強化された大日本帝国召喚   作:89式小銃

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第14話 アルタラス沖海戦

11月20日 アルタラス王国から北東130km沖合洋上

 

暖かく晴れた空、風は殆ど無く海は穏やかだった。海鳥は海面に浮かび、のんびりしていた。

そんな平和な海を多数の船が白い航跡を引き南西へと向かっていた。

アルタラス王国侵攻軍のパーパルディア皇軍だった。その数324隻。

100門級戦列艦を含む砲艦211隻、竜母12隻、地竜・馬・陸軍部隊を運ぶ揚陸艦101隻、総勢324隻はアルタラス王国を滅するため南西方向へ向かっていた。

 

シウス「壮観だな。」

 

将軍シウスは、艦隊を眺めながら呟いていた。彼は戦略家であり、冷血、無慈悲な将軍、それが部下達のシウスに対する評価だった。

 

シウス「対空魔振感知器に反応はないか?」

 

艦長「未だありません。」

 

シウス「アルタラス王国海軍は見えるか?」

 

見張り員「未だ視認出来ません。」

 

シウス「まだ来ぬか…対空魔振感知器に反応が出たら竜母から100騎程上空で待機させよ。細かい指示は任せる。」

 

将軍は、対空魔振感知器…いわゆる魔素を利用して飛行するワイバーンを視覚外で発見するために開発された対空レーダーである。レーダーに感があればワイバーンロードを艦隊上空で警戒任務に当たるよう指示する。

 

 

 

 

 

 

 

 

パーパルディア皇軍艦隊から南東に約540kmの海域

 

ボルド「あれが日本軍の艦か…」

 

海軍長ボルドは自身の艦隊の横を航行している大日本帝國の第一航空艦隊を見ていた。彼は、パーパルディア皇軍を迎撃するためアルタラス王国海軍の全兵力56隻を率いてパーパルディア皇軍へと向かっていた。日本艦隊と合流しパーパルディア皇軍を迎撃するためである。

 

ボルド「島のような大きさに多数の巨大な大砲…もしかしたら勝てるのではないか?」

 

艦長「えぇ、ロウリア王国軍を破り、パーパルディア皇国監察軍を打ち破った彼らが居れば安心ですね。」

 

ボルドと艦長は航行している戦艦「金剛」を見つめながら各々が思ったことを呟く。

 

ボルド「しかし、大日本帝國がミ帝や厶ーが保有している機械竜母を保有していることにはいささか驚いたな。」

 

艦長「はい、それにあそこにある機械竜母はほんの一部であり、本土には何十隻もの機械竜母がいることには驚愕しました…」

 

ボルド「あぁ…彼らが味方で良かったと心底から安心した……もし彼らがパーパルディア皇国のような侵略主義や植民地主義の国だったらと思うと…」

 

艦長「ゾッとしますね…」

 

ボルド「そうだな…」

 

 

 

 

 

 

 

大日本帝國海軍 第一航空艦隊

 

アルタラス王国海軍艦隊の横を航行していた第一航空艦隊。空母天城、赤城、翔鶴、瑞鶴、龍驤、黒鳳を中核に戦艦2隻、重巡洋艦2隻、軽巡洋艦3隻、駆逐艦16隻の規模を誇る大日本帝國海軍が前世界に誇った世界最強の航空艦隊である。今回、アルタラス王国と結んだ安全保障条約を適用しパーパルディア皇軍を共同で迎撃するため大湊から出撃したのである。

 

空母「天城」艦橋

 

南雲「今日は快晴だな。」

 

第一航空艦隊司令長官の南雲 忠一が艦橋から空を見上げていた。

 

艦長「長官、偵察機から報告。」

 

南雲「うむ、内容は?」

 

艦長「はっ、艦隊から南東540kmの海域で敵パーパルディア皇国軍艦隊を発見したとのこと。」

 

南雲「規模は?」

 

艦長「戦列艦200隻以上、空母らしき艦12隻、後方に揚陸艦らしき艦100隻以上です。」

 

南雲「空母か…飛行甲板には航空機はあったか?」

 

南雲が懸念を示す。

 

艦長「いえ、ワイバーンが何騎か駐機していたそうです。」

 

南雲「ふむ、なら心配無いな。」

 

航空機では無くワイバーンだったことに安心する。

 

航空参謀「長官、いかがなさいます?」

 

南雲「…攻撃隊発進準備。先制攻撃で敵艦隊を叩く。」

 

航空参謀「了解。艦長、攻撃隊発進準備。」

 

艦長「了解、…攻撃隊発進準備!!」

 

艦長が飛行甲板で待機していた攻撃隊に発進準備を下令する。

 

 

飛行隊長「編隊長、全員集合!!」

 

飛行隊長が招集を掛け、編隊長達が艦橋側面真下にある黒板のところに集合する。黒板にはムー経由で手に入れたパーパルディア皇軍の艦艇の写真が貼られていた。

 

飛行隊長「今回は、我々の初実戦だ。相手は中世並の軍だが決して油断するなよ!!分かったな!!」

 

「「「「おう!!!!」」」」

 

編隊長達が返事をする。

 

飛行隊長「敵艦隊は戦列艦200隻以上、空母らしき艦12隻、揚陸艦らしき艦100隻以上だ。優先目標は、第一に空母、第二に戦列艦、第三に揚陸艦も可能なら叩く。ここまでなにか質問はあるか?」

 

一人の編隊長が手を上げる。

 

編隊長「空母らしき艦が居ると聞きましたが艦載しているのは航空機ですか?」

 

飛行隊長「いや、艦載しているのはワイバーンだ。」

 

編隊長「なるほど、それなら大丈夫ですね。」

 

飛行隊長「ああ。…他に質問がある者は居ないか?」

 

誰も手を上げない。

 

飛行隊長「よし、編隊長含む各編隊の乗員は機体に乗り込み計器の確認をしろ。その後は命令があるまで待機だ。分かったな!!」

 

「「「「おう!!!!」」」」

 

飛行隊長「よし!かかれ!!」

 

編隊長達や部下の搭乗員達は自身の乗機に乗り込み計器を点検する。その機体の下では整備士達が爆弾やロケット弾の安全装置を取り外していた。上空では、艦隊上空護衛を担う龍驤と黒鳳の艦上戦闘機が警戒をしている。

 

 

 

20分後

 

艦長「航空参謀長、全機発進準備が整いました。」

 

艦長が航空参謀に報告する。

 

航空参謀「わかった。長官、全機発進準備が整いました。いつでも出撃できます。」

 

南雲「うむ、…攻撃隊発進!!」

 

航空参謀「了解!艦長、攻撃隊発進開始!!!」

 

艦長「了解!攻撃隊発進開始!!」

 

艦長が部下達に命令する。

 

 

 

飛行甲板 カタパルト付近

 

天城型には油圧式カタパルトが2基装備されており、カタパルト上では艦上戦闘機「烈風」2機が発進を待っていた。

 

シグナル・コントロール・オペレーター(SOC)「最終射出準備よし!!」

 

SOCが射出機操作員に最終射出準備を通達する。

 

操作員「了解!!」

 

操作員が計器の最終チェックを行う。烈風の近くでは、発着艦士官が艦首方向を指差し搭乗員に射出の合図を送り、搭乗員は射出時の衝撃に備える。

 

SOC「射出開始!!」

 

操作員「了解!射出開始!!」

 

操作員が制御装置の射出レバーを引き射出機が始動する。

射出機片方の烈風一機は物凄い勢いで加速し、母艦から発艦する。もう片方の烈風も加速し母艦から発艦する。発進し終えた射出機2基の後ろには次に発艦する艦載機が待機しておりその艦載機も短時間で発艦した。

30分後、4隻の正規空母から烈風72機、彗星72機、流星48機の合計192機の攻撃隊が発進しパーパルディア皇軍を攻撃するため現場海域に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間後 パーパルディア皇軍艦隊 竜母イピリア

 

艦長「今日は、快晴だな。そう思わないか?」

 

副艦長「はい、アルタラス王国軍を滅ぼす絶好の日です。」

 

艦長「そうか……正直、俺はアルタラス王国とかフェン王国とかどうでも良いんだがな…」

 

副艦長「というと?」

 

艦長「俺は、軍に入る前までは普通の商人だったんだがある日、突然軍に招集されてな…地獄のような訓練を毎日やりたくないのに続けて最終的にはこの竜母イピリアの艦長という重役に突然なってそれから上層部が嫌いになったよ…」

 

副艦長「な、なるほど…」

 

自身も同じような経験をしているため心の中で艦長に同情する。

 

艦長「見張り員、敵艦隊は見えたか?」

 

見張り員「いえ、船どころか海魔一匹もいまs……ん?…上空に何かいます!」

 

見張り員が上空を指差し艦長らも上空を見上げる。そこにはワイバーンではない何かが飛んでいた。

 

艦長「……確かに何かいるな…鳥か?いや…光っているから鳥では無いな…一体なんだ?」

 

するとその飛行物体は急降下を開始しこちらに向かってくる。そして腹の部分から黒い何かを投下する。

 

艦長「ん?何かを落としたな…」

 

副艦長「糞か何かですかn…」

 

直後、彗星から投下された500kg爆弾は艦長達が居る場所に命中し爆発。熱や爆風が艦を襲い、艦長や副艦長を消し飛ばし帆や駐機していたワイバーンを薙ぎ倒す。木製船体は真っ二つに折れ生き残っていた乗員もろとも深い海に引き摺り込まれていく。

 

 

 

 

シウス「な…何が起こったんだ……」

 

突然のことにシウスは呆然とする。すると見張り員から悲鳴のような報告をうける。

 

見張り員「敵、急降下ぁ!!!」

 

シウス「なんだと!?」

 

上空には無数の機体が見え既に何機か急降下を開始していた。

 

 

 

飛行隊長「中島の奴、先走りやがったな。全隊にト連送!全軍突撃!!」

 

飛行隊長は自らが流星に搭乗して参加し、後ろに搭乗している後方機銃手兼通信手にト連送を全飛行部隊に送信するよう指示する。

 

ト・ト・ト・ト・ト

 

飛行隊長「旗艦天城に打電!トラ・トラ・トラ!!われ奇襲に成功せり!!」

 

トラ・トラ・トラ

 

通信手がチャンネルを旗艦に変更し、奇襲成功を意味する暗号略号、トラ・トラ・トラを打電する。

直後、前方の急降下爆撃隊が竜母、戦列艦に向かって獲物に襲いかかる狼の如く急降下し500kg爆弾を投下していく。

 

ドゴォン!!ドゴォン!!ドゴォン!!

 

竜母や戦列艦は次々と被弾し轟沈していく。竜母は積極的に狙われ、最初の攻撃で全12隻が轟沈し、戦列艦も攻撃した急降下爆撃と同数の60隻が轟沈し急降下爆撃隊の命中率は100%の域に達していた。

 

見張り員「り、竜母全艦轟沈!!せ、戦列艦60隻轟沈!!」

 

シウス「な…な…な……」

 

一回の攻撃とは思えない損害の大きさや敵の技量に驚愕する。シウスが驚くのも束の間、第二陣の流星による急降下爆撃が始まる。

 

シウス「は、早くあいつらを撃ち落とせ!!」

 

艦長「無理です!本艦には船を攻撃する魔導砲しか有りませんしワイバーンも竜母と共に沈んでしまいました!」

 

シウス「おのれぇ…!!」

 

会話をしている間にも攻撃は続き烈風の機銃掃射も加わり艦隊は甚大な被害を被っており、気付いた頃には戦列艦12隻、揚陸艦72隻まで減っていた。

 

シウス「……撤退だ。」

 

艦長「し、しかし…」

 

シウス「我々にはあれを攻撃できる武器やワイバーンは無い…これ以上戦ったら無駄な被害を出してしまう。」

 

艦長「くっ………了解…」

 

艦長は渋々承認し、魔信にて残存艦隊に撤退を下令する。

 

 

シウス「今回、攻撃してきた飛行物体はムーの飛行機械に似ていた……まさか、ムーが関わっている…?」

 

 

 

 

 

 

 

第一航空艦隊 空母「天城」艦橋

 

艦長「長官、攻撃隊より連絡。」

 

南雲「内容は?」

 

艦長「はっ、[敵艦隊ガ撤退ヲ開始。攻撃意思ハ無イト認厶。コレヨリ帰還ス]…以上です。」

 

「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」

 

中世並の軍相手だが勝利したことには違いないので艦橋内に歓声が響き渡る。

 

南雲「うむ、上出来だな。」

 

南雲の表情が少し笑顔になる。

 

艦長「追加で戦果報告があります。」

 

南雲「読み上げたまえ。」

 

艦長「はっ、竜母12隻全艦撃沈、戦列艦199隻撃沈、揚陸艦29隻撃沈。以上です。」

 

南雲「流石、一航戦と二航戦だ。第一主力艦隊に引けを取らない戦果を挙げたな。」

 

再度、笑顔になる。

 

南雲「アルタラス王国海軍の司令官にこのことを連絡しろ。」

 

艦長「はっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

アルタラス王国海軍

 

艦長「ボルド将軍、日本海軍艦隊より連絡が来ました。」

 

ボルドが椅子に座り、大日本帝國産の緑茶を飲みながらくつろいでいた。

 

ボルド「[ズズズ]…ふぅ…やっと来たか…内容は?」

 

艦長「そ、それが……パーパルディア皇軍を撃退したとのこと…」

 

直後、ボルドの身体が硬直する。

 

ボルド「パーパルディア皇軍を撃退?それは本当か?」

 

艦長「はい…彼らによれば竜母12隻全艦撃沈、戦列艦199隻撃沈、揚陸艦29隻撃沈の戦果を挙げたとのこと…」

 

ボルド「…………艦長。」

 

艦長「は、はい!」

 

ボルド「日本海軍艦隊の司令官に感謝すると伝えてくれ。あと、このことを上層部に報告するのだ。」

 

艦長「は、はっ!!」

 

艦長は部下に指示する。

 

ボルド「大日本帝國…きっと世界に名を馳せる国家になるぞ…!」

 

 

 

こうしてアルタラス沖海戦は終結し、アルタラス王国海軍及び日本海軍が無傷なのに対しパーパルディア皇国は竜母12隻、戦列艦199隻、揚陸艦29隻の合計240隻を一海戦で失う大敗北を皇国は味わうのであった。

 

 

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