ツインターボに脳を焼かれたウマ娘は、大逃げで世界一を目指す   作:223系新快速

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アニメ3期が起爆剤となって、やる気が出てきました。今回の話は、とある動画で、「コントレイルはテイオーとブルボンを足して2で割った馬」という趣旨のコメントがあったのを見て思いつきました。もっとも、ブルボンが協力するというネタは、アニメ3期に先を越されてしまいましたが。
後、区切りの時計は廃止しました。


第9話 合宿

時間はダービーとオークスが終わった後に遡る。

 

~チームスピカ~

今日も今日とて、チームの先輩方と共に秋華賞へ向けてのトレーニングですわ。

 

沖野「よーし、今日もタクトはウオッカ、スカーレットと並走だ。」

タクト「分かりましたわ。」

沖野「他の者は、適宜サポートしつつ、自分の練習だ。」

「「「はい!」」」

テイオー「しかし、日本一贅沢な予行演習だよね。ティアラ路線で鎬を削った先輩2人と並走って。」

マック「ええ。そのどちらもが歴史に名を残すウマ娘であればなおのことです。」

 

 

今日のトレーニングが終わりました。先輩方のレベルの高さに、ついていくので精いっぱい、くたくたですわ。

 

ダスカ「大丈夫、タクト。」

タクト「先輩方2人のレベルの高さが本当に良く分かりますわ。こんな高いレベルで鎬を削っていたら、ライバル以外には負けないのも当然ですわね。」

ウオッカ「へへっ、まあな。」

ダスカ「あんたは勝つときは派手だけど、負けも多いじゃない。あたしの方が成績は安定しているわよ。」

ウオッカ「うるせー、G1勝利数は俺の方が上だ!」

 

このように、練習後に喧嘩する余裕があるのですから。そのまま喧嘩しだした2人を置いて、私は着替えに行きます。

 

ゴルシ「あいつらまたやっているぜ。」

テイオー「けど練習中はちゃんとタクトの面倒見ているから、昔より成長しているよ。」

マック「そうですわね。そういうテイオーも、卒業後は学園幹部候補ですし。」

沖野「世代が変わっても、こういう良さは引き継いでいかないとな。」

ハナ「ちょっといいかしら。」

沖野「どうした、おハナさん、そんなに深刻そうな顔をして。もしかして、誰か怪我をしたか?」

ハナ「それは違うわ。付き合ってほしいのは確かだけど。今夜、いいかしら。」

沖野「分かった。」

 

 

行きつけのバーでカクテルを注文する2人。

 

沖野「それで、話ってのは?」

ハナ「コントレイルよ。」

沖野「三冠を達成するために、無茶なオーバーワークでもしているのか?」

ハナ「そこは大丈夫よ。むしろ問題はそれ以前にあるわ。」

沖野「それってもしかして…。」

ハナ「ええ、距離適性よ。」

沖野「見た感じ、コントレイルはマイラーだよな。」

ハナ「ええ。それでも日本ダービーの2400mまではなんとかしたけど、菊花賞の3000mはどうしようもない。だからって、天皇賞(秋)に向かうのは、本人が認めない。」

沖野「だろうな。ディープインパクトに憧れているんだからな。それに、世間的にも、無敗の二冠馬が怪我や不調でもないのに菊花賞を避けるのは認めないだろ。」

ハナ「だから、あなたにも手伝ってほしいの。」

沖野「分かった、おハナさんにはいつも世話になっているし、協力するよ。」

 

 

~翌日~

沖野「と言うわけで、俺はリギルの練習を見学してくる。戻ってくるまでは各自自主トレだ。」

スペ「分かりました。」

タクト「了解ですわ。」

 

各自自主トレに向かう中、テイオーが残る。

 

沖野「どうしたテイオー。」

テイオー「トレーナー、着いて行ってもいい?」

沖野「そうだな。頼むぞ。」

 

 

コン「まだまだー!」

 

沖野とテイオーはコントレイルの練習を見学する。

 

沖野「うーん、流石おハナさん、良く鍛えられているな。」

テイオー「うん。もし僕がスピカに入らなかったら、リギルに入っていたかも。なんたって、会長のいるチームだし。」

ハナ「お世辞は良いわ。結論だけ言って。」

沖野「端的に言うと、ない。俺とおハナさんではトレーニングの方向性が違うし、そもそも距離適性の壁を超えるのは、どんなトレーニングを積んでも簡単じゃない。」

テイオー「ボクもそう思う。中距離に強い僕でさえ、天皇賞(春)でステイヤーのマックイーンに敵わなかった。ましてやマイラーが菊花賞を勝つのは、相当無茶な事をしないと無理だと思う。」

ハナ「やっぱりそうよね。このままじゃ夏の上がりウマ娘に勝てない。無敗の三冠は夢と消えるわね。」

 

想定通りとはいえ、現状を前に溜息を吐く東条。そこに、休憩に入ったコントレイルもやってくる。

 

コン「全力を尽くして負けるのは兎も角、悔いが残る負け方は嫌です。何とかして勝つ方法はあるはずです。」

黒沼「その通りだ。」

沖野・ハナ「「く、黒沼トレーナー!?」」

黒沼「東条トレーナー、そちらさえ良ければ、ブルボンを鍛えるのに使ったトレーニングメニューを提供するし、ブルボンを特別コーチとして派遣もする。」

東条「それはありがたいけど、どうしてそこまで…。」

黒沼「ブルボンが望んでいる。自分が成し遂げようとして叶わなかった無敗三冠、その夢を託したいと。」

東条「そう、なら喜んで受けさせてもらうわ。」

沖野「おハナさん、大丈夫かい。俺もキタサンブラックの春の天皇賞の時にトレーニングに付き合ってもらったが、凄いスパルタだったぞ。」

東条「それは分かっているわ。でも、他に方法があるのかしら。」

沖野「…、ないな。残念ながら、俺達の理論じゃ距離適性の壁は越えられない。」

東条「なら、他の皆とは別メニューでの合宿となるわね。」

コン「ブルボン先輩、ライス先輩、よろしくお願いします。」

 

 

ブルボン「坂路、長距離並走、プールトレーニング、ひたすらこの三つを繰り返します。」

コン「は、はい!」

 

ひたすら坂路を駆け上がり、並走でライス先輩の徹底マークを受け、プールでスタミナを鍛える。数日間続けて。

 

コン「伸びた感触があるのは分かるけど、死ぬ…。」

ブルボン「その手応えがあるならば、心が折れることはないですね。三冠を取るまで続けますよ。」

コン「はい…。というか、こんなきつい鍛錬を積んで、それでも三冠に届かなかったなんて…。」

ブルボン「それだけトゥインクルシリーズは厳しいということです。それに、いわれのない批判を受けたりもしますから。」

コン「そういえば、ライス先輩は…。」

ライス「うん、菊花賞のブーイングで、一時期春の天皇賞に出たくないと思ったこともあったよ。」

コン「全く酷いですね、こちらは死力を尽くしているのに。」

ライス「でもね、ライスが二度目に天皇賞を勝った時は、皆祝福してくれたよ。」

コン「やっぱりファンは掌返ししてナンボでしょうか。」

ブルボン「そうかもしれませんね。さ、続けますよ。」

コン「はい。」

 

 

いよいよ待ちかねた合宿ですわー。あれ、皆さんどうしてげんなりなんでしょうか。

 

タクト「どうしたのですか?折角の合宿、楽しまないと損ですわよ?」

ウオッカ「あー、タクトは合宿初めてか、そりゃ楽しみだろーな。」

ダスカ「うちのチーム、強さの割に合宿はイマイチなのよ。」

タクト「そ、そうなのですか?ですが、どんな状況でも、最善を尽くすだけですわ。」

 

 

タクト「これは…、思ったより悪いですわね…。」

沖野「お前らがよく食うから、合宿所がここしか確保出来なくてな。」

ダスカ「何よ、アタシ達が食意地張っているのが悪いってわけ?」

マック「今度からメジロ家の施設にしましょうか。」

タクト「ですが、やるだけですわ。カワカミ先輩も、『特訓回お約束ですわー!』と言っていましたし。」

 

実際、海辺でのトレーニングは、普段のトレーニングとは違う新鮮さがあり、特に浜辺の砂地はパワーを鍛えるのに持って来いでしたわ。

 

ウオッカ「あいつ、何でもこなすよな。」

スペ「聞いた話なんですが、名門とは程遠い家の出身で、見返すという気持ちが強いらしいんです。」

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