強化された大日本帝国召喚   作:89式小銃

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話の内容が上手く纏められず、前の投稿から2ヶ月以上も過ぎてしまいました…長らく次回をお待ち頂いた読者の皆様には誠に申し訳御座いません…以後はなるべく早めに投稿できるよう自分も尽力致します。

さて、今回でパーパルディア皇国編が終了致しました。次回からは戦間期編へと移行し、各国の動きや大日本帝国内の様子などを予定しております。
グラ・バルカス帝国編まではまだ遠いですが気長にお待ち頂けましたら幸いです。

それではどうぞ



第40話 台南講話条約

 

 

中央暦1640年4月1日

 

大日本帝国領台湾

 

 

日清戦争の講和条約である下関条約によって清から獲得した『台湾』

その統治中枢機能が集中する台南州台北市にある台湾総督府庁舎で講和会議が行われようとしていた。

 

会場となっている中華風の装飾が施された会議室には臨時政府元首カイオス、第一外務局局長エルト、元皇国軍最高司令官アルデ、現皇国軍最高司令官メイガ。そして戦勝国代表となった大日本帝国の講和会議団らの姿があった。

 

アルデ「(いったいどういった要求をするのか…)」

 

エルト「(多額の賠償金か国土の割譲か…それとも全臣民の奴隷化か…まったく見当がつかないな…)」

 

侵略主義に切り替わって以降、パーパルディア皇国は敗戦を経験していないため講和条件の予想がつかないでいた。

講和会議には貴族院議長早川 國吉と外務大臣荒木 輝昭の両名他数名が出席し早川貴族院議長は内閣総理大臣より講和会議に対する全権を帯びている。

 

_______________________________

 

「では、只今より講和会議を始めます。」

 

荒木の発言で講和会議が開催される。

最初に貴族院議長の早川が発言する。

 

早川「まず最初に言っておく。貴方方パーパルディア皇国は数多もの国々を滅ぼして何十万人もの人々を虐殺し、そして我が国の国民203名をも虐殺した。それ相応の要求を覚悟してもらいたい。」

 

カイオス「ああ、分かった。」

 

早川「では、大日本帝国はパーパルディア皇国に対し8つの要項を要求する。」

 

おとといの3月30日に開催された戦勝国会談にて決められたパーパルディア皇国に対する要求事項が書かれた紙が配られ、エルトらが拝見する。

そして要求事項を閲覧していくエルトらの表情がだんだん青ざめていく。

 

エルト「な…なんなんだこれは…!?」

 

 

1、賠償金として9000億パソの支払い

 

昨年の皇国政治年間予算が80億であることを考えると9000億パソという価格はパーパルディアからしてみれば天文学的数字に近い数値だった。これを年間80億ずつ返済するとなれば約112年もかかることになる。

さらに80億の数字は属領経済も含んでいるため皇国単独の政治年間予算は65億パソとなり、年間65億ずつ返済するとすればおよそ138年もかかる計算になる。

一応、せめてもの慈悲で返済期間は設けていないが後のカイオス政権で政治運営の重たい足枷となる。

 

 

2、属領全ての独立承認及び権利、権限、請求権の放棄

 

実質的に戦前獲得していた属領の全てを手放し、今後一切関わってはいけないという内容だった。

パーパルディア皇国は鉱山資源に食料、魔石、人材に至るまでの経済のほぼ大半を属領に頼っていた。

開戦前は約7000万人もの人口を誇っていたがこの数値は属領の人口を含んでおり、属領の人口を除けばパーパルディア皇国の実質的な人口は約3700万人。属領全てを失うということは皇国の必然的な衰退を意味していた。

 

 

3、全期間を通して戦争犯罪に加担した全関係者及び全皇室家とその関係者の引き渡し

 

現在、帝国陸軍憲兵部と警察庁が共同して戦争犯罪者リストを作成しており、罪が重い順から特甲→甲→乙→丙に分けている。

リストにはニシノミヤコ日本人虐殺事件の首謀者であり日パ戦争を引き起したレミール、皇国軍最高司令官アルデ、臣民統治機構長パーラス、アルタラス王国駐在大使ブリガスらの名が載っており、最終的に計1500人以上の者が処罰される予定である。

なお、これら犯罪者の裁判権及び身柄はその者が侵した罪の内容で各国に振り分けられることになっている。

 

 

4、皇国陸海軍の解体

 

陸軍は3分の2以上の戦力を失い海軍は数隻を残して壊滅している状況でもはや解体する意味すら無いが後々反乱を起こされても困るので陸海軍の武器を全て接収し残存艦艇は全て海没処分。生き残った地龍32頭とワイバーンオーバーロード50頭を殺処分し、戦闘行為を行えないように徹底的にすることとしている。

しばらくは現地に駐屯させる予定の陸軍3個師団及び現地の警察組織にパーパルディアの防衛と治安維持を任せる予定だが、リーム王国と言う()()()()が存在しているため今後3年以内に自国防衛を目的とした後継の軍事組織設立を計画している。

 

 

5、パルサ地区の300年租借

 

侵攻時、偶然にも陸軍の測量部隊によってパルサ地区地下に膨大な量の資源が眠っているのが判明した。

具体的に石油、石炭、ボーキサイト、ニッケル、錫、タングステン、アンチモンなど数種の戦略資源が手つかずで残っており石油や石炭に関しては大日本帝国を150年以上支えることができるほどの埋蔵量と予測された。

現在、大日本帝国は資源供給をクイラ王国一国に頼っている状況であり、資源面での安全保障の面から資源供給箇所を増やしておきたい政府の意図でパルサ地区の長期租借が決定された。

なお、当地区には約30万人のパーパルディア人が居住しているが適当な理由を付けて16日以内に全員の退去を行うようにと補足されている。

 

上記以外の3つの項目も到底受け入れられない内容となっていた。

 

エルト「きゅ、9000億パソの賠償金にパルサ地区の300年租借だと!?」

 

メイガ「これらを全て飲み込めと言うのか!?」

 

早川「あぁ、そうだ。」

 

きっぱりと答える。

 

エルト「ま、待ってくれないか!?」

 

常識の範疇を超えた内容に耐えかねたエルトが待ったをかける。

 

エルト「9000億パソの賠償金はいくらなんでも高過ぎる!!以前の我が皇国の年間予算でも80億パソなんだ!!とても払える金額じゃない!!」

 

メイガ「パルサ地区の租借も300年間と長過ぎる!!それにパルサ地区には30万人の臣民が住んでいるんだ!半月以内に全員の移動だなんてとても無理だ!!」

 

アルデ「皇室は我が国の象徴だ!皇室家なくては皇国の運営は不可能!!全皇室家の引き渡しなど断固として受け入れられない!!」

 

要求内容を事前に知らされているカイオス以外の三人は反論の声を上げる。

 

荒木「貴方方はそれ相応のことを我々や属領にしてきたのですよ?それに提示した条件は我々でも浅く見積もったほうです。」

 

メイガ「し、しかし…」

 

荒木「そもそも戦争を引き起こしたのはレミールら皇室家の人間。何の処罰もかけず生かしておいて後々反乱でも起こされたら大変ですからね。将来の不安の種を速い内に取り除くだけのことです。それに要求とは言いますがこれはいわば命令です。そして我々戦勝国に黙って従うのが貴方方()()()()()()です。」

 

メイガ「ッ…」

 

的を得た内容に反論できず、口を紡ぐ。

 

荒木「講話内容が受け入れられないというのならそれで結構。ですが覇権主義国家であるパーパルディア皇国が未だ存在し国民の安全が脅かされる状況であるので我が国は戦闘を再開するでしょう。既に一部の部隊が戦闘再開を準備しており、今度こそ貴国は破滅を迎えこの世界から消滅することになることでしょう」

 

実際、パーパルディア皇国侵攻作戦の第二段階である『ヤマタノオロチ作戦』が講話会議が決裂したときに備え用意されていた。その作戦内容というのがホスゲン、ルイサイト、マスタードガスといった化学兵器のパーパルディア皇国全土への散布、クラスター弾や焼夷弾を搭載した爆撃機によるさらなる無差別爆撃。そして秘密兵器である原子爆弾の試験を兼ねたパーパルディアの主要都市への投下など…まさに国を滅ぼすための内容だった。

非人道的ともいえる作戦内容のため、後にこの作戦が公開された時は数多くの者から批判を浴びることとなる。

 

講和条件を呑まなければ戦闘を再開し次こそ自国を攻め滅ぼすという脅迫にエルトらは黙り込む。

 

 

カイオス「…分かった、全ての要求を受け入れよう。」

 

エルト「なっ…!?」

 

アルデ「正気か、カイオス!?」

 

メイガ「こんな屈辱的な要求内容を受け入れるというのか!?」

 

屈辱的な講話条件を受け入れるカイオスの答えにアルデとメイガの二人は声を荒らげる。

 

カイオス「敗北した国は全てを失い冷酷な占領政策が戦勝国によって行われる当たり前の中、国が存続できるだけ有り難いではないか」

 

この世界は弱肉強食となっていた。

負けた国は戦勝国によって冷酷で残酷な占領政策が行われ全てを失い、一生を戦勝国の属領として過ごしていかなければならないのがこの世界の常識だった。

 

カイオス「パールネウスの時代から皇国は誤った道を進んでしまった。こんなボロボロな国だがまた1からやり直そう。今度こそ正しい道を進み、そして世界から羨ましがられるような良い国を作ろうではないか。」

 

エルト「(カイオス…)」

 

カイオス「そしてそれを達成するにはお前達の力が必要だ。未来の皇国の為にここは講話条件を呑んでくれ。」

 

席から立ち上がり、エルト達にむけて頭を深く下げる。

エルト達はしばらく話し合い、頭を下げ続けているカイオスに向き直す。

 

エルト「頭を上げてくれカイオス。日本の条件を受け入れよう。それで良いな二人とも?」

 

アルデ「ああ。」

 

メイガ「問題ない。」

 

カイオス「…感謝するエルト、アルデ、メイガ。」

 

三人の決断に思わず涙を流しかける。

 

荒木「では、こちらの要求を受け入れることで良いですね?」

 

カイオス「ああ。」

 

荒木「分かりました。ではこちらの講話条約に署名をお願いします。」

 

条約紙と共に万年筆を受け取ったカイオスが自分の氏名を署名し、他の三人も自身の名を署名する。

そして荒木が条約紙をカイオスから受け取る。

 

荒木「これにて大日本帝国及びパーパルディア皇国による戦争状態の終結を宣言致します。」

 

荒木とカイオスが固い握手をし、撮影者のカメラがシャッターが一斉に切られその音が室内に響く。

 

 

 

1640年1月2日から3月28日。87日間続いた大日本帝国パーパルディア戦争、通称日パ戦争は終結した。

 

パーパルディア側は民間軍属含めて232万人の死者と45万人の負傷者を出した。

日本側も650人の軍人と民間人203名が死亡し、義勇軍を派遣したアベーラ合衆国も少なくない死傷者を出した。

 

 

 

列強国であるパーパルディア皇国が文明圏外に位置する島国に敗北したことに、世界は同じく列強であるレイフォルを打ち倒したグラ・バルカス帝国と同様の衝撃を受け、各国は使節を大日本帝国に送ることとなる。

 

 

 

 

 

 

tp be Continue

 





今回から高評価してくださった方の名前を後書きに入れようと思います。
今現在は
博麗シンボリルドルフさんから☆10

もなもろさんから☆9

グルッペン閣下さんから☆9

スサノウさんから☆9

hetare2yanさんから☆9

会津藩さんから☆9

歩く災害さんから☆9

Suzu1202さんから☆8

あさかぜさんから☆8

ちんすこーさんから☆6
を頂いております。皆様高評価ありがとう御座います!!

次回は未定です。評価・感想お待ちしております!

それではグッバイ
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