強化された大日本帝国召喚   作:89式小銃

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どうもお久しぶりです、89式小銃です。

仕事がひと段落つきましたので投稿を再開致します。1月7日から長らくお待ち頂きました皆様、ありがとう御座います。

これからも私89式小銃の応援をよろしくお願い致します。

それではどうぞ


第58話 魔王討伐作戦①

 

 

中央暦1640年5月16日 午前

 

トーパ王国 王都ベルンゲン

 

 

ラドス16世「なっ…!この数値は本当なのか…?」

 

国防大臣から渡された魔王軍との戦闘に関する報告書に、思わず目を見開くラドス16世。

その内容は戦死者や負傷者に関する物であったが、この短期間で既に3000人近くの兵士が犠牲になっており、負傷者は1万人に届きそうな勢いである。

 

ラドス16世「(魔王ノスグーラめ…あの忌々しき生物は我々の予想を遥かに超えてきておる…)」

 

魔王軍の侵攻以降、魔信や報告書の情報はどれも凶報ばかり。つい先日には城塞都市トルメスの守りが突破され、都市北側のミナイサ地区が魔王軍に占領されてしまった。

 

同地区には逃げ遅れて捕まってしまった住民が約600人もいる。住民は食糧として奴らに消費されており、一刻も早く救出しなければならない。

 

ラドス16世「…日本軍の到着はまだなのか?」

 

「ははっ…日本大使館からの連絡によれば明日の午前中には南の沿岸に到着するとのことですが…」

 

ラドス16世「明日の午前か…それまで前線の兵士達には頑張ってもらうしかないか…今後の情勢推移によっては予備役の者やギルドに所属する傭兵と冒険者を招集する手段も考えねばならんな…」

 

あの列強パーパルディアを短期間で下した日本軍が居れば、魔王軍など赤子の手をひねるがごとく簡単に殲滅されるであろう。早く日本軍が到着することを願うばかりである。

 

 

______________________

 

 

同時刻

 

トーパ王国の南方に50km進んだ海の上空を1機の航空機が飛行していた。

 

海の色に溶け込むようなグロスシーブルー色の塗装に、胴体と主翼には白星の中に赤丸が描かれた国籍マーク。その正体は、アメリカ海軍航空母艦キアサージの航空隊所属のSB2-C"ヘルダイバー"急降下爆撃機である。

 

「こいつはスゲェな。辺り一面モンスターばかりだ」

 

操縦桿を握る『ジョセフ・イェーガー』は眼下に広がる光景に思わず呟く。

 

本来なら地球の南国のような美しいエメラルドグリーンの海が見えるはずが、おびただしい数の黒点や青点によって海面が埋め尽くされてしまっている。

 

ジョセフ「ジョン、艦隊には連絡したか?」

 

機体後部の銃座席に居る部下へと話しかける。

 

「もうしましたよ。それにしてもとてつもない数ですね…ざっと見ても1000体は居ますよ。それに大型の海魔には小型の陸上型魔獣が乗っています」

 

ジョセフ「あぁ。どうやら魔王軍という奴らは、上陸作戦で第二の戦線を作ろうとしているらしいな」

 

これだけの軍勢が居れば、あっという間にトーパ王国は奴らに飲み込まれるだろう。

 

…ふと爆弾投下レバーが視界に入る。

 

今回の飛行はあくまでも偵察が目的だが、もしもの事態に備えて爆弾槽には1000ポンド爆弾1発が搭載されている。しかし、余程の出来事がない限り戦闘行動は許可されていない。

 

ジョセフ「…なぁジョン。最近はずっと偵察任務ばかりで飽きてこないか?」

 

「急になんですか。そう思っているのは貴方だけですよ……ま、まさか!?

 

ジョセフ「あぁ、そのまさかだ。しっかり掴まっておけよ!!」

 

手頃な海魔に目標を定めると、高度4000mから70〜75度という垂直に近い角度での急降下を開始。

 

しばらくして両主翼のダイブブレーキが展開、機体の空気抵抗を減らし降下速度の増加を抑える。

 

ジョセフ「(2296ft……1968ft……1640ft……)Bomb dropped(爆弾投下)!!」

 

ガコンッ

 

爆弾を確実に命中させるため海面との高度が450mに達すると投下レバーを引き、爆弾槽より1000ポンド爆弾が投弾される。そして、瞬時に操縦桿を力いっぱい引き込み機体の引き上げを試みる。

 

ジョセフ「(ッ…!!)」

 

体全体に強力なG圧が伸し掛かり意識が朦朧とする中、海上に激突しないよう必死に操縦桿を握り続け、ついに機体の引き上げに成功した。

 

ドオォォォン!!

 

次の刹那、目標に着弾した爆弾が炸裂。正規空母をたった1発で戦闘不能にさせる1000ポンドの鉄の塊は、クラーケンと背に乗せていた魔獣もろとも木っ端微塵にし、辺りに肉片と体液を盛大に撒き散らさせる。

 

ジョセフ「Woo hooー!!見たかジョン!!派手に爆散したぞ!!」

 

「え、えぇ…(あぁクソッ…処罰確定だ…)」

 

攻撃成功にジョセフは有天頂になるが、その様子を見ている同僚は、彼の独断攻撃のせいで自分含めて命令違反として処罰される未来に頭を抱えるのであった。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

その頃、ジョセフ機より報告を受けた『キアサージ』は通信内容を即座に艦隊旗艦『ワシントン』へと伝達し、報告を受けたキャラハンらは1000体以上もの海魔に対する対策案を緊急で練っていた。

 

キャラハン「海魔の大規模な群れか…まぁ99.9パーセント魔王軍だろうが……まさか奴らは上陸作戦を行おうとしているのか?」

 

「可能性はあります。事実、海魔に魔獣が数十体搭乗しているのが確認されていますので、高い確率でトーパ王国へと上陸するつもりでしょう」

 

キャラハン「ふむ…」

 

顎に手をつき現在の状況について考える。

 

もし仮に、千体の海魔全てに魔獣が20体ずつ乗っていると考えると相手の戦力数はざっと2万体以上…対するトーパ王国軍は4万人以上の兵力を有しているが、現地の諜報員によるとその殆どを魔王軍が侵攻している東側に宛ててしまっているそうだ。

 

恐らく南海岸には中隊規模の軍すら置いておらず、1925年制定のソビエト赤軍教本に掲載されていた"攻撃3倍の法則"に則ると、魔王軍はさしたる抵抗もなく上陸に成功しトーパ王国は二正面戦闘を強いられるだろう。

 

キャラハン「…魔王軍の進行方向は?」

 

「はっ、進路を北に時速10kmの速さで進んでおり、5時間後にはトーパ王国南海岸への到達が予想されます。」

 

キャラハン「5時間か…それまでに奴らを何らかの方法で仕留めなければならないな。」

 

「艦長、空母キアサージ及びシュトラッサーの航空隊による航空攻撃はどうでしょうか?」

 

すると、1人の士官が意見を具申する。

 

「聞くところによれば、海魔により日本海軍の艦艇が少なくない被害を被った事例があるらしく、艦艇での攻撃は少々リスクがあります。それに転移して以来、両艦の航空隊は出番が無く士気が著しく低下しており、彼らの士気を高めるためにも航空隊による攻撃を提案します」

 

キャラハン「なるほどな……よし、キアサージ及びシュトラッサーに伝令。両艦の航空隊で攻撃隊を編成し、敵軍上陸部隊を殲滅する。部隊編成及び攻撃方法は両艦艦長に委ねると伝えてくれ。」

 

Yes, sir(イエッサー)

 

 

攻撃命令は即座に、NOCF軍の数少ない空母である『キアサージ』及び『ペーター・シュトラッサー』に伝達された。報告を受けた両艦の乗組員と艦載機搭乗員は、この時を待ち望んでいましたとばかりに行動を開始。

 

艦長や航空隊指揮官は作戦内容を練り、甲板作業員はエレベーターで上げられた艦載機を移動させ、搭乗員は愛機の発艦準備完了をブリーフィング室で心待ちにしていた。

 

そして数十分後_

 

発艦準備完了の報を受け取ったキャラハンは攻撃隊発進を下令。キアサージ及びペーター・シュトラッサーが装備するカタパルトから艦載機が次々と射出される。

 

キアサージからはF6F-5"ヘルキャット"戦闘機21機、SB2-C"ヘルダイバー"急降下爆撃機28機。

ペーター・シュトラッサーからはFw190 T-2戦闘機12機、Ju87 C-2急降下爆撃機20機。

 

計81機の独米連合攻撃隊は、魔王軍の上陸作戦を阻止すべく鋼鉄の翼を異世界の大空に羽ばたかせるのであった。

 

 

______________________

 

 

 

その頃魔王軍は、ジョセフ機の奇襲攻撃を受けた影響で混乱を起こして陣形を崩しており、攻撃を受けた場所から1海里も動けていなかった。

 

そして集団の中心部に浮かぶ大型のクラーケンに乗る魔王ノスグーラ配下のブルーオーガだが、その表情は何かに怯えている様子だった。

 

「(な…なぜ太陽神の使いが…!?)」

 

何処からともなく現れた飛行機械―それは黒い塊を落とした後、数分も経たずして水平線の向こうへと消えていった。

 

しかし、ブルーオーガは決定的なモノを見てしまっていた。胴体に描かれていた赤く丸い絵―飛行機械の速度が速く一瞬であったが、それは太陽神の使いに描かれていたものと明らかに同じだった。

実際は米軍の国籍マークの、白星の中に描かれた赤丸をブルーオーガは誤認しただけであったが、それを知らない本人は過去の出来事が脳内にフラッシュバックし戦意を失いかけていた。

 

「(は、早くノスグーラ様にご報告しなければ…!また奴らが来るッ…!)」

 

"太陽神の使いが現れた"

 

魔王ノスグーラにその事を伝えるべく配下の軍を動かそうとしたその時、飛来してきた白煙を吹く矢が海魔に深々と突き刺さると内部から爆発し、血肉を盛大に撒き散らす。

 

なッ…!?

 

突然のことに驚愕するブルーオーガ。

 

矢がやってきた方角の上空に目を遣ると、こちらに向かって飛んでいる飛行機械の集団。

 

「(ひ、飛行機械ッ…!!や、奴らが来たッ…!!)」

 

身体中から冷や汗が流れ、身震いする。

 

標的を発見した独米連合攻撃隊は二手に分かれ、爆装したSB2-CとJu87 C-2はクラーケンやヒュドラなどの大型海魔を、ロケット弾を装備したF6F-5とFw180 T-2は小型海魔と陸上魔獣を目標に攻撃を敢行。

 

弓矢すら持たない魔物達は必死に逃げ惑うしかなかったが、日本海軍精鋭部隊の二航戦に匹敵する技量を有する独米軍の航空隊にブルーオーガの周囲に居た軍団はあっという間に殲滅されてしまい、自身にもウーという悪魔のような音を響かせる飛行機械から黒い塊が投下される。

 

「あ…あぁっ…」

 

スローモーションで自身に迫ってくる黒い無機質な塊―それとの距離は10mも無かった。迫りくる死にブルーオーガは掠れ声しか出ない。

 

 

グシャ

 

ドオォォォン!!

 

 

そして、ブルーオーガの顔面に着弾した500kg爆弾が爆発。上半身は文字通り消滅し、酷く焼け焦げ臓物を露わにした下半身のみがその場に残った。

 

こうして魔王軍ノスグーラの側近として恐れられたブルーオーガは、あっけなく死亡。そこからは余りにも一方的な戦闘であった。

 

リーダー(ブルーオーガ)を失った海魔や魔物は上空を闊歩する航空機から逃走を試みるが、それをヤンキー(アメリカ人)トイチュ(ドイツ人)が見逃すはずもなく容赦なしに爆弾やロケット弾を叩き込む。それらを投下し終えた機も自機が装備する機銃にて攻撃を続行し、海魔と魔獣を次々と血祭りに上げる。

 

結果、10分に満たない僅かな時間で2万体以上の魔王軍はあっさりと殲滅され、NOCF軍は奴らの上陸作戦を阻止することに成功するのであった。

 

 

 

 

 

なお、大量のヒュドラの死体から流出した猛毒によってリーム王国東沿岸及びトーパ王国南沿岸が長期間汚染され、重大な環境問題となったのはまた別のお話である。

 

 

to be Continued

 





明日のやたからすさんから☆9を頂きました!高評価ありがとう御座います!!

さて魔王編が終わりましたら、いよいよグラ・バルカス帝国編へと突入する予定を考えております。大日本帝国とグ帝の戦争はまだまだ先ですが、気長にお待ち頂けますと幸いです。

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それではグッバイ

日本陸軍の次期主力銃のモデルはどれが良いか?

  • AK-47
  • FN FAL
  • SKSカービン
  • 64式小銃
  • スプリングフィールド M14
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