ツインターボに脳を焼かれたウマ娘は、大逃げで世界一を目指す   作:223系新快速

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パンサラッサが走る理由、それを掘り下げていきます。それに伴って走る動機や口調などが大幅に変わっていきます。
2024/2/21追記:読売マイラーズC除外の理由を、賞金不足から跛行に修正しました。


シニア級1年目編
第12話 中途半端な走り


パン「また負けた…。」

 

神戸新聞杯の後、リステッドのオクトーバーSやGII中山記念などを走ったものの、2着が最高。今度こそと思って挑んだら、

 

パン「跛行!?」

南坂「ええ、次の読売マイラーズCは除外です。」

パン「そんな...。」

南坂「しばらく、休養に入った方が良いですね。ここのところずっと、出走続きでしたし。」

 

 

パン「はあ~。」

ネイチャ「まあまあ、気にせず走り続ける事が大事でしょ。」

ターボ「…。」

パン「どうすれば結果を出せるんだろう…。」

ターボ「見ていて楽しくない。」

パン「ターボ先輩、それってどういう…。」

ターボ「どうしてターボに憧れたのさ。」

パン「え?」

ターボ「そんなに1着に拘った走り方をするなら、ターボじゃなくてテイオーに憧れたら良かった!他にも強いウマ娘はいっぱいいる!」

パン「そ、それは…。」

ターボ「逃げに憧れないパンの事なんてもう知らない!」

 

バタン

 

パン「そ、そんな、ターボ先輩、待ってください!」

 

バタン

 

南坂「うーん、これは、少々荒療治が必要ですね。」

イクノ「そうですか。では、あの2人を呼び戻す必要がありますね。」

南坂「ええ。」

 

 

テイオー「あれ、ターボ師匠、どうしたの?」

ターボ「ターボ、もうパンサラッサの面倒見るの辞める。」

テイオー「どうして?師匠は『諦めない』が身上じゃないの?」

ターボ「見ていてつまんない。勝ちに拘るなら、テイオーを見習えばいい。」

キタサン「えー!?そんな理由で面倒見るの辞めるんですか!?」

ゴルシ「いや、アタシはありだと思うぜ。実際、あいつの走りを見ていても、なんの面白みもなかったし。」

沖野「おいおい、チーム移籍は双方が合意しないと駄目だぞ。あの南坂トレーナーを説得するのは一筋縄ではいかないんだ。」

スペ「そんなに凄いんですか?」

沖野「スぺも知っているだろ、テイオーの引退ライブでのジャック。あの手際の良さは恐ろしくなるほどだ。その手の工作を専門とする、軍の特殊部隊出身だと言われても驚かんよ。」

ターボ「取り敢えず、今はパンサラッサに会いたくない。ここにかくまって。」

テイオー「分かった。でも、パンサラッサが情熱を取り戻したら、またちゃんと面倒見るんだよ。」

ターボ「…、うん。」

 

 

パン「あのー、ターボ先輩来ませんでした?」

テイオー「ターボ師匠?そういやさっき君の事を声に出しながら走っていったよ。どうかした?」

パン「実は…。」

 

私はさっきの事を話します。

 

テイオー「それはパンサラッサに問題があるね。」

パン「え?」

テイオー「ターボ師匠は、自分の走りが出来ずに心が折れ、引退しようとしていたボクを立ち直らせた。その走りに魅入られたのに、自分から捨てるなんて、絶対に間違っている。」

パン「で、でも…。」

テイオー「ねえ、なんでボクがターボに師匠、とつけるか分かる?」

パン「え?」

テイオー「それが分かったとき、君は一皮むけた存在になるよ。じゃあ、ボクはトレーニングがあるからこれで。」

パン「行っちゃった…。」

 

 

あの後学園中を探しましたが、いませんでした。スピカを始め、心当たりのある場所は全部見たのに…。

 

パン「はあ…、どうすればいいんだろう…。」

 

♪~

 

パン「これは…、ヴァイオリンの音色?」

 

見ると、見知らぬウマ娘がヴァイオリンを弾いています。

 

パン「綺麗な音色…。」

アース「ふうん、ターボの言う通り、つまらない奴だね。」

パン「誰ですか?」

アース「僕はサウンズオブアース。チームカノープスというファーストクラススターの一員さ。」

パン「本当ですか?チーム紹介の時にはいませんでしたよ。」

アース「チームメイトのロイスアンドロイスと共に、エクスペディションをしていたものでね。ところで、君の為に一つ演奏を聞かせてあげようじゃないか。」

パン「え、いいんですか。是非お願いします。」

 

♪~ ♪♪~

 

パン「上手ですね。」

アース「そうじゃないさ。」

パン「謙遜ですか?」

アース「いいや違うよ。」

 

カチッ

 

パン「ろ、録音!?」

アース「そう、その通りさ。君は私の腕の動きと音楽というアピアランスに騙されて、私が名演奏していると思った。見た目に拘り、本質を見ていない君のようだとね。」

パン「本質が見えていない?」

アース「そう。君は勝つためと言いつつ、結局自分が一番勝てる戦術から逃げている。」

パン「でも、最初から飛ばすとバテるんです。だったら上手くペース配分した方が勝てる確率は高くなります。」

アース「その理屈は、能力が十分にあるウマ娘が言えることだ。今の君にそこまでの能力があるとは思えない。何より、例えその戦術で勝ったとして、君が納得いく走りじゃないだろう?」

パン「そ、それは…。」

アース「部室に戻ろう。そして、不満を全部吐き出そうじゃないか。」

 

 

部室には、ターボ先輩を除いたメンバーが勢揃いしていました。ただ、眼鏡を掛けた人が一人増えていますが。

 

パン「あの、アース先輩に続いてもう一人知らない人がいるんですが。」

ロイス「私はロイスアンドロイスです。今回の話には、私も一言あるので、どうぞよろしくお願いします。」

パン「は、はあ…。」

ネイチャ「それで。パンサラッサが逃げをやめようと思ったきっかけは?」

パン「悔しかったんです。ターボ先輩が途中で力尽きて下位に沈むたびに、逆噴射だとして笑われ、ネタにされるのが。だったら、せめて弟子である私は勝ちに行きたいって。」

 

部室内に沈黙が流れます。

 

パン「あ、あの、何かまずいこと言いました?」

イクノ「何もかも間違っていますね。」

パン「そ、そんな…。」

イクノ「確かにターボさんの戦術は、勝率は低いでしょう。ですが、毎回逆噴射をするわけではない。上手く走った場合は、あのオールカマーのように逃げ切れます。」

パン「でもその時は、序盤に上手く溜めて逃げ切ったはずですが。」

イクノ「結果だけを見ればそうでしょう。ですが、その前提条件として、普段ハイペースの大逃げをしている事があります。普段よりはペースを抑えたからこそ逃げ切れた。何より、自分の勝ちパターンを確立出来ていることが大きい。」

ロイス「自分に合わない戦術を取っても、勝率は0%。」

パン「ゼ、ゼロ!?」

ロイス「ええ。全員がズッコケるような、まぐれ以外で勝つことは不可能です。そんな受け身なやり方で、勝負の世界に居続けるのは不可能ですよ。」

イクノ「論より証拠。自分のレースを見直すことですね。」

パン「え、でも、反省はこれまでにも…。」

イクノ「そここで言う反省とは、ターボさんと自分の走りを重ねる事です。」

 

イクノ先輩が、二画面で比較してくれた。その結果…。

 

パン「嘘、一度もターボ先輩に追いつけていないか、自分も脱落するかだ…。」

イクノ「そもそも、『逃げが駄目なら先行で』、が通用するほど、先行が簡単なわけではありません。周りとの間合いを図り、ベストのタイミングで仕掛けなければならないなど、逃げとは別の難しさがあります。」

タンホイザ「だから、普段の練習から研鑽し、ライバルを意識して高め合うことが必要なんだよ。」

パン「大逃げという特殊な走法に憧れて、そういうの全然やってこなかった…。普段から全力で研鑽し、レースでは死に物狂いで走る、他のウマ娘に申し訳ない…。」

イクノ「そう思うならば、行動を改めることです。レースで結果を残し、自分を変えたことを実績で示す。私達にはそれしかないのですから。」

パン「出来るかな?」

ロイス「出来ますよ。現時点でオープンクラスならば、全力で研鑽すれば重賞も十分に狙えます。」

パン「は、はい。」

 

パン「とは言ったものの、どうすれば…。ん、これって、ターボ先輩に憧れる前の…。」

 

それは、小学生の時に、ムードメーカーであることを表彰されたメダルだった。

 

パン「パンだって、やれば出来る…!」




投稿が遅れている間にカノープスに新メンバーが加わり、それで閉塞状態を打破するきっかけを得ましたが、言葉遣いが難しいキャラの再現は難しいです(ルドルフ、ゴルシ、オペラオー、ギムレット、ヘリオス、パーマーに続き、アースで7人目)。
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