋から制圧射撃を受けているバレマナを艦橋から見ていた。
山下「各上陸部隊指揮官に上陸準備を伝えてくれ。」
大佐「はっ!」
上陸部隊第一波 1隻の上陸用舟艇
中では兵士達が上陸開始までの空き時間で雑談をしていた。
兵士1「物凄い砲撃量だな!」
兵士2「ああ!これじゃ蟹の一匹も居ないんじゃないか?」
兵士1「その方が楽だがな!」
兵士2「あぁ!そうだな!」
場面を戻して上陸指揮艦「熱田丸」
大佐「山下大将、海軍より連絡。海岸一帯の制圧射撃が完了したとのこと。」
山下「うむ……全軍進撃せよ!」
山下の合図と共に150隻以上の上陸用舟艇、50両以上のアムトラック、20隻以上の戦車揚陸艇が動き出しバレマナへと向かう。
翌日4月30日 クワ・トイネ公国 政治部会
ブルーアイ「…以上がロデニウス大陸沖大海戦(大日本帝國名マイハーク沖海戦)の戦果報告になります。」
観戦武官ブルーアイが政治部会の場でマイハーク沖海戦の結果を首相らに報告する。首相らの手には戦果概要が書かれている報告書があった。
軍務卿「観戦武官…君の情報は確かなのかね?この報告書によると大日本帝國はたった27隻で4000隻の大艦隊に挑み3660隻を撃沈し壊滅させ、しまいには残存艦を別の艦隊で攻撃し300隻をここで撃沈して敵は殆ど全滅状態、更にはこの戦艦「大和」と言う軍船は単艦で325隻を撃沈したという……いくら何でも戦果が大き過ぎないか?」
軍務卿が大日本帝國海軍の艦隊のあまりの戦果の大きさにブルーアイを疑う。
軍務卿「観戦武官の君がわざわざ嘘をつくとは思えんが、あまりにも現実離れしすぎて信じられんのだよ…」
ブルーアイ「全て私がこの目で見たものです。間違いはありません。」
するとカナタが発言する。
カナタ「いずれにせよ今回の海からの侵攻は防げましたし損害の大きさにロウリア海軍は動けませんので暫くは安心できます。」
すると部会に一人の外務員が入って来た。
外務員「大日本帝國大使館より連絡!」
カナタ「内容はどのようなものですか?」
外務員「はい!先程ロウリア王国の重要港バレマナを陥落させたとのこと!」
報告にメンバーが驚く。
リンスイ「それは真か!?」
外務員「はい!ロウリア王国内でも混乱しているようです!」
そのころロウリア王国
ロウリア「何!?東方討伐海軍が壊滅し更にはバレマナが陥落しただとぉ!?」
パタジン「も、申し訳ございません!気づいたころには既にバレマナは陥落していました…」
ロウリア「クソっ!敵は弱小亜人国家では無かったのか?!」
パタジン「そ、それがどうやらクワ・トイネ公国及びクイラ王国を大日本帝國が大々的に支援しているようです…」
ロウリア「あの蛮族国家の大日本帝國か!今の戦況はどうなっている?!」
パタジン「は、はっ…今我が軍は劣勢に立たされておりクワ・トイネ国境付近の敵防衛線を未だに破れずギムの町どころかまだ小さな村すら手に入れておりません…また海軍は先の海戦により殆ど全滅状態で機能しておりません…」
ロウリア「クソっ!忌々しい大日本帝國めぇぇぇ!」
第三文明圏 列強国 パーパルディア皇国
薄暗い部屋の中で男達は国の行く末に関わる話をしていた。
将軍「大日本帝國?聞いた事ない国だな…」
側近「ロデニウス大陸の北東方面にある島国です。」
将軍「いや…それは報告書を見ればわかるが…今までその場所にこのような国はあったか?だいたいロデニウス大陸から約1000km程離れた場所にある国なら我々が今までの歴史で一度も気づかなかった事が考えられない。」
側近「あの付近は海流も風も乱れていますので船の難所となっています。なるべく近寄らなかったのでわからなかっただけではないでしょうか?」
将軍「しかし文明圏から離れた蛮地であり海戦の方も極めて野蛮なロウリア王国とはいえ…たった27隻に3960隻が撃沈されるとはいささか現実離れしていないか?」
側近「観戦武官が恐らく長い蛮地生活で精神異常をきたしたのかもしれません。今度交代させてあげましょう。」
将軍「そうだな……ところでロウリアが負けることはあるまいな?もしロウリアが敗北したら我々が資源獲得のために構築した国家戦略に支障をきたす。」
側近「はい、陸戦は海とは違い数が物をいいます。ロウリアはとにかく人口が多いので大敗することはまずありません。」
将軍「そうか、今回の海戦の報告は荒唐無稽だ。真偽を確かめるまでは陛下に報告しない。わかったな?」
側近「承知しました。」
翌日 バレマナ
山下「よっと…あちこちボロボロだな…気合が入っているな海軍は。」
上陸指揮艦に搭載していた上陸用舟艇で海岸に着岸し山下将軍以下の司令部要員はビーチングしている戦車揚陸艇から出てくるⅣ号戦車やヘッツアー、トラック、ジープの側を歩き破壊されたバレマナの町へと向かう。
山下「ふぅ…しかし暑いな…」
ドイツ国防軍士官服の服装をしている山下が帽子を脱ぎハンカチで汗を拭き取る。
山下「うむ…ここには10万の住民が居たはずだが…その人らはどうしたんだ?」
山下が第三戦車師団の師団長に聞く。
師団長「はっ、クワ・トイネの諜報部によるとここの住民は4日前に全員避難していたようです。なのでこの町にある遺体は殆どロウリア軍兵士でしょう。」
山下「それなら大丈夫だな。」
民間人を巻き込んでいないことに安堵していると一人の士官がやって来た。
中尉「報告です。無事バレマナ全域を制圧致しました。」
山下「損害は?」
中尉「はっ!敵の反撃により多少の者が被弾いたしましたが全員軽傷です。その他にはトラック一台、ジープ2台が敵の仕掛けた罠により故障いたしましたが作戦には支障ありません。」
山下「うむ、引き続き作業を頼む。」
中尉「はっ!」
中尉が山下に敬礼し自身の部隊の元に戻る。
暫く歩き山下一同はジープに乗り装甲車に守られながらバレマナから東に60kmの郊外に設けている最前線司令部に到着する。
山下「中々良いところではないか。」
丘に作られている司令部の周りを見渡しあたり一面の大草原を見ていると東の方角に辺りを城壁に囲まれ中から巨大な城が伸びているロウリア王国王都のジン・ハークが150km先に見えそれを強い眼差しで見つめ司令部に入っていく。
師団長「お疲れ様です!」
先に到着していた第3戦車師団師団長が敬礼する。
山下「うむ、早速だが現在の状況を教えてくれ。」
師団長「はっ!了解しました!」
師団長が偵察機で空撮した写真をもとに作成した王都ジン・ハークを含む周辺地図を机の上に広げ山下に説明する。
師団長「現在我々がいるところは王都から見て西150kmの地点です。諜報員によると王都には歩兵約4万が駐在しています。」
山下「情報より敵守備隊の数が少ないが…」
師団長「はっ、恐らく前線の兵が不足したので守備隊から抜き取っているのでしょう。」
山下「なるほどな。」
師団長「そして現在王都から西に80kmの地点に戦車第9連隊及び歩兵第9,12、35連隊が待機しており後方では野戦重砲兵連隊が待機しています。」
山下「例の特殊部隊はどうだ?」
師団長「はっ、既に王都に潜入しいつでも作戦を開始できます。」
山下「概要はわかった。攻撃は明日の早朝に行う。それまで諸君ら部隊は休憩してくれ。」
師団長「ありがとうございます!」
山下「あと、乗ってきたジープに饅頭があるんだが取ってきてくれないかな?」
師団長「了解しました。」
山下は師団長に饅頭を取ってくるように言いその後饅頭を食べながらジン・ハーク攻略作戦の内容を確認していた。
数日後 王都ジン・ハーク ハーク城
マオス「た、大変ですロウリア王!」
戦果報告をパタジンから受けていたところに宰相のマオスが扉を開けロウリア王の元に駆け寄る。
ロウリア「何事だ!」
マオス「王都の西から日本軍の軍勢が迫って来ました!その数2万です!」
ロウリア「何だと!?バレマナからここまで210kmもあるというのにもうやって来たのか?!」
すると雷のような音が聞こえ城壁の方から爆発が発生しそこから日本軍のⅣ号戦車、Sd.kfz.251、M3ハークトラックが随伴歩兵を伴いながら進入し襲いかかって来る王都防衛兵を蹂躙しながら中心部にやって来る。
マオス「ひ、ひぃー!!に、日本軍です!!」
マオスが外の光景に震えている。
パタジン「くそっ!近衛兵は何をやっている!早く全兵力を集結させろ!」
ロウリア「来る…奴らがここに…」
ロウリア王も震えていると扉の外からタタタ、タタタと乾いた聞き慣れない音が鳴り近衛兵の悲鳴が聞こえる。
ドゴォン!
隊長格の兵士が扉を蹴破りドイツ軍降下猟兵の格好をした兵士複数人が部屋の中になだれ込みStg44の折り畳み銃床タイプを3人に構える。
マオス「ひぃ!!!」
パタジン「貴様ら何者だ!!王に無礼を働いた事を後悔するが良い!!」
パタジンが腰の剣を抜き隊長に向かうが剣が届く前に兵士達がStg44でパタジンを射撃しパタジンは声を出す間も無く穴だらけになった身体を地面に倒す。
マオス「ひ、ひぃ!!」
マオスがこの場から逃走したい気持ちからか窓から飛び降りそのまま石畳に激突し絶命する。二人が死んだ後もロウリア王は震え続け頭の脳裏に古の魔法帝国軍、魔帝軍のおとぎ話が浮かぶ。
ロウリア「ま……まさか……魔帝軍か?!」
すると集団の中からドイツ国防軍憲兵士官の格好をした眼鏡をかけている青年が現れロウリア王に迫る。
富田「魔帝軍というのはよくわかりませんが…大日本帝國陸軍憲兵士官の富田と言います。あなたはクワ・トイネ公国の国境部隊や市民を一人残さず虐殺した罪があります。ですのであなたを逮捕しクワ・トイネ公国で裁かせて頂きます。」
そう言うと富田はロウリア王の両手に手錠をかけ部隊に連行される。翌日、ジン・ハークは陥落しロウリア王が逮捕された事を前線のロウリア軍に戦略爆撃機からビラを撒きロウリア軍部隊は武装を解除しクワ・トイネ軍及び大日本帝國軍に降伏しこれにて桑日対呂戦争はロウリア王国が多大な損害を出し終結した。