ではどうぞ!
甲府市飯田
「結局黒幕にたどり着けるようなことはなにもありませんでしたね。」
「ああ、見てて思ったが、どれも少し早かったら、遅かったら集中攻撃を受けてたかもしれないんだな。今回に関してはスカイやプリズムと言った第三者が関わったからこうなったんだよな。」
俺らはこれまであった事件報告についてを話しながらパトロールしていた。
「はあ、それにしても、カバトン現れなくなりましたね。」
「もう一週間以上だな。今はどこにい「なんですか!?あれ!」
川西が俺の言葉に被さるように叫んだ。
「黒い…線のような…」
黒い線に釘付けになっていると、下側に巨大な何かが見えた。
「あれ、まさか!」
「嘘だろ!カバトンが巨大化してる!」
そこにいたのは巨大化したカバトンだった。高さはざっと8メートル強といったところだ。
「あればっかりはやばい!避難誘導するぞ!」
「了解!無線も入れておきます!」
川西は無線を入れた。
『至急至急!甲府3から山梨本部!寿町付近、巨大な怪物がいる!避難誘導のため応援願いたい!どうぞ!』
『山梨本部了解。至急至急、山梨本部から各局。寿町付近で怪物が出現したとのこと、付近の車両、および県警本部、甲府署、南甲府署の各員は避難誘導にあたれ、以上山梨本部。』
「入れましたよ!」
「分かった、とりあえず寿町の方に行くぞ!」
「了解です!」
俺らは注意喚起をしながら寿町の方へサイレンを鳴らしながら向かった。
「あれか!」
荒川橋に差し掛かった頃、巨大化したカバトンと、戦闘中のスカイが見えた。
「おい、なんでスカイだけなんだ!?」
「プリズムたちは?」
俺らはプリズムやウイングがいないことに気づいた。
「スカイ一人で大丈夫なのか!?」
「…とりあえず彼女に任せましょう、僕たちは出来る限り避難させないと。」
「ああ。」
俺らはパトカーを降りると周辺の住民の避難を始めた。
『山梨県警です!今すぐここから離れてください!繰り返します…』
川西はメガホンで、俺は一軒一軒を回りながら避難誘導を始めた。
「山梨県警察です!今すぐ避難して!」
「…なんて?」
今いるのは高齢者が一人で暮らしている家。耳が遠くあまり聞こえていないようだった。
「今すぐ!!ここから避難を!!」
「避難?なんでだ?」
「すぐそこに!!かい…強盗犯がいて!!危険だから!!」
「分かった、そんな大声出さなくても良いのに…」
(あなたが聞こえねえから大声で言ったんだろ…)
俺は高齢者の言葉に苛つきながらも避難誘導を続けた。
ボカーン!!
「なんだ!?」
俺は河川敷へ走った。
「はあ、なんとかなったな。」
そこには仰向けに倒れたカバトンがいた。
「一件落着、だな。」
そこで安堵した、その瞬間。
「……!」
カバトンから黒い手が近くの木めがけて飛んでいった。
「なんだよ、クソ!」
「って、あいつら…」
手の先にはプリズムとウイングが待機していた。
そしてウイングは女性と赤ん坊を空に逃し、プリズムは技で手を破壊していた。
「うお…すげー威力…」
そして二人は必殺技でカバトンを制圧した。
「おいおい、あれは死ぬだろ!」
カバトンは数十メートル上空から地面に叩きつけられた。
「中島さん!」
「おう、川西。」
向こうからは川西がメガホンを持って走ってきた。
「避難誘導は?」
「見ての通り。しなくて良くなった。」
「はあ、あとは逮…え?」
俺らが逮捕しに行こうとした時、上空に積乱雲をさらに黒くしたかのような雲が現れた。
「なんでいきなり!」
「今日の降水確率は0パーだぞ!?」
そして雷が落ちそうになっていた時、カバトンは弁明…命乞いとも取れることを喋った。
「アンダーク帝国?」
俺はその中の一つの言葉が頭の中に残った。
呟いたと同時、カバトンの周りが濁ったような紫になり、カバトンは雲に連れ去られて行こうとした。
「……!まずい!」
俺は本能的にまずいと感じた。横を見ると、川西も同じ感覚だった。
「中島さん…これが…」
「俺らの考えてた、10年以上前から活動する黒幕!」
「って危ねえ!」
目の前に雷が落ちたかと思えば、この辺りに雷がすごいペースで落ち始める。
「僕たちを始末しようと!」
「いや、これは流れ弾かもな、奴らはカバトンをこの場で殺す気だろうな。」
「一体なんのために!」
「用済みだからだろうな。上層部に不要とみなされた。そういうことだろうな。」
「つまり…カバトンは…」
俺がカバトンの末路を言おうとした時、誰かが跳んだ。
「スカイ!」
スカイだった。奴は敵であるカバトンですら、危険を顧みず助けようとしたのだ。
「あれが、ヒーロー…」
川西は口を開けたままその状況を傍観していた。他の四人も同じだ。
「……っ!危ない!」
俺は思わず叫んだ。それと同時に雷がカバトンめがけて落ちる。それをスカイはギリギリで助け、当たる結末はこなかった。
「はあ、良かった。二人とも…」
川西は骨がなくなったかのようにその場に座り込んだ。カバトンは二度目の10メートル以上からの紐なしバンジーをしていた。
「あ、カバトン、川に落ちやがった!」
カバトンはスカイに遅れて川に落ち、下流へと流されてく。
「あの川、どこに繋がるんでしたっけ?」
「笛吹川につながって、鰍沢で富士川に、このまま流されたら多分駿河湾にたどり着くだろうな。」
「ってことは、やばくないですか?」
「まあ、そんなに流されるわけじゃないと思うが…」
俺はそれよりも、助かって良かったという安堵の方が来ていて、ぶっちゃけカバトンはどうでも良かった。
「まあ、とりあえず引き上げるか。」
「了解です。」
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その日の午後、甲府市丸の内
「…らねぇ、この町でさいしゅっ「そうなると良いな。」
俺らは丸の内でカバトンを見つけた。
「怪物を生み出し、多数の人間に危害を与える、再出発する前にムショに行かないとなぁ。」
「お前ら…」
「まあ、その前に事情聴取ですけどね。」
俺らは棘を避けながら肩を叩き、話しかける。
「まあ、シャバ最後の飯ぐらいは食っとけよ。今なら情状酌量の余地はあるしな。」
「どういうことなのねん。」
「さっきの戦闘で気づいた。てめえも苦労してたんだな。」
「う、うるさいのねん!」
俺はさっきの戦闘を見ていて、カバトンを初めて哀れに思った。
「とりあえず、その飯食ったら署に行くぞ。お前逃げる気ないだろ。」
カバトンは飯を食い終わっても逃げなかった。
「16時48分。殺人未遂、建造物損壊等の罪で現行犯逮捕する。」
ついにカバトンを逮捕した。
『甲府3から山梨本部。』
『こちら山梨本部。どうぞ。』
『逃走中であったカバトンを確保、これから署に連行する。どうぞ。」
「山梨本部了解。付近の職員を向かわせる。現場で待機せよ。以上山梨本部。』
「応援が来るまでここで待機です。」
報告を終えた川西の言葉を聞いて、俺はカバトンに気になってたことを聞いてみた。
「おい、ここなら雷の心配もない。聞きたいことがある。」
「なんなのねん。」
「2004年、川崎。2006年、七里ガ浜。2010年、赤羽。2011年、大船。2013年、深川。この意味がわかるか?」
「アンダーク帝国が起こした事件の発生年と現場か?」
「やっぱりか、訊きたい。お前らは…
ーー何者だ?ーー
これで終わりです。次回は…あるかも、少なくとも後1、2話分は続きますが、どうなるかは分かりません。キリがいい?のでこれで終わるかもしれませんが、どこか打ち切り、続編がある感じがあるので来年2月まで続くかもしれません。
ではまた次回!