どうも89式小銃です。
いつもよりスムーズに筆が進んだので早めに投稿することができました。
以後もこの調子で投稿できたらな〜と思います。
脱字・誤字があればご報告お願いいたします。
それではどうぞ
第42話 マイラス・ラッサンレポート
『第三文明圏列強パーパルディア皇国、文明圏外国家に大敗北!?』
文明圏外に位置する小国によって列強第4位のパーパルディア皇国が敗れたことは瞬時に世界中へと伝わった。
歴史上、文明圏外国家によって列強が敗れたことは最近のグラ・バルカス帝国によるレイフォル侵攻を除いて一つも例が無く、各国の人々はそのニュースに只々驚愕した。
世界中の人々の関心は西のグラ・バルカス帝国、東の大日本帝国へと向いていた。それは大日本帝国最大の友好国であるムーも例外ではなかった。
1640年4月5日
ムー国 首都オタハイト
ムー統括軍軍令部
「パーパルディアが敗北することは予想出来ていたが…」
「まさかあんな短期間で降伏するとはな…」
王城や政府関連施設がある一等地の一角に立つムー統括軍軍令部にて開かれている定例会議では今回の戦争についての話が交わされていた。
軍上層部の殆どは、今回の戦争は日本側の勝利で終わると予測が立てられていたが、自国に匹敵する広大な領土を有するパーパルディアをたった87日の短期間で降伏させたことは完全に予想外であった。
「グラ・バルカス帝国も列強レイフォルを僅か5日で降伏させたが、レイフォルとパーパルディアでは訳が違う。」
パーパルディア皇国軍とレイフォル軍では兵数でおよそ15倍、航空戦力で22倍、艦艇数では25倍の差があり、加えてパーパルディアは地竜やワイバーンオーバーロードといったレイフォルには無い強力な兵器の数々を有していたため、2カ国の兵力には天と地の差があった。
「今回の戦争では日本帝国側に観戦武官を送ったが、マイラス技術士官及びラッサン戦術士官。彼の国の軍について武器兵器の性能、戦術について分かったことはあるか?」
全員の目が同じく定例会議に参加しているマイラスとラッサンに向けられる。
マイラス「はい。今回の派遣で日本軍に関する情報が幾つも入手できました。」
二人が席を立つと、今回の派遣任務で得た情報が書かれた黒板を将官らの前に移動させ説明を開始する。
ラッサン「今回の戦争が異常に早く終わった事については様々な要因があると思われますが、要因の一つとして戦車を主軸とした部隊による電撃戦が挙げられます。」
「戦車…名前から推測するに我が軍で開発中の無限軌道車輌のことか?」
地面を掘るだけで強固な防御陣地となる塹壕の突破兵器として無限軌道車輌が軍によって開発されており、兵器生産の大手企業『イレール兵器工業』の手によって数両の試作車が制作されている。
ラッサン「その通りです。我が軍では試作車が2、3両制作されている程度ですが日本軍はこれを何百両も運用しています。日本軍より一部車輌の性能資料を譲り受けましたのでご覧下さい。」
将官らに日パ戦争の戦場で多数投入されたパンター中戦車の性能資料が配られる。
「なっ…」
「これは…」
書かれているパンター中戦車の性能に彼らは驚愕する。
700馬力の大型エンジンを搭載し、45トンもの車重に対して自動車並の55km/hの速度で走行する機動力
全周回転式の砲塔に搭載された野砲クラスの長砲身75mm戦車砲
装甲巡洋艦に匹敵する前面装甲に避弾径始を取り入れた外観
海軍の速射砲から流用した固定式37mm砲を搭載し表面硬化等の処理がなされていない15mmの装甲が施されている試作3号車に比べ上記の性能を有するパンターは、まさに怪物だった。
マイラス「もしこれと戦闘になれば、正面装甲はガエタン70mm歩兵砲どころか105mmイレール砲でも貫徹が不可能です。試作の無限軌道車が対峙してもほぼ一方的に撃破されるでしょう。」
「むむ…まさに陸上版の戦艦といったところだな…」
「我が軍の無限軌道車では相手にならんだろうな…」
話を交わす将官達をよそに、ラッサンは説明を続ける。
ラッサン「そして戦車を主軸に運用する戦術が電撃戦です。この戦術自体は転移前に日本が居た世界の同盟国、陸軍国家ドイツによって発案されました。内容は航空部隊の近接支援の元、戦車部隊や装甲・機動化された歩兵部隊によって敵防御陣地を突破して敵側面及び後方に兵力を展開させて包囲網を作り、一挙に包囲した敵戦力を粉砕する戦術です。突出し過ぎた場合、逆に包囲される危険性や進撃速度に補給が追いつかないなどの欠点もありますが、成功すれば敵の防御線を崩すことができ防衛していた敵部隊を殲滅することができるので非常に強力な戦術と言えるでしょう。」
「電撃戦か…非常に興味深い戦術だな。」
◇◇◇
マイラス「そして日本海軍の戦闘も観戦し、いくつかの革新的な発見もありました。その一つが魚雷という兵器です。」
「魚雷?なんだねそれは?」
マイラス「またの名を魚型水雷と言い、水中を高速で進み敵艦の喫水線下に穴を開け、そこから浸水させて敵艦を撃沈する兵器です。」
「す、水中を進む兵器だと!?」
「そんな兵器があるのか!?」
室内が驚きの声で包まれる。それもそのはず、水中弾効果の理論や魚雷及び機雷、潜水艦といった水中兵器の概念すらこの世界には存在しない。
マイラス「はい。日本が元いた世界である地球では80年以上前に原形となったものが開発され、40年前には既に世界的に運用されていた模様です。」
すると一人の者が何かに気づいたかのように声を上げる。
「ま、待てよ?ということはその魚雷とやらを使えば、もしかすると戦艦すら撃沈できてしまうのではないか!?」
「「「!?!?」」」
マイラス「仰る通りです。この世界には喫水線下を攻撃する兵器の概念が存在しないため、この世界の全て戦艦は喫水線下にまで装甲が配置されておりません。そして艦の重要設備である弾薬庫や機関室は敵弾から防護するため喫水線下の区画に置かれています。機関室や推進部に命中すれば動力を失い航行不能になり、命中区画から徐々に浸水が広がっていき最終的に艦は転覆、戦艦はいともたやすく撃沈されてしまうでしょう。これは空母や巡洋艦も同様です。日本が元いた世界では一本の魚雷で3万トンクラスの大型戦艦が撃沈させられた事例もあるようです。」
「3万トンクラスの戦艦をたった一本の魚雷で撃沈…!?」
「これは兵器界隈の常識が崩れるぞ…」
この世界は海戦にて戦艦を沈めるには戦艦をぶつけるといった常識があった。
だが、何百発も放って長時間かけてようやく撃破することができる戦艦を、一本でも命中させれば大打撃を与えられ上手くいけば撃沈すらできる魚雷はその常識を崩す存在であった。
マイラス「そして、魚雷を主に運用する専用の艦艇“潜水艦“の存在があります。」
「潜水艦?」
マイラス「文字通り、海中に潜って敵艦を攻撃する艦であり敵艦に発見されることなく接近、攻撃することができ、偵察任務やスパイの輸送、救出任務、通商破壊戦など多岐に渡って使用できる兵器です。」
「海中に潜る!?そんな架空兵器のような艦艇を日本軍は実用化しているのか!?」
ラッサン「日本だけではありません。アベーラ合衆国も潜水艦を保有しており、さらには日本の諜報機関の情報によるとグラ・バルカス帝国も魚雷及び潜水艦を保有している可能性があります。現時点で我々は魚雷や潜水艦に対抗できる手段を有しておりません。万が一彼の国と戦闘状態になれば我が海軍の艦艇は潜水艦に成すすべなく沈められるでしょう。」
会議に出席している者達の脳内に威勢堂々と航行する海軍の艦隊が潜水艦によって次々と撃沈される光景が浮かぶ。
「これは由々しき事態だ…一刻も早く対策が必要だな…」
「そうだな…潜水艦攻撃用装備の開発も急いだ方がよかろう。」
「現状の軍備の増強も行う必要もある。現状の軍ではグラ・バルカス帝国にとても対抗できん。」
「大日本帝国から武器兵器の輸出や技術支援があれば助かるのだが…」
レイフォルを下し、ムーの安全を脅かしているグラ・バルカス帝国に対抗するためにも以前から武器兵器の輸出や技術援助を日本に何度も要請していたムーだったが技術の他国への流出を理由に日本には何度も断られていた。
マイラス「そのことについてですか、一つ良い話があります。観戦が終わり本国に帰還する前、東京の日本海軍司令部にて同海軍大臣とお会いする機会があり、先程の話を伝えたところ"貴国が要請してくれれば旧式ではあるが戦艦5隻と巡洋艦13隻に小型艦10隻、さらに退役予定の戦闘機100機の無償供与が可能である"との回答を頂けました。」
「「「おぉぉ!!」」」
将官達の間で歓声が上がる。
現在、大日本帝国海軍では保有する艦艇の大半で旧式化が進んでおり維持費や解体費が問題となっている。
そこで退役予定の海軍艦艇をグラ・バルカス帝国と言う"脅威"が隣接しているムーに無償で提供する案が海軍内で議論されていた。
具体的な内容として―
金剛型戦艦『金剛』『榛名』『霧島』
敷島型戦艦『敷島』『朝日』
古鷹型重巡洋艦『古鷹』『加古』
青葉型重巡洋艦『青葉』『衣笠』
長良型軽巡洋艦『長良』『五十鈴』『名取』『由良』『鬼怒』『阿武隈』
川内型軽巡洋艦『川内』『神通』『那珂』
睦月型駆逐艦『睦月』『如月』『弥生』『卯月』『分月』『長月』『菊月』『三日月』『望月』『夕月』
これら計28隻の艦艇と零式艦上戦闘機100機をムーに提供することで、これらの兵器を維持する必要が無くなり、解体する費用が浮き、なおかつムー軍の戦力増強にもなるため日本からすればまさに一石三鳥であった。
マイラス「海軍大臣殿の御好意で提供予定の兵器資料も頂けました。」
資料が配られ、将官らは資料にすぐさま目を通す。
「35.6cm砲を8門搭載し30ノット近い速力で航行!?ラ・カサミ級の性能を防御以外で全て上回っているとは…!」
「最高速度600km/h!?マリンのおよそ二倍の速度じゃないか!!これが日本軍では旧式なのか!?」
日本では旧式でも、ムーからすれば35.6cm砲を8門搭載した金剛型3隻や汎用性の高い重巡洋艦4隻、マリンのおよそ二倍の性能を有する零式艦上戦闘機100機は宝の山であった。
「これ程の性能を持つ兵器を無償で提供してもらえるとは…大日本帝国はつくづく恐ろしい国だな…」
もし、大日本帝国がグラ・バルカス帝国と同じく侵略主義であれば今頃第三文明圏全体は彼の国によって占領されていたことだろう。
同じ科学国家に敬意を抱くとともに若干の恐怖を感じる。
「マイラス技術士官、ラッサン戦術士官。君達二人の活躍のおかげで数々の革新的な事を知ることができた。これは勲章授与に値する働きだ。」
マイラス「お言葉感謝致します。」
ラッサン「有り難きお言葉、光栄であります。」
「これからも日本及び仮想敵国のグラ・バルカス帝国の兵器情報収集に努めてくれたまえ。」
マイラス・ラッサン「「はっ!!」」
「これをもって定例会議を終了する。」
代表者の締め括りの言葉で会議は終了する。
後に日本軍の有する兵器や戦術及び観戦内容を纏められた報告書は『マイラス・ラッサンレポート』と後世で呼ばれることとなり、ムー国軍の近代化に大いに貢献することになる。
to be Continue
戦闘護衛艦するがさん、疫病厄日さんから☆9を頂きました!!ありがとう御座います!!
そしてアベーラ合衆国兵器案を絶賛募集中です!!何か案があれば活動報告へお願いいたします!!
評価、感想お待ちしております!!
それではグッバイ
日本陸軍の次期主力銃のモデルはどれが良いか?
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64式小銃
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スプリングフィールド M14