悪役令嬢転生かと思ったらゾンビパニックかい!   作:レッドアリーマー

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磨滅!

 犇めく腐肉の海を眼下に収め続けること二時間ちょっと。

 分身全然保つじゃありませんの……というツッコミをしつつ、さらに雑談も交えつつの空の旅。その終着点にあったのは……メルヘンな小屋だった。

 メルヘン。ファンシー、でもいい。パステルカラーの……お砂糖感のある小屋。庭には大きな池があって、最近ではまず見ない澄んだ水が陽光を受けてキラキラと輝いている。

 

 まるでここだけ、ゾンビパニックなど知らない乙女ゲームの世界であるかのように。

 

「リリーガ・ガルトゥング=ララ=ナルキレミソス」

「……なんの呪文ですの?」

「ここの家主の名だ」

 

 わお。……ああなんかそんな設定あった気がしますわ。太古出身の方々はみんな名前が長いとか。だからこの魔王も四騎士も本来はかなり長い名前。言われてみれば今のリベルタにも片鱗はありますのよね。

 現代っ子で助かりましたわ~。ラファ・ダルクエルデ。なんて覚えやすい。

 

「ひっひっひ……おかしな魔力が近付いてきたと思ったら、アンタかい。蒼耀のぼうや……いや、今は魔王と呼んであげたほうがいいのか」

 

 出てきたのは老婆だった。ともすればアンデッドにさえ見える……は、失礼か流石に。

 でも枯れ木のような印象を受ける老婆だ。……魔女なのかな。いや、占い師って言ってたっけ?

 

「好きに呼ぶといい。私は気にしない」

「そうかい。からかい甲斐ってもんがないね、アンタにゃ。前代魔王は幼名で呼ぶとすぐ顔を真っ赤にして怒ってきたものだが」

「前代魔王は赤肌だったのですから、顔を真っ赤にするも何もでは?」

「ん? ……ああ、連れがいたのかい。魔力が微量すぎて気付かなかったよ」

 

 ほう。

 挨拶も無しにツッコミを入れた私も悪いけれど、初対面で挑発とはご挨拶だ。その返答は当然わかっていまして?

 

「老いると目どころか魔力知覚も耄碌しますのね。この寂しい世界で無意識に私を求めてしまうのも無理のない話でしたか」

「ひっひっひ、なんだいこの跳ねっかえりは。魔王、アンタの娘かい?」

「第一に私は誰とも番っていない。第二にこのような娘、血縁にするのは願い下げだ」

「あら、私の台詞でしてよ。有象無象たるアンデッドの一つもまともに制御できない魔王など、身内の恥以外の何物でもありませんわ」

 

 流し目を向ければ。

 

 ひどく、つめたい目をする老婆。

 

 肌が粟立つような、背筋に氷河を流し込まれたかのような感覚。

 ああ……本当にお生憎様ですわ~。

 

 ショベルを足元の地面に突き刺し、足かけ部分に片足をかけ……腕を組んで胸を張る。

 何の圧だか知らないけれど、そんなものを誇示している暇があるなら世界にもっと目を向けろですわ。

 屈するだとか動じないだとかではありませんのよ。上にいるのも見下ろすのも、あなたではなく私なのですから。

 

「へぇ……?」

「リリーガ・ガルトゥング=ララ=ナルキレミソス。此度の用件はこの娘にある。夢渡りをしたな、リリーガ」

「あん? ひひ、ああしたした。よく知ってるね。太古におけるあの四騎士坊主どものやらかし。あれのせいで消えちまった純粋で無垢なる魂が、まさかまさかこの時代に見つかったんだ。今度はアンタのやらかしで困窮を極めたこの時代になってそれが生まれるあたり、いつも通りの世界の皮肉ってやつだが」

「その際、純粋で無垢なる魂へ何を持たせた?」

「なにってそりゃフランメルジュの花さ。どうにも良くない気配が近くにいるようだったからねェ、お守り代わりってやつさね。放置して、あの時の聖女よろしく汚されちまったら目も当てられない」

「……あら、善意でしたの? 私、てっきり自爆テロの代行でもさせられたのだとばかり。失礼いたしましたわ。今までの態度、改めさせていただきますの」

 

 腕組みをやめて居住まいを正し、足を下ろしてカーテシー。

 今更取り繕ったって無駄? だったら生まれついてすべて無駄ですわ~。

 

「なに言って……。……んん?」

「リリーガ・ガルトゥング=ララ=ナルキレミソス。確かに視覚も魔力知覚も耄碌したらしい。綰摂の御姫の名が泣くな」

「若い頃の名で呼ばれてもねえ。……しっかし、なんだなんだ、魂は……あんなに美しいのに、外っ面がここまで印象違うことがあるのかい」

「人間、第一印象が全てですの。中身で判断してくれる存在などいませんわ」

「今言うことかいソレ」

 

 誤解は解けた……というより本当に見えてなかっただけらしい。魂に関連する眼鏡とかないのかしら。

 そうなれば挑発する意味もない。謎の圧力も消えたことだし、とっとと手出しをやめてもらって帰りたいですの。

 

「改めまして。私はラファ・ダルクエルデという者ですわ。リリーガ・ガルトゥング=ララ=ナルキレミソス様。此度、私の身を案じてくださってありがとうございますの。ただ、心配はご無用ですわ。この元凶クソ魔王然り、四騎士然り、既に私の支配下にありますのよ。おば様の庇護が無くとも私に敵はいませんわ」

「いつから私は貴様の軍門に下った」

「リリーガでいいよ、長いから。……ふぅん、いや、外面の印象が違う、という言葉も取り消そう。純粋で無垢、そして純真で無情。自らの言動に一点の曇りなく、自らの進む道に一切の障害無し。あったとしても打ち砕き、立ちはだかるのなら乗り越え……いや、掘り進めるって目さ、そりゃ」

「ありがとうございますわ、リリーガおば様」

 

 確かにまぁ気になるワードは聞こえていた。魂とか姫とか聖女とか良くない気配とか。

 だけど、ゾンビパニックが収まってリベルタが元のシナリオに戻れたら、もう関係のない話だろう。リベルタの友達になろうとはしていたけれど、その後の旅についていく気なんかなかったのだし。あと原作の登場人物やアイテムが、「それがないと話が終わっていた、それがあったから話が進んだ」みたいなものばかりで、二次創作()の入り込む余地がないのである。

 乙女ゲームの二次創作が少ないのってそういうとこが理由ですわよね。全員が針の筵でダンスしてるみたいなバランス感覚で成り立っているシナリオ過ぎて改変のしようがないというか。

 

 ということで、面倒そうな話はシャットアウト。私はダルクエルデ公爵家令嬢。あくまで王国を守る貴族で在れたらそれでいいですの。世界を救うのはついでですのよ。

 

「余計な世話だった。そういうこったね」

「ええ、言葉を選ばないのならば。選ぶのならば、そうですわね。善意、ありがたく。いつか本当に困った時、恥ずかしげもなく頼りますので、その時に全力を賭していただければ」

「良い答えだ。王の素質があるよ、お嬢ちゃん。……いや、ラファ・ダルクエルデ、だったか」

「覚えていてくださり光栄ですわ。世界が落ち着きを取り戻したら、その時はお茶会でもしましょう。今度は自分の足で辿り着いてみせますのよ」

「楽しみにしていよう。……蒼耀のぼうや、占いは必要かい?」

 

 そういえば、この方占い師でしたわ。

 占い。地球ではあまり信じていませんでしたけれど、ファンタジー上等なこの世界ならやっぱり違うのかしら。

 

「聞いた瞬間無駄になる未来の話など聞いてどうするというのだ」

「避けられる未来の話なら確かに無駄さね。だけど、避けられない未来の話なら、少しは役に立つだろう?」

「だとしても私には不要だ。未来は自らの手で掴む。……娘、貴様は?」

「そうですわね。私の話はどうでもいいのですが、この世からゾンビが……アンデッドの暴走が収まる未来は存在しますの? それだけは聞いておきたいですの」

 

 未来というのがシナリオ分岐のように枝分かれするのなら、ある時より全てがゾンビパニックになってしまったこの世界の分岐先に、真っ当な未来が残っているのかどうか。

 

「……あると言ったら全力で掴みにいく。ないと言ったら作り出すまで。そんな顔をしているね」

「ええ、どちらでも構いませんのよ。構わないことだから他人に任せますの。大事なことなら自分でやりますわ」

()()()。少なくとも現時点では」

 

 そうですか。

 なら、問題ありませんのね。──本気で世界、取りにいきましょうか。

 

「……ラファ。今アンタ、何を決意したんだい。……未来の暗雲に光芒が走ったじゃないさ」

「あら、私の意思一つで変わる世界なんですの、ここ。それはなんというか、随分と精神の弱い世界ですこと。自らの内に住まう一生物の言動程度飲み干せずして何が世界ですの?」

「素直に喜べばいいものを、一々挑発しないと気が済まないのか、娘」

「貴方に何か言う権利はありませんのよ。私やリベルタ以上に働いて、とっととアンデッドの暴走を止めなさいな」

「……」

 

 さて、雑談はこんなところか。なんにせよ良かった。善人で良かった。善意で良かった。

 悪人の悪意であれば、その意思を叩き折るか──殺さないと話が進まなかっただろうから。

 

「ありがとうございましたわ、リリーガおば様。私はそろそろ帰りますの。元凶クソ魔王のせいで書置きの一つもできなかったものですから、待たせている者達が泣きわめいてしまいますわ」

「そうかい。じゃあ、茶会とやらを楽しみにしているよ」

「ええ。──では元凶クソ魔王様? 消える前に私を運んでくださいまし」

 

 大きく溜息を吐く青肌の青年。なんですの。不満ですの?

 

「ひっひっひ、なんだい尻に敷かれてんのかい。しかし驚きさね、歴代と違って光じゃなく闇に惹かれるとは」

「娘、行くぞ。余計なことは──」

「あら? 結局あなた、私に惹かれていますの? リベルタというものがありながら、浮気者ですのね」

 

 背後、リリーガおば様のゲラゲラという笑い声を背負いながら……私達は帰路に就くのでした、と。

 

 

 

 怒号が響く。悲鳴が上がる。劫火が、激流が、尖地が、暴風が。

 いやさ、極光がアンデッドを灼いていく。

 

「どいて……どいてよ……!」

「リベルタ、落ち着け! 魔力を使い過ぎだ!」

()()()()!!」

 

 心配するエスタの手を払い、鬼気迫る表情でアンデッドに魔法を放つリベルタ。

 

 あ、あら~?

 何かありましたのこれ。……喧嘩?

 

「これ以上近付くと聖騎士共に感知されるな」

「普段はどうしてますのアナタ」

「分身であれば込める魔力を希薄にすることで感知を外すことができる」

「……? 今も分身だったのでは?」

 

 学園……ではなく、第九区上空。そこで観察するリベルタたち。なにか、不和を感じる空気だ。

 

「ま、いいですわ。これ以上放置すると取り返しのつかない罅が入りそうですので、行きますの。放してくださいまし」

「自由落下をする気か? ……貴様の身体に特別なところはない。死ぬぞ」

「ご自身が特別過ぎて、普通の人間に何ができるのかを知らない。それがあなたの欠点ですわね」

 

 まぁ魔力で強化された身体能力が果たして普通の人間の範疇なのかは知らないけれど。

 

 極光。極光。また極光。

 エスタやイジスが叫ぶ通り、魔法の連続使用が過ぎる。魔力というのは時間と共に回復するものですが、あれでは底を突く方が早いはず。

 そしてそうなった時、肉体的に優れるわけではないリベルタは──。

 

「グラヴィティ──」

「……そうまでせずとも放すが、着地は」

「お気になさらず。勝手にやりますの~」

 

 身体を包んでいた力が消える。

 次第、自由落下を始める身体。風を切る感覚と共に地面が近付いてくる。

 

「探しにいくの……探しにいかなきゃいけないの! 私は、私は……!」

「リベルタ、後ろ!」

「まっず……!」

「いや……この魔力は」

 

 リベルタの背後。魔力が底を突いたのだろう、回復分だけでも魔法を撃とうとする彼女に対し、機を狙っていたアンデッドが一匹。

 スピードゾンビ。脚力に特化したそのゾンビによる急襲。

 

 四騎士の誰も、準聖騎士の誰もが間に合わないその一噛みに──。

 

「くらえ、重力加速度アタック! ですの!!」

 

 当然ながら間に合わせるのが私、ですの。

 飛びつくスピードゾンビの顔面をショベルの背で殴りつつ、身体を回転させて落下方向を変更。ほとんどショベルに振り回される形でリベルタの周囲のゾンビを殴り飛ばし、さらにスワンプバインドを使って吸着力を増加。これにより架空の足場を生成する。さらにスワンプバインドを連続で使って自身を減速することも忘れない。

 

 これは以前の実験にて得られた副産物だ。スワンプバインド。足場を沼地のようにして移動速度や回避率などを下げる魔法だけど、実際に足場を沼にしているわけじゃない。じゃあ何が起きているのか、というのを調べた結果、「対象と地面の間にある粘性抵抗を上げ、吸着力と負圧を上げ、摩擦力を非線形化して急上昇させ、地面から少し離れたところの空気を遅延して動かす」ということを一度にやっているトンデモ魔法らしかった。

 私もそうですけど、イメージだけで成り立っている魔法を使う魔法使いたちは、時々恐ろしい工程を踏んでいておもしろ怖いですわ。

 

 で、これを使われたゾンビに蹴りを入れると、蹴りを入れた存在にもこの効果が……ゾンビを対象とし、私を地面と置くような効果が発生いたしますの。急に沈む足場が現れ、身体が泥に包まれる感じですわね。

 ただそれだけだと自分の勢いで自分が潰れてしまいますわ。別に減速しているわけではないから。

 よって、ここで作った架空の足場に対し、もう一度スワンプバインドを……今度は自身を対象にする形で使いますの。デバフは本来一度かけたらそれで終わり。けれど重ね掛けをすることで思わぬ効果が得られることがある。スワンプバインドはその最たる例でした。

 あくまで減速。進行方向から力を当てて勢いを殺しているのではなく、速度を段階的にマイナスさせての減速というトンデモ魔法であるスワンプバインドなら、どれほど高所から落ちたとて安全な着地が可能ですのよ。……まぁ地面までの間に何かがいないと始まりませんし、その何かと自身の間に魔法を発生させる前に地面へ激突してしまったら死ぬのですけれど。

 

 長々と語りましたけれど、要するにスワンプバインドはスーパー減速魔法で、ゾンビをひとしきり殴ってからそれを使ったため……背に天使の翼が生えたかのようにふわりと着地できた、と。

 

「ハロー、リベルタ。そんなに焦ってどうしましたの。もしかして、そんなに私に会いたかったんですの?」

「──ラファ!!」

「ぐぇ」

 

 ぐぇーっ、ですわ。

 

 ……思いっきり抱き着かれましたのね。あのリベルタ? わかっていまして? 今戦場ですのよ。なうですわ。

 

「ラファ! え、エスタ君と、喧嘩、して! 怒って、どっかいっちゃったって、それで、それで……!」

「私がエスタ様と喧嘩? いいですのリベルタ。争いというのは同レベルでしか発生しないそうですわ」

「おい、どういう意味だ」

「私個人と争っているのはアンデッドという種全体、という話ですわ」

 

 劫炎を携えて近づいてきたエスタに返事をしておく。

 思ったより大事になったっぽいですのね。許すまじ魔王。……上空を見上げても姿がありませんの。逃げましたわねアイツ。

 

 しかし、存外懐かれている。残念ながら私同性には興味ないので百合の花は咲きませんけれど、驚きですわ。

 お友達になりましょう、と言った時、若干嫌そうな空気を出していましたから、あんまり好かれていないのだとばかり。好感度上げるような行動もとっていませんし。

 

「色々言いたいことはあるが、とりあえず立てるか二人とも。第九区……想像以上に厄介だ。もう一度態勢を立て直したい」

「エスタ、そろそろ限界だ! モーモン、退路を作ってくれるかい!」

「あいよー」

「準聖騎士は私が率いよう」

 

 それでも立ち上がらないリベルタ。悪ふざけが過ぎましてよ……って。

 

「気絶していますわね。魔法行使の限界でしょう」

「王都から出てお前を探しにいくと言って聞かなくてな。……よ、と」

 

 お姫様抱っこでリベルタを抱えるエスタ。今のところ好感度はエスタが一番高いのかな。前パリスに告白されたっぽかった時はあんまし好印象じゃなかったっぽいし。

 エスタルートにおける分岐と要所を後でリストアップしておかないと。ですわ。

 

 それと。

 

「まだ日も高いですし、私はもう少しゾンビを狩っていきますの。……ああ、もう勝手にどこぞへ行くことはありませんから安心してくださいまし。ただ、走り回るゾンビに対して試したいことがいくつかあるというだけですわ」

「……ミルグドリヒ! すまない、頼めるか!」

「無論です、エスタ様」

 

 気絶したリベルタを抱えての戦闘は無理と判断したのだろう、エスタが呼びつけるはミルグドリヒ。

 怪我は……全治していますのね。流石は回復魔法。

 

「すっかりラファ様係ですね」

「そちらは男爵家ですし、召使いとしては妥当ですわね」

「此度の渦中の人物にしては態度が大きすぎますが……今更ですか」

「たった三時間いなくなっただけでこうも騒がれては困りものなのですけれど。私に自由はありませんの?」

「世界を統べる為政者となるのならば、籠の鳥は必至でしょう?」

「あら、それは王族への誹謗中傷ですの? 反逆罪ですわ~」

「憐憫に悪意など含まれていませんよラファ様」

「受け取り手次第ですわ~」

 

 手が伸ばされる。

 ので、殴り潰す。

 

 背後でモーモンの作った退路が崩れる音を聞きながら──笑みを浮かべる。

 

「そうだ、ミルグドリヒ。私、いつも使っているブラックネットを少し改悪しましてよ」

「……改悪? 改良ではなく?」

「ええ、改悪。なぜなら──」

 

 使用。ブラックネット・リパルサー。

 効果は。

 

「約半日の間、超広範囲の敵意を惹きつける効果、にまでなりましたの。通常状態だろうと休眠状態だろうと関係なく叩き起こして引っ張りますから、休む時間とか無くなりますわ~」

「最悪、ですね!」

 

 ザバァという擬音を使いたくなる量のアンデッドが群がり始める。

 色も相俟ってまさに濁流。ゾンビの濁流だ。

 効果範囲は目算にはなるけど、すっぽり第九区を覆うほどのもの。

 

「つまり! これを倒し切れば、第九区を攻略したも同然ですわ! 入り組んだ道も脆い構造物も何もかも気にしなくていい! やっぱり改悪っていうのやめますわ、改良ですわ~!」

「私は魔王というものを目にしたことがありませんが、ラファ様でこれなのです。さぞかし悪逆無道で血も涙もない方なのでしょうね」

「本物は大したことなくてがっかりするかもしれませんのよそれ」

「大したことなかった場合、するのはがっかりではなく安堵なので問題ありませんね」

 

 では、磨滅と行こうじゃないか。あ、ですわ。

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