強化された大日本帝国召喚   作:89式小銃

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どうも89式小銃です。

いよいよ、真夏並みの気温となりましたね…今週は各地で40℃以上の気温を記録していますので、皆様は涼しい所に居る、水分補給をきっちり行う等をして熱中症に気をつけて下さい。

誤字、脱字等があればご報告よろしくお願い致します。

それではどうぞ



第50話 地域大国(前編)

 

 

 

『文明開化』

 

人間の知力が進んで世の中が進歩し開けることを指し、江戸時代末期から行われた近代化改革"明治維新"など、国家の近代化を表す際に良く使用される言葉である。

 

 

―閑話休題

大日本帝国がこの世界に転移してから彼の国と関わった国は、列強ですら羨む目まぐるしい経済発展を遂げた。

そして、それが最も垣間見られる2つの国家が第一文明圏から遥か東に位置する大陸―ロデニウス大陸に存在した。

 

 

 

 

中央暦1640年4月20日

 

クワ・トイネ公国 公都クワ・トイネ

 

 

1639年4月6日に旧ロウリア王国との戦争が勃発して以降、クワ・トイネ公国は日本製の武器、そして技術を輸入し陸海軍の近代化を推し進めてきた。今や、かつての列強であるパーパルディア皇国の軍事力すら上回り大日本帝国、アベーラ合衆国に次ぐ第三文明圏第三位の強大な軍事力を保持する地域大国となっていた。

 

そして、首都である公都クワ・トイネの下町に新しく建設された陸軍基地の開設式及び新部隊の発足式にクワ・トイネ公国首相カナタの姿はあった。

 

 

モイジ「捧げー銃ッ!!」

 

旧ロウリア王国との戦争での功績から、新たに創設された陸軍第3師団の司令官となった褐色肌の獣人男性モイジと一矢乱れず整列している1万5000人の兵士が、壇上に上がる黒スーツ姿のカナタに向かって捧げ銃を行い、カナタは敬礼で答える。

 

1年前まで鎧を身に纏い、剣や弓で武装していた兵士達は、自国の豊かさを表す黄色の軍服や軍帽を着用し銃剣が装着されたM1ガーランドを掲げるその姿は、以前にも増してたくましく見える。

 

モイジ「直れーッ!!」

 

ガチャッ ガチャッと銃床と地面が触れる際の音が鳴り終わると、会場は再び静寂に包まれる。

 

カナタ「兵士の皆さんこんにちは。首相のカナタです。今回の、新たな陸軍基地開設及び公国陸軍初の機械化部隊―第3師団発足の場に足を運べたことに嬉しく思います。」

 

―クワ・トイネ公国陸軍第3師団―

 

軍の近代化を進めるクワ・トイネ公国陸軍初の完全機械化部隊であり、兵員数は約1万5000人。他の部隊と同様に武器は日本製とアベーラ製であるが、M1ガーランドやMP40、九七式中戦車改、M1中戦車、M6A1装甲車といった近隣の諸外国と比べて強力な武器を装備しているのが特徴である。

 

第3師団の編成にあたっては大日本帝国陸軍の戦車師団及び歩兵師団が参考にされ、戦車、砲、歩兵、そして工兵部隊を有するその編成は、さながらドイツ国防軍のカンプグルッペ(戦闘団)のようである。

 

カナタ「大日本帝国との国交が開設して以降、クワ・トイネ公国は彼の国と共同で自国の発展に努めてきました。それは軍事分野も例外ではありませんでした。中央暦1639年当時、ロウリア王国という敵対的な国家が隣に位置していたため我が国は軍事力を必然的に強化する必要がありました。しかし、かの元列強パーパルディアからの膨大な軍事支援を受けていたロウリア王国と比べて、我が国の軍事力は象と蟻でした。」

 

モイジや兵士達は、直立不動の姿勢かつ真剣な眼差しでカナタの話を聞いている。

 

カナタ「しかし、我が国の被害を憐憫に思った大日本帝国の全面的な支援によって我が国は守られました。ロウリア戦争では軍から少なくない犠牲者が出てしまいましたが、二度とこのような事が無いよう各国との外交関係を見直し、防衛のための軍事力を大幅に強化しました。これらの政策に攻撃的だと反対する人々の気持ちは私も良く分かります。ですが、強力な軍事力を有する敵対国を相手に平和主義を貫いても意味は無いのです。今、クワ・トイネ公国は新しい時代へ入ろうとしています。」

 

一呼吸置き、締めの話を語る。

 

カナタ「あなた方第3師団の皆様には、クワ・トイネ公国の平和と独立、そして財産と国民を守る盾として、今後の活躍を期待しています。」

 

演説が終了し、観閲者から盛大な拍手が送られる。

 

そしてクワ・トイネ公国の国歌、陸軍の軍歌が軍楽隊によって奏でられ旗竿にクワ・トイネ公国の国旗と軍旗が掲げられると、基地開設式及び部隊発足式は終了したのであった。

 

______________________________

 

 

カナタ「(おや?あの方は…)」

 

首相官邸へと戻るため基地外で待機している車へ向かっていると、茶色の中折れ帽を被りそれと同色のスーツを着た男の姿を見つける。

 

その姿に見覚えがあったカナタは、秘書と護衛に手洗いに行くと伝えると男を追いかけ、そして声を掛ける。

 

カナタ「お久しぶりです山下大将殿。」

 

山下「ん?おおっ、カナタ首相。お久しぶりですな。」

 

男の正体は、陸軍大将の山下 奉文であった。

 

カナタ「お元気そうでなによりです。対パーパルディア皇国戦争での活躍は聞きましたよ。わずか1個師団で5万人以上の捕虜を獲得し、たった2日で70km以上前進する驚異的な戦果を挙げたそうで。さすがは"リントヴルム殺しの戦車隊"を指揮する山下大将殿ですね。」

 

山下「いえいえ、大したものでは。それにその戦果は2万人の部下の協力が無ければ成し得なかったことですから。」

 

部下が挙げた戦果を自己の物にしないのが、山下が部下達に広く好まれる要因でもあった。

 

山下「にしても貴国の陸軍の発展には目を見張るものがありますな。言い方は悪いですが、中世の古臭い軍隊から僅か1年で我が陸軍と対等に渡り合える近代的な軍隊を揃えたのですから。」

 

カナタ「それも大日本帝国と山下大将殿が属する日本陸軍が多大な援助を行って頂いたおかげです。戦車や榴弾砲など強力な武器を供与して頂いたのは嬉しいのですが、強いて言えばワイバーンに代わる航空戦力として航空機も欲しいところですね。」

 

山下「ははは、それは少し難しいですかね…おっと、時間か。では私はこれで失礼します。」

 

そう告げると山下はカナタに背を向けてその場から去っていき、それを見届けたカナタは小走りで秘書や護衛達が待つ基地前へと戻っていく。

 

______________________________

 

 

クワ・トイネ市内

 

 

「お疲れ様です首相。」

 

車の後部座席の隣に同席している女性エルフの秘書が開設式を終えたカナタに労いの言葉をかける。

 

カナタ「ありがとう御座います。それにしても、約1年間でここクワ・トイネは劇的に変化しましたね。」

 

「そうですね。一昔前の私達では考えられない景色です」

 

走る車の中からクワ・トイネの町中の様子を見つめる。

 

かつては二階建ての木造建築物が土を平しただけの道路の両脇に立ち並んでいた町並みは、鉄筋コンクリート製の建物が立ち並ぶ近代的な光景へと代わり、アスファルトで舗装された道路には日本製の自動車が数は少ないが行き交っている。

 

カナタ「流石は大日本帝国の経済を支える四大財閥です。1つの財閥だけで我が国の国内総生産を上回るその力は計り知れません。」

 

以前から感じていたが、改めて四大財閥と言う組織の力に感嘆する。

 

クワ・トイネ公国及びクイラ王国との国交を結んだ後、第三者への技術流出の懸念から日本政府は兵器及び技術の輸出にはしばらく慎重な動きを見せていたが、大日本帝国の経済を支える四大財閥―『八菱』『高田』『住俊』『八井』の貿易許可を求める声によって、最終的に日本政府はクワ・トイネ公国及びクイラ王国両国への武器兵器や家電製品、各分野技術の輸出を認めたのである。

 

転移直後、製品の輸出先が消えてしまった大日本帝国の企業―特に外資系の会社はドミノ倒しの如く次々と倒産してしまう等の大損害を被った。それは四大財閥も例外ではなく、海外の取引先が消滅してしまったことによって株価は大暴落、国家財政も赤字となり債務は増加。一時はGDP成長率がー3.7%と1929年の世界恐慌をも上回る大不況を引き起こした。

 

この状況に絶望した株主や投資家達は列をなしてビルから飛び降りていき、転移直後の大日本帝国を襲った最初の危機として後に『1945年の経済危機』と呼ばれた。

 

そのような状況をいち早く打破したい財閥は異世界国家の経済に介入することで解決しようと画策していた。そしてそれは見事成功し、財閥はクワ・トイネ公国やクイラ王国の経済へ介入し金融業、造船業、鉱業、鉄道、貿易などあらゆる分野の事業で成功を収めた財閥は巨額の利益を獲得し、また大量の失業者を海運や鉄道等の運送業に雇用したため結果として大不況は収まっていき、クワ・トイネ公国及びクイラ王国の近代化も果たすことができたのである。

 

「しかし、あれ程の国家が食料自給率が極端に低いと聞いた時は驚きました。年間およそ7200万トンの食料が必要だと聞いた時は耳がおかしくなったのかと。」

 

カナタ「確かにそうですね。初めは少し多いぐらいの量としか思いませんでしたが、改めて考えてみると途方もない数値としか言えませんね。」

 

しかし、それを成し得るのがクワ・トイネ公国である。

 

大地の神の祝福によって、国土全域が放置していても作物が無限に生える穀倉地帯となっている同国にとって年間7200万トンの食料輸出は難なくこなせる値であった。大量の穀物を輸送する手段が無いのがネックであったが、大日本帝国から食料輸出の見返りとして建設された鉄道と高速道路の交通路、そして貨物列車やトラック等の輸送車両をフル活用することで、7200万トンの食料を効率よく輸出することが可能となった。

 

結果的に、食料と言う単一の品目のみを輸出するだけでクワ・トイネ公国は近代化を果たしたのである。これは地球では前例の無い事例であった。

 

カナタ「さてと、次の業務は何でしたか?」

 

「はい。次はクイラ王国大使との大東洋諸国会議に向けての日程調整についての話し合いです。大使は既に首相官邸に到着しているとのことです。」

 

カナタ「そうですか、ありがとう御座います。」

 

未だ急激な経済成長を続けるクワ・トイネ公国は、大東洋一豊かな国として今後も繁栄を続けることだろう。

 

 

 

 

to be Continue

 





Emerihhiさん、ドーラドルヒさんから☆9を頂きました!!高評価ありがとう御座います!!

感想、評価、そしてお気に入り登録よろしくお願い致します!アベーラ合衆国の陸と空の兵器設定案を募集中ですので興味のある方はよろしくお願い致します!

それではグッバイ

日本陸軍の次期主力銃のモデルはどれが良いか?

  • AK-47
  • FN FAL
  • SKSカービン
  • 64式小銃
  • スプリングフィールド M14
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