強化された大日本帝国召喚   作:89式小銃

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列強との戦い
第8話 迫る戦争の足音


日亜条約を結んで三週間後  9月23日

 

 

フィルアデス大陸 第三文明圏列強国 パーパルディア皇国 第三外務局

 

大日本帝國外交団は国交樹立の為パーパルディア皇国の第三外務局へと訪れていた。しかし外交団は3ヶ月間、窓口で足止めされていた。

 

外交官「すいません、局長様が無理なら課長様でも良いので権限のある方にお目通りをお願いしたいのですが…」

 

窓口勤務員「しばらくお待ち下さい。順番に手続きをしているので……しかし貴方達の要求内容を見ましたがかなり高度な……いわゆるハードルが高い事が記載されていますが…」

 

外交官「といいますと?」

 

窓口勤務員「もしもパーパルディアの民が……えっと……大日本帝国でしたか?その貴方達の国で犯罪を犯したとして治外法権を認めないと記載されているので…」

 

外交官「?それが何か?国と国との間では通常の事と理解いたしますが…」

 

窓口勤務員「………我が国は列強ですよ?」

 

外交官「……はい?」

 

窓口勤務員がため息を吐く。

 

窓口勤務員「貴方達の国は出来たばかりですか?文明圏以外の国とはいえ国際常識を知らないにも程がある。」

 

外交官「?????」

 

窓口勤務員「はぁ…いいですか。今、世界において治外法権を認めないことを我々が了承している国は五大列強国の神聖ミリシアル帝国、ムー国、エモール王国、レイフォルの4カ国…つまり列強だけなのです。」

 

この時、レイフォルが滅びたことはレイフォルがあるムー大陸より遠いところまでは届いていないのでパーパルディア皇国もこの事をまだ知らない。

 

窓口勤務員「列強国ではない…ましては文明圏にも属していない…国際常識を理解していないあなた方の国が治外法権を認めない、対等の国として扱ってほしい等の列強国のごとき要求をしている。」

 

外交団「「「「…………」」」」

 

外交団達は蛮族に説明するような話し方に唖然としている。

 

窓口勤務員「…課長はあと2週間後くらいには時間が空きますので課長と合うなら2週間待って下さい。ただ、私としてはこれはかなりハードルが高いと言わざるを得ません。今日のところはお帰り下さい。」

 

窓口勤務員にそう言われ外交団はトボトボと帰る。

 

 

外交官「はぁ…こんなことならフィン王国外交団に行った方が良かったな…」

 

外交官はパーパルディア皇国外交団になった事を後悔する。だが現在フィン王国に懲罰攻撃を行う監査軍東洋艦隊が迫っていることを彼は知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

そのころ… 大日本帝國から東に500kmの位置にある国

フェン王国 王宮騎士団駐屯地

 

 

アイン「はっ…!はっ…!はっ…!」

 

王宮騎士団十士長のアインは駐屯地広場で剣を振っていた。彼は元々王宮騎士団を目指すつもりは無かった。剣は好きだったが建物の設計が好きで将来は建物の仕事をしようと思っていた。その彼の道を変えたのが彼の母である。

 

アイン「はぁ…はぁ……あの時…あの時、自分が居れば…」

 

アインが過去にあった出来事を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

過去 寒い日だったフェン王国 アインの家

 

 

アインの家では彼の母親が夕食の準備をしていて家の中はいい匂いで充満していた。

 

アイン「ん〜…そろそろ髪を切った方が良いかな?」

 

アインが前髪をいじる。

 

アイン「母さん〜」

 

アインが台所にいる母親に話しかける。

 

アイン母「どうしたの?」

 

アイン「ちょっと前髪が伸びてきたから散髪屋に行ってくるね。」

 

アイン母「あらそう?気をつけて行ってらっしゃい。」

 

アイン「分かった!じゃあ行って来るね!」

 

そう言うとアインは家を出て馬に乗り散髪屋へと向かう。

 

 

 

5分後…

 

 

アイン母「♪〜♪〜♪」

 

アイン母が口笛を吹きながら料理をしていると外から助けを求めている声が聞こえてきた。

 

女性「誰か〜助けて〜!!!私の子供が川に落ちて溺れているの!!誰か〜!!!」

 

アイン母は直ぐに外に飛び出し川の近くにいた女性に近づく。

 

アイン母「どうしました?!」

 

女性「私の2歳の子供が少し目を離している間に川に落ちてしまって…!!」

 

川に視線を移すと女性の子供が溺れていた。

 

アイン母「っ…!まずいわ…!」

 

アイン母は咄嗟に動き川へ飛び込む。

 

アイン母「はぁはぁ…大丈夫!?」

 

アイン母が子供に声を掛け子供は頷く。

 

アイン母「おばちゃんが来たからもう安心よ…!」

 

子供を抱え岸で0歳の子供を抱えている女性と他に助けに来た男女の集団の元へと向かう。

 

女性「良かった……良かった…本当にありがとうございます!!」

 

女性が泣きながら感謝する。

 

アイン母「いえいえ、だいじょうb…!うぅ…!」

 

アイン母が突然心臓があるところを苦しく鷲掴み、そのまま絶命する。

 

 

5分後

 

 

アイン「ただいま〜母さんお腹空いた〜!」

 

前髪を切り終えたアインが帰ってくるがいつもは明るい声で迎えてくれる母親が何故か来ない。

 

アイン「……あれ?母さん?」

 

アインは家に上がり奥へと進む。すると奥の部屋から父親、祖父母のすすり泣きが聞こえてきた。

 

アイン「父さん、お爺ちゃん、お婆ちゃん?皆何泣いている………の……」

 

扉を開けると部屋にはすすり泣いている家族の他に顔が雪のように白く息をしていない母親の姿があった。

 

アイン「う…そ……どうし…て…」

 

アインが扉のところで膝から崩れ落ちる。すると父親がアインに向けて話す。

 

アイン父「母さんな…川で溺れている子供を助けるために飛び込んで子供は助かったけど…母さんはその時はもう…」

 

喋る父親を横目に母親の元に近づき冷たくなった母親に覆いかぶさり大声で泣く。

 

アイン「うわぁぁぁぁぁぁん!!!!」

 

精一杯に泣く。自分が居れば助けることが出来たのではないか?自分が居れば母親が死ぬことは無かったのではないか?後悔して後悔して何度も泣いた。

 

 

 

 

 

しばらく過ぎたある日、学校の授業で教えられたある文章を機に、彼は王宮騎士団に入ることを決意する。

 

 

王宮騎士法第二条第一項

王宮騎士は個人の生命、身体、財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧、犯罪者の逮捕、その他公共の安全と秩序の維持をもってその責務とする。

 

王宮騎士団は軍であると同時に国の治安維持を担っている。彼はこの文を見た時、母は命を掛けて人を助けたことを思い出し将来の指針を決めた。

 

 

 

 

 

 

時を戻し現在

 

 

マグレブ「カイン、ちょっと来てくれ。」

 

アインの上司の騎士長マグレブが話しかける。

 

アイン「何ですか?」

 

マグレブ「剣王シハンがお呼びだ。」

 

剣王シハンはフェン王国の国王である。

 

アイン「えっ?私をですか?」

 

マグレブ「あぁ、私も呼ばれた。全騎士団の十士長以上の者が対象だ。どうやら国の一大事らしい。」

 

アイン「分かりました。至急向かいます。」

 

彼は王宮へと向かった。

 

 

 

フェン王国 王都アマノキ 王城

 

 

シハン「パーパルディア皇国と戦争になるかもしれない。」

 

騎士団達「「「「「!!!!!!」」」」」

 

参加している全員に衝撃が走る。

フェン王国はパーパルディア皇国と違い魔法が無く低級レベルの魔法も使えない。その中で一番の問題は魔信が使えない事だった。情報伝達速度の差により同量の戦力でもとてつもない戦力差になる。国力の差も問題だった。フェン王国の人口500万人、バリスタ配備の切込み型戦船21隻、ワイバーン0騎、ワイバーンロード0騎、それに対しパーパルディア皇国は人口7000万人、砲艦422隻、ワイバーン500騎、ワイバーンロード350騎とフェン王国より強大な戦力を保有していた。

 

シハン「現在、ガハラ神国に援軍を貰えないか要請している。各方面にも援軍要請を実施中だ。」

 

剣王シハンは隣にあるガハラ神国の首都[タカマガハラ]の神宮に住まう神王ミナカヌシに親書を送っていた。

 

シハン「とにかく各自、戦の準備をしておいてくれ。」

 

部屋に張り詰めた空気が流れた。

 

 

 

 

 

 

モトム「剣王、大日本帝國という国が国交を開くために交渉したいと参っております件はいかがなさいましょうか?」

 

会談を終え通常の執務をしているとシハンの側近である剣豪モトムが話しかける。

 

シハン「大日本帝國?ああ、ガハラ神国の大使から情報があったガハラの東側にある新興国家か。あの辺りは小さな群島で海流も乱れていたな……各島の集落が集まって国でも作ったのか?」

 

モトム「いえ…それが……彼の国が言うには人口が約1億8000万人もいるそうです…」

 

シハン「い、1億8000万人?!ハハハハハハwww…ホラもここまですれば大したものだww」

 

シハンが大笑いする。

 

モトム「それが…ガハラ神国経由の情報でも同様の情報があります。同国は既に国交を結んでおり、そこにあるのは小さな群島ではなく六つの大きな島から成りしかも列強をも超えているかもしれない超技術を実現していると…」

 

シハン「ほう、列強を超えているかもしれないは言い過ぎとしてもガハラ神国がそこまで褒めているのであればそれなりの国家なのだろうな。」

 

剣王や他の側近は大日本帝國の外務省の人間と会うことにした。

 

 

 

 

 

 

大日本帝國外交団

 

 

横島「なんというか……身が引き締まるな…」

 

外交団代表の横島が国中が厳しく、厳格な雰囲気が漂っている武士が治める国と想像していたが、いざ来てみると全く違い生活レベルは低く、国民は貧しい…しかし精神レベルは高く、誰もが礼儀正しい、武士道のようなものがあった。

 

騎士団員「剣王が入られます。」

 

声があがり剣王シハンが入室し外務省職員は席を立ち礼をする。

 

シハン「そなた達が大日本帝國の使者か。」

 

横島「はい、貴国と国交を開設したいと思い参りました。ご挨拶として我が国の品をご覧下さい。」

 

剣王の前には様々な大日本帝国の物が並びシハンは、その中から日本刀を手に取り鞘から引き抜く。

 

シハン「ほう…これは良い剣だ。」

 

シハンが太陽光で輝いている刀身を見つめる。

 

横島「気に入ったのであればお譲りしますよ。」

 

シハン「良いのか?感謝する。」

 

そう言うとシハンは刀を収め側近の者に渡し気を良くした剣王が話を始める。

 

 

 

シハン「失礼ながら私はあなた方の国、大日本帝國を良く知らない。」

 

事前に聞いた大日本帝國からの提示条件と大日本帝國からの書類に間違いが無いか確認し終え外交団に向けて話す。

 

シハン「貴国からの提案の内容が本当ならば凄まじい国力を持つ国と対等な関係が築け、夢としか思えない技術も手に入る。我が国としたは申し分ない。」

 

横島「それでは…」

 

横島の顔が明るくなるが剣王は話を続ける。

 

シハン「しかし国ごとの転移や海に浮かぶ鉄船など、とても信じられない気分だ。」

 

横島「そ、それは我が国に使者を派遣して頂ければ…」

 

シハン「いや、我が目で見たい。」

 

横島「と、仰いますと?」

 

シハン「貴国には日本海軍と言う水軍があり艦隊が10つ以上あると聞いた。」

 

横島「日本海軍ですか…?」

 

シハン「ああ、その艦隊のうち一つを親善訪問としてここに派遣してくれぬか?今年、我が国の水軍船から廃船が6隻程出る。それを敵に見立てて攻撃してみてほしい。要は貴国の力が見たいのだ。」

 

横島「………分かりました。本国に頼んでみます。」

 

シハン「よろしくお願いする。」

 

 

 

その後、本国に報告し演習要請の件を話し政府と話し合った結果、近くの海域で訓練していた第三主力艦隊の戦艦「扶桑」「山城」、重巡洋艦「足柄」「羽黒」、軽巡洋艦「矢矧」、駆逐艦「春月」「宵月」「夏月」「満月」「浦風」「磯風」「浜風」「谷風」の他に駆潜艇2隻が派遣される事が決定した。

 

 

 

 

 

 

後日9月25日 フェン王国 王都アマノキ上空

 

 

ガハラ神国風竜騎士団長のスサノウは隣国フェン王国の首都上空を飛行していた。スサノウは上空から下を見下ろす。アマノキ近くの海上には常軌を逸した大きさの黒めの灰色の船5隻、少し小さいが戦船よりも大きい船が8隻に小型の船2隻が見える。

 

風竜「まぶしいな…」

 

相棒の風竜が話しかけてくる。風竜は知能が高いため会話をすることができる。

 

スサノウ「確かに今日は快晴だな。」

 

空は雲が少なく太陽が輝いていた。

 

風竜「いや違う。太陽ではない。あの下の灰色の船から線状の光が照射されて回りを回転しているのだ。」

 

風竜が言っているのは各艦に装備されている電探の事だった。

 

スサノウ「船から光?……何も見えないが…」

 

風竜「フッ、人間には見えまい。我々が遠くの同胞と会話をする際に使用する光、人間にとっては不可視の光だ。何が飛んでいるか確認もできる。その光に似ている。」

 

スサノウ「飛行竜も判るのか?どのくらい遠くまで?」

 

風竜「個体差はあるがワシは120km先まで判る。だがあの船が出している光はワシのそれより遥かに強く、それに収束している。」

 

スサノウ「……まさか、あの船は遠くの船と魔信以外の方法で通信出来たり、見えない場所を飛んでいる竜を見ることができるのか?」

 

風竜「あそこにいる大きい船4隻ができるようだが小型の船も中々の光を放っておる。」

 

スサノウ「大日本帝國か……凄い国だな…」

 

 

 

 

 

 

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