騎ギルとして召喚されたオリ主くん   作:影後

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宝具開放

「そう言えば……ギルの宝具って今なんなの?」

 

ふと、リッカにそう聞かれエウリュアレに視線を送る。放って良いのか、それともまだ抑えておくか。リッカは竜の血を飲んでからしこたま元気になったし、サーヴァント達もステータスが軒並み上がってる。流石に運命力EX

 

「私に聞いても無駄よ、どんな宝具かわからないもの」

 

「まぁ、僕自身が驚いてるからな」

 

「危ないの?」

 

「いや、危なくはない」

 

「なら、見せてよ」

 

「……え〜〜〜、仕方ない」

 

「え?」

 

「マスター!英雄王の気配が変わりました……これは」

 

僕の肉体が金色に輝く、魔力は一定で波紋が広がる。

 

「……目醒めてくれ、終末剣」

 

「凄い……綺麗」

 

「守るべきもの、救うべきもの、僕はソレを選び、それ以外を捨てよう。射抜け!エンキよ!『終末の一矢(アロー·オブ·アポカリプス)』」

 

「いや駄目だよ!」

 

そして、エンキから放たれた一本の矢が世界を砕いた。

海が割れ、空が荒れ、世界の終末が顕現している。

だが、ソレは一時的なものだった。

 

「コイツは」

 

フランシス・ドレイクも、自分が見たことを理解できないのだろう。モーセの様に、海を割るなど出来るはずがないのだ。普通の人間には。

 

「…海が…戻っていく」

 

エウリュアレの言葉の通り、割かれた海に水が戻る。巻き込まれようと、全てを呑み込もうと。原初に戻ろうとするように。

 

「危なくないって言ったじゃん!」

 

「いや、対界宝具だけど直ぐに戻ったでしょ?ライダーの時の宝具やエア、エンキの本来の使い方に比べればこんなもんだよ」

 

「とにかく!ギルはその宝具使用禁止!」

 

「まってよ、リッカ!威力調整もできるんだ!見てて!」

 

エンキを軽く引けば海の上を音速を越えて進む矢が放たれるだけだ。

 

「何で最初からしないの!」

 

「ちょっと自慢したくなって!」

 

リッカにおこられたけど、何処か僕の気分は良かった。

 

「……聖杯を取り戻すよ」

 

夜、ドレイクの船の上で僕は一人で話していた。

 

「君は、どうするつもりだい?僕が勝手に決めたことだけど」

 

「……僕も同意だよ、女神への感情なんて捨てられるさ。イシュタル以外」

 

「……僕達は何時まで演じるのかな」

 

「……永遠だよ。あと、終末の一矢はやばいって」

 

「でも、僕の宝具大半が世界にとって不味いものばかりだよ」

 

「バーサーカーの僕は馬鹿だな!」

 

「怒りに任せて宝具乱発した僕に言われたくないね!」

 

ライダーの時の僕と、バーサーカーの僕が入れ替わり会話している。同一存在だからできる事だし、僕は……

 

「エルキドゥが居た」

 

「来るかな……僕は、次も戦うのかな」

 

「やるしかない」

 

ギルガメッシュの記憶なんてわからない。

でもこの身体にエルキドゥへの気持ちが入っている。

僕は、どうすれば良いんだろうね。そんなとき、立香が歩いてきた。

 

「……ギル、泣いてるの?」

 

「君はズケズケとまったく……人の心に入り込もうとするね。そういうのは、嫌いだな」

 

「でも!私達は仲間なんだよ!」

 

「所詮、サーヴァントさ。所詮ね」

 

「エルキドゥの事?」

 

僕は一瞬、リッカを殺そうかと思ってしまった。この身体に、エルキドゥの事は禁句なんだな。

 

「……さぁね、兎に角だ。君は大切な人類最後のマスターだ、ここでは休んでおくと良い。明日から忙しくなるから」

 

「ねぇ、聞かせて……ギルは……ギルは何を知ってるの?」

 

気配を感じる、隠しているようだけど、サーヴァントは魔力で判る。

 

「未来、君の進む先。仲間がどれほど死ぬか、君がどれだけ苦しむか、僕はすべてを知っている」

 

「……」

 

「だから、君を助けたくなったのかな。僕は……君に彼女を重ねたのかもね」

 

「!」

 

「お休み、僕の《リッカ》」

 

霊体化して、歩き出す。僕は守るしかないんだ、サーヴァントとして呼ばれた以上、どうすることもできないんだから。

 

 

立香side

「先輩、あの……」

 

「ギル、泣きそうだった」

 

ここで出会ったギルは、バーサーカーで、少しおかしくて、笑えるお兄さんってイメージだった。

でも、今までライダーとして出会ったギルとやっぱり同じだった。冬木で消えようとした時も、ローマも、結局は辛いのを隠してるだけなんだ。

王様じゃない、ギルはきっと私と同じなんだ。

友達と話して、笑い合って、そんな生活がしたがったんだって。

 

「ねぇ、マシュ。私が……私達がギルの大切になれれば、あの顔を変えられるのかな。辛そうで、私よりも、泣きそうだったあのギル」

 

「わかりません、英霊は既に死んでしまった方々の影法師です。それが、一体どの様な」

 

「だって……つらすぎるよ」

 

私は礼装として召喚サークルから出たギルガメッシュ叙事詩の1つ。今までの物とは違うもの、平行世界からの産物だと聞かされたけど、それを読んだ。読んでしまった。

それはギルの挿絵が何度も挟まっていた。

ギルが苦しくて、辛くて、泣きそうだった時、暴君と呼ばれても、暴君と言われても、責務を全うするために頑張ろうとする王様の姿が書いてあった。

そして、エルキドゥという最愛の女性であり親友だった彼女すら護れない悲しみ。

女神が嫌いな理由も全部わかった。

だから、ここで出会った時、最初は理解できなかった。

 

「マシュ、私ね……ギルをサーヴァントにしたいな。カルデアなら、英雄王なんて肩書はいらないし、自由に過ごせるから」

 

「先輩、そのためにも召喚するための媒体が必要ですね!」

 

「うん、でも…なんか良いかなって気もするの。あの〘行商王〙Tシャツを着てたギルも何処か面白くて……」

 

「それは……そうですね、ギャップ萌えです!」

 

マシュも私と同じ様に笑ってくれる、この可愛い後輩の頭を撫でながら自分の力を考える。

ギルにもらったあの竜の血で、私のサーヴァント達は強くなっている。何れ程といえば、皆が軒並みステータス1ランクアップだ。これには皆が驚いていた。

 

「……私も強くなれたのかな」

 

ギルガメッシュside

 

「俺はギルガメッシュ♪総大将♪」

 

「機嫌いいわね」

 

「まぁね、エウリュアレ。アステリオスも元気かい?」

 

「うん、ギル!」

 

アステリオスの笑顔が爽やかだ。

子供らしく、僕を兄のように浸ってくれる彼。

弟の様でつい、可愛がってしまうんだ。

 

「ねぇ!ギルはそのTシャツ、嫌じゃないの?」

 

ぎょーしょーおー

 

昨日の行商王のTシャツではなく、ひらがなだ。

でも、無地にこんな感じのダサTを着ていると親近感というか、近付きやすいはずである。

 

「アステリオス!もし僕が鎧を着て完全武装だったら?」

 

「話しづらい」

 

「だろ?これらのTシャツは皆へフランクな人だと知ってもらう為なんだ!」

 

「安珍様、アレは嘘を何一つついてません。生粋の馬鹿です」

 

「清姫、駄目だよ!ライダーの時は凄く取っつきにくいお兄さんたから、今のが凄い良いの!」

 

「あはは、リッカ。ライダーの僕が来たら覚悟しなよ」

 

僕は半ば冗談でコツンとリッカの頭を叩く。

 

「いたい!」

 

「力無かったでしょうに」

 

「えへへへ」

 

「仲がよろしいのですね」

 

「清姫、あはは。今は〘ばーさーかー〙だからね!とてもフランクな僕さ!」

 

「…頭が痛いです」

 

そう今の僕はバーサーカーだから問題なし! 

そんな矢先に黒髭とかいう変な奴に出会った。

 

「……うーん、気持ち悪いはギルティだね」

 

エンキを弓にしてその気持地悪い奴に向けようとしたら皆が一斉に僕を捕まえた。

 

「いや、あんな気持ち悪いやつころすのが吉だ!離せ!離せHA!NA!SE! 」

 

「駄目です!」

 

「止めてくれ!アンタが何かすると世界が!世界が滅ぶ!!」

 

「なら!」

 

「へ?」

 

僕は声を上げた。

 

「ヴィマーナ浮上!艦載機発艦!焼きつくもがぁぁ?!」

 

「猿轡成功しました!」

 

「ギルもう一旦しゃべらないで!」

 

結局、その時の戦闘中捕まった挙句何もさせてもらえなかった。

酷い。…王様なのに。

 

 

 

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