強化された大日本帝国召喚   作:89式小銃

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第35話 追い詰められる皇国

 

 

中央暦1640年

 

パーパルディア皇国 皇都エストシラント

 

暗い雲がエストシラントの空を覆い、雨が降り注いでいる中、日本艦隊の艦砲射撃によって破壊された建物の瓦礫を皇国臣民達が協力して撤去に当たっていた。

 

 

「ニ丁目のアルマスとこの子供二人も攻撃で亡くなったみたいだ…」

 

とある場所で二人の男が作業しながら話を交わしていた。

 

「可哀そうにな…二人ともまだ4歳だったんだろ?」

 

「ああ…遺体も見つかってないそうだ…奥さんもショックで立ち直れてないみたいだ…」

 

「気の毒に…あんなに可愛がっていた子供二人を突然亡くすなんて…」

 

 

 

「クソッ!!なんで俺達がこんな目に遭わないといけないんだ!!」

 

すると一人の男の怒号が辺りに響き渡る。

 

「皇族と軍が日本に戦争を吹っ掛けなかったらこんな目には遭わなかった!!」

 

「そうだ!!全て皇室と軍のせいだ!!」

 

「これ以上皇室と軍の好きにさせてたまるか!!」

 

「そうだ!!そうだ!!」

 

辺りは雨音や作業する音から皇室と軍に対する反感の声へと変わっていく。

 

「…この調子じゃ、皇国は終わりだな…」

 

「俺達はこの先どうなるんだろうな…」

 

「さぁな…」

 

戦争が終わったら自分達はどうなるのは考えながら二人は作業を続ける。

 

各地の皇国臣民達の皇族や軍に対する不満はどんどん募っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルパーサ「只今より緊急帝前会議を始めます」

 

その頃、皇城のとある部屋では皇帝ルディアスや皇族関係者、軍・外務局上層部の人間が参加する緊急帝前会議が始まろうとしていた。

 

ルディアス「…レミールとカイオスはどうした?」

 

本来なら皇室であるレミールと第三外務局局長のカイオスも御前会議に参加する予定だが今日は二人の姿が無かった。

 

ルパーサ「カイオス邸のメイドによるとカイオスは、体調を崩して邸宅の自室で休んでいるようです。」

 

そう言うがメイドの言った事、実は嘘であり本当は邸宅地下室でクーデター作戦の内容を秘密裏に潜入した特務機関員、皇国内の協力者と共に練っていた。

 

ルパーサ「そしてレミール様ですが。御方も前回の会議の途中に体調を崩され、現在は御邸宅でお休みになられています。」

 

レミールは連合艦隊分遣部隊による艦砲射撃の後、第一外務局で行われた会議に参加したが過度なストレス、睡眠不足、栄誉失調が重なり会議中に倒れ、現在は自身の邸宅で療養中だった。

 

ルディアス「そうか…では帝前会議を始めるとしよう。まず現在の皇国軍の状況について教えてくれ。」

 

そう言うと艦砲射撃によって戦死した皇国軍最高司令官バルスの代わりに皇国軍最高司令官の位に就いた皇都エストシラント防衛基地司令メイガが席を立ち上がる。

 

メイガ「はっ…はっきり言って皇国軍は壊滅状況です…」

 

遠慮気味に話し出す。

 

メイガ「アルタラス王国沖、フェン王国沖、そしてエストシラント沖の3度に渡る日本海軍との海戦で皇国海軍は開戦時に保有していた艦艇の殆どを損失。現在の残存艦艇は、竜母25隻、100門級戦列艦8隻、80門級戦列艦6隻、50門級戦列艦8隻の計47隻しか残存しておりません。そして日本海軍の艦を1隻も沈めれておりません…」

 

巨大な竜母や150門級戦列艦を含めた700隻もの数を有する規模を誇り、第三文明圏最強だった皇国海軍は今や堕落し、かつての栄光を失っていた。

 

メイガ「そして陸軍もアルーニ、デュロ、パースネウスに在する大規模基地以外にも10以上の基地が壊滅し死傷者28万人。魔導砲や地竜、魔導砲などいくつもの兵器が殆ど破壊され壊滅状態です…」

 

ルディアス「唯一無事なのは皇都近郊にある皇都防衛隊の基地だけか…」

 

第三文明圏で最大最強を誇り、地竜や銃、魔導砲などを多数保有していた皇国陸軍も今や空襲によって国内の殆どの基地を破壊され、死傷者28万人を出し機能不全に陥っていた。

 

メイガ「海軍が壊滅し制海権を奪われた結果、日本軍は大部隊をもって皇国東地域一帯に上陸。東海岸に位置する工業都市デュロは僅か1日で陥落し、司令官のストリーム他多数の陸将が戦死しました…」

 

ルディアス「デュロが落ちたか…」

 

デュロは皇国の武器工場とも呼ばれ、皇国軍を影で支えていた重要な都市だった。

だがそのデュロが陥落した今、銃や使用する弾薬、魔導砲などの生産が不可能になった。

 

メイガ「また、昨日に属領が一斉蜂起。73ヵ国連合軍を名乗り連合軍約1万は軍都アルーニに攻撃を開始しました。」

 

ルディアス「属領が蜂起か…だが、たかが烏合の衆、じきに皇国軍によって殲滅されるだろう。」

 

メイガ「そ、それが…」

 

ルディアス「?何だ?申してみよ。」

 

メイガ「はっ…蜂起した73ヵ国連合軍が何故か銃らしき武器を装備しており、マルータやクーズに駐屯していた臣民統治機構は壊滅…そしてアルーニも陥落致しました…」

 

「「「!?!?!?」」」

 

部屋に衝撃が走る。

いくら数が多いと言えど相手は大した武器を持っていない烏合の衆である反乱軍。だがその反乱軍に2つの臣民統治機構が壊滅し、軍都アルーニが陥落するなどあってはならない事が起こってしまった。

 

ルディアス「アルーニが陥落だと…?たかが寄せ集めの反乱軍にか…?」

 

メイガ「はい…左様でございます…」

 

ルディアス「な、なんてことだ…」

 

あまりの衝撃に目眩を起こす。

 

 

 

バタンッ!!

 

すると部屋の扉が勢いよく開かれ、一人の軍人が乱れた呼吸を整えてながら部屋に入る。

 

「何用だ!!今は帝前会議中だ!!さっさとこの場から立ち去れ!!」

 

皇族の人間が突然の入室に怒りを表すが…

 

「ほ、報告致します!!先ほどリーム王国より連絡があり、我が国に対し宣戦布告するとのことです!!」

 

 

 

 

 

 

パーパルディア皇国 北東国境部

 

「誰か弾をくれ!!」

 

「もう残ってない!!」

 

「ぐあっ!!う、腕がぁ!!」

 

「誰か!!衛生兵を呼べ!!」

 

リーム王国との国境沿いに掘られた塹壕ではパーパルディア皇国軍兵が迫りくるリーム王国軍相手に必死に防衛戦を行っていた。

 

「クソッ!!敵の数が多すぎるっ!!」

 

「リームの奴らめ!!いきなり奇襲しやがって!!」

 

「つべこべ言わずさっさと反撃しろ!!」

 

将校の一人が喋っている兵達を怒鳴る。

 

「援軍はまだなんですか!?」

 

「知らん!!逆に欲しいくらいだ!!」

 

リーム王国と接する国境を警備していたのは国境守備隊約2500。対するリーム王国軍は25倍の62500。更に後方には騎兵、竜騎士隊を含む主力部隊13万の大部隊が進軍していた。数に劣る皇国軍はマスケット銃や数が少ない魔導砲を使用して次々とリーム兵を倒していたが劣勢なのは変わらず、一部の塹壕では白兵戦が行われていた。

 

「!!上空に敵騎!!」

 

一人の兵の叫びに全員が空を見上げる。そこには上空をゆうゆうと飛ぶリーム王国軍竜騎士隊の姿があった。

 

「て、敵騎急降下ぁぁ!!」

 

すると竜騎士隊は、こちらに目掛けて急降下してくる。

何人かの皇国兵が竜騎士隊に向けてマスケット銃を射撃するが弾道が不安定な弾が当たるはずも無く、竜騎士隊は降下を続ける。そしてワイバーンの口が開き、導力火炎弾が形成されていく。

 

「退避ぃ!!退避ぃ!!」

 

塹壕内の兵が逃げ惑うがワイバーン隊は、形成された火炎弾を容赦なく発射。数十発の火炎弾は逃げ惑う皇国兵の集団に直撃し、何十人もの皇国軍兵が命を散らす。

 

 

 

カルマ「圧倒的ではないか!我が王国軍は!!」

 

先遣部隊を指揮するカルマは軍馬に乗り、自国軍の勇姿を観察していた。

 

カルマ「皇国軍など恐れるに足らず!王国軍よ!皇国の地を駆けろ!抵抗する皇国兵を蹴散らせ!リーム王国のため、バンクス国王様のため全力を尽くすのだ!!」

 

「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

「リーム王国軍およそ20万の大部隊は国境を越境し、北東部一帯を進軍中です!防衛していた国境守備隊は全滅!」

 

「リームの蛮族どもめぇ!!」

 

「皇国軍はどうしているのだ!!さっさと防衛に向かわせろ!!」

 

突然の宣戦布告と奇襲攻撃に皇族や軍関係者は怒り狂っていた。

 

ルディアス「うぅっ……」バタッ

 

突如、ルディアスが意識を失い床に倒れる。

 

メイガ「陛下!?大丈夫ですか!?」

 

ルディアスの元に駆け寄り、大声で呼びかけるが応答が無かった。

 

エルト「専属医を至急呼べ!!至急だ!!」

 

メイガ「大丈夫ですか陛下!?陛下!!陛下ぁ!!」

 

 

 

 

ルディアスが倒れた事によって緊急帝前会議は中断。

 

陸海軍の全滅、皇国本土への敵軍上陸、属領の反乱、リーム王国の参戦、そしてルディアスが倒れた事により皇族や軍・外交関係者の精神は限界を迎えかけていた。

 

 

 

 

 

 

 

大日本帝國 帝都東京 陸軍省

 

本田「リーム王国がパーパルディア皇国に宣戦布告、参戦しただと?」

 

大尉「はい、現地に潜入している特務機関からの報告です。すでにリーム王国軍は国境を守備していた皇国軍を撃破、南下を開始しております。」

 

大尉「我が陸海軍の攻撃で皇国が疲弊しているところを付け狙ったか…」

 

リーム王国の漁夫の利とも捉えれる参戦に嫌悪感を抱く。

 

大尉「また、蜂起した73ヵ国連合軍はアルーニを占領、一部の兵力を残し南下、敵都市パールネウスに向けて進軍中です。」

 

本田「九九式小銃や100式機関短銃など銃火器だけの武器支援だけだったがまさかここまで順調だとはな。」

 

予想よりも遥かに早い属領連合軍の侵攻ペースに驚く。

 

本田「ところでアベーラ合衆国が派遣してくれた陸軍部隊はどうだ?」

 

大尉「現地の陸軍部隊によると大活躍のようです。特に戦車部隊はティーガーⅠ・Ⅱを装備する我が陸軍の精鋭、戦車第4師団に匹敵する技量を持っているようです。」

 

本田「ほう、それは今後、良きライバルとなるだろうな。…ところで()()()()はどうなっている?」

 

大尉「順調に進んでおります。あとは弾薬を輸送するだけなので1週間後に作戦開始が可能でしょう。」

 

本田「皇国第三外務局局長カイオスによるクーデター作戦。成功すれば滅亡の道を回避、失敗すれば身内共々処刑され、皇国はいずれ滅亡…まさに運命のデスゲームだな。」

 

大尉「カイオス殿が指揮するクーデター部隊には銃火器を始め、九五式軽戦車や九七式中戦車などの車輌も供与しているので余程のことが無い限り、失敗は無いでしょう。」

 

本田「それもそうだな。ところで君は今年の6月で退官予定だったな?」

 

大尉「はい、退官後は台湾の高校で数学科の教師をしようと思っています。」

 

本田「数学の教師か、将来の日本を支える優秀な若者達を育ててくれたまえ。」

 

大尉「ありがとう御座います。」

 

本田「さて、仕事を続けるとしよう。」

 

 

 

 

 

to be Continued

 

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