スペちゃんとチート持ち転生者の幼馴染   作:成田 きよつぐ

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 はじめに、新年明けましておめでとうございます。昨年2023年は沢山の方々に読んで頂けて大変嬉しい一年となりました。皆さま本当にありがとうございました。

 今年2024年が、皆様にとってもウマ娘業界にとっても素敵な一年になります事をお祈りしております。


 誤字脱字のご報告・お気に入り・ご評価・ご感想・読んで下さっておられる方々、いつも本当にありがとうございます!


 クリスマス…はとうに過ぎてしまいましたがクリスマスネタを書きなぐってしまいました。(笑けるほど当日投稿が間に合いませんでした⭐︎)


 時系列などが本編とは関係ない拙いおまけ編ですが、お手隙の際にでも読んで頂けたら幸いです。






おまけ編/クリスマスネタ二部作

 

 

 

 

 

 

 

《スペちゃん ドリームトロフィー・リーグ移籍後 学園にて》

 

 

 

 

 私がトゥインクル・シリーズを引退して、ドリームトロフィー・リーグへの移籍を決めてから迎えた本日《12月24日》のクリスマスイブ。

 

 

 私は現在、一緒にトゥインクル・シリーズを駆け抜け、ドリームトロフィー・リーグでも変わらずライバルとして切磋琢磨し合っている

 グラスちゃん・エルちゃん・セイちゃん・キングちゃん達と学園の空き部屋を使わせてもらってクリスマスパーティーを楽しんでいる最中である。

 

 

 トゥインクル・シリーズを走っていた時はちょうど有記念を控えている時期であったため、中々クリスマス気分を味わう事が難しかったのだが、

 今年は年明けのウィンタードリームトロフィーが直近のレースとなるため少しだがスケジュールに余裕がある。

 

 

 そのため私達はずっと出来なかったクリスマスパーティーを『この際やってみよう!』と思い立ち現在に至っている。

 本当はツルちゃんとウララちゃんも誘いたかったんだけど…二人はトゥインクル・シリーズに所属しているため今日の所は不参加となってしまった。けどツルちゃんとウララちゃんも交えてまたパーティー出来ることを楽しみに取っておこうと思う。

 

 

 そんな思い付きで行った私達の第一回クリスマスパーティーは──

 

 

「激辛! 激ウマ! 大感激! この秘伝のサルサ・ヴィタで! エル特製ホットスパイシーチキンを作っちゃいマァァス!」

 

「ちょっと!? エルさん! ストップよ! ストップ!」

 

「わわわっ!? エルちゃんちょっと待って〜!?」

 

「エ〜ル〜? チキンに激辛ソースをかけるのは構いませんけど、かけるのは自分が食べる分だけにして下さいね?」

 

「あぶないあぶない、にしてもエルは本当辛いの好きだね〜」

 

 

 買ってきたチキンにエルちゃんが激辛ソースをかけようとしたのを皆んなで止めに入ったり、

 

 

「キング〜、立ったついでにそこのお菓子も取って〜?」

 

「スカイさん貴方、炬燵から出たくないからって…まったく、お菓子ね。何処にあるのよ?」

 

「う〜ん、取り敢えず部屋から出てすぐの階段を降りたら右手の方にあると思う」

 

「いや、購買じゃないのそれ!? 買って来いって事!? だとしたら嫌よ!?」

 

「キング違いマス! お菓子がある場所はそこから空中に四歩デェェス!」

 

「どういう事よ、それは!? 空中に四歩!? 飛べって事!?」

 

「ふふっ、もう二人とも? キングちゃんを揶揄っちゃ駄目ですよ?」

 

「キングちゃん、すぐそこに置いてある袋の中に入ってるよ。私も丁度ジュースを取りに行こうと思ってたから手伝うね」

 

「ああ、コレね。まったく二人が変な事を言うからビックリしたじゃない」

 

 

 皆んなでじゃれ合いながらお菓子をつまんだり、

 

 

「なーっはっは! まさかそれで勝負する気デスか〜?」

 

「むむむっ…でも、ここは思い切って勝負にいきますッ!」

 

「このキングに勝負しないという選択肢は無くってよ!」

 

「凄い自信だね〜? まぁでも、私もここは勝負といきますか」

 

「皆さんが勝負されるのに、私だけが降りるわけにはいきませんね。では、いざ尋常に」

 

 

 インディアンポーカーで人参を巡る熱い戦いを繰り広げたりと…あっという間に時間が過ぎてしまう程の楽しいクリスマスパーティーとなった。

 

 

 そうしてパーティーも終盤、最後に皆んなで今日の為にお兄さんが作ってくれたホールケーキを食べながら会話に花を咲かせていた際、ふとエルちゃんからこんな言葉が聞こえてきた。

 

 

「そういえば…聞きましたか? 最近、トレセン学園の七不思議に新しいものが追加されたらしいデスよ!」

 

「トレセン学園の七不思議?」

 

「あぁ〜、そういえばウチの図書室にそんな本置いてあったっけ?」

 

「そう! それデェェス!」

 

 

 へぇ、この学園にはそんなものがあるんだ…

 

 

「でもアレって七不思議というよりも当然の現象が書かれているだけでは無かったかしら?」

 

「そうですね、それにあの本は七不思議なのに100選も書かれていましたし…」

 

「それって全然、七不思議じゃ無いんじゃ…」

 

「まぁ書いてある内容もキングの言う通り、『ハチミツドリンクを666ml飲んだらタイムが落ちる』とか、よく考えたら当然の事が書かれてるだけだからね〜」

 

 

 ハチミツドリンクをそんなに飲んだら、確かに太り気味になっちゃってタイムが落ちちゃうだろうなぁ…

 

 

「確かに七不思議は笑ってしまうものが殆ど…デスがッ! 最近追加された七不思議は今までとは一味違うみたいなんデスよ」

 

「へぇ、どんな七不思議なの?」

 

「よくぞ聞いてくれました! 追加された七不思議はまさにこの時期にピッタリ! なんと今日のクリスマスイブの日…《12月24日に三女神像の前でお祈りしながら欲しいモノを書いたメモを置いておくと翌朝、まるでサンタさんからのプレゼントの様にそれが届けられる》らしいのデェェス!」

 

「それは…喜んで良いのか不気味に思うべきなのか難しいところね…」

 

「そうですね…ですが、やっぱり嬉しい気持ちにはなるんじゃないですか? それが本当ならですけど」

 

「どうもこれが本当らしいのデスよ。ここ3年ほど、実際にお祈りを行った生徒たちにはプレゼントが届いているらしいのデス。ある生徒の下には既に非売品となっていた限定シューズが! またある生徒の下にはその娘が強くなる為に最適なメニューなどが書かれたトレーニングノートが! またまたある生徒の下には超高性能で乗り心地も抜群なセグウェイが届いたりしているみたいデスよ!」

 

「何だか最後の生徒に関しては私すっごい心当たりあるなぁ〜」

 

 

 私もセグウェイが届いた人には凄く心当たりがある…

 

 

「でもエルちゃん、一体どの部分が七不思議なの? 像の前でお祈りしなきゃいけない部分?」

 

「「「「……え?」」」」

 

「…え?」

 

 

 私の質問に対してエルちゃんだけでなく他の皆んなも一瞬固まったかと思うと一斉に私の方を凝視する…な、なして?

 

 

「ス、スペちゃん? 何を言って──あ…」

 

「スペシャルウィークさん、貴方まさか──あぁ、なるほど…」

 

「あはは、この七不思議の犯人が何となく分かったね〜」

 

「奇遇ですね。私もスペちゃんの今の反応を見て、あの人なら不思議では無いなと思いました」

 

 

 凝視されたかと思うと今度は一転して微笑ましいものを見る様な優しい目で見られる…ほ、本当になして?

 

 

「ねぇスペちゃん、もしかしてだけど…小さい頃ってサンタさんから“2つ”プレゼントが届いてたりしてなかった?」

 

「へ? う、うん。確かに小ちゃい頃は2つ届いてたけど…ど、どうしてセイちゃんがそれを?」

 

「にゃはは、スペちゃんは何も気にしなくて大丈夫だよ。いや〜、これはセイちゃんも何かお願いしちゃおっかなぁ〜♪」

 

「そうね、そういう事なら私も一つお願いを聞いてもらおうかしら」

 

「私もそのサンタさんに一つお願いしたい事が出来ましたね」

 

「私もデェェス! スペちゃんは──お祈りしなくてもラブラブなお兄さんがいマスもんね〜?」

 

「ふぇえ!? ちょ、ちょっとエルちゃん!? なして急にお兄さんが出てくるの!?」

 

「ふふっ、スペちゃん北海道弁が出ちゃってますよ?」

 

 

 はっ! う、うぅ…もう、エルちゃんが急にラブラブなんて言うから…皆んなもニヤニヤしてるし……

 

 

 お、お兄さんは…優しくて、一緒に居てくれたら凄く安心して、私を笑顔にしてくれて、いつも私に前に進む為の勇気をくれて……だ、だからっ、ちょ、ちょっと大好きなだけだもんっ。

 

 

 そうしてその後も皆んなからお兄さんとの事について少し揶揄われたりしつつも、急遽開かれた私達のクリスマスパーティーは最後まで和気藹々とした本当に楽しいパーティーとなったのだった。

 

 

 

 

〈トレセン学園・とあるトレーナールームにて〉

 

 

「ふぅ、今年もこの季節だな。さてと…今年はどんなプレゼントを用意したら良いのかな? っと」

 

 

「──ふむふむ、『キャロットマンに変身する為の変身ベルトが欲しいです!』か。なるほど…確か前に作っちゃったアイ○ンマンスーツもどきがあったから、それを改造してベルトに収納できればいけるかな」

 

「──なになに? 『学園の水道からニンジンジュース、もしくはオレンジジュースが出る様にしてくれないとドロップキックだぞ⭐︎」って、また凄いお願いがきたなコレは……秋川理事長とたづなさんに相談してみるか。でも許可取れるかな?」

 

「──うん? こっちは何枚か纏めて入ってるな。えっと…『これからもスペちゃんがもっと強くなれる様に支えてあげて下さい。私達ももっと強くなりますから!』……ハハッ、これは『お任せ下さい』って書いた返事と一緒に皆さんにも何かプレゼントを用意しないと駄目だな」

 

 

 こうして何処ぞのチート野郎の影響で、今年もトレセン学園にクリスマスの七不思議が巻き起こるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

《スペちゃん ドリームトロフィー・リーグ移籍後から数年 故郷の北海道にて》

 

 

 

 スペちゃんがドリームトロフィー・リーグに移籍してから何度目かのクリスマスを迎えた本日は《12月25日》の夜分。

 

 

 俺たちは今、年明けのウィンタードリームトロフィーに向けて北海道の実家に帰省して英気を養っているところであり、現在は二人で並びながら深々と雪降る夜道を散歩している最中である。

 

 

 トレセン学園でのサンタクロースごっこに関しては昨日の内に皆さんの下へのプレゼント転送を終了していた為、皆さんが喜んでくれていたら幸いだ。

 

 

 因みにスペちゃんと同じくドリームトロフィー・リーグで活躍しているアヤベさんとマックイーンさんも今頃ご実家に帰省しているところなので、我が《チームノヴァ》今年のクリスマスは各自実家で家族と過ごすという、何とも年末年始の様なスケジュールとなっている。

 まあレースの関係で実際の年末年始には絶対に帰省出来ないため仕方がないのだが。

 

 

 そうした諸々の事情もあり俺たちは、先程までスペちゃんの実家で俺の両親も、そしてスペちゃんのもう一人のお母さんもきっと居て下さっていただろうから合わせて6人で…久々に家族との時間を過ごしていたのだった。

 

 

 そうして食事とケーキを美味しく頂きながらの談笑を楽しんでいた俺とスペちゃんは片付けを手伝った後、食後の運動がてら近くを散歩しようという事になり今に至る。

 

 

 それにしても…都内の夜にすっかり慣れてしまっていたのだろう、久しぶりに歩く故郷の夜道は何だか懐かしい様な、しかし新鮮な気持ちにもなる様な…そんな不思議な気分にさせてくれた。

 

 

 辺りには車や電車が走っていないどころか人っ子一人も居らず、周りの音らしい音といえば時折吹く冷たい風の音のみであり、道を照らすのは人工的な灯りでは無く月明かりの優しい光。

 そして上を見上げれば──そのお月様と同じく雪降る澄んだ空気の中、夜空に輝く満天の星たちによる天然のプラネタリウムが満喫できるという……自分の故郷が魅せてくれる景色に改めて感動を覚えてしまう。

 

 

 そしてその気持ちは隣を歩くスペちゃんも同じだったのだろう、俺と同じ様に暫くの間星空を見上げながら歩いていた彼女は、クスッと笑みを溢すとそのまま白い息を吐きながら言葉を発する。

 

 

「…ふふっ、何だか不思議ですね。ずっと自分が育ってきた場所の筈なのに、何故かこの景色を初めて見る様な…そんな気持ちになっちゃいます」

 

「ああ、本当だね。こんなに綺麗だったんだな…俺たちが育ってきた場所は」

 

「お兄さんがいつも…ターフの上でしか見られない風景、ウイニングライブでの会場いっぱいのペンライト……そんな凄い景色ばかりを見せてくれるので、私もすっかり忘れちゃってました」

 

 

 頬を掻きながら少し恥ずかしそうに笑いつつも、スペちゃんの声色は楽しかった思い出を語る様に弾んでいる。

 

 

 見た事もない様な景色をいつも見せてもらってるのは俺の方だよ、本当に。

 

 

「…フッ、じゃあスペちゃんがこの景色を忘れちゃってたのは俺のせいって事になるな」

 

 

 本心とは別に俺が少し揶揄う様な言葉を発すると、

 

 

「ふふっ、そうですね。全部お兄さんのせいです」

 

 

 俺の本心などお見通しなのか、スペちゃんは気分良さげに耳をピョコンと動かして、手を後ろに組みながらスキップする様に俺の前に躍り出ると、ペロッと舌を出して少し悪戯っ子の様な笑みを浮かべつつ、前屈み気味に下から覗き込む様な形で此方を見つめる。

 

 

 このなまらめんこいどさん娘は…何処でこんなテクニックを覚えてきたんだッ! 全くけしからんぞスペちゃんッ!

 しかも夜道で男と二人きりの状態でかましてくるなんて、お持ち帰りしてやろうか本当にッ! 帰る場所この娘の実家だけどさ。ただ送って帰っただけじゃねぇかそれ。

 

 

「言うじゃないか〜? スペちゃん?」

 

 

 目の前の可愛い生き物に俺はちょっとした意趣返しの気持ちを込めて、ピョコピョコと動き続けていた彼女の左耳をクニュッと摘んでみると──

 

 

「──ひょむ〜っ!? しゃ、しゃっこいっ!?」

 

 

 いきなり耳を摘まれた事と俺の手が冷たかった事に驚いたのだろう、何とも言えない悲鳴が静かな夜道に響き渡る。

 

 

「むぅ〜っ! お〜に〜い〜さ〜ん〜?」

 

 

 悲鳴をあげてしまった事が恥ずかしかったのか少し顔を赤らめながらぷくっと頬を膨らませたスペちゃんに、俺は両頬をむにむにと引っ張られる。

 フッフッフッ、男を舐めるとこうなるのだよスペちゃん。更に体温を奪うべく俺も彼女のその赤く染まった両頬に腕を伸ばし、同じ様に摘んでみる。

 

 

 おぉ、これは…程よいプニプニ感でお肌はスベスベ。まるで高級な大福を摘んでいるかの様な触り心地…う〜ん、これはちょっと癖になってしまうな…

 

 

「──プフッ」

 

「──あっ、も、もうっ…ふふっ」

 

 

 故郷の夜道でお互いの両頬をむにむにと引っ張りあっている事が何だか可笑しくて、思わず吹き出してしまった俺につられてスペちゃんも笑い出し、そのまま俺たちは暫く見つめ合う。

 

 

 

 

 ────そして、まあ…さ? 俺とスペちゃんも…その…出逢ってからそれなりの年月が経っている訳ですよ? そうすると…ね?

 俺もスペちゃんの気持ちに、そして何より自分の気持ちにちゃんと向き合いたいという想いも強くなるじゃない?

 

 

 そうしてお互いに……まあ気が付いたら…その、何だ……世間では俗に言う…恋人同士? なんて関係にもなっちゃう訳ですよ? 

 

 

 …そんな年頃の男女が二人、静かな夜道でお互いの両頬に手を添えて見つめ合ったらさ?

 スペちゃんみたいな娘が頬を赤らめながらうるうると潤ませた瞳をゆっくり閉じたかと思うと…何かを期待する様に桜色の唇を『う〜』と少し突き出したりしちゃったらさ?

 

 

 そしたらもう…ねぇ? やる事といったら決まってるじゃない? 皆さんなら分かってくれるでしょ? 察してくださいよお願いします。

 …別に今こうして自然な流れでやってる事からも想像できる通り、既に俺たちはこういった行為を行う事自体に恥ずかしがる事は無いのだが…誰かに説明するとなるとやっぱり恥ずかしいですからね?

 

 

 きょうの勝利の女神は〜♪ あたしだけに〇〇する〜♪

 俺に出せるヒントはこれぐらいです皆さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈とある自宅の寝室にて〉

 

 

 

 ──…ん〜……ん? …何だ夢か……クリスマスの朝に何て夢を見ているんだ俺は…ちょっと恥ずかしいぞ全く…

 

 

 今日は《12月25日》聖なる日の朝に何ともまあ懐かしい…それでいて顔が熱くなる様な夢を見てしまい目が覚めてしまった俺は、二度寝するにはちょっと日が昇り過ぎていた為そのままベットから上半身だけを起き上がらせた矢先──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──お父ちゃ〜ん! お母ちゃ〜ん! 見て見て〜! サンタさんからプレゼントきたよ〜!」

 

 

 パタパタパタッ! と、嬉しさのあまり自分の部屋からこちらの寝室に駆け込む様に飛び込んで来た女の子…

 ピョコピョコと動いている耳に、ファサファサと左右に振られている尻尾、そして何より──母親に似たのであろう綺麗なアメジスト色の大きな瞳を輝かせた…誰がどう見てもウマ娘であろう女の子が、プレゼントの入った箱を両手で抱えながら花が咲いた様な笑みを浮かべて身体を弾ませていた。

 

 

 そしてそんな少女の声が目覚まし時計代わりになったのであろう、ベットの左隣がモゾモゾと動き、俺の左手を自身の右手で優しく包み込んでいる…

 このベッドを使うもう一人の主が、俺の手を包んでいるのとは反対の手で──その薬指にキラリと光るお揃いの“結婚指輪”を付けた左手で、優しく目を擦りながら薄らと意識を覚醒させていた。

 

 

「──ん…むぅ…ふにゃ……あっ…お兄しゃん…ふふっ、おはようございましゅ…」

 

 

 何ともまあ冬真っ盛りなのに、まるで春の陽気の様なほんわかとした笑みを浮かべて、寝起きのため張りのない声で挨拶をする彼女…

 う〜ん、愛おしい。寝室に飛び込んできたこの娘と同じ様に愛おしい。でも、今はちょっとその“呼び方”は恥ずかしいかもしれないな…

 

 

「あぁ〜っ! お母ちゃんがお父ちゃんの事を“お兄さん”って呼んでる〜! 甘えたさんの時だ〜!」

 

「──ふへ? …あっ、えっ!? い、いや! い、今のは違っ──!?」

 

「わぁ〜〜! お母ちゃんのお顔茹でタコさぁ〜ん!」

 

「あっ、こ、こらっ! もうっ、待ちなさぁ〜い!」

 

「わはは〜〜い!」

 

 

 そうして少女が楽しそうに寝室から駆け出すと、俺の左隣から跳ね起きたその娘の母親が顔を真っ赤に染めながら逃げた少女を追いかけていった。

 

 

 そしてきっと俺の顔も、その母親の女性と同じ様に真っ赤に染まっている事だろうから……少し気持ちを落ち着けてから愛おしい二人を追いかける事にしよう。

 

 

 我が一家、今年のクリスマスはそんな感じで少しドタバタしつつも幸せな一時で始まったのだった。

 

 

 

 

 

 







 この2人、うまぴょいしたんだッ!!!!


 …あ、失礼。取り乱してしまいました⭐︎



 改めまして今年2024年が、皆様にとってもウマ娘業界にとっても素敵な一年になりますよう祈っております。


 ここまで読んで下さって本当にありがとうございました!

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