ツインターボに脳を焼かれたウマ娘は、大逃げで世界一を目指す   作:223系新快速

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この話を書くために、カブラヤオーやダイタクヘリオスの解説動画、記事を見ましたが、本当に凄いですね。この作品でもいずれ登場させる予定です。
後、馬の異字体と時計の絵文字って、どうやれば出せますか?


第5話 併走と先駆者達

 

今日も今日とて基礎体力と体幹作り。流石に飽きてくる。

 

南坂「大分不満が溜まっているようですね。」

パン「はい…。幾ら持久力が必要だといわれても、こう単調だと飽きてきます。」

南坂「では、ターボさんと併走トレーニングをしましょう。明確な目標無しに続けても効率は上がりませんから。」

パン「は、はい!」

 

漸く憧れのターボ先輩と併走出来る!

 

ネイチャ「パンサラッサ、ターボとの併走に負けても、心が折れちゃ駄目だよ。」

パン「どういうことですか?」

イクノ「ターボさんの併走は、後先考えない全力疾走。即ち、現時点での実力差が明確に出るという事です。」

 

先輩達はそう言うけど、私は全力全開、完全燃焼の走りしか眼中にない。

 

ターボ「パンサラッサ、いくぞー!」

パン「はい!」

南坂「よーい、スタート!」

 

トレーナーさんの合図と同時に走り出す。だけど、ターボ先輩はあっという間に前に出る。

 

パン「くっ、もっと速く、もっと速く…。」

 

だけど、ターボ先輩の背中は遠くなるばかり。追いつきたい、追い越したいという焦りから、ペースが速まり、息が苦しくなる。

 

パン「これじゃ駄目なのに…、もっと、もっ…。」

 

息がどんどん苦しくなる。呼吸が回らない。

 

パン「ううっ、ゲホッ、ゲホッ…。」

イクノ「パンサラッサさん!?」

南坂「不味いです!」

 

バタリ

 

 

ターボ「…サ…ッサ、パンサラッサ…、パンサラッサ!」

パン「えっ?」

 

ターボ先輩が私の顔をのぞき込んでいる。

 

ターボ「良かった、併走中にいきなり倒れるから心配したんだぞ!」

パン「私は、ターボ先輩と併走を初めて、それで…。」

南坂「ターボさんのペースに無理についていこうとして、呼吸のリズムが乱れて、酸素を無理に吸おうとして過呼吸になってしまったんですよ。」

パン「イクノディクタス先輩の警告は、こういうことだったんですね。全力疾走したいのに、あっさり崩れちゃって…。」

イクノ「ええ、これがいわゆる掛かりです。パンサラッサさんは常に先頭に立ってレースがしたいという気持ちが強いので、先頭を取れないと今回のように簡単に崩れてしまいます。」

パン「うう、もっと鍛えて先頭を譲らないくらい強くならないと…。」

南坂「いえ、それだけでは不十分です。いずれはターボさんのような大逃げをするにせよ、それ一本では危険ですね。」

パン「控えたレースをすることも覚えるって事ですか?」

南坂「いえ、同じ大逃げウマ娘が出てきたら、位置取り争いが起きうるということです。」

ネイチャ「大逃げ同士の位置取り争いとか、どんなラップタイムになるのか、想像したくもありませんなー。」

タンホイザ「そもそもそんな事あり得るのですか?」

南坂「いえ、実例があるから言っています。」

タンホイザ「誰ですか、そんな普通じゃないレースをしたのって。」

南坂「まず1人目は、狂気の逃げウマ娘、カブラヤオーです。」

イクノ「カブラヤオー先輩ですか。」

ターボ「イクノ、知っているのか?」

イクノ「ええ、私達の先輩で、早くから頭角を現し、クラシック戦線で皐月、ダービーの二冠に輝いたウマ娘です。殺人的とも称されるハイペースでラップを刻む大逃げで観客を沸かせました。」

ターボ「それで、なんで他のウマ娘はカブラヤオー先輩についていこうとしたの?」

イクノ「カブラヤオー先輩はターボさんと違い、逆噴射しないからです。逆噴射しない以上、何が何でも同じペースで走る必要があります。その結果、皐月賞で1000m58秒9というハイペースになったのです。」

ターボ「1000m58秒9?それならターボでも出せるぞ。」

イクノ「いえ、もう何十年も前のこと、その頃の皐月賞の1000m通過タイムの平均は60秒前半です。そう考えると、どれだけハイペースかが分かるでしょう。今の感覚だと、1000m55秒台での通過でしょうね。」

ターボ「そ、そんなの、幾らターボでも出せないし、出そうとも思わないぞ!」

イクノ「ええ。付け加えて言うと、競り合ったウマ娘は、過剰な負担から骨折し、そのまま引退。『あのペースで走り続けられるカブラヤオーは普通じゃない。化け物だ』と、後にテレビのインタビューで涙ながらに語っていますね。」

イクノ「次の日本ダービーでも、また競りかけられた結果、皐月賞を上回る1000m58秒6で通過。最後の直線では全員バテバテという狂気のレースになりました。」

南坂「どうしました、パンサラッサさん。」

パン「えーと、そのレース映像、見たいような見たくないような…。」

南坂「見ておくべきですね。」

パン「や、やっぱり?」

 

 

保健室から出て資料室でブルーレイを借り、部室で見る。とんでもないレース展開だ。ターボ先輩が複数人いるレースとか、考えただけでも恐ろしいが、実際に見るとそれ以上だ。あんな展開になったら、逃げ切れる自信がない。

 

パン「恐れ入りました。私が甘かったです…。」

南坂「いえ、まだまだですよ。次はメジロパーマーさんとダイタクヘリオスさんの爆逃げコンビです。」

イクノ「その2人は私と同世代ですし、良い手本になりそうですね。」

 

続けざまに爆逃げコンビの映像も見る。天皇賞(秋)に有マ記念だ。

 

ネイチャ「天皇賞(秋)では1000m57秒5、いやーとんでもないハイペースですなー。お陰でテイオーを始め先行勢が全滅。」

イクノ「そうかと思えば有馬記念ではまんまと逃げ切り勝ち。本当に読めませんね。」

ターボ「パンサラッサ、大丈夫か?」

 

強烈過ぎて脳の理解が追いつかない。口からエクトプラズムが出る程だ。

 

ネイチャ「流石に刺激が強すぎましたかねー。」

南坂「ですが、大逃げという戦法の本質を知っておかないと、自分自身が振り回されますからね。」

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