どうも89式小銃です。
ようやく第47話を描き終えることができました。長らくお待ち頂いた皆様、誠に申し訳御座いません…
最近もまた忙しくなってきたため、小説執筆に取り掛かれる時間が少なかったのと、話の内容が纏められなかったのが遅れた原因となってしまいました…
ですが、次話からは描写が難しい軍事的な話が比較的少なくなりますので、更新が早くなると思われます。
最近、感想して下さる方々が少なくなっていますので、感想を頂けたら嬉しいです。
それではどうぞ
午後5時30分
福岡県 大刀洗陸軍飛行場
使節団は広島県から山口県の下関海峡まで電車で移動し、佐賀県を中継して福岡県の大刀洗陸軍飛行場を訪れていた。
大刀洗陸軍飛行場は全国で3箇所しかない戦略爆撃機を運用できる唯一の軍用飛行場として知られており、パーパルディア皇国本土空襲で活躍したB-29戦略爆撃機を装備する第六爆撃航空団が所在地を置く、2つある基地の内の一つである。
◇◇◇
同飛行場 格納庫
「中央暦1630年以降、我が国の航空技術は目まぐるしい発展を遂げました。レシプロ機は性能が格段に上昇し、1637年には音速に近い速度で飛行するジェット機が登場しました。」
興味津々に辺りを見回す使節団員らに説明を行う中佐の階級章を着けた士官。本来ならば下士官に任せる役割なのだが、
「陸軍航空隊では1647年までに、保有する全戦闘機をジェット機に置き換えることを目標としておりますが、価格が従来戦闘機より高価な事に加えて生産効率が悪いため、しばらくもレシプロ戦闘機が主力として運用されます。」
ライドルカ「レシプロ戦闘機が主力…か。」
ミリシアル軍内ではレシプロ戦闘機に関する評価は芳しくない。この世界で一番科学技術が進んでいるムーの軍主力戦闘機マリンでも制空型天の浮舟"エルペシオ3"には敵わず、数年前の合同軍事演習では中隊規模の12機のエルペシオ3に2個中隊のマリン24機が壊滅判定という惨敗を喫している。
その時はマリンが配備されたばかりの新鋭機でありパイロットが操縦に慣れなかった点やミリシアル空軍最強部隊の第7制空戦闘団"シルバー隊"が相手だった点など、ムー側に不利な要素があったが、その件以降『科学技術の戦闘機など恐れるに足らず』とミリシアル軍はレシプロ戦闘機を見下していた。
「そしてこの三式戦闘機"飛燕"は現在、陸軍航空隊で運用されている戦闘機の中で2番目に多く配備されており、航空隊主力機として活躍しております。」
格納庫の一角に駐機している三式戦闘機"飛燕"は米国やドイツ、ソビエトなどの各国からは"和製メッサー"と呼ばれている。
「レシプロ機ね…海上上空で見たジェット機は凄かったけど…」
「レシプロ機の性能はたかが知れているからな。」
案の定、使節団員からの印象は芳しくない。
「本機は主に対戦闘機用途に使用されますが高高度を飛行する大型爆撃機の要撃も想定されており、高度8000mで最高速度670km/hを発揮することが可能です。」
「「ろ、670km/h!?」」
先ほどまでレシプロ機に対する愚痴を呟いていた国防省陸軍参謀本部付士官の男女エルフ二人組は、声が裏返るほどの衝撃を受ける。
レシプロ機である三式戦"飛燕"がミリシアル空軍の主力戦闘機であり、魔光呪発式空気圧縮放射エンジンを搭載するエルペシオ3の最高速度530km/hに大きく優っているなど二人には信じられない情報であった。
同種であるジェット機でならまだ分かるが、ミリシアルでは時代遅れの代物とされているレシプロ機にですら負けてしまっているのだ。
フィアーム「…失礼。この戦闘機は貴国の陸軍では2番目に多く配備されていると仰いましたが…一番多く配備されている戦闘機の最高速度は何km/hなのでしょうか?」
「およそ時速730km/hですね。」
「「「「………」」」」
あまりの性能の差に、使節団員達は口を閉ざすしか無かった。
◇◇◇
続いて使節団は、ある爆撃機を案内される。
フィアーム「改めて見ると規格外の大きさだな…」
ライドルカ「これが飛行機なんて信じられませんね…」
その巨大な機体に圧倒される使節団の目の前にあるのは暗緑色と薄茶色の迷彩塗装が施された巨人機『B-29戦略爆撃機』通称"スーパーフォートレス"
全長30m、全幅43m、全高8.4mとその大きさは登場した当時のあらゆる航空機を上回り、戦闘機並の速度、長大な航続距離、強力な武装と高い防弾性能、圧倒的な搭載能力をして世界最強の爆撃機と謳われた。大日本帝国陸軍では現在、米国から輸出された日本軍仕様型が500機前後運用されている。
「この機はB29戦略爆撃機と言いまして、我が軍が有する軍用機の中で最大の大きさを誇ります。」
口をポッカリと開けて驚く使節団の団員達を他所に淡々と説明を行う中佐。
「搭載能力は約9000kg、250kg爆弾は40発、500kg爆弾なら12発を搭載できる能力を有します。そして本機最大の特徴として高い高空性能があり、上昇限度は11.000mを超え、高度8000mで580km/hを発揮します。」
近々、B-29Bのライセンス生産で得られた技術及び教訓を利用して開発された超大型爆撃機の試験運用が始まり、成績が良好であれば順次その機に機種変更を行う予定である。
だが、B-29も未だに一線級の性能であり、戦略爆撃という戦争の行く末を決める任務を帯びているため、本来の性能より多少の数値を落として説明を行っている。
アルパナ「(40発…!なんという搭載力の高さだ…!)」
ライドルカ「聞けば先の大日本帝国・パーパルディア戦争では、この爆撃機の空襲がたった2ヶ月ちょっと行われただけでパーパルディアの国民65万人が命を落としたらしいな…」
フィアーム「65万人…とてつもない数の犠牲者ですね…」
ベルーノ「パーパルディアが戦争に負けるのも納得の兵器ですよ…」
ライドルカ「それに説明された性能が本当ならミリシアル空軍の最新鋭制空型天の浮舟エルペシオ3ですら迎撃は100パーセント不可能…」
多少スペックが落とされているとも知らず、使節団員らは説明に深い衝撃を受けていた。
後に、B29爆撃機の事が書かれた使節団の報告書に驚愕した軍部は、爆撃専用の魔光呪発式空気圧縮放射エンジンを搭載した爆撃機の開発を始動させることとなる。
______________________________
「これで案内はほぼ終了ですが、最後に使節団の皆様へ見せたいものがあります。」
フィアーム「見せたいもの?なんでしょうか?」
「こちらです。」
一行は格納庫を離れ、数m行ったところにある一軒家ほどの小さい建物に案内される。
その建物の様子はかなり異様であった。
貴族が住むような一軒家並の、やたら大きい鋼鉄製スライド扉が付いたコンクリート製の建物の周りには3m以上の電気柵が幾重にも張り巡らされ、更には柵の外を戦車2台と装甲車2台、機関銃や迫撃砲等で完全武装した一個小隊50人が警備している。
一軒家程の建物を過剰とも言える規模の部隊で警備しているその光景は、かなり奇妙に見える。
ライドルカ「この建物は?」
「航空機に搭載する爆弾の地下保管庫です。地上では敵航空機による攻撃を受ける可能性があるため、我が陸軍では地下に保管する方法を採っております。」
そう士官は言うが、保管するのは通常の爆弾では無く―イペリット、催涙ガス、くしゃみ剤、青酸ガス等を充填した化兵爆弾。そして最近になって配備されたウラン型原子爆弾といった特殊爆弾を保管している。
建物の外壁は厚さ4mの鉄筋コンクリートで守られ、地下最深部まで続く階段や移送エレベーターが設置されている通路や地下保管庫も2mの鉄筋コンクリートで防護されている鉄壁である。
そして案内役の中佐と警備兵二人、使節団員らは巨大なスライドシャッターの横にある鋼鉄製扉から建物の中へ入っていく。
ライドルカ「うおっ…かなり深いな…」
地下まで降りる階段の壁側には灯りが付いているものの、全体を照らすには不十分であり薄暗い。さらに底の方は真っ暗に近い暗さであった。
「足元に気をつけてお歩き下さい」
士官が先頭を歩き、使節団員らは地下貯蔵庫の最深部まで降りていく。
◇◇◇数分後…◇◇◇
「この部屋は限られた者しか入ることの許されない立ち入り禁止区域です。勝手な行動はしないようお願いします。」
彼らの目の前にある黒鉄色の重厚そうな鋼鉄製扉。その真ん中には黄色地に黒色の三つ葉マークが描かれおり、マークの意味を知らない使節団でも周囲の物々しい雰囲気を感じ取り、より一層緊張が高まる。
そして士官が面々に見えないよう自身の身体で隠しながら3つある鍵穴を施錠し、一つのダイヤル錠を解除すると機械音が鳴り、厚さ50mmある扉がゆっくりと開く。
アルパナ「むっ?これは爆弾か?」
彼らの目の前に飛び込んできたのは厳重に固定されている自分達の身体より大きな2つの大型爆弾。その奥には多数の部品らしき物が並べられていた。
フィアーム「この爆弾はいったいなんでしょうか?」
「六式ウラン丙型特殊爆弾『天照大神』通称原子爆弾。ウラン235と言う科学物資を用いた、我が軍が多額の資金と多数の人員を投入し、長い期間を掛けて開発した特殊兵器です。」
ベルーノ「ウラン235?と言う物は分かりませんが、どういった過程で作られる兵器でしょうか?」
「詳しい製造内容は軍機につきお答えできません。」
アルパナ「ふむ…では威力はどのくらいで?」
「配備されたばかりの兵器なので威力については不明なところが多いものの―簡潔に表せば都市1つを丸ごと破壊させることができます。そしてこの兵器は放射能と言う有害な化学物質を広範囲に放出し、それを浴びた人間は細胞が破壊され、血液を作る機能が停止し、あらゆる臓器が破壊されます。そして被爆した土地は何十年にも渡って汚染され、人が住めない地へとなってしまいます。」
「「「ッ…!?」」」
説明を聞いた面々はとてつもない衝撃を受け、尋常ではない表情を浮かべる。そして、面々達の脳内には説明された特殊爆弾の性質に似ているある兵器が思い浮かべられていた。
それはかつて古の魔法帝国、通称ラヴァーナル帝国が保有していたとされる既存の全ての兵器を上回る威力を持つ究極兵器―
コア魔法
本体内部に分割した球状のコアを入れて爆裂魔法でコアを合体させ、多方向から同時に爆圧で包み込み原子の分裂連鎖反応を引き起こして大爆発させる兵器である。
その威力は都市1つを丸ごと消し去ることができ、強烈な爆風と衝撃波で全てを破壊し、さらに発生した高濃度の魔素によって様々の種族の身体内外を破壊し尽くし土地を何十、何百年にも渡って汚染し続ける―ラヴァーナル帝国の人口の全てを占める種族である、光翼人の性格を表したかのような悪魔の兵器である。
以前までは空想上の兵器と考えられていたが、最近になってエモール王国で発見されたエモールの前身国であるインフィドラグーンとラヴァーナル帝国との戦争の様子が記された当時の記録やミリシアル帝国領土内の原因不明の高濃度魔素が確認できる場所など、コア魔法の存在が現実味になってきていた。
フィアーム「何故…科学国の大日本帝国がコア魔法を…」
ライドルカ「分からん…しかしこれはとんでもない状況になったな…」
二人は小声で話を交わす。
コア魔法は陸海軍、魔法帝国対策省、魔導学院が共同して研究を行っているが、実物や関連資料が殆ど存在しないこと、そしてコアに使用する材料が大変貴重であり埋蔵量も少なく、採掘可能な場所も発見されていないため研究は難航している。
そんな兵器を遥か東方の小さい島国―しかも科学国家が保有していたことは完全に予想外であった。
「我が国はこの原子爆弾を現在5発保有しており、年6発のペースを目指して生産を行っています」
「「「………」」」
先程からの衝撃的過ぎる内容に皆は口を閉ざすしか無かった。物事を受け止められず現実逃避したり、気絶しないだけマシだろう。
その後、施設から出てきた使節団の面々は重苦しい雰囲気を纏っていたという。
to be Continue
零式艦戦さんから☆10、琥珀大福さん、yuki isakasaさん、屯田兵さん、ぽえぽえさんから☆9を頂きました!!皆様ありがとう御座います!!
誤字、脱字があればご報告お願い致します。そして感想、評価、お気に入り登録お待ちしております!
それではグッバイ
日本陸軍の次期主力銃のモデルはどれが良いか?
-
AK-47
-
FN FAL
-
SKSカービン
-
64式小銃
-
スプリングフィールド M14