どうも89式小銃です。
大変申し訳ありません…日本陸軍航空機設定と一緒に投稿を考えていたのですが、思ったより設定に難儀し半分しか書けていないので第55話を先に投稿します。誠に申し訳ございません…
次回までには必ず仕上げますのでもうしばらくお待ち頂けますと幸いです。
それではどうぞ
アルフェッカ「ど、どういうことなんだ…?」
自分達に気がついたのか、船がこちらへと向かってくる様子を見て助かるんだと安堵したのも束の間、彼らは近づいてきたその艦影を見て酷く困惑した。
その艦影が、帝国海軍の最新鋭駆逐艦である『エクレウス級駆逐艦』に酷似していたからだ。
あまりにも似ていたため最初は友軍かと思ったが、艦中央部の船側に書かれている文字は母国語とは違い、マストに掲げられている国旗・軍旗らしき旗もグラ・バルカス帝国のものとも違う。
「か、艦長。この艦はいったい…」
アルフェッカ「私にも分からん…」
不可解な光景に唖然としていると、微速ですぐ横を航行中の駆逐艦の甲板にいる者達から声をかけられる。
「おーい!!大丈夫かー!!」
不思議なことに、彼らが話している言葉はグラ・バルカス語だった。
アルフェッカ「あ、ああ!!早く彼らを助けてやってくれ!!」
「よし分かった!!今、救命用具を投げ入れる!!まずは重傷者を優先だ!!」
そして、紐の付いた救命浮輪が何個も投げ入れられ、艦側面から登るためのネットが降ろされる。
「助かった…!助かったぁ…!!」
「ううっ…」
「あぁ…!神様ありがとう御座います…!」
仲間と抱き合って喜ぶ者、口を隠して号泣する者、手を合わせて神様に感謝する者など―皆、ようやく助かるのだと歓喜の涙を流していた。
その頃、救助活動中の雪風近くの海中に怪しい姿があった。
水上艦のような形をした船体に長靴のような艦橋が特徴の潜水艦―『ミラ』と同じ、グラ・バルカス帝国海軍第2潜水艦隊所属のシータス級潜水艦『メンカル』である。
「フッ、我々の存在に気づかず、呑気に救助活動をしているようだな」
潜望鏡を覗きながら、薄気味悪い笑みを浮かべ呟く『メンカル』艦長。
彼らは1日前に海上を漂流するアルフェッカ達を発見していたが、救助せずに今までずっと
グラ・バルカス帝国軍は、本土が危険に晒されないために帝国軍人が異世界人に対して自国の情報を渡すことを禁止している。それを破った者は良くて懲罰刑、最悪は死刑という重罰が科せられる。
「奴らは潜水艦を知らない蛮族どもですから、対潜装備を持たないこの世界の艦艇など赤子同然ですね。」
「あぁ。ましてや停止状態に近い6ノットでの航行は訓練の的とそう変わらん。」
潜水艦『メンカル』は、自艦が所属する第2潜水艦隊の中でトップクラスの技量を持っている。レイフォルとの戦争でも帆走軍艦が相手とはいえ10隻以上の軍艦や12隻の商船を撃沈していることが、潜水艦『メンカル』を操る艦長以下乗組員達の技量の高さを証明している。
「(距離がかなり離れているが、静止状態に近い目標だから問題ないだろう。)…魚雷戦用意!!目標、小型艦艇!!魚雷発射管1番から4番注水!!」
「魚雷戦用意ッ!!発射管1番から4番注水せよ!!」
メンカル艦長の指示が伝声管を伝って艦内をリレーする。
『発射管室、1番から4番注水完了!!』
「1番から4番、外扉開け!!」
ガコンッ ガコンッ
ガコンッ ガコンッ
『1番から4番外扉開口完了!!いつでも発射可能!!』
僅か3分で魚雷発射手順を全て終え、艦長からの指示を待つ水雷長。
「恨むなよ。我が帝国がこの世界を制し、皇帝陛下が新世界の王となるためだ。…発射管1番から4番、撃て!!」
「発射管1番から4番発射ッ!!」
水雷長が艦長の合図で発射ボタンを2個ずつ押していく。
バシューッ バシューッ
バシューッ バシューッ
そして、艦首発射管から魚雷が2本ずつ発射され、計4本の魚雷が雪風目掛けて襲い掛かる。
◇ ◇ ◇
「不明潜水艦及び魚雷発射探知!!」
水測員の突然の報告に、艦橋内の者達は騒然とする。
前橋「魚雷だと?不明潜水艦の方位と距離を知らせ!」
「方位0-8-2、距離2.200メートルです!」
水測員は的確に、そして素早く潜水艦の方角を前橋に伝える。
前橋「救助用具収め!!機関出力最大、最大戦速!!」
魚雷回避のため、すぐさま最大戦速への増速を下令する。
幸い、漂流者全員の救助が完了していたため艦をすぐに動かすことができる。しかし、6ノットの低速で航行していたため最大戦速の36ノットまで到達には時間が掛かる。この間が歯がゆく感じる。
前橋「(距離2.200か…二式が装備されているおかげで早く探知できたな。)」
この雪風には、米国のアクティブソナーQC-1Aをライセンス生産した『二式水中探信儀』が装備されている。このソナーは最大探知距離が4.000mもあり、浅い深度に居る潜水艦を15ノットでの航行時で1.760mの距離まで探知することができた。これら優秀な性能のため、日本駆逐艦のほぼ全てが装備している。
それまで搭載されていた九三式水中聴音機では、6ノットでの航行時に5ノットで航行する潜水艦を1.000mで探知することができたが、雑音抑制が不十分であり8ノットでの航行時は500mにまで低下してしまう。そのため潜水艦を探し出すために低速航行しなければならず、潜水艦からすると恰好の標的であり実用的とは言い難かった。
もし、九三式を装備し高速航行時だったら発見が遅れていたかもしれない。
「右舷より雷跡視認!!数4!!」
すると見張り員からの報告が艦橋内に響き渡る。
艦橋後部の吹きさらしに移動し双眼鏡を覗くと、こちらへ真っ直ぐ向かってくる4つの雷跡。
前橋「面舵一杯!!左前進全速、右後進全速!!急げ!!」
「面舵一杯!!左前進全速、右後進全速だ!!」
指示が艦橋を素早く伝わり、艦が急速に右へ回頭する。
艦と魚雷との距離は1500mを切っていた。4本の魚雷は雪風を真っ二つにせしめんと雷速を維持したまま向かってくる。
シュゥゥゥゥ
シュゥゥゥゥ
シュゥゥゥゥ
「魚雷三本回避!!残り一本やって来ます!!」
巧みな操艦により魚雷3本の命中コースから外れることができたが、残り1本は雪風の土手っ腹へと向かってくる。
前橋「(クソッ!!一本避けきれん!!)総員、衝撃に備え!!」
距離は200mもない。全員は命中を覚悟した。
ガコンッ
…だが、いつまで経っても爆発と衝撃が伝わってこない。
立ち上がって艦後方の洋上に目を遣ると、海面から尾部を覗かせる魚雷の姿。
前橋「(不発か…運に助けられたな。)」
ほっと息をつきたいところだが、今は戦闘中のため気を抜くことはできない。
「方位0-1-2、距離1.900mにて敵潜水艦を発見。」
「艦前方1.900mに潜望鏡視認!!」
水測員、見張り員から同時に不明潜水艦発見の報告が飛ぶ。
前橋「両舷前進全速!!砲戦用意!!主砲撃ち方始め!!」
「主砲撃ちぃ方始めぇ!!」
ドオンッ!!
号令と共に、射撃諸元を得た艦首側に装備されている50口径三年式12.7cm連装砲E型が火を吹く。E型は装填方式を米国のMk.12 5インチ砲と同様の一体型ホイストを使用する半自動一体型装填装置を搭載している型であり、毎分12〜22発という高い速射性能を獲得している。加えて対空揚弾筒も搭載し、砲弾も薬莢式へ変更しているため対空戦闘時でも射撃速度が低下しないという高性能艦砲であった。
ドシュゥゥ ドシュゥゥ
本砲から放たれる砲弾は初速910m/sという速度で飛翔する。砲弾は約2秒強で目標に到達し、潜望鏡近くに2本の水柱を作り出す。
それに怖気付いたのか、潜望鏡が海へと沈み込んでいった。敵潜水艦が潜航したのだ。
前橋はこの機を逃さまいと艦を増速させ、ある程度近づくと第三戦速(12ノット)に減速し対潜攻撃に移る。
前橋「噴進爆雷砲発射!!」
ボババババババッ
直後、艦橋右舷から上がる白煙。
この『雪風』は英国の『ヘッジホッグ対潜迫撃砲』をライセンス生産した『三式17.8cm24連装対潜噴進爆雷砲』を装備している。その性能はヘッジホッグ対潜迫撃砲と何ら変わりないものの、従来まで艦後方か側面しか攻撃できなかった日本海軍駆逐艦の対潜戦闘力を向上させた。そして直径40mの円状に撒かれる爆雷弾は、一発でも目標潜水艦に命中すれば他の弾体全てを誘爆させ確実に沈めるまさに鯨殺しの矢であった。
発射された24発の爆雷弾は150mの距離を飛び、直径40mの円状形に着水して6.7m/sの速度で沈降していく。そして、敵潜水艦の存在する深度に到達したが爆発は起こらなかった。
「爆雷弾命中無し!!」
「敵潜、艦直下を通過。死角内に入りました。」
前橋「よし、爆雷投下!!」
ガシュン!!
ドボンッ ドボンッ
艦後部に装備されている爆雷投射機・投下軌条から、起爆深度を浅・中深度に設定された三式爆雷が次々と発射・投下されていく。
ドンッ
ドンッ
ドンッ
そして最後の爆雷が起爆した直後、ひときわ大きい黒みがかった水柱が上がった。
そして徐々に浮かんでくる鉄片や木片の数々。
「やったぞ!!撃沈だ!!」
前橋「落ち着け、まだ沈んだとは限らん。水測員、敵潜は探知できるか?」
「いえ、爆発の影響で探知できません。状況不明です。」
一連の攻撃で爆雷10発が起爆したため海中が荒れており、不明潜水艦の反応を掴めなかった。
「……敵潜探知。方位1-9-5、距離140m、深度220…230…240―」
しばらくして敵潜水艦を再探知した。
浮上機器が破損したか、はたまた艦内に大量に浸水しているのか毎秒5mずつ急激に沈降している。そして、深度が270mに達したと共に反応が消失した。
「…敵潜の反応消失。」
前橋「そうか…恐らく圧壊したのだろう。艦隊司令部に打電、不明潜水艦を撃沈したと。」
「はっ」
『ワレ雪風。1130、不明潜水艦ト交戦、対潜戦闘ニテ不明潜水艦を撃沈確実。』
「それにしても、突如攻撃してきた不明潜水艦はいったい何処の国のものでしょうか?」
前橋「さぁな、サッパリ分からん。だが雷跡がくっきり見えていたことから、我が海軍とアベーラ海軍の潜水艦ではないことは確かだ。」
「…なるほど。我が軍とアベーラ海軍の潜水艦は無航跡の酸素魚雷を使用していますからね」
前橋「ああ。横須賀へ帰還後、今回の戦闘を受けて査問委員会が設置されるだろう。不明潜水艦の所属を突き止めるためにも浮遊物の回収を行うとしよう。取り舵一杯。」
「了解、取り舵いっぱーい」
◇ ◇ ◇
アルフェッカ「………」
甲板で対潜戦闘の様子を間近に見ていたアルフェッカは、ただただ驚愕していた。
この世界に潜水艦の存在を知る国は存在しないと彼は知らされていた。だが現実は、いち早く魚雷攻撃を察知したこの小型艦―いや駆逐艦は奇襲にも関わらず魚雷を全て回避し、そして爆雷投射機や投下軌条を使った対潜攻撃で目標を撃沈した。
まるで潜水艦を知っていたかのようなその一連の動きに衝撃を受けると共に、ある一つの疑惑を抱えていた。
「…艦長、先程の魚雷攻撃は…」
アルフェッカ「………」
何かを疑うような部下の言葉に、口を紡ぎ顔を俯かせることしかできなかった。
この世界の国々の海軍は魚雷を保有しておらず、現時点ではグラ・バルカス帝国及び大日本帝国の2か国のみであった。
だが、相手が日本のものだった場合、雲一つない晴れで視界が良い真っ昼間に味方艦を誤って攻撃することは考えにくい。そのため魚雷攻撃の正体が大日本帝国の可能性は除外される。
そして選択肢に残ったのは、グラ・バルカス帝国であった。
アルフェッカ「(…いや、そんな訳ないだろう……だが…)」
祖国であるグラ・バルカス帝国に対し、初めて不信感が募った瞬間であった。
to be Continued
対潜戦闘の描写ムズカシカッタ…もしかしたら間違っているかもですので報告にて直して頂けますと幸いです。誤字、脱字等ありましたら報告お願い致します。
博麗シンボリルドルフさんから☆9を頂きました!!ありがとう御座います!!
感想、評価、お気に入り登録をお待ちしております!そしてアベーラ合衆国陸空兵器案も絶賛募集中です!
それではグッバイ
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