ツインターボに脳を焼かれたウマ娘は、大逃げで世界一を目指す 作:223系新快速
南坂「パンサラッサさん、そろそろデビューするべきですね。」
パン「え、もうですか?まだ大逃げがモノになっていないのに?」
南坂「はい。本格化は迎えていますし、パンサラッサさんの場合、レースに慣れていないと、思うように大逃げが出来ないでしょう。」
パン「分かりました。でも、完成していない走りを使うのは、リスクが高いと思います。」
南坂「ええ。ですから普通の逃げで行きましょう。」
パン「はい…。」
⏰
メイクデビュー、阪神芝右回り1600m。晴れの良馬場と絶好のレース日和だ。だけど、当の私は緊張でそれどころではない。
ネイチャ「どう、緊張している?」
パン「はい…。」
イクノ「では、パドックで他の子を見るのはどうでしょう。周りも緊張していると分かれば、少しはほぐれると思います。」
パン「そうなんですか?」
イクノ「ええ、騙されたと思ってやってみる価値はあると思います。」
◇
パドックに入り、周りのウマ娘の様子を観察する。イクノディクタス先輩同様、皆も結構緊張している。これならいけるかもしれない、そう思うと、急に跳ね回りたくなってきた。
赤坂『7枠13番パンサラッサ、4番人気です。』
細江『かなり跳ねていますね、元気の良さが、この子の調子の良さを示すかも知れませんよ。』
ガコン
赤坂『スタートしました!』
ゲートが開くと同時に、懸命に駆け出す。まだ大逃げは未完成なので控えた逃げを心がけていたものの、いざレースになると、ただ先頭に立ちたいという気持ちが強くて、作戦のことはすっかり頭から抜けてしまった。
赤坂『あっと、13番パンサラッサ、猛烈な勢いで逃げる!これは暴走か、それとも作戦か?』
細江『掛かっているかもしれませんね。冷静さを取り戻せると良いのですが。』
ネイチャ「あちゃー、完全に作戦が頭から飛んでますなー。」
ターボ「確かに大逃げは全力を出すけど、だからって無謀じゃないぞ。」
ゴールを先頭で駆け抜けるべくひた走る。だけど、出来上がっていない大逃げ、4コーナーを過ぎた当たりで苦しくなってくる。そして、後ろで控えていた子達が一人、また一人と私を抜いていく。それをどうすることも出来ずに見送りながら、それでも私はゴールした。結果は6着。
◇
控え室に戻ってくると、チームの皆が迎える。ターボ先輩がカンカンに怒っている。
ターボ「こら、パンサラッサ、大逃げと暴走は別物だぞ。」
ネイチャ「まあまあ、パンサラッサだってやりたくてやったわけじゃないんだし。」
パン「すみません、ゲートが開いた瞬間に本能に突き動かされて、先頭を取ってそのまま走り切ること以外頭から抜け落ちてしまいました。」
南坂「思った通り、数をこなすことが必要ですね。大逃げと暴走の区分を、自分の体に覚え込ませることが必要です。一週間後の未勝利戦で再挑戦ですね。」
パン「い、一週間後ですか?」
南坂「はい。」
トレーナーさんが涼しい顔してえげつない事を言う。
⏰
連闘で未勝利戦、阪神芝2000m右回り。
ガコン
今度は焦らずにレースを運ぶ。ややもたついたものの先頭を取り、そのまま後ろがスリップストリームを使えない程度に離した状態で先頭を維持する。
赤坂『1番パンサラッサ、調子よく逃げている!』
細江『暴走状態だった先週から、しっかり立て直してきましたね。』
ペースよく走ったが、最終直線で後ろが伸びてきて、1人抜かされたところでゴール。
赤坂『一着はアカイイト!二着にパンサラッサ!』
南坂「どうですか?」
パン「今回は焦らなかったこともあって、かなり思い通りの走りが出来たし、勝ち筋も見えてきました。次は行けると思います。」
今回最後に差されたのは、最初にハナを取るのに手間取ったからだ。そういうときは、無理に先頭を取らず、好位追走するのも選択肢に入る。
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中一週で未勝利戦、京都芝2000m右回り。
ガコン
今度はスタートが上手く行き、ハナを取ってそのまま進む。今のペースでも追いついてこられる子はいないようで、等間隔にラップを刻んでそのままゴールイン。
赤坂『逃げたパンサラッサが一着!』
イクノ「正確なラップタイムを刻むのは、ミホノブルボンに似ていますね。」
ターボ「うーん、ターボの大逃げとは違うなあ…。」
ネイチャ「まあまあ、体が仕上がったら出来るでしょ。」