風の強い夜だった、、、
一人の少女が都会の夜を早足で駆けていた。
???「急がないとっ!」
頭には特徴的な赤いリボン、制服を着ている所を見ると高校生のようだ。
???「それにしても遅くなっちゃったなぁ。」
彼女の名はハルカ。
アイドルをしている、今日はその仕事で遅くなっていた。
ネオンの光る街並みを早足で駆け抜け、少し開けた住宅街に入る。すぐ近くには小さい公園が見える。
ハルカ「後少しで家だ。」
ハルカが早く帰りたいのには理由があった。
TVで同じ事務所の仲間が出演しているのだ、ハルカはそれをどうしても見たかった。
ハルカ「間に合うかなぁ。」
一人呟きながら静かな住宅街を走る。
と先程見えた公園を抜けようとした時だった。
ハルカ「ん?誰か立ってる、、、?」
こんな暗い場所に唯一人立っている姿が不気味に思える。
???「誰?」
その人物はハルカに気づいた様子、だが振り返らずに問う。
ハルカ「え、、えっと、、、ごめんなさい。」
戸惑いながらとりあえず謝罪するハルカ、その言動に理由は無い。
???「どうして貴女が謝るの?」
案の定、問いを投げられる。
ハルカ「それはその、、、」
予想はしていたものの良い答えが浮かばず言葉に詰まるハルカ。
???「っ!?」
その時唯佇んでいた人物が何かに気づいた様子で急に振り返った。
???「伏せてっ!!」
ハルカ「えっ?えっ?」
驚きと戸惑いが入り交じりながらも言われるがままに伏せる。
ビシュッ
ハルカ「なっ、何、、、?」
思わず閉じていた瞼を開くと目の前には刃物の様な何かが突き刺さっていた。
???「、、、」
さっきまで佇んでいるだけだった人物は一変。刃物が投げられたであろう方向を睨みを効かせて見つめる。
???「おおう、怖い怖い、、、」
その方向から聞こえてくる声。
???「でもあんたが巻き込んだんだよ、チ、ハ、ヤ、ちゃん!」
声の主は嘲笑うかのようにわざとらしく言う。
???「また貴方ね!」
チハヤと呼ばれた人物は警戒する警官の様に腰に手を添えた。
ハルカ「な、何が起こってるの?」
ハルカは訳が分からない恐怖に包まれながらも問う。
チハヤ「貴方は早く隠れて!」
チハヤにそう言われ恐怖で固まった手足を何とか動かそうと試みる。
チハヤ「ちっ!」
チハヤはそのトロトロとした動きに苛立ちを覚え思わず舌打ちしてしまう。
バアン
チハヤはハルカから相手の気を反らす様に発砲。だが飛び出したのは弾丸ではない。
ハルカ「青い、、鳥、?」
ハルカは呟く。そう、チハヤが銃から放つのは青い鳥の形状をした波動。それは通常の実弾より威力が高い。
???「甘いね」
相手は未だに嘲笑う様な調子を変えず飄々とまるでダンスでも踊るかのように優雅に攻撃を回避する。
チハヤ「、、、」
しかしチハヤはそれには動じた様子もなく戸惑いなく次弾を発射。
バアン
度重なる発砲音に肝が冷える思いのハルカ。何とか茂みに隠れてその様子を伺う。
ハルカ(一体何なの、、、?これは、、、?)
今まで普通の高校生で只のアイドルだった私がどうしてこんな状況に?と言うような心境。
只、呆然とその光景を見つめるしかできなかった。
???「そろそろ終わらせようかっ!」
相手はお遊びは飽きた。とでも言うように啖呵を切る。
チハヤ「っ!!」
気づいた時にはもう遅い。チハヤの胸には一本のナイフが刺さっていた。
チハヤ「かはっ、、、」
思わず噎せるチハヤ、何という速度、チハヤの目には飛んできたであろうナイフが見えていなかった。
ハルカ「きゃあああ!」
その光景を目の当たりにしたハルカ。今まで普通であった彼女にはショックが大きすぎる。
チハヤ「ぐっ、ぐううう」
チハヤはまだ意識はあるようで何とか銃を構えようとするがやはりダメージは大きかったようで手が震えて狙いが定められない。
???「あっはぁ!蒼の姫君もここで脱落っと、、、」
そう言いながら相手はチハヤにゆっくりと近づいてくる。
チハヤ「くっ、、、」
チハヤは悔しさと諦めの混じった様な声を漏らす。理不尽にここで殺されてしまうのか。
???「ここにユキホが居なくて良かったよ!ユキホなら君が死なない様にじっくりいたぶるんだけどあれは仲間から見ても余り気持ちの良いものじゃないからねぇ、、、」
相手は自分の仲間であろう人物について話し出した。どうやらそのユキホと言う人物は相当な残虐性を秘めた人物の様だ。
ハルカ「、、ダメっ!このままじゃあの人、殺されちゃうっ!?」
隠れて見ていたハルカはチハヤを助けたいが普通の少女である自分に何ができるのかと思い、一歩を踏み出せないでいた。それもそのはず、一般人が戦闘の訓練何か受けているはずもないのだから。
ハルカ「でも、このままじゃ、、、」
ハルカはやはりこういう場面で見殺しには出来ないらしい、しかしどうしたものか、答えは一向に見つからない。
???「さあ、本当に終わりだよっ!」
そう言って相手はさらにどこからかナイフを取り出す。
ハルカ「ど、、どうしたら、、、?」
???【 チカラが、、欲しいか、、? 】
ハルカ「だ、誰、、、?」
と周りを見回しても誰もいない。直接脳内に聞こえているのだが平凡なハルカにそんな発想は浮かばない。
???【 彼女を救うチカラが欲しいか? 】
今度ははっきり聞こえた。
ハルカ「チカラ、、、」
相手は今にもチハヤにとどめをさしてしまいそうだ。そのままでもチハヤは息が絶えそうだ。
ハルカ「欲しいよ、あの人を頬ってはおけない!」
その時、ハルカに電流が走ったような衝撃、体の中から何かが迸る。
ハルカ「うっ、、、体に何か、、、」
ハルカはいきなりの事に驚くが自分に【チカラ】と言うものが宿るのを感じ取った。
???「ん?、、何だ?あいつ」
相手は【チカラ】の宿ったハルカの気配がさっきとは違うのを感じた。
チハヤ「あなた、、、まさか、、、」
今にも意識が飛びそうなチハヤは振り絞る様に言った。
そんな風の強い日の公園に佇む三人を見つめる常人なら吹き飛ばされそうな住宅の屋根の上にもう一つの影があった。
???「、、、」
黙って見つめる瞳は全てを凍りつかせる様だ。
???「マコトは失敗、と、、、先に報告しておきますよ。ふふ」
謎の影は嘲笑うかの様に一人呟きまるで最初から何も無かったかの様に消えた。
ハルカ「もう止めて!」
突如放たれた言葉。だが相手は振り向くも冷たい視線を送るだけだ。
???「はっ?何言ってるの?僕が目的も果たさずに黙って帰ると思う?」
相手から帰ってきたのはそんな冷たい言葉。
ハルカ「止めないと、、、どうなっても知りませんよ。」
ハルカは静かに、だが怒りを込めて言った。
???「、、、余りふざけてると君も殺っちゃうよ!」
相手は苛立ちを隠そうともせず口にした。
ハルカ「だったらみせてあげる!私の【チカラ】!!」
誰かを守る為に手にした【チカラ】でチハヤを守って見せると意気込むハルカ。誰かを守る。今がその時。
チハヤ「、、やめ、、なさい、、、」
チハヤと相手に割り込むように間に割って入ったハルカに対しチハヤは言った。
ハルカ「大丈夫!何とかするから!」
ハルカはチハヤの忠告に対し自信ありげにそう答える。
???「ふうん、じゃあ見せてくれる?その【チカラ】って奴を!」
相手はそう叫ぶとハルカに対しとどめに使おうとしていたナイフを投げつける。
ハルカ「やっぱり見える。」
凄いスピードで迫るナイフを顔直前、紙一重で交わすハルカ。
???「なっ!?常人には交わせないスピードだろっ!」
驚いた相手は言う。
ハルカ「なら私はもう常人を越えたんだよ。」
???「くっ、、、」
ハルカ「じゃあいくよ。今度はこっちの番!」
そう言うとハルカは相手に向かって手を翳す。
???「おいおい、何をする気だ?」
ハルカ「、、、、レヴィ・ザ・フレイム《焔神の刃》」
小さく呟かれた言葉に呼応するかのように翳された手のひらから焔が放射される。
???「っ!?そ、、それは!、、、」
ハルカが放った焔を見て何かに気づいた様子の相手、だがそれも束の間、避けるという事を完全に頭から除外していた相手はその焔に包まれる。
???「うわあああああっ」
叫んでいた相手の声は焔の中で徐々に小さくなっていく。
ハルカはそれを見つめながらどこか冷めたような目をしていた。
チハヤ「焔の刃、、、」
それを虚ろになっていく瞳で見つめていたチハヤには相手が焔の刃で両断される様に見えた。
公園はまた静寂を取り戻しつつあった。
ハルカ「いけない!遅刻遅刻ー!」
いつもの日常が帰ってくる。
あの出来事が夢であったかのような次の朝、ハルカはいつも通り遅刻ギリギリに家を出た。
ハルカ「急いで電車に乗らないと、間に合わないよー!」
目指すはアイドル事務所である。ハルカの事務所は電車に乗って行く位やや遠い所にある。
ハルカ「ふー。ギリギリだよー。」
何とか改札を抜け、丁度停車していた電車に乗り込む。この電車に乗る事が出来れば大丈夫だ。
通りすぎていく景色を眺めながら音楽を聴く。最近話題の曲らしいがハルカはよく知らなかった。
何駅か通りすぎた所でハルカは考える、昨日の出来事。あれは本当に現実だったのか。
ハルカ「考えてても始まらない。行こう!」
丁度最寄り駅で停車した電車から降り事務所を目指す。
駅から出たら一段と日差しが強い。
ハルカ「今日も良い天気。頑張らなくちゃ!」
意気込むと歩き出す。
事務所に着いたハルカは扉の前で中から話し声がするのが聞こえた。
ハルカ「誰かお客さんかな?」
考えてもそんな話は聞いておらずとりあえず入る事にする。
ガチャッ
ハルカ「おはようございまーす。」
チハヤ「あら、来たのね。」
ハルカ「っ!?あ、あなたは、、、、!」
そこにいたのは昨日あった、綺麗な髪の女性。そう、チハヤだ。
ハルカは何故彼女がここにいるのか分からず唖然とした。
果たしてこの先彼女を待ち受けるのは一体何なのか?
初めてこのサイトで投稿します。ワンワンPです。アイマスが好きでいつか二次創作と言うものをやりたい!と常々思っておりました。普段頭の中で妄想しているだけの私がこれに手を付けたのは友人から紹介されたからです。これ以降を書くかはまだ未定ですがこれからもっと文章力諸々鍛えていきたいと思いますのでどうかチラッとでも見てやって下さい。最後になりましたが見ていただいた方々ありがとうございます。では