ツインターボに脳を焼かれたウマ娘は、大逃げで世界一を目指す   作:223系新快速

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2023/4/5追記:ウシュバテソーロが美浦寮なので、パンサラッサのルームメイトをデアリングタクトに変更しました。
2023/5/23追記:デアリングタクトと東条トレーナーの会話を追加しました。


第3話 ルームメイト

スピカの部室を後にして、寮へ向かう。

 

パン「初日なのに疲れた~。」

フジ「おや、ポニーちゃん、お疲れのようだね。」

パン「あ、寮長さん、実はカノープスとスピカの見学に行って…。」

フジ「ああ、あの2つに行ったなら、そうなるのも無理ないかな。君の部屋はここだよ。」

パン「ありがとうございます。」

 

ガチャ

 

パン「まだ誰もいないか。誰が同室かな。」

 

既に宅配で荷物は送られているので、それを整理する。片付いた頃に、

 

コンコンコン

 

パン「はーい、どうぞー。」

 

ガチャ

 

タクト「失礼しますわ。貴方が、私のルームメイトですの?」

パン「そう、パンサラッサだよ。よろしくー。」

タクト「私はデアリングタクトと申します。以後お見知りおきを。」

パン「デアリングタクトさん、一緒に食堂に行かない?色々あって、もうおなかが空いて…。」

タクト「賛成ですわ。そこで、お互いの自己紹介もしましょう。」

 

 

食堂は沢山のウマ娘で大賑わいだ。私はカレー特盛りを、デアリングタクトさんはカツ丼特盛りを注文する。

 

「「いただきます。」」

 

2人してがっつく。あれほどあった料理があっという間になくなる。

 

タクト「おいしかったですわ。それで、パンサラッサさんは、何故この学園に?」

パン「ツインターボ先輩のような、誰かに感動を与えられるレースをしたいと思って。」

タクト「ツインターボさんですか。確かに、あの大逃げは心に来るものがありますわね。」

パン「デアリングタクトさんは?」

タクト「私はスペシャルウィーク先輩です。日本総大将に相応しい、堂々とした走りに憧れましたわ。」

パン「てことはスピカ!?」

タクト「ええ、そうですわ。」

パン「うえー、ずた袋誘拐かー。」

タクト「されませんでしたわよ。」

パン「え!?どうやってくぐり抜けたの!?」

タクト「では、お話ししましょう。」

 

 

スピカの部室に行くために、トレーナーに評判を聞くことにしたのですわ。そうしたら、たまたまリギルの東条トレーナーに出会いました。

 

タクト「あ、東条トレーナー、よろしいですか?」

ハナ「あら、あなたはデアリングタクト。もしかして、リギルに入りたいの?」

タクト「いえ、スピカに入ろうと思っているので、評判を知りたくて。」

ハナ「そう、一応聞くけど、誰に憧れたのかしら?」

タクト「スペシャルウィーク先輩ですわ!」

ハナ「それなら仕方ないわね。生半可な気持ちで入ろうとするなら、止めていたところよ。」

タクト「そんなにきついのですか?」

ハナ「いや、どちらかというと変わり種の集まるところね。」

タクト「と言いますと?」

ハナ「スピカのトレーナーである沖野は、トレーナーとしての腕は一流よ。そこは保証するわ。でも、トモを触りたがる職業病にかかっているわね。有り体に言えば変態よ。」

タクト「そうですの。」

ハナ「集まるウマ娘も、実力はあるけど癖がある者ばかりね。見込みのある新入生には、特にずた袋を使って誘拐してくることもあるわ。」

タクト「大丈夫です。憧れを理由にすれば、切り返せますわ。」

 

東条トレーナーにお礼を言って、わざと1人になるように歩いていると、案の定来たのですわ。

 

ザザッ

 

ゴルシ「スペ、スカーレット、ウオッカ、やって「会いたかったですわー!」へ?」

 

ギュゥッ

 

スペ「だ、だべー!?」

タクト「ああ、本物のスペシャルウィーク先輩、もう離しませんわー!」

ウオッカ「会いたかった?スペ先輩って地元に他にウマ娘はいなかったよな?」

ダスカ「ええ、そのはずよ。もしかして、幼馴染みを名乗る不審者?」

ゴルシ「おうおう、それはゴルシちゃんが許しておけねえな。経歴詐称は大罪だぜ。特に自称幼馴染みはな。」

タクト「ずた袋誘拐に対するカウンターですわ。」

ゴルシ「とんでもねえ行動しやがる。あのクレイジーダイヤモンドやウマ娘オタクのアグネスデジタル、でちゅねの悪魔ことスーパークリーク並みだぜ。」

タクト「ハジケリストが何自分のことを棚に上げていますの…。」

スペ「デ、デアリングタクトさん、私に会いたかったってどういうことですか?」

タクト「理由は2つありますわ。まず1つ目は、日本総大将と呼ばれるその堂々とした走りに憧れて、この学園に来ましたの。わざわざずた袋で誘拐しなくても、スペシャルウィーク先輩がいる時点で、スピカに入りますわ。」

ゴルシ「なんだ、とんだ無駄骨じゃねえか。それで、もう一つは?」

タクト「スペシャルウィーク先輩に、何か運命的なものを感じたのですわ。それについては、シンボリクリスエス先輩もですが。」

スペ「エヘヘ...、私への憧れかあ...。」

ダスカ「スペ先輩、顔が緩んでいますよ。」

ゴルシ「まあ、そういうことなら、早いとこ部室へ行こうぜー!」

 

 

沖野「成程。良く分かった。これもA案件だな。」

タクト「『憧れと理解は別物であることを実感させる必要がある案件』ですか。じゃあ、今からリギルに行ってきます。」

沖野「おいおい本気か?」

タクト「さっき東条トレーナーにこのチームについて説明を受けましたので。」

 

 

タクト「それでリギルに行ったら、コントレイルがシンボリルドルフ先輩と模擬レースをしていたのですわ。」

パン「コントレイルさん、なにやらかしたんだろう。」

タクト「コントレイルは頭が真っ白の状態で走っていましたわ。ですが、私の走りを見て、落ち着きを取り戻したようですわ。」

パン「初日から凄い経験したんだね。まあ私もだけど。」

タクト「是非聞かせてくださいな。」

パン「うん。入学前も含めてね。」

 

そこから私の今日までの経験を話した。デアリングタクトさんは結構感性豊かな人なので、いちいち反応してくる。

 

タクト「パンサラッサさんも、大変な経験をしたのですね。ですが、一番気になるのは、周囲の反応ですわね。」

パン「うん...。どうも、大逃げというのが軽く見られている節がある。ターボ先輩が逆噴射するからかな。」

タクト「重賞複数勝利、GI出走経験複数回ありのウマ娘を軽く扱えるわけはありませんわ。物事に真剣に取り組めない、外野の声です。」

 

 

翌日、約束通りにスピカの練習を見学する。因みにデアリングタクトさんはもう正式入部している。

 

沖野「よし、スカーレットとウオッカはもう一本併走!テイオーとマックイーンはタイヤ引きだ。」

パン「…、あの。」

沖野「何だ?」

パン「ゴールドシップ先輩は何をしているんですか?」

 

将棋を指す、丸太を杭打ちする、ジャグリングをする…。まるで普通の練習をしていない。

 

沖野「あいつはハジケリストだ、気にしたら負けだ。」

パン「…。」

 

ちょっとあの先輩は合わなさすぎる。参考にするなら、逃げが得意なキタサンブラック先輩とダイワスカーレット先輩か。

 

 

沖野「どうだ?」

パン「やっぱりカノープスが良いです。」

 

主にゴールドシップ先輩が理由だけど。

 

テイオー「うんうん、僕もそれが良いと思うよ。」

沖野「テイオー?」

テイオー「カノープスにはターボ師匠もいるし、ちゃんと面倒見てくれるよ。」

沖野「テイオーがそう言うんじゃ仕方ないな。」

 

 

パン「というわけなので、やっぱりカノープスが良いです。ターボ先輩と別のチームというのは考えられません。ここに入れないなら学園を辞めます!」

南坂「君がそこまで言うなら、応じないわけにはいかないね。」

ネイチャ「それに、テイオーの口添えもあるんじゃねー。」

南坂「チームカノープスへようこそ。」

パン「改めて、パンサラッサです。よろしくお願いします。」

 

漸く一歩を踏み出した。ここからが本当のスタートだ。

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