ではどうぞ!
甲府市若松町。そこの道路に一台のパトカーが停まっていた。屋根には「甲3」と書かれている。そのパトカーには2人の警察官が乗っていた。
運転席に座っているのは中島修巡査部長。めんどくさがり屋に見えるが真面目な27歳。助手席に座っているのは川西空巡査長。どんな人にも敬語で接する正義感の強い25歳。
「暇ですね。」
「あぁ、勤務開始から事件が一件もないな。」
「こういう日は平和に1日が終わって欲しいですよね。」
「本当にな、平和が一番だよ。」
俺はそんなことを言うと空を見上げた。フロントガラス越しに見える空は晴天で雲ひとつない。
「ん?」
俺は異変に気づいた。空から人が落ちてきているように見えたからだ。
「おい、川西。あれ人か?」
「え?」
「あそこだよ!」
「うーん?なんか人っぽいような…ってあれやばくないですか!?」
「ああ、あれってどの辺りだ?」
「多分甲府城の近く、丸の内のあたりか?」
「とりあえずサイレンと、無線!」
「あっ、はい!」
ウーウー
サイレンが鳴ると相棒は無線を入れていた。
『甲府3から山梨本部。』
『こちら山梨本部。どうぞ。』
『甲府城付近人が転落しているように見える。念のためこれより、確認に向かう。どうぞ。』
『山梨本部了解。』
「無線入れましたよ!」
「分かった!」
車内は緊迫していた。まずあの高さだ。助かるわけがない。俺らが危惧しているのはその体が誰かの上に落下する可能性だ。
「もう落ちましたかね?」
「多分な、二次被害が出ていないといいが…」
甲府市丸の内
俺らは人が転落した可能性のある場所に来た。
「人が落ちた感じないですね。」
「ああ、俺らの見間違いか?」
「一応事情聴取はしてみます?」
「とりあえず、そこの中学生に聞いてみるか。」
「はい。」
俺らは近くにいた青髪の中学生と小豆色の髪で赤ん坊を抱いている中学生に聞いてみた。
「すみません。山梨県警です。少しお時間よろしいでしょうか。」
「え?はい。」
「なんなんですか?この人たちは?」
「警察っていって町を守るヒーローみたいな人。」
「とりあえず、お名前を聞いても?」
「虹ヶ丘ましろです。」
「ソラ・ハレワタールです!」
「あの、この近くで人が転落したように見えたんで、念のため、と思いまして。」
「ギクッ!」
「ん?何か知っているのですか?」
「あっ、それわた「あー!な、何も知りません!」
「え?」
〈絶対に隠し通して。〉
〈なんでですか?〉
〈その、スカイランド?から来たってことが警察にバレたら大変だから!〉
「あの?」
「あっ!はい。なんでしょうか!」
「とりあえず何も見てな「いや、見ましたよね?」…え?」
俺は川西の言葉に被さるように言った。
「いや、私たちはほんとに知りません!」
「さっき、青髪の子の言葉にかぶさるように、大声で言いましたよね?」
「あなた、何があったか正直に言ってもらえないでしょうか。」
「え、えっと、実は…」
「ソラちゃん!」
「もう隠し通せませんよ!」
「その、落ちてきたのは私です!」
「「……は?」」
いきなりのとんでもない回答に空いた口が塞がらなかった。
「誘拐犯を追いかけてたら、不思議な穴に入って、気がついたらこの甲府?っていうところに落ちていました。」
「え?冗談ならもう少しマシなものを…」
「ほんとなんです!」
「警察をからかったらだめ「バーン」……」
突然近くの信号から土煙が上がった。
「なんだよ!今度は!」
「とりあえず、負傷者がいないか確かめましょう!」
「あ、ああ!二人はそこから動かないで!」
土煙が上がったところに近づくと煙が晴れてきていた。
「なんだよ、こいつ…」
「これ、夢ですね。」
何せ、目の前にいたのは巨大化した二足歩行をしている服を着た豚だからだ。
「なあ、さっきの中学生が言ってたことはほんとだったのか?」
「ええ、多分。」
その豚は事情聴取をしていた中学生たちの方を見た後に近くにあるショベルカーに目をつけていた。
「とりあえず、応援を呼んでくれ。」
「本部が信じるとは思えませんが…」
相棒は本部に状況の報告を始めた。
「あ?豚がしゃべった?」
俺らが話しているうちにその豚は何かをしゃべっていたようだった。
「は?おい、おい!川西!」
「え?は?なんですか?」
「あれ見ろよ!」
「え?ショベルカーが…」
俺らの目にはショベルカーが怪物になっているように見えていた。
「これは夢ですね、とりあえず僕をつねってください。」
「ああ。」
俺は川西をつねった。
「え?痛い。」
「は?ってことはこれ現実か?」
「嘘だろ…」
「っていうか、あいつを鎮圧しないと!」
「いや、もうあれは自衛隊の仕事だろ。」
「周辺の人の避難は警察の仕事でしょうが!」
「ああ、わかった。」
「そこの二人、逃げろ!」
「ソラちゃん、逃げるよ!」
「ましろさん!この子を!」
「え?ソラちゃんは?」
「おい、お前ら、早く逃げろ!怪我するぞ!」
だが、ソラは怪物目掛けて走っていた。
「おい、ソラ!早く逃げろ!死ぬぞ!」
「川西!そこのやつを止めてくれ!」
「え?分かりました!」
「おい君!止まりなさい!」
「何してる!ほんとに死ぬぞ!おい!聞いてるのか!」
ソラの奴は俺らの静止を振り切って突っ込んでいた。
「あぁ!もうクソ!」
俺は咄嗟に拳銃を抜いた。
「中島さん!発砲許可は「そんなこと言ってる場合か!」
俺は狙いを定めて撃った。
「え?」
「くっそ、やっぱり効かないか!」
銃弾は怪物を捕らえていたが、やはり元は重機、効くはずがなかった。ソラはいきなりの発砲にビビったのか怪物の前で止まっていた。
「ソラ、そこは危ない!早く逃げろ!」
だが、ソラはまた走って突っ込んでいった。
「馬鹿野郎!銃が効かねえやつに生身の人間が戦えるわけねえだろ!」
ソラは案の定吹っ飛ばされていた。
「川西!援護してくれ!」
「了解です!」
俺はソラに近づいた。
「おい!大丈夫か?」
ソラは擦り傷程度で軽傷だった。
「たっく、心配させんなよ…」
「私は…」
「あ?」
「ヒーロー…」
「どんなに相手が強くても、最後までやり抜く…」
「お前まだ戦う気か?いい加減にしろ!命が惜しくねえのか!」
「逃げてください…私が、時間稼ぎしますから…」
「ふざけんなよ!警察を舐めてるのか!民間人残して、逃げれるような薄情な人間じゃねえんだよ!」
ソラはまた敵に突っ込んでいった。
俺は後ろを見た、もう一人の方は既に逃げたようだった。
「はあ、まだマシか…」
「あ、待ちなさい!」
「?」
俺はソラの怒声が聞こえ、怪物の方を見た。怪物は市役所の方に飛んで行った。
「川西!パトカー出せ!」
「はい!」
「ソラ!お前は早く逃げろ!」
俺はソラにそう告げるとパトカーに乗り込んだ。
「今更だが、山梨本部は!」
「信じてもらえませんでした。」
「クソッ!」
「……!あれです!」
「無差別に狙いやがって!」
「降りるぞ!」
「メガホンで呼びかけます!」
「頼んだぞ!」
『山梨県警です!今すぐここから避難してください!慌てないで!』
「おいコラ化け物!逃げんじゃねえ!」
俺は走って怪物を追った。
「あれは!」
俺は怪物がましろを狙っていることに気づいた。
「バン!」
俺は即座に拳銃を怪物目掛けて発砲した。
「抑止にはなるだろ!」
二発、三発と撃ち込んでいく。
「カチッ」
「チッ、弾切れか!」
気づいたら五発あった弾は0になっていた。
「待ちなさい!」
「お前!」
俺はその声の主を理解して激怒した。
「あなたの相手は私です!」
ソラだった。
「おい!限界だろ!」
案の定ソラは地面に倒れた。
「無理すんなお前は逃げろ!友達も赤ん坊も守ってやるから!」
そこに豚が近づいてきた。
「テメェ!」
俺は豚を睨んだ。
「いきなりきたと思ったら、怪物を生み出しやがって!」
その豚は俺の言葉を聞きもせず地面にあった手帳を拾い上げた。
「私のヒーロー手帳?なんだこれ?」
その豚は手帳の中を見ると笑った。
「ハッハッハ!ヒーローか!お前が?無理だろ!」
そういうと、その豚は手帳を破り捨てた。
俺は今すぐにでもこいつの頭に鉛玉を撃ち込んでやりたかった。だがその鉛玉はもうない。
「クソッ!」
気づけば俺の手は爪が食い込んで血が滲んでいた。
だがその時後ろで…
「は?おい、お前!」
「避難誘導終わりました!……え?」
後ろにいたソラは光っていた。
そしてソラはその光を掴んでいた。
「なんで、お前、発光して…」
「えっ!」
「早着替えにも程が…」
ソラは容姿が変わっていた。その間コンマ1秒。普通ならありえない。そして…
「私、どうしちゃったんですか!?」
当の本人もかなりびっくりしていた。
そして、それを見た怪物はバケットを振り落とす。
「うわっ!ソラ!危ないぞ!」
ソラはジャンプしてかわしたが…
「は?」
「え?嘘だろ!」
ソラは、超人でもありえないような高さまで跳んでいた。
ソラもびっくりしているようだった。
「おい!メガホン貸せ!」
「え?」
「おいソラ!どうにかして着地しろ!じゃないと落下死するぞ!」
だがソラは怪我することなくビルに着地した。
俺らは開いた口が塞がらない。
だが怪物は着地したビルの屋上まで跳んでいった。
「これ、夢だろ!痛みを感じる夢だ!そうだよ!そうに違いない!」
「中島さんが現実逃避してどうするんですか!」
そんなことを言っている間にソラは怪物を打ちのめしていた。
「なんでだ、銃弾が効かない相手だぞ!?」
そして、ソラはその怪物にとどめを刺していた。
「ヒーローガールスカイパンチ!」
そして、その一撃で怪物は消滅、元の重機に戻っていた。また、一部破壊された甲府の市街地も復旧していた。
「ん?あ!おい待ちやがれ!」
俺は豚の野郎が逃げていることに気づいた。
「おい、俺はここであいつに話を聞く、川西はあの豚を追え!」
「はい!」
俺はソラに近づく。だがソラから出た言葉に耳を疑った。
「怪我はありませんか?」
「は?」
驚いた。開口一番出る言葉がそれなのだ。
「お前!ちょっとは自分の心配をしろ!怪我は!」
俺は今日何度目かの怒鳴り声をあげた。
「怪我は、ないです。」
「はぁ、たっく心配させやがって!」
「ソラちゃん、貴女ってヒーローなの?」
隣にいたましろからの質問。それに対しソラは。
「私にも何が何だか…」
ソラ自身もこの現象についての理解は追いついていなかった。
「おい、ソラ。」
「はい?」
「あんな身を挺して戦うのは正直看過できない。だが、甲府を守ってくれたのは事実だ、まあ、ありがとな。」
「いえ!これがヒーローのするべきことですから!」
奥からは山梨本部から騒ぎを聞きつけたパトカーが来た。
「おせぇよ…」
「ソラ…」
「逃げろ。」
「え?」
「お前はこれから聴取を受ける、そうすると、今までのことを全部話すことになる。そうすると色々めんどくさいだろ。」
「俺が逃してやる。本部の奴らはどうにかする。逃げろ!」
「ソラちゃん、行くよ!」
ソラはましろに無理矢理連れていかれるようにこの場を後にした。
「はぁ、夢だな。これで目が覚めたらベットの上、そうだ、そうに違いない!」
ということで終了です。なんとか書いてみましたがいかがでしたでしょうか。正直言ってもう一つの方よりも酷い作品だと思います。ちなみにこの作品の最後、9、10話は多分オリジナルになります。
ではまた次回!