騎ギルとして召喚されたオリ主くん   作:影後

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ローマでも僕は僕の好きなようにやる

「なんの冗談だよ、コレは」

 

目の前にはまるでドラゴンを思わせる羽と尻尾が生えた少女。特異点Fで自害して座に戻れると思ったらこれだ。

 

「あっ!起きたのね金ピカ!!」

 

「君も僕を知っているのか?」

 

「え?月でのこと覚えてないの?!私の前で――したくせに!」

 

「まて!」

 

月の聖杯戦争?!エクステラか?うそだろ、僕がプレイしてない作品で何してんだよギルガメッシュ!

 

「取り敢えず、僕は君の知る英雄王じゃない。クラスはライダーだ」

 

「へぇ……金ピカの癖に礼儀正しいじゃない!」

 

僕は若干ムカッと来た。

 

「君、殺されたい?」

 

「い!?!」

 

王の財宝で目の前の蜥蜴娘の周囲に宝具を出す。

不味いな、怒りを抑えないと。

 

「ごめんなさい!ごめんなさい!!ごめんなさい!!!」

 

「まぁ…許すそうか。さて、真名、教えてくれるよね?」

 

「(怒らせたら……消される?!)エッ…エリザベート・バートリーです!ランサーです!」

 

「よく言えた、それで聖杯戦争かな?僕達は殺し合う」

 

「話を聞いて!」

 

「良いだろう」

 

エリザベート、涙ながらにギルに説明中。

 

「人理修復ね、まさか英霊を抑止力にするとは」

 

「えぇ……ねぇ、ギルガメッシュ様」

 

「……ギルだ、僕の事はギルで良い。エリザ」

 

「へ?」

 

「色々と困らせてしまったからね、よろしくね。エリザ」

 

僕はエリザに対しての優しく微笑んだつもりなんだけど、何故かエリザは泣き出してしまった。

 

「うん、泣き止まないなら殺すよ」

 

「!」

 

「良くできました」

 

――――――――――――――――――――――(なっ…何なのよーーー!)

 

私の目の前にはあの金ピカの性格を数段良くして、残虐性を何十倍にもしたような美男子がいる。大人の私なら頬を赤らめて従ったかしら?

無理ね、ときおり見せる〘殺す〙というワードから本気の殺意を感じる。

コレ、本当にライダーなの?!

私、絶対かてないわよ!

小ブタ!子リス!助けなさいよ!

あの金ピカなんて目じゃないわよ!!

 

「それで、僕は君の事を知らない。だから、覚えている限り話してほしいな」

 

(…終わった)

 

私は私の来歴をすべて話した、第一特異点で起きた、大人の私との対峙も。すべて、話さなくちゃという気持ちに駆られる。

私以上のカリスマ、私以上の存在に。

 

「そうか、先ず、僕は君を否定しない。君は周囲による影響のせいで狂ってしまったのだから。寧ろ、君の場合社交界に出たりはしなかったのかな。いや、出ても無駄なのだろうね、君達の時代では貴族と平民は天と地だ」

 

「はい、ギルはどうなのですか」

 

私は私を肯定した目の前の王に問う。

 

「僕も考え方は同じだ、王はけして民に寄り添う事はない。だが、民を第一に考えている。だから、どんなに暴君でも許せる民が居るのさ。君にはそれがない、ただ虐殺をし過ぎた。君が幽閉されて死んだのは貴族の娘を狙ったからさ。平民なら、関係無かった」

 

「でも、アナタは違うでしょ!」

 

「当たり前だ、永遠の美貌?そんなの元より持っている。この肉体がその証拠さ、でも肯定しよう。何故か、今を考えろ。君がソレを成したから英霊の座にゆき、新たな友を得たのだろう?それに、反英霊でも君が誰かを救った事に違いは無いのだよ。どんな汚名でも、ソレを誇りとするんだ。僕の様に」

 

「え?英雄王が汚名?」

 

「英雄王、そうだね。友一人すら救えない存在が、英雄であり王だとするなら……それに祀り上げたのは民だ。何度、それを称賛と受けても僕には汚名であり、呪だ。何度、何度あの民達を殺してやろうと感じたか」

 

コレは僕の知らない器の記憶なのだろう、激しい憎しみが渦巻いている。

 

「それでも、僕はウルクが好きさ。だから……汚名も誇りにする」

 

「変わってるわね、金ピカ」

 

「それじゃあ、エリザ。憎い神の気配がするんだ。一緒に殺しに行こうか」

 

「は?」

 

とても良い笑顔で死刑宣告をするギル。

私は行動する仲間を間違えたわ。

――――――――――――――――――――――

 

「ちっ……なんで俺がお前と行かなきゃなんねぇ」

 

「黙れランサー、キャスターの貴様は静かにしているぞ」

 

(なんだ?俺達を見ている奴が)

 

「クー!キャス兄!エミヤも早くいこう!」

 

「ゆくぞ!立香!余のドラテクをとくとその身に感じるが良い!」

 

ランサーの俺とアーチャーの野郎、んでマスターとマシュ。

俺はこの中でマシュについで最古参のサーヴァントだ。

マスターを追って特異点から来たバーサーカーも居るが、今はカルデアで待機中だ。

俺はあの野郎との歪み合いすら忘れてふつふつと感じる魔力に嫌な予感すら感じている。

 

「ふむ、キャスター。何かあるのか」

 

「おい、弓兵。マスターの前にあの盾出しな」

 

「あの、キャスターさん。何が」

 

「来たぜ!」

 

「ちぃ…おい!キャスターの俺!この宝具ってあの野郎のか!」

 

「くっ…まさか私でも気付かんとは」

 

ランサーの俺、弓兵の野郎も気付かねぇか。

だとすると、

 

「てめぇか」

 

燃えた冬木で共に戦ったライダー。

おそらく彼奴の宝具だ。

 

「く!ネロ陛下は私の後ろに!!」

 

「むっ…これだけの財宝、一体どれ程のものか!見てみたいぞ!!」

 

俺達が島に着くとそこは既に地獄だった。

 

「フフッ…フハハハ!フハハハフハハハハハ!!ああっ……実に!実に無様だね、でも……裏切るとはね、エリザ。いや、良い。僕は王だからね、一度の裏切りは許そう。そして、そこのバーサーカー。お前はどうする、守るのか?」

 

「まさか……英雄王だなんて」

 

「…ごふっ……詭弁だ……キャットはキャットだ。いくら……ボロボロでも………」

 

「ギル…落ち着きなさいよ、あんたぁ……バーサーカーじゃないでしょうが!なに!狂化でもあるわけ?!」

 

「そうだね、生前何度も狂ってしまいたくて…それでも守り続けた、でも神は殺す」

 

目の前で虫の息のサーヴァントが3騎、うちのマスターが止めねぇはずがなかった。

 

「エミヤ!クーさん!クー兄はギルを攻撃!一度ぶちのめして止めて!マシュは宝具準備!手当は私がするから!」

 

マスターの指示は的確だった、だがな、一つだけ駄目だ。

 

「まさか……ここでもう一度殺せるなんてね。贋作者」

 

「どうやら冬木での事を覚えているか……やり辛いこと、このうえんな!」

 

「ちっ!落ち着きやがれ、ギル!」

 

「やぁ、キャスター。そしてもう一人はランサーの君か。面白い、このギルガメッシュに歯向かう愚行、教えてあげるよ」

 

「…私の知る英雄王よりも面倒な性格をしている」

 

「……はぁ、だから僕は、慢心が嫌いなんだよ!」

 

「アンサズ!」

 

「ちぃ…よい攻撃だよ。キャスター、いやクー。流石、僕が友人と認めただけはある」

 

「なら、落ち着いて話しろ!」

 

「落ち着いてるさ、ただあり得ない程に狂いたくて、悪くて……スッキリしたい気分なんだよ!」

 

エンキをトンファーにしてクーに迫る。

彼は杖を使って僕の一撃をいなしてみせた。

 

「流石だよ、あぁ…良いね。クー、君との闘いはまるで親友との一時だ。でも……残念だ、残念でならない」

 

「かぁ……ランサーの俺!手伝え!」

 

「判った!」

 

「へぇ、君がクーの本来のクラスか。キャスターで僕に迫るクーだ。ランサーなら、さぞ……」

 

「てめぇは金ピカとは違うな、その姿勢…嫌いじゃないぜ!!」

 

ランサーのクーの槍が僕のエンキを吹き飛ばした。速い、これがランサー。ゲイ・ボルクを持ったクー・フーリン。

 

「でも……僕の相手は務まらない、クー。君がキャスターだからこそ僕と戦えるのさ」

 

「ちぃ!眼中にないってか!マスター!!」

 

「クーさん!宝具開放!!」

 

「刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)」

 

「無駄だよ、熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)」

 

アイギスの盾すら僕の蔵にある、簡単なんだ。

でも、クー、君は僕に対して何度も抗ってきた。

 

「アンサズ!やれ!」

 

「悪い!ぶち抜けぇぇぇぇ!!!!」

 

呪いの朱槍が迫る、熾天覆う七つの円環を破壊するほどのルーン魔術。

 

「クー、君はキャスターが本職じゃないと言ったが……君はキャスターも相応しいよ。誰もが貶そうと、僕は……ギルガメッシュはそれを刻もう」

 

死んだと、霊基砕かれたと思った。

 

「……贋作者か、まさか最後に見るのが忌々しい君の顔とはね」

 

「……英雄王、貴様の歩んだ道は知らん。だが、貴様は休む事を、止まることを覚えろ。私の言えた義理では無いがな」

 

「……そうか、エルキドゥ。君は僕を笑うってくれるかな」

 

英霊の座にも親友はいない。残ったのは鎖だけ。

 

「消えるとか赦さない!」

 

「マスター?」

 

「冬木でもそう!勝手に自害して、勝手に消えて!私は…私は最初にギルとクーを喚びたかった!ありがとうって言いたかったのに!だから…死ぬなんて赦さない!エミヤ、破戒すべき全ての符かして!」

 

「やれやれ、英霊使いの荒いマスターだ。英雄王、我がマスターに狙われたのだ。覚悟することだな」

 

瞼を閉じようとする僕の胸に破戒すべき全ての符が刺さる。確か、メディアの一生涯が宝具となった物だったはずだ。僕の蔵にない物の一つだ、それが

 

「私はカルデアの…人類最後のマスター藤丸立香!人理の守護者よ、その責務をいま果たせ!」

 

「ぐっ……無理矢理契約……」

 

「令呪を持って命ずる!ギルガメッシュよ、その傷を癒やせ!」

 

僕の霊基が修復し、傷も癒える。

 

「……やってくれたね、リッカ」

 

「逃げるなんて赦さない!勝手に暴れて、謝りもしないで、自己満足で消えるなんて許さない!」

 

睡魔がなくなり、涙ぐむ少女の頭を撫でる。

 

「………君がマスターなら、従うさ。さて、忌々しい女神とバーサーカーとエリザの治療をしようか。あと、贋作者」

 

「なんだ、英雄王」

 

「借は何時か返そう」

 

「…つくづく私の知る英雄王とは違うようだな」

 

「二人のクーには……そうだな、後でウルクの酒でも飲もうか」

 

「まっ…いいぜ、お前の酒は美味いからな」

 

「まじか…良いねぇ」

 

話し終えた後に考える、僕はここまで情緒不安定だったか?まるで精神汚染か、凶化を施されたかのようだ。

女神憎し、神憎し、恐らくそこら辺はアーチャーやキャスターのギルガメッシュよりも酷い。

ひと目見て、殺意しかない。

どうやら僕の……其れ等に対して持ち合わせた容赦は直ぐに殺すか程度の物だ。

何とかソコだけは治そう、でも……イシュタルにはできるか?

駄目だ、ヴィマーナの最大射撃してエンキかエアで首斬らないといけない様な嫌な気持ちになってくる。

 

「ギル?」

 

「なんだい、マスター。今僕は、女神をどう殺るか考えて」

 

「落ち着いて下さい!マスターはギルガメッシュ叙事詩も読みました。何故女神が憎いのかも理解して」

 

「……マシュ君、うん。そうだね」

 

僕が前に出ると案の定、女神ステンノの顔は恐怖に歪み絶望に沈んでいる。

 

「泣き叫び、赦しを乞えば生かしてあげるよ?」

 

言葉も出ない程なのだろう、気分が良い。

僕は造形が整った顔を見ながら顎に手を当てる。

 

「美しいな、僕ですら魅入られそうだ」

 

「えっ………」

 

「だからこそ憎たらしい、あの女に見えてしまう。ステンノ、どうせ貴様と我が共に歩む事などありえん」

 

「はわぁ………先輩!ギルさんが!」

 

「……絶対に英雄王とは違うな」

 

「彼奴が女の口説き方を知ってるたまか?」

 

「うむ、しかし余も傷付けた後に接吻はせぬぞ?」

 

「さぁな、ギルの野郎は口説くってかなんだ?」

 

「んっ………」

 

「誓いだ、僕は君を傷つけず助けることを誓おう。ステンノ」

 

「わぁ!わぁ!!わぁ!!!こぶた!やばいわよ!」

 

「ちょっとエリちゃん静かにして!」

 

「御主人!キャットは人参を所望する!!」

 

たかが接吻の一つで騒ぐ事かよと感じてしまう。

動揺するのは女だけ、いやネロは違ったか。

 

「とっ…取り敢えず戦力GETです!!」

 

しかしこのステンノとの契約が別の女神とのパスとなるなんて俺は思いもしなかった。

 

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