強化された大日本帝国召喚   作:89式小銃

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どもども、89式小銃です。

皆様お久しぶりです。話が纏まらない内に1ヶ月も経ってしまいました…お待たせしてしまって申し訳御座いません…
ここ最近、インフルに感染してしまったり仕事が忙しかったり自衛隊の駐屯地に行ったりと、いろんな意味で疲れ果てていました。

さてパーパルディア編も残り少なくなってまいりました。これからも本作品をどうぞよろしくお願い致します。

それではどうぞ


第37話 クーデター②

 

 

大日本帝国 帝都東京

 

首相官邸 総理執務室

 

本田「……分かった。首相に伝えておく。引き続き情報収集を続けてくれ。」

 

受話器を戻し、電話を切る。

 

本田「総理、特務機関より連絡です。先ほどパーパルディア皇国エストシラントで第3外務局局長によるクーデター作戦が開始したと。」

 

山内「そうか…いよいよ戦争が終わるんだな…」

 

パーパルディア皇国との戦争が始まって2ヵ月25日、長くとも短くない戦争の終焉が近づいていた。

 

鈴木「民族浄化を掲げていたロウリア王国に前世界のソビエトのような覇権主義のパーパルディア…この世界にはこのような国ばかりなんですかね…」

 

食料と資源を供給してくれているクワ・トイネ王国とクイラ王国、大昔の友好国であったムー国、アルタラス王国、フェン王国、ガハラ神国以外にまともな国を聞いたことない鈴木は、思わず本音を漏らす。

 

山内「はは…外務省は大変だな…」

 

外務大臣の言葉に苦笑するしかなかった。

 

 

山内「ところで陸軍大臣。現状の我が方の被害はどのぐらい出ているんだ?」

 

本田「はっ。開戦当初から連戦連勝を続けている我が皇軍ですが、パーパルディア皇国軍のゲリラ戦によって多少の被害が出ており、確認できるだけで300名以上の戦死者、装甲車輌数台大破の被害が出ております。」

 

山内「300名か…」

 

一部のパーパルディア皇国軍の、ゲリラ戦術を活用した頑強な抵抗により、進軍している日本軍にも少なくない被害が出ていた。

 

鈴木「日ソ紛争以来の大きな被害ですね…」

 

外務大臣の鈴木が呟く。

 

山内「まだまだ油断はできないということだな」

 

油断大敵と言う言葉が似合う状況だった。

 

本田「また、2日前の情報ですがパーパルディア皇国近海で潜水艦1隻が消息を絶ったと海軍大臣から連絡がありました。」

 

通称"伊1402事件"と呼ばれる日本海軍潜水艦『伊号第1402潜水艦』が突如として消息を絶った出来事が海軍内で話題になっていた。

 

本田「我が陸軍も航空機を使用し、海軍と合同で捜索していますが未だ消息を掴めておりません。原因は不明ですが恐らく海魔の類に襲われ、沈没したかと。」

 

山内「海魔か…その可能性が高いな。」

 

転移当初、海魔による船舶の被害は酷い物であり、1月には合計40隻以上の船舶が海魔によって沈めれられた。その中には悲劇の豪華客船「ヴィルヘルム・グストロフ号」等の客船やタンカー、そして沈められた中には旧式駆逐艦や海防艦等の海軍艦艇も含まれていた。

そして、海魔はクジラ系海魔に似た潜水艦を積極的に襲う特性があり、現在までに4隻の潜水艦が沈没させられている。

 

本田「もし海魔の類に襲われたのなら、乗員の生存は絶望的です。」

 

山内「そうか…陸軍は引き続き、海軍と協力して捜索に当たってくれ。」

 

本田「了解しました。全力を挙げて捜索に務めます。」

 

山内「そして外務大臣、パーパルディア皇国戦後処理について明日までに纏めてくれ」

 

鈴木「明日まで……分かりました…」

 

相当ハードルが高い指示だったが、渋々了承する。

 

 

山内「…二人とも今日の夜、空いているか?」

 

首相の突然の問いに困惑しながらも答える。

 

鈴木「?夜なら空いていますが。」

 

本田「どうかしましたか?」

 

山内「開戦時から二人には苦労させてばかりだからな。私だけが知っている秘密の居酒屋があるのだが、そこで奢ってあげようと言う話なのだが。」

 

"奢り"と言う言葉に二人は素早く反応する。

 

鈴木「良いのですか!?」

 

山内「ああ。ただし、他の大臣達には口外無用だぞ?」

 

鈴木「分かりました!!」

 

本田「では、今夜はご馳走になります。」

 

 

三人の小さな会議が終わる。

 

 

戦乱で荒れたパーパルディア皇国でいつ死ぬか分からない日々に怯えながら過ごしている皇国臣民とは反対に、戦火の火が及んでいない日本国内では国民がいつもと変わらない平和な日常を過ごしていた。

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

皇都エストシラント 第一外務局

 

 

ドォン!!

 

第一外務局の出入り口扉が勢いよく開けられ、何十人もの皇国兵が堂々と侵入する。

クーデター兵達の腕には敵味方識別のため、暗闇でも目立つ白色の布が巻かれており、日本軍から貸与された九九式小銃や100式機関短銃等で武装していた。

 

「なんだ!?なんだ!?」

 

「なんで皇国兵が第一外務局に!?」

 

突然の出来事にエントランスに居た職員達は混乱する。

 

「全員動くな!!手を頭の上にやり、膝をつけ!!」

 

下士官の一人が大声を上げて職員達を威嚇する。

 

「ふざけるな!!」

 

「俺達をなんだと思ってる!!第一外務局の職員だぞ!!たかが皇国軍の下士官ごときが俺達に口出しするな!!」

 

「そうだそうだ!!」

 

下士官の言葉に職員らが怒り、抗議するが…

 

 

パァン!!

 

エントランスに銃声が鳴り響く。下士官の手にしていたコルトM1903の銃口からは硝煙が立ち昇っていた。

 

「ひぃぃぃ!!」

 

「う、撃ちやがった…!!」

 

本当に撃つとは思わなかった職員達は腰を抜かして、床にへたりこむ。

 

「大人しくしろ!反抗する者は容赦なく射殺する!!いいな!!」

 

下士官の言葉に、職員達は青ざめた顔を縦に振って了承する。

 

 

 

 

同施設 局長室

 

エルト「お前達、これは一体どういうことだ。」

 

局長室で執務をしていたエルトの元に皇国近衛兵数名が押し入り、エルトを囲むように立つ。

 

「申し訳御座いません、エルト様。事態が終息するまでしばらく拘束させて頂きます。」

 

近衛兵の一人がエルトに歩み寄る。

 

エルト「…なるほどな、クーデターか。」

 

近衛兵の言葉から、クーデターだと確信する。

 

「皇帝陛下及び皇族関係者そして軍上層部が引き起こした戦争によって我がパーパルディア皇国は滅亡の道を進んでおります。このまま戦争が続けば日本軍、73ヵ国連合軍、リーム王国軍によっていずれ我が皇国は滅亡するでしょう。そのような結末からこの皇国と2000万人以上の臣民を救うため、我々が立ち上がったのです。」

 

エルト「はっ。もし仮にクーデターが成功したとしても、どうやって日本軍の侵攻を止める?戦後処理はどうする?具体案はあるのか?」

 

鼻で笑い、後先のことを考えていないであろう近衛兵達に尋ねる。

 

「あります。すでに日本帝国と秘密裏に話をつけており、クーデターが成功した暁には日本軍及び73ヵ国連合軍、リーム王国軍の侵攻が止まるようになっており、また戦後処理についてもある程度、話をつけております。」

 

エルト「…お前達がそこまで動いていたとはな。」

 

先を予想しているかのような素早い行動力に軽く驚く。

 

「…では、拘束させて頂きます。」

 

近衛兵の一人がロープを用意する。

 

エルト「最後に一つ聞くが、首謀者は誰だ?」

 

「………カイオス様です。」

 

首謀者であるカイオスの名を出すか迷ったが、別に明かしても作戦行動には問題無いため、首謀者であるカイオスの名を告げる。

 

エルト「カイオスか…妥当な人物だな。」

 

以前から猛烈な反皇族主義なことでエルトを含む一部の人間から知られていたカイオスだったため、カイオスがクーデターを起こした事に納得する。

 

「…拘束しろ。御丁寧に扱うんだ。」

 

命令を受けた近衛兵がロープでエルトの腕を椅子に拘束する。

 

 

午前1時32分

 

第一、第二外務局制圧

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

皇城 皇帝自室

 

 

カイオス「(ルディアス…)」

 

カイオスの視線の先に居たのはゲッソリと痩せ細って衰弱し、ベットに寝たきりになっている威勢を失くしたルディアスの姿だった。

周りには専属医の他に近衛兵数人がルディアスを取り囲んでいた。

 

ルディアス「カイ…オス…か…」

 

掠れた声でカイオスの名を呼ぶ。

 

ルディアス「この期に及んで…革命ごっこ…か…」

 

カイオス「革命ごっこではありません。我々は滅亡から皇国を、臣民を救うため立ち上がったのです。」

 

ルディアス「外務官である…お前に…何ができる…ゴホッゴホッ…皇国が列強に登り詰めたのは…ゴホッ…余の政策のおかげであるの…だぞ…」

 

カイオス「確かに陛下の政策によって、小さな文明国だった我が国は僅かな期間で五大列強の一員にまで登り詰めました。皇国の歴史に載る偉業でしょう。」

 

一息つき数秒考えた後、意を決し、話を続ける。

 

カイオス「ですが、属領を搾取し続けた事によって現地で反感が増大し、結果として今回の一斉反乱に陥りました。そして他国の意思を無視した強硬外交によって、あらぬ争いを招いてしまったのです。」

 

ルディアス「………」

 

カイオス「………」

 

無音の時間が続き、しばらくしてルディアスが口を開く。

 

ルディアス「そう…か…」

 

ルディアスは怒鳴ったり反論したりしなかった。予想外の事にカイオスは平面では普通の態度を装っていたが内心では驚愕していた。

 

ルディアス「前々から…薄々…感じていたのだ…これ以上の拡大は…無茶だとな…ゴホッ…」

 

ルディアス自身も無理な領土拡大に無茶を感じ始め、政策を切り替えることも考えていた。

だが、自身の資産が少なくなると考えた皇族と、軍事予算が少なくなると考えた軍部が猛反対したため、仕方なく覇権政策を現在まで続けていた。

 

ルディアス「っ…ゴホッゴホッ!!」

 

すると激しく咳き込み、吐血する。

 

ルディアス「ゴホッ……どうやら…不治の病…らしい…余の命は…もう…保つまい…」

 

"悪性腫瘍"いわゆるガンだった。

地球の中世後期頃の医療技術である皇国の医学では、不治の病とされ、治療が殆ど不可能に近かった。

 

ルディアス「カイ…オス…ゴホッ…」

 

カイオス「何でしょうか?」

 

ルディアス「この国の未来を…お前に託す…皇国を…臣民を…滅亡から…必ず救うのだ……」

 

カイオス「…承知致しました。」

 

皇帝の最後の願いを聞き入れる。

 

ルディアス「…感謝……する……ぞ…」

 

そう言い安心した表情を見せた後、目を閉じていき静かにこの世を去っていく。

第三文明圏の国々を蹂躙したエンペラー(皇帝)の死の瞬間であった。

 

カイオス「…ルディアス、間違えた道を進まなければ民衆に愛され、世界に認められる皇帝となったはずだろう。」

 

そう言い残すと静かに部屋を去っていく。

 

 

午前1時54分

 

皇帝ルディアス死亡

 

 

午前1時56分

 

皇城制圧

 

 

 

 

 

to be Continued

 





次回

人生RTAレミール!!

御愛読ありがとう御座います!!
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