ひろしがサーヴァントとしてイリヤに呼ばれたら   作:青鬼狂

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いよいよあの人が登場します。
一体誰なのか…。


第4話

 

 

ひろしは早速、青鬼に城の中を自由に歩く事を許可した。その瞬間、かなりのスピードで歩きだした。それは見た目からは想像できない程に速く、油断すれば一瞬にして補食するかのごとく無駄のない動きである。まるで今までここに住んでいたかの様な動きで部屋中を練り歩いた。

 

 

ひろし「まずはこんなものですね。手始めにこの城の構造を覚えてもらいましょう。そうすればいざという時に直ぐに対応できます。」

イリヤ「そうね。それにしても顔色一つ変えないで歩きまわるなんてなんだか気味が悪いわね。ひろしの宝具。」

ひろし「ええ。青鬼に表情という概念はありません。そもそも表情は戦いにあまり関係はないでしょう。むしろ敵に自分の状態を知らせてしまうので要らないでしょう。」

イリヤ「確かにそうだけど…一応私の為に戦ってくれる存在だから軽いコミュニケーションをとりたいじゃない。ひろしもそうでしょ?」

ひろし「私は青鬼に対してあまりいい感情を抱けないのでそれでいいですよ。戦えれば今回は問題ありません。」

イリヤ「一体何があったのかは私には分からないけど、それでも私にはちゃんと挨拶とかしてよ。」

ひろし「それは心得ています。さて、そろそろ探索も終わった様ですね。」

 

ひろしがそう言うと二人の前に青鬼が立っていた。何か話す訳でもなく、ただじっとこちらを見つめている。

 

ひろし「そうですね、これから町に私は青鬼と共に行きますがイリヤもついてきますか?」

イリヤ「急に喋ったと思ったら何いいだすの!そんなの私が許すはずないじゃない。だいたいまだ日が出てる時にサーバントが出歩くなんて考えられないわ。」

ひろし「私だけだったらそこまで目立たずに行動できると思ったのですが…。そうですね、やはりまだ動く時ではなさそうですね。失礼しました。」

イリヤ「分かればいいの。夜に他のマスター達やサーバント達も動きだすからその時に動きましょう。それまでは外に出ちゃダメだからね。」

ひろし「分かりました。夜が楽しみですね、この冬木市の事はまだ土地勘がなくてよく分からないのですが、イリヤは分かりますか?」

イリヤ「そうね、私もよくここが分からないから一緒に散策しましょう。敵のマスターやサーバントに会ったら容赦しちゃダメだからね。」

ひろし「分かりました。」

 

そして時間はあっとゆうまに過ぎていき、気がつけば夜になっていた。

 

イリヤ「さぁ、やっと夜になったことだし。町に出ましょう。留守番はメイド二人に任せておくわ。ひろし、行くわよ。」

ひろし「そうですね、イリヤ。」

 

こうして二人は城から出て森を抜け、町へ出た。

 

イリヤ「まずは冬木市の学校に行きましょう。それも高校に。もしかしたらマスターの一人や二人、いるかもしれないしね。行ってみる価値はあると思うけどどうするひろし?」

ひろし「そうなら早速、学校に向かいましょう。」

 

二人は学校を目指し歩くこと数分。この間に学校の校庭では一人のマスターとそのサーバント。さらにはマスターがその場にはいないが出歩いているサーバントが一騎。

 

???「ねぇそこのサーバント。この私に何か用かしら?何もなければもう少し後で戦いましょ。」

???「生憎、そうも言ってられないんだよ。なんせこっちは多少の傷を負ってもいいからマスターとそのサーバントを見てこいって言われてるからな。いいじゃねえか。ここには他に人間はいないことだしな。」

???「くっ…今すぐ戦うっていうならこっちだってそう簡単にやられる訳にはいかない。アーチャー、宝具を使ってもいいからひとまずあのサーバントと戦ってくれる?私も援護するわ。」

アーチャー「そう簡単に言ってくれるなよ。だがあの程度の槍使いだったら楽に戦えるか。」

???「おいてめえ!今の言葉は流石に俺も見過ごせないなぁ。アーチャーのクラスのくせしてまさか剣士の真似事でもするきか?」

アーチャー「君の様な喧嘩っ早い性格の槍使いに遅れをとるつもりはない。さっさとかかってくるんだな。」

???「なら、容赦なくいくぜ!」

 

槍使いの男は大きく踏み込んでアーチャーの正面に飛ぶ様に移動する。

 

アーチャー「いくら速く動こうとも結局はお互いの持ってる武器での純粋な力比べに過ぎない。」

 

そうアーチャーが呟くと、即座に両手に小刀を作りあげて構える。

 

???「単純なスピードならお前に負ける要素はねぇよ。さっさとその剣を俺に向ける準備しとけ。」

アーチャー「言われなくても殺す気でいかせてもらうつもりだ。」

 

圧倒的なスピードで槍を振るう相手にそれを冷静に見て一つ一つ回避していく。

 

???「避けてるだけじゃ勝てねぇぜ、アーチャー!」

アーチャー「……」

 

槍を持つサーバントは気づいていない。避けているだけでは勝てないのは当然ではあるが、アーチャーはただそれだけの為に避けている訳ではないのだ。

 

アーチャー「今だ!」

 

そうアーチャーが相手の後ろ向かって叫ぶ。

 

???「急にどうした?マスターでも心配になったのか」

 

その瞬間、槍使いの背中に無数の宝石が飛ぶ。

 

???「くっ!マスターがこの場にいることすっかり忘れてたぜ。こりゃあ、どうすっかなぁ。」

 

槍使いは追撃を予想しアーチャーとそのマスターから距離をとる。

 

アーチャー「どうした?背中を攻撃されたから怖じ気付いたのか?だとしたら相当な間抜けだな。」

???「言ってくれるじゃねえか。それじゃ次は本気の一撃をお見舞いしてやる。」

 

そういうと男の周りの空気が変わった。それは少し遠くのアーチャーにも伝わってきていた。

 

この男、宝具を使う気だな。アーチャーは確信した。それを見ていたマスターも同じくそれを見越して再び攻撃態勢に移る。

 

???「ゲイ・ボルグ!!」

 

男はそう叫びながら槍をアーチャーの胸部めがけて解き放つ。

 

???「アーチャー、避けて!」

アーチャー「言われなくてもそのくらいやる。」

 

だが不幸にも少し避けるのが遅く、アーチャーの左腕を掠めた。

 

???「まさか直撃を避けるとはな。意外とすばしっこい奴だな。」

アーチャー「まさか腕を掠めるだけで終わった気にでもなったのか?この程度の傷ではこの俺は殺せんぞ。」

???「そんなに言うならもう一度だけやってやるよ。これで終わらせる。お互い後悔はなしだぜ?」

 

今にも宝具を使いそうな槍を持つサーバントを見てアーチャー、そしてそのマスターは息を飲む。だが幸運か不幸か、その後景を一人見ていた男がいた。

 

???「なんだよ、あれ。」

 

戦闘を見ていた男は思わず口にする。それと同時に走って逃げる態勢に移った。男は完璧な判断だと思った。だが相手はサーバントとそのマスター。そう簡単に逃げられるはずがない。

 

???「ちと俺らの戦いを影から見てた人間がいるみたいだな。今回の戦いは一旦終わりだ、アーチャー、そしてそのマスター。」

 

そう言って槍使いは逃げた男の後を追うように走って行った。

 

???「ちょっとアーチャー!何ボサッとしてんの!さっさとあのサーバント追いかけるわよ!」

アーチャー「凛、そう言われなくともするさ。」

凛「ちょっとアーチャー。貴方の方が速いんだからさっさと行きなさい。私はまだ周りに人がいるか見てから行くから。」

アーチャー「分かった。」

 

アーチャーはそう言って槍使いのサーバントを追う。一方でその直後に学校にイリヤとひろしが到着した。

 

イリヤ「どうやらここが学校の様ね。結構大きい所ね。私のお城には及ばないけど。」

ひろし「どうやらここが目的地みたいですね。しかしなぜだが嫌な予感がします。」

イリヤ「具体的には?」

ひろし「今ここにマスターがいると思います。私の勘が当たっていればの話ですが…。」

イリヤ「確かにひろしの勘はあながち間違いではなさそうね。ついさっきまでこの校庭で戦ってたみたい。この感じは宝具を使ったのかしら?サーバントはひろし以外の気配は感じないけれど。」

ひろし「っ!どうやらすぐ近くまで敵マスターがちかずいていたようです。」

 

直後にイリヤとひろしにめがけて宝石が飛んできた。ひろしが間一髪で気づいたのが良かったのか無傷ですんだ。

 

凛「まさか敵マスターがサーバント連れて戦闘後に来るなんて想定外だったわ。私のサーバントは今はいないけれど…さっさと呼ぼうかしら?」

 

独り言の様に呟く黒髪の女子高生を影ながら見てひろしは確信する。

 

ひろし脳内

「どうやらあの方が敵マスターで間違いないと思いますが、サーバントが一体どんなものかが分からないのでうかつに行動できませんね。」

 

ひろし「イリヤ、どうしますか?戦いますか?それとも一時的に見逃してもらうよう説得しますか?」

イリヤ「ここまできたら戦うしかないでしょ。それにこっちはさっき攻撃されたじゃない。生憎こっちはひろしがいるから二体一で戦いは有利よ。余程の相手じゃない限りね。」

凛「さっきから何をブツブツ話してるのか分かんないけど、私と戦うんだったら容赦しないわよ!」

 

ついさっきまである程度距離がとれていたと思っていたら一瞬で距離を詰められていたことにひろしは驚きを隠せなかった。その一方でイリヤはなれているのか特に反応することなくまた距離をとる。

 

凛「私だってさっき戦ったばっかりだから、正直にいうと今は戦いたくはないのよね。それにこっちのサーバントは今は目撃者を追っているサーバントを追っている最中だし。いい提案だと思わない?」

イリヤ「貴方もしかして冬木の管理人でしょ。確か名は遠坂だったかしら?あってるでしょ?」

凛「ええ。あってるわ。でもそれが何?今この場ではそれは関係ないでしょ?私の提案を飲むか飲まないかってはなしでしょ。」

イリヤ「そうね。ただ確かめたかっただけだし。今のは忘れてね。それと提案は飲めない。今日はマスターやサーバントに会わなかったらこの町の偵察だけで終わる予定だった所を貴方にあってしまったもの。ここで終わらせるわ。」

 

この二人のマスターの会話にひろしが入る余地などなく、ただ話がまとまる事を願った。

 

凛「どうやら、折れる気はないみたいだけど……そっちのサーバントはどう思う?もちろん一人のサーバントとしての意見をちょうだい。」

イリヤ「ちょっと!勝手に私のサーバントに話かけないでくれるかしら?」

凛「何よ、今までの話を黙って聞いてたコイツに結論を出してもらうのが一番でしょうが!」

イリヤ「それもそうね。じゃあひろしはここまでの話を聞いてどうするのがいいと思う?」

ひろし「そうですね。まず、凛が言っていたその目撃者というのはただの一般人ですよね。ならばサーバントに追いかけられるのは不味い状況じゃないでしょうか?ひとまずはそのサーバントと合流するのが一番です。話はそれからでもまとめられるでしょう。」

イリヤ「そうね。ひろしのいう通りに今日はしてあげるけど……遠坂のマスターはどうにも信用できないわね。何かめんどくさそうだし。」

凛「こっちだってこんな銀髪の小学生みたいな見た目してるガキマスターとなんてつるんでいられないわ。」

イリヤ「何よ?やる気?」

凛「こっちはいつだって貴方なんて軽くあしらってやるんだからね。」

ひろし「二人共。ここは一旦、冷静になりましょう。喧嘩していては話が進みません。早速ですが凛はサーバントの元まで案内をお願いできますか?私も含めてマスターもこの土地について詳しくないのです。」

凛「まったくしょうがない奴らばっかりね。でも今はそうは言ってられないし。早速案内するわ。ついてきて。」

 

そういうと凛はもうスピードで走り出した。

 

ひろし「イリヤ、グズグズしていると凛に置いていかれますよ。」

イリヤ「分かってるわよ、そんなことくらい。」

 

二人は改めて凛の姿を見失わないように走り出した。




次回はさらに少し話が進みます。
お楽しみに!
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