ではどうぞ!
甲府市東光寺町
「はぁ〜」
俺はパトカーの中で盛大なため息をした。
「またため息ですか。今日だけで7回目ですよ…」
「そりゃため息だってするだろ…この前あんなことがあったら。」
あんなことっていうのは善光寺町であった怪物の出現事案だ
「まあ、また怪物が出てくるようになったというのはあれですけど……」
「あ、そういえば…」
俺はとあることを思い出した。
「なんです?」
「今日中学校って体育祭じゃなかったか?」
「体育祭?さっきから雷管の音が聞こえますしやってると思いますが…」
川西はいまいち理解できていない。
「だから…怪物が襲う確率が高いってことだ。」
「そういうことですか…それじゃそっちの方をパトロールしてみます?」
「ああ。」
俺らは近くにある東光寺中学校へ向かった。
「……!あいつって!」
「んあ?」
川西が見た方にいたのはこの前怪物を生み出した男だった。
「とりあえず職質するぞ!」
「了解!」
パトカーを路肩に止めると降りてその男の方に向かった。
「すみません。」
川西がそういうと男はこっちを向いた。
「山梨県警察です。少しお時間よろしいですか?」
「誰かと思えば君たちかい。これから仕事なんだ。邪魔しないでくれるかな?」
「いや、行こうとするってことは何かやましいことがあるのですか?」
俺は逃げられないように足止めする。
「いやいや、そういう訳じゃないんだ。」
「じゃあ、所持品検査等ご協力お願いします。これも僕たち警察の仕事なので。」
「君たちはしつこいねえ。弱いくせに何を言っているのやら。」
「あはは…とりあえず所持品検査します……っておい待て!!」
俺が所持品検査しようとした途端に奴は走って逃げた。
「あっちって……!」
「東光寺中の方だな!」
奴が逃げた方には東光寺中学校がある。俺の推測は当たったようだ。
『至急至急!甲府3から山梨本部!』
『こちら山梨本部、どうぞ。』
『職務質問をした男性、所持品検査をしようとしたところ逃走、現在東光寺中学校方面へ逃走中!』
『こちら山梨本部了解。』
「くそっ!あいつどっちに行きやがった!」
無線を入れた直後、奴は消えた。
「逃げ足の速いやつですね。」
「とりあえず中学校の方に行くぞ!」
「僕はパトカーに戻ります!」
俺はそのまま歩いて行き、川西はパトカーで向かうようだ。
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東光寺中学校
「ああ、くそ!やっぱりか…」
中学校に着くと丁度ラインカーのような怪物がグラウンドで石灰を撒き散らしながら走っていた。
「消石灰じゃないといいが…」
撒き散らしているものが消石灰ならかなり危険だ。失明や網膜の損傷のリスクがある。かといって石灰も多量に目に入ると危険だ。
「みんな!早く逃げろ!」
俺はグラウンドにいる人々に向かって叫ぶ。
「早く、グラウンドから出て!」
数十秒でグラウンドにいた生徒などの避難は終了した。
「問題は…」
避難が終わったからといって事案が終了したわけではない。グラウンドでは未だに怪物が暴れ、スカイたちが戦闘している。そして、どこかに生み出したあいつがいる。
「中島さん!」
「川西!」
後ろから川西が走ってきた。
「避難誘導は!?」
「すでに終わった。」
「とりあえずあの男を引っ捕えましょう、あの中で応戦するのは…」
「分かってる!」
俺らは校舎内に入ると屋上を目指す。見晴らしが良くないとあの怪物の生産は難しいだろう。
「やっぱりいた…!」
屋上へ続く階段のドアから屋上を見るとやはりあの男が居た。
「山梨県警だ!動くな!」
「ホントに君たちはしつこいねえ。」
「あなたがしつこくさせることをしてるからでしょう!」
「とりあえず、公務執行妨害、建造物侵入の容疑で逮捕する。そこから動くな!」
俺が近づこうとすると怪物がこっちに来た…っていうより突き飛ばされてきた。
「うわっ!」
「中島さん!大丈夫ですか!?」
「危ないとこだった…」
俺はなんとか躱した。
「お前!逃げんな!」
だがその隙に奴は瞬間移動で消えていった。
「逃げられましたね。」
怪物は必殺技で抹消されたが、これで終わりじゃない。あいつを捕まえないことには終わることは無いのだ。
「今日のところは事情聴取だけで終えるか。」
「そうですね。」
俺らは奴を追うのを諦めると階段を降りてグラウンドに向かい、事情聴取を始めようとした。
ということでこれで終わりです。更新忘れかけてました…
ではまた次回!