ツインターボに脳を焼かれたウマ娘は、大逃げで世界一を目指す   作:223系新快速

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今回から、パンサラッサの語尾や言葉遣いが変わり、それに伴って性格も変わったように見えます。
20世代のヴェルトライゼンデ、ドイツ語で世界旅行者という意味で、良い響きですね。ドイツ語って、なんでこんなにかっこいい単語が多いのかな。


第13話 走る理由

パン「おはようー、今日も元気に頑張るッサ!」

ネイチャ「あのー、どちら様ですか?」

 

ネイチャ先輩の言葉にズッコケる。

 

パン「ネイチャ先輩、酷いッサ、チームの後輩の事忘れたッサ?」

ネイチャ「い、いや、パンサラッサなのは分かるよ、けど、その語尾と立ち振る舞いは、どう考えても昨日までのパンサラッサとは別人だし…。」

パン「あーこれ、入学試験の時に、レース以外で他人に迷惑がかかるってコントレイルに指摘されて、入学時に修正したッサ。けど、それで自分の走りが出来なくなる位ならって、戻す事にしたッサ!」

「「「…、えええーっ!?」」」

 

朝の学園に、絶叫が響き渡る。

 

 

クラスメイトのコン、タクト、テソーロ、のんびりやのディープボンドことプボにヴェルトライゼンデ、同じ逃げウマ娘のバビットも驚いている。

 

タクト「あ、あの、これからもそのキャラで通すつもりですの?」

パン「勿論ッサ!」

プボ「無理してキャラ作ってな~い~?そういうのは疲れるよ~。」

パン「これがパンの素ッサ。」

テソーロ「お前、そんな陽キャムーヴする奴だったの?」

パン「そうッサ!小学生の時は、ムードメーカーの役割を担うこともあったッサ!」

ヴェル「レースには真面目に取り組めるの?」

パン「勿論ッサ、というか、寧ろこれまで以上に真剣ッサ!陽キャムーヴするには、事前に心配事は全部取り除いておく必要があるッサ!」

コン「これで別人のような成績になったら、責任感じますね。」

パン「コントレイルのせいじゃないッサ。他人の言葉一つで行動を変えるくらい、自分に自信がなかったことッサ。それに、迷走している中でも、技術力は確実に進歩していることは、映像を見返して確認済みッサ!」

 

質問に受け答えしていくうちに、バビットが詰め寄ってくる。

 

バビット「つまり、やっと逃げウマ娘として本領発揮するってことか。おもしれえ、私とひりつく勝負をしたいね。」

タクト「バビットさんが逃げている理由は何ですの?」

バビット「私が逃げやる理由?ひりつくからさ。自分の出せるスピードの限界を出し続け、抜かれるか逃げ切るか。これほど単純で、それでいてひりつくものはねえさ。」

コン「なんか学園一の勝負師、ナカヤマフェスタ先輩みたいな言動ですね。」

バビット「まあな。フェスタの姉貴には運命感じているし。それより、パンサラッサが逃げをやる理由ってなんだ?」

パン「え、そ、それはまだ良く分からないッサ。一応ターボ師匠に憧れてなんだけど...。」

バビット「ならそれをきちんと考えることだな。単なる憧れじゃ、理由としては浅いぜ。折角良い先輩に師事しているんだからよ。」

パン「わ、分かったッサ!」

 

 

パン「ということがあったッサ。とはいえ、なんで大逃げにそこまで拘るのかと言われると、ちょっと分からないッサ。」

南坂「うーん、そうですね。暫く休養しつつ、学園の外の景色を見るのもいいかもしれませんね。」

 

そんな訳で、練習を休んで、街中を歩いていた。ネイチャ先輩の商店街を通り過ぎ、しばらく行くと、何やらレースをしていた。

 

パン「これは…、フリーレース?」

 

見ると、メジロパーマー先輩が走っている。

 

パン「え、パーマー先輩!?」

パーマー「あれ、パンサラッサじゃん。どうしたの?」

 

 

少し場所を移動して、河川敷に座る。

 

パン「どうしてパーマー先輩がここにいるッサ?」

パーマー「私はこのフリーレースの常連だよ。ここなら順位や周囲の目を気にせず、思いっきり走れるからね。」

パン「春秋グランプリを制したほどの人でも、こうして自由に走りたくなる時はあるッサか…。」

パーマー「あー、それは逆。ここで自由に走れたからこそ、春秋グランプリを制することが出来たんだ。私はメジロ家の一員だけど、正直言って期待されていなかった。障害レースを走ったりするくらいにね。けど、ここで走って、自分らしさを見つけて、それで自信を持てた。たまには逃げるのも良いってこと。」

パン「パーマー先輩、パンも走っていいッサ?」

パーマー「勿論。」

 

 

フリースタイルだから、形には拘らなくていい。だったら、思い切り逃げるだけ!

 

ダッ

 

風が体を切り裂く。でも、その勢いが今は心地いい。そう、まるで小学生の頃のかけっこのように…。ん、かけっこのように?

 

パン「分かったッサ!」

 

パンは大逃げに憧れたんじゃない、駆けっこの如く、後先考えない全力疾走だからこそ、ターボ先輩、いや師匠に憧れたんだ。ならば、

 

パン「もっと強く、もっと速く!」

 

大地を力強く踏みしめ、どんどんスピードを上げる。パンはぶっちぎりの1位でゴールした。

ゴールしたら、周りからもう一回、もう一回と再戦をせがまれる。

 

パン「皆もパンの走りに魅せられたッサ?」

「うん。」

「いいなー、あたしもあんな風に学年一の足を誇っていた時期もあったなー。」

「幾らフリースタイルだからって、あんな風に走るのは難しいんだよねー。」

「そうそう、完走しなきゃって思うと、どうしても足溜めないといけなくて。」

「最後に纏めてごぼう抜きも、それはそれで爽快だし。」

 

皆もそうなんだ。最初から最後まで全力で飛ばすのは理想論で、でも出来る人が少ないから、憧れるんだ。

 

パーマー「うわー、あたしが初参加した時みたいだ~。こりゃ同じ大逃げをするウマ娘として、うかうかしてられないね。」

 

 

パン「戻ったッサ!」

ネイチャ「もう戻ってきたの?」

パン「パンは、パンと皆の理想を体現する走りをするッサ!そのために大逃げをするッサ!」

南坂「これはもう大丈夫そうですね。」

パン「ターボ師匠に謝らないといけないッサ。早くスマホで呼び出すッサ!」

ネイチャ「スマホで呼び出すことを忘れるくらい、倒錯していたってことか。」

 

暫くすると、師匠が来ました。

 

ターボ「パン、どうしたのだ?」

パン「師匠、すまなかったッサ!」

 

全力で土下座する。

 

ターボ「これ、前にも見たことある…。」

パン「師匠の、大逃げにかける思いの強さ、全然理解していなかったッサ!これからは死に物狂いで努力して、理想を現実のものに出来るようにするッサ!」

ターボ「よーし、ならターボについてこーい!今から並走だー!」

南坂「ちょっと、今からですか?」

イクノ「まあいいじゃないですか。折角やる気が上がったんですし。」




え、そういう理由で覚醒するの?と思う人もいるでしょうが、これほぼ作者の実話です。
先輩から師匠へ呼び方が変わる経緯はじっくりやりたかったので、これが描けて満足です。
ここから先、ターボ師匠のシナリオよろしく、大逃げをするウマ娘がどんどん絡んできますよ。
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