悪役令嬢転生かと思ったらゾンビパニックかい! 作:レッドアリーマー
殲滅!
ショベルを振るう。その輪郭が腐肉を捉え、断ち切るいや~な感覚を無視して、到達した骨までもを叩き折る。
勢いの止まったショベルを一度引き戻し、背後に迫っていた影に柄での攻撃。ただし打撃があまり意味をなさない事を私は良く知っている。だから逆三角形の持ち手をぐっと掴んで、大きく強くショベルを振り回す。
「お嬢様、前に出過ぎです! 囲まれています!」
「ラファの突撃癖は変わらないな……僕が行く。君達は一度自陣に戻ってバリケードを固め直してくれ」
「はい!」
段々と数に押されて来た私の、その背後に降り立つ影。
キラキラと真白の粒子を放つ鎧を着た、なんともまぁこの場にそぐわぬイケメン。
「背中は預けますわ。ざっと数えてあと四十五体。聖騎士なら余裕でしょう?」
「僕には二十数体にしか見えないんだけどな……地面の下かい?」
「ええ。もう少し感知を鍛え直すこと、ですわ!」
雑談は一瞬。
合図もなく互いに駆け出して、私はショベルを、イケメンはロングソードを振るう。それでも苦境は覆せない。なんせ、相手は物言わぬ死体。痛みなど感じない文字通りの死兵をして、優勢になることなどない。
――この世に魔法というものがなければ、だけど。
「準備、できました……! ラファ!」
「私達のことは気にせず撃ちなさい、リベルタ!」
「行きます、シャイニングストライク!!」
極光が発射される。私もイケメンもその射線上からさっと身を躱しつつ、周囲の群れを捌いていく。
相変わらずズルだと思う。ズルい威力だ。私の使える魔法は残念ながらこれらには効かないから、ああいう派手さに憧れる。
「ラファ、今のでどれくらい減った!?」
「二十は行きましたの! ですから、そろそろ出てきますわよ、大物が!」
「そうか、なら一気に行くぞ! ブレイブソウル!」
イケメンがさらに輝く。邪魔。
まぁ、殲滅力は各段に上がっているし、何よりこれから出てくるブレイン……所謂ボスに対しては最大火力を出せるだろうから、何をいうこともない。
私は雑魚処理をする。適材適所だ。
「不本意ながら、見せてあげますわ――これが!」
世界の主人公と、その攻略対象たちの力ですの!!
古き良き名作乙女ゲーム『愛されるが故に死して』。
ダークなテーマやどうしようもない政治問題、そして人類を脅かす魔王の存在。
ファンには「終わっている世界」「続いたとして救いようがない世界」とまで揶揄されるこの世界における主人公、リベルタ。
彼女はただの村娘でありながら、秘めたる力を有していた。
それは『勇者の魂』というもの。彼女はどことなく自身の力を自覚していた。けれど懸命に無視をして村での生活を送っていた。自分の生まれた村が大好きだったから。
でも、ある日リベルタが村で採れた山菜を売りに近くの街へ行った帰り――村は滅んでいた。
焼け焦げ、壊され、そして殺され。
あまりの光景に崩れ落ちるリベルタ。そして彼女の前に降り立つ一人の男。彼なるは、彼こそが魔王。
勇者に殺されるのを待つのではなく、勇者を殺すために来た魔王その人。
冷酷無比な魔王は、その莫大なる魔力を以てリベルタを消し飛ばす――寸前。
四人の聖騎士たちが、リベルタを守るように現れる。
口々に「間に合わなくて済まない」、「でももう大丈夫だ」、「君は俺達が守るから」と言う聖騎士に、魔王は一つ舌打ちを残して消える。
これが『愛されるが故に死して』の始まり。
悲劇の主人公リベルタと、彼女を守りながらもその『勇者の魂』への期待を押し付ける周囲に翻弄されながら、成長し、挫折し、絶望し、けれど前を向き――という、攻略要素がおまけに見えるくらい主人公の成長の様子を描き切ったダークファンタジー。
の、世界に転生した。ラファ・ダルクエルデ。
ポジションとしては、村を滅ぼされたリベルタが王都の学園に一時編入した時に出てくる、リベルタの善性を引き立てるためのかませ犬――つまり、いわゆる悪役令嬢的なアレ。
転生当時は色々考えたものだ。別に悪役令嬢的なポジションではあるものの、処刑されるとかまでは行かないラファ。その言い分もそこそこ正当なものだし、リベルタ相手では文字通り格が違い過ぎてライバルのようなポジまで行けないから、いっそのことゲームの流れとか無視してお友達になっちゃおうかな、とか。
儚い夢だった。捕らぬ狸の皮算ナントカ。
ゲームの流れを無視したのは、私でも、リベルタでもなく──魔王だったのだから。
彼は私とリベルタの初邂逅シーンに突然現れる。そんな展開を見たこと無かったものだから、目を白黒させている私を放って、魔王は――頭を下げた。
そしてこんなことを言い放ったのだ。
「すまない。アンデッド系が暴走した。私は勇者以外に手を出すつもりはない。……故に、力を貸してくれ、勇者」
どういう意味かを聞く前に、どういう意味かはわかった。
学園の外で上がった悲鳴。「ゾンビが王都まで雪崩れ込んできたぞ!」という怒号。そして……ついさっきまでお喋りをしていた学友が、首元から血を流した状態でよたよた階段を昇ってくる様子。
勇者以外に手を出すつもりはない。そう、リベルタの村を滅ぼしたのは魔王ではないのだ、みたいな真実は明かされるものの流されて、降誕するは「ゾンビパニック」。
未だ覚悟が決まらず、学友に手を出せないリベルタの前に出て、私は。
「そうなるなら、最初からそう言え! ですわ!!」
階段を昇ってくる学友の顔を蹴り飛ばして落とし、彼女の手を引いて学園の奥……攻略対象達がいる方へ一目散に走り出したのだった。
その後は、まぁ。
いつの間にか消えていた魔王と、聖騎士四人と共に学園内のゾンビを掃除し、現在王都奪還作戦を行っている途中みたいな。リベルタもいつの間にか覚悟を決めてゾンビを倒せるようになっていたし、私の知らない間に攻略対象の誰かと進展している気配がするし、みたいな。
かいつまんで言うと現状こんな感じ。
乙女ゲーム『愛されるが故に死して』はダークファンタジーだけど耽美なセリフ回しや切ないイベント、どこか儚いスチルの多い大好きなゲームだったというのに、ゾンビのせいでスプラッター映画になってしまった。
許せない。私は誓った。
ゾンビを、アンデッド系を殲滅し尽くして、少し遅れてもいいからもう一度リベルタに学園生活を楽しんでもらおうと。そしてできれば逆ハーを築いてもらおうと!!
そのためにはまず、この王都を奪還する。
農具であるショベルを手に、私は――。
「出ましたの、ブレインゾンビ! エスタ様!」
「ああ!」
地面から這い出て来た、頭部の異様に肥大化したゾンビ。
あれこそが司令塔だ。あれを潰してしまえば、今王都を蠢くゾンビは混乱状態に陥る。そうなれば我らが勇者リベルタの広範囲殲滅魔法でドカンだ。
攻略対象である残りのイケメン三人に合図を送り、リベルタに広範囲殲滅魔法を準備してもらう。
私はイケメンことエスタの大技の補助。私のショベルによる攻撃など足元にも及ばない大技は、けれど溜めが必要だから、その身を守らねばならないのだ。
エスタに手を伸ばそうとしたゾンビの頭蓋をショベルの腹でぶち飛ばす。
そしてザンッとショベルを地面に突きさして、魔法を発動する。ブラックネット。簡単に言えばヘイトを自身に集める魔法。
「さぁ、いらっしゃいな。ここよりは死地。死して尚死なぬ貴方達が、再度の死を迎える場所ですわ!」
挙って集まって来たゾンビを対処しながら、少しずつエスタから離れて行く。
トレインだ。これによってエスタに向かうゾンビを消す。たまに出る漏れは聖騎士の一人である弓遣いのイケメンが対処。
ドン、という衝撃波。
エスタから放たれたそれは、紛う方なき聖なる波動。強化魔法で底上げをし、その上で聖騎士で最も高い攻撃力を持つ彼が振るう、アンデッド特効の聖なる一撃。
ブレインゾンビは名の通り知性があるゾンビだ。だから半端な攻撃をすると私のヘイト管理をすり抜けてエスタやリベルタの方にゾンビを差し向けてくる。
故に、最大火力、最大威力で、一撃で決める。決めてもらう。
「エスタ様――縦ですよ縦! 横薙ぎでは意味ありませんわ!」
「わかっている!」
斬。
見事ブレインゾンビはその頭蓋ごと身体を真っ二つにされ。
「ごめんなさい! 詠唱、あと十秒です!」
「エスタ様、一時離脱を! あとはお任せくださいな!」
「――すまない、そうさせてもらう!」
大技を放った後は魔力がすっからかんのはず。
だからエスタを下がらせて、この視界に映る全てのゾンビのヘイトを私に集める。
武器はショベル一本。
「上等、ですわ!」
さぁ来なさい。
我が名はラファ・ダルクエルデ。知性無きゾンビに押し負ける程ヤワな鍛え方はしておりませんのよ!!
久しく浴びていないシャワーを恋しく思いながら、魔法で全身の汚れを取る。
犠牲者は十。奪還した区画は四。あと六区画で王都の全土を取り返せる。それまでに何人死ぬか。何人ゾンビになるか。
嫌な感覚はずっと手に残り続けている。
今日犠牲になった内の一人は、私の先輩にあたる男性だった。迫りくるゾンビの群れに果敢にも殿を務め、しかしその仲間となってしまった彼を、私は。
……なんてセンチメンタルに浸れる程私の心はもう正常ではない。
初めはあった罪悪感もとうに薄れ、今は怒りだけが私を突き動かす原動力だ。
「矮小なる人の身で、何の力も持たぬ身で、よくもまぁああも大立ち回りをするものだな、娘」
「出たな元凶クソ魔王。早くアンデッドの制御権取り戻せ」
「ふん、私にだけ見せるその態度も相変わらずか」
体の汚れは魔法で取れるけれど、服に染み付いた血の類は汚れと認識してくれないため、着替える必要があった。あったから着替えて、そうして自室に戻れば――テラスに青肌の青年が。
彼こそが魔王。一応攻略対象の一人ではあるが、この世界線においてはリベルタが彼に恋することはないだろう。ゾンビを、アンデッドの制御権を失い、この世界のジャンルを変えてしまった張本人は、どこ吹く風でワインを飲んでいる。死んでくれていいですわ。
「勇者以外の人間に興味は無いつもりだったが、娘。貴様には少しばかりの興味がある」
「はぁ? リベルタにフラれたから誰でも良いと?」
「そんな話は誰もしていない。――娘、なぜ前に出る。貴様はどちらかといえば後方支援型の魔法使いだろう。あのような武器ですらないものを持って、聖騎士らの隣に立つ意味があるとは思えん」
「意味や価値の話をするのなら、貴方がアンデッドを殲滅しては? 貴方のせいでこうなったのですから、償いの意味も価値も貴方にあるでしょう」
「当然やっている。魔王領にもアンデッドは溢れかえっている。その殲滅で忙しい」
「忙しい人はそんなところでワインなど嗜んでいませんわ」
「私は分身だ。本体は今も魔王領で殲滅に明け暮れている」
「あらそうですの。便利な魔法を使えて羨ましいですわね」
「皮肉しか言えない口には興味がない。問いの答えを返せ、娘。何故貴様は前に出る」
対面に座る。
魔王はどこぞからワイングラスを出すと、私の前に置く。そこへ、とぽとぽとワインを注いでいく。
「アンデッドに効果の無い闇属性攻撃魔法を持つ私が後方にいる意味はないでしょう。聖属性なり火属性なりを持つならまだしも、妨害魔法を自らにかけて戦場をかき回す方が価値のある行為ですわ」
「適材適所、か?」
「ええ。それ以外に何か理由が必要ですの?」
「死だ。前線に出るということは、死が付き纏う。娘、貴様は何やら大志を抱いているように見える。大志ある者が死を隣人とする行為。私には理解の出来ないものだ」
「なら問いますが、もしリベルタが前に出て、ロクに使えもしない剣でフラフラゾンビ達と戦っているのを見た時、貴方はどんな行動をしますの?」
「無論、助ける。私は勇者と戦う。故に勇者が他者に害されるのなら、その他者を消す」
「同じですわ。私には貴方の言う通り大志がある。それを害すのがアンデッド共であるから、アンデッドを殲滅する。――無論、アンデッドだけではありませんのよ。この国に巣食うゴミ共もいつかはこの手にかけるつもりですから」
リベルタの村を焼いたのは魔王じゃない。
王都のある一派の仕業だ。それらはゲームにおいて面倒な政治問題を出してくる派閥であり、しかしそれらの悪事や捏造が暴かれた時、死ではなく罰を受けてフェードアウトする結末を迎える。
悪人の改心など、私は信じていない。
「……先々代の魔王を思い出す。アレもそういう手合いだった。裏切り者や敵対者の改心を信じない――であるが故に暴政と独裁を敷き、いつしか討ち果たされた。赦しは必要である、ということだ」
「それはリベルタの役割ですの。私は苛烈でなければ」
「そうか。……娘、名はなんだったか」
「教えませんわ。貴方の宣言通り、貴方はリベルタ以外に興味を持たないでくださいまし。私のような木っ端にかまけている時間があるのなら、とっとと魔王領のゾンビを殲滅して、人間領のアンデッドも消し去ってください。それができない内から目移りなどあり得ませんわ」
二兎を追う者は一兎をも得ず。
そんな故事成語はこの世界にはないけれど、この魔王だって万能や全能ではないのだから余計な目移りはやめてほしい。
リベルタだけを見て、リベルタのために献身して、そうして敵対して。
この世界のリベルタがどういうルートを辿るのかはわからないけれど、どのような結果になっても「魔王がラファに興味を持つ」などあり得ないことだ。
余計なことをしている暇があったら部下の暴走を止めろ、クソ魔王。
「ふん、思い通りに行かん娘だ。……そろそろ時間だな。この分身は消える。ワインは好きにするがいい」
「ええ、適当なゾンビに投げつけてリベルタに燃やしてもらいますわ。アルコールですもの、少しは燃えやすくなるでしょう」
「人間にも魔族にも稀にみる性格の悪さだ。敬意を表そう。さらばだ、娘。次私がここを訪れる時までに死んでいないことを願う」
「願われずとも死にませんし、性格の悪さを貴方に揶揄されるほど終わっていませんわ。自分のケツは自分で拭いてくださいな、クソ魔王様」
魔王は、「フッ」と笑って薄れて行く。
分身魔法。魔王が使うそれは、何属性なのか明かされていない謎の魔法だ。ズルい。それがあればヘイト集中自爆特攻でもっと効率よくゾンビを殲滅できるのに。
残されたワインボトルとグラス。
自身のグラスに注がれたものをぐいと飲み欲し──。
「……また、無駄に上等なものを」
投げつけるのはやめよう、と思った。
作戦会議室。
元の名を生徒会室というそこへ足を踏み入れる。
「全員揃って……は、いませんわね。まぁ構いませんわ」
「すまない。モーモンは恐らく寝坊だが、パリスは……」
「構いません、といいましたの。イジス様、エスタ様。あなた方が聞いてくださるだけで十分ですから。……リベルタ? 顔色が優れませんわね。大丈夫ですの?」
「あ……うん。大丈夫だよ」
「そうですか。信じますわ。イジス様、リベルタから目を離さないように」
「そ、それ信じてないって言ってるようなものじゃ……!」
無視する。
この表情は体調不良とかではなく恋愛イベント後に見せる影を帯びた表情……まだ村のトラウマが抜けきっていない時にアプローチしてくる四騎士から逃げるシーンのスチルで見せるそれにそっくりだった。
何かあったと、そう言っているようなものだ。
「残りの六区画で生存者は?」
「斥候が屋根伝いで全居住区を回ったが、いなかったそうだ。声をかけて返事はなかった、が正しいが、恐らくいないと見て大丈夫だろう」
「……第七区には地下通路へ続く階段がありませんでしたか?」
「そこに生存者がいる可能性は極めて低いだろう。ゾンビは地中へ潜る。地下など格好の的だ」
「しかし確認はしていないのでしょう」
「む……そうか。そうだな、認めよう」
「では次の攻略は第七区にしましょう。地下通路への入り口付近を奪還し、中に生存者がいないかの確認と、いた場合の救助、いなかった場合は溜まっている可能性のあるゾンビを一気に殲滅できるようエスタ様の突撃準備を」
「いいよ、僕は君の指示に従う。それで、ラファ。君はどうする気?」
「第八区を奪還しますわ。最も狭い第八区なら、私一人で十分でしょう」
「言うと思った。でもダメだよ。準聖騎士を幾らかつけるから、好きに使って」
「……わかりました。ですが、第七区の奪還及び生存者の確認が第一優先事項ですの。リベルタ、イジス様、エスタ様はそっちに注力してくださいな。こちらを気にかける余裕があるならば、と言っていますのよ」
「ソッコーで攻略して君の方へ向かうよ」
「そうだな。準聖騎士だけでは少し不安が勝る。戦力的余裕があれば、モーモンかパリスを向かわせるのもいいだろう」
「では、決まりですの。私はすぐに出ますから、準聖騎士とやらは屋根を伝って第八区へ来るよう命令をしてくださいな」
いつものショベルを手に取って、俯いているリベルタの隣に行く。
そして小声で。
「安心してくださいな、リベルタ。――私は貴女一人に任せる気など毛頭ありませんのよ」
「え、ぁ……」
「それでは!」
ガラッと窓を開けて、校舎の屋上へ上る。
そこから学園のある第四区の屋根へ向けてダイブ。転がって衝撃を殺し、第八区の方へ駆けだす。
あんな憂い顔はもっと平和な時にやってほしい。
ゾンビのせいで恋愛イベントを見逃したと思うとそれだけで許せないし。ああ、全部のイベントを見れる、なんてことは思っていないけれど、どうせパリスあたりが告白してきたあのシーンなのだろうことはイジスの口ぶりでわかる。
あのイベントは渡り廊下で行われたはずだから、身を隠して覗き見することだってできたはずなのに――クソ魔王から貰ったワインのせいで熟睡してしまったのが原因だ。
許さん。
これより私は修羅と化す。
ゾンビ諸君への八つ当たりは――何、誰に咎められることもない。八つ当たりが善行になるなんて、そこだけは評価してあげようクソ魔王。
「私は! 一ファンとして!!」
屋根から跳ぶ。飛び降りる。
そしてうじゃうじゃいるゾンビを、思いっきり叩き潰して宣言する。
「この世界を救うことを諦めませんのよ!!」
ゲーム『愛されるが故に死して』。
せめて、ちゃんと。恋愛の愛の方を見てからじゃないと死んでも死にきれないというものだ。
そのためにならば、この身を粉にして全身全霊を以て開始しよう。そう。
「殲滅ですわ……!」
殲滅だ。