ツインターボに脳を焼かれたウマ娘は、大逃げで世界一を目指す 作:223系新快速
2024/3/17追記:パンサラッサ視点に修正しました。
ターボ「これが、諦めないって事だ、トウカイテイオー!」
ツインターボさんのオールカマーでの走りは、度重なる骨折で心が折れていたトウカイテイオーさんの再起を促した。
パン「ツインターボさん、見ていて感動するレース展開ですね…。一度会ってみたい…。そうだ、今度レース場へ行けば、会えるかもしれません!」
タッタッタッ
パン「お母さん、今度レース場に行っても良い?」
「急にどうしたの?」
パン「ツインターボさんのレースが見たい!」
「そうね…、じゃあ、次に出走するレースを調べなさい。」
パン「うん!」
◇
実況『さあゲートが開いて、今日もツインターボが元気に逃げる。』
パン「ツインターボさん、頑張って。」
ターボさんがハナを進む。今日も元気に大逃げだ。
実況『1000m通過タイムは58秒1。』
解説『ツインターボのいつものペースですね。』
パン「よし、これなら!」
このまま逃げ切れば、ターボさんの勝ちだ。だけど、第3コーナーを過ぎたあたりから、段々ペースが落ちてくる。
実況『あーっと、ツインターボ失速!逆噴射です!』
パン「そんな、ターボさん、頑張って!」
実況『ツインターボの先頭はここで終わり!』
パン「ああ、ターボさん…。」
結局、ターボさんは力尽きて最下位だった。
みなみ「あー、今回もかー。」
ますお「やはりツインターボが安定して勝つのは難しいな…。」
パン「それってどういうことですか?」
みなみ「君はツインターボのファンかな?」
パン「はい!オールカマーでの見事な逃げ切り勝利を見て、感動したんです!
みなみ「確かにあれは凄かった。だけど、大逃げはやはりリスクが高い。」
ますお「どうした急に。」
みなみ「大逃げははまれば強いが、駄目なときはこうしてなすすべなく惨敗する。春秋グランプリを制覇したメジロパーマーだって、天皇賞は春秋共に掲示板に入れなかった。」
大逃げこそ最強、そう思っていた私にとって、その言葉はあまりにも衝撃的だった。
パン「そ、そうなんですか?」
みなみ「そう。それに、限界までスピードを出すから、サイレンススズカのように故障する可能性も出てくる。」
ますお「確かに。長く走り続けるのも才能だからな。」
パン「でも、私はあのレースに感動したんです!あのレースを見て、やりたいことが見つかったんです!」
みなみ「確かにそうだな。あのレースが、結果的にトウカイテイオーの復活に繋がったからな。」
ますお「リスクのことを気にしすぎたかもな。」
パン「じゃあ、ツインターボさんに会ってきますね。」
ダッ
◇
控え室では、ターボとカノープスの面々が反省会をしている。
ターボ「だー、また負けた!」
ネイチャ「最近のターボ、負け続きよね~。」
イクノ「はい、大逃げというのはどうしてもハイリスクな戦法です。とはいえ、原因はそれだけではない気もしますが。」
コンコン
係員「ツインターボさん、よろしいでしょうか。」
ターボ「は、はい。」
係員「貴方に会いたいというファンの方が来ているのですが、対応しますか、断りますか。」
ターボ「ターボに?うん、会う会う!どこどこ?」
係員「今案内しますね。」
タンホイザ「行っちゃった…。」
南坂「取り敢えず、後を追いましょうか。」
◇
考えも無しに突撃したので、会えるか心配だったけど、杞憂だったようだ。青いツインテールにオッドアイが特徴的な、ターボさんが現れる。
パン「わあー、本物のターボさんだー!」
ターボ「お前がターボのファンか?」
パン「はい、パンサラッサって言います!ターボさんのオールカマーでの走りに感動して、一度こうして会いたいと思っていました!」
ターボ「じゃあ、トレセン学園に入学してこい!そうすれば、毎日会えるし、ターボが師匠として稽古をつけてやるぞ!」
パン「えっ、いいんですか?」
南坂「ターボさん、それじゃ説明不足ですよ。」
トレーナーバッジをつけた男性と、3人のウマ娘が現れる。
ターボ「あ、南坂トレーナー。」
南坂「ツインターボのトレーナーの南坂です。君が、ツインターボに憧れているウマ娘だね?」
パン「はい、パンサラッサです!ええと、お姉ちゃん達は?」
イクノ「私はチームカノープスに所属する、イクノディクタスです。よろしくお願いします。」
ネイチャ「おいっすー、ナイスネイチャでーす。」
タンホイザ「マチカネタンホイザです。よろよろです~。」
パン「よ、よろしくお願いします。それで、説明不足ってどういうことですか?」
南坂「まずトレセン学園に入学しないといけないという事です。トレセン学園には、パンサラッサさんのような夢や野心に満ちあふれたウマ娘が沢山入学してきます。」
パン「沢山って、どれくらいですか?」
南坂「毎年300人程度ですね。」
パン「さ、300人!?」
南坂「その中でもレースでの結果に応じて格付けが行われます。ターボさん達はG1でこそ未だ未勝利ですが、重賞レースでは勝っているので、格付けとしてはかなり高いですね。全校生徒が2000人くらいで、重賞勝利は100人足らずですから。」
パン「ターボさん、そんなに凄かったんだ…。」
ターボ「そうだぞ。」
そんなことも知らずに私は軽々しく憧れだなんて…。
南坂「パンサラッサさん、そこで直ぐに諦めては駄目ですよ。確かに、憧れと現実の間には大きな差があります。ですが、それを認めた上で、憧れに追いつき追い越すという気概を持って行動することが大事です。」
ネイチャ「ネイチャも、同期のテイオーの眩しさに、捻くれたことがあるんすよ~。」
パン「えー、そんなに凄いのにですか?」
イクノ「上には上がいるという事です。そんな中で、如何に自分を見失わずに努力を続けられるかです。」
パン「じゃあ、私も努力すれば、ターボさんみたいになれるかな?」
南坂「可能性はあります。パンサラッサさんの体つきを見るに、適切に鍛えれば、重賞、ひいてはG1を勝つのも夢ではありません。」
パン「じゃあ、今日から頑張ります!帰ってトレーニングしないと!」
イクノ「行っちゃいましたね。」
ターボ「けど、見込みがある奴だったな。もし入学したら、カノープスでびしばし鍛えよう!」
◇
パン「お母さん、ただいま。」
「お帰り。どうだった?」
パン「ターボさんに会えたよ!それと、鍛えればG1レースで勝てるって事も!だから、今日からトレセン学園に入るために頑張る!」
「そう、なら好きにしなさい。但し、一つ約束。」
パン「何?」
「一つのことを突き進めるのは、簡単なことではないわ。でも、それで逃げたら残るのは後悔だけ。苦しくても逃げない、これだけは約束よ。」
パン「分かった。頑張るね。」