何かこうして欲しいとか、誤字脱字があれば感想欄などに書いてください。できる限り対応していきたいと思います。
1話
きっかけがなんだったかはもう覚えていない。
ただ物心ついた頃にはもう憧れていた。
「陰の実力者」に。
でもそれは一時の熱病などではなく、僕の心の中で燃え続けていた。
学校では平凡を貫いた。
人畜無害なモブA、でもその裏では修行に全てを費やした。
でも、現実と向き合うときがきた。こんなことをしていても無駄だ
。
巷に溢れる格闘技をいくら習得しても僕にできるのは、
チンピラを数人ボコることぐらいで、銃を持ってる軍人に囲まれたらお終いだ。
世界最強の格闘家にでもなりさえすれば、何とかなるかもしれない。
でもそれで?核ミサイルが空から降って来たら人間は蒸発するしかな
い。それが、現実だ。
なら、核で蒸発しないために必要なものは何か?
パンチ力?
鋼の肉体か?
無尽蔵なスタミナか?
そんなものじゃない。
必要なのは未知な力。
魔力やマナ、気、オーラなどの力を取り込む必要がある。
僕が辿りついた答えはこれだった。
しかし、現実にそんな力があるとは限らないし、もし、そんな力を探している人がいたら正気を疑うだろう。僕だってそうだ。
でも、考えてみてほしい。魔力があると証明した人はいないが、魔力がないと証明した人もいないのだ。
正気では僕の目指した力は手に入らない。
その力はきっと狂気を超えた先にあるのだ。
そこからの修行は困難を極めた。
何故なら魔力の習得法など誰も知らないからだ。
僕は座禅を組み、滝に打たれ、瞑想し、断食し、ヨガを極め、改宗し、精霊を探し、神に祈り、自身を十字架へ磔にした。
それでも魔力はまだ見つからないまま、高校生活最後の夏を迎えた。
僕が修行を終えると外はすっかり暗くなっていた。流石に全裸のまま帰るわけにはいかないので制服に袖を通す。
僕はまだ魔力を手に入れてはいないけど、最近の修行には、手応えを感じている。今も修行を終えた身体はいつもとは全然違う。
頭の中はキラキラと輝いている気がするし、普通に立っているだけなのに視界が少し揺れている。
おそらく未知の力の影響なのだろう。
この修行を続けていけば、近い将来、未知なる力を手に入れることができるだろう。
山の奥で全裸になり、森羅万象を感じ、さらに大岩に頭を叩きつけることで雑念を払い、かつ脳に刺激を与えることで未知なる力の覚醒を促す。
これ以上ない完璧な修行だ。
ああ、目眩がする。
まるで脳震盪を起こしたかのようだ。
だけど今の僕はふわふわと浮かんでるかのような不思議な足取りをしている。
魔力だ。魔力に違いない。
そんな事を考えながら山を降りているそのとき、ふと浮かんでいる2つの光を見つけた。
「・・・・・・魔力?」
僕はふらふらとした足取りでその2つの光に向けて歩き出した。
間違いない!魔力だ!
僕はついに魔力を見つけたのだ。
歩いていた足は気付けば駆け出していた。
「魔力!魔力!魔力!魔力!魔力!魔力、魔力、魔力ウウウ!」
僕はついに魔力に追いついた。
そのとき、キキィッーーという音を聞いて、次の瞬間身体に衝撃が走り僕は死んでしまった。
今回は導入ということで、この小説の主人公がどのような経緯で死亡し、転生したのかというのを書きました。おそらく陰実を知っている人ならわかる通り、この主人公は頭がおかしいので、陰実を知らない人にも、あ、こいつは頭がおかしいのだとわかってもらえるようにかけていたら嬉しいです。