異世界少年~ロリエルフにTS♀して日本に転生! 言葉は分からないけど、過保護で美人なお姉さんに拾われて何とか生きています!   作:二宮まーや

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117話 楓の誕生日に向けて

 

 

 

 

 

 ◆エルちゃん視点

 

 

 

 

「ううっ……エルちゃん、葵ちゃん……お仕事行ってくるね」

「かえでねーたん、いってらっちゃい!」

「お姉ちゃんお仕事頑張ってね♪」

「うん♪ ありがとう♪ 仕事早く終わらせて、定時には頑張って上がるからね!」

 

 今日は月曜日なので、かえでねーたんはいつものお仕事へと行ってしまいました。僕も今日はお手伝いを沢山して、お金を沢山稼ぐのだ! あおいねーたんに肩叩きやモミモミとマッサージをするだけでも50円稼げるから、1日色々なお手伝いを頑張れば300円は稼げる算段だ。

 

 どうやら、かえでねーたんの誕生日と言う特別な日が近付いてるとあおいねーたんが密かに教えてくれたのです。誕生日と言うのは、その人が生まれた日をお祝いする特別な日だそうです。

 

 日頃からお世話になってるかえでねーたんには、ボクからも何かプレゼントがしたいのだ。勿論、あおいねーたんが誕生日の日にも何かプレゼントするのだ!

 

「あおいねーたん!」

「ん? どしたのエルちゃん?」

「おてつだいしゅるの! おかね、かちぇぎたい!」

「ほほう。何か欲しい物があるの?」

「ふふ〜ないちょ!」

 

 ふむ、だけどかえでねーたんの欲しい物が良く分からないですね。さり気なく聞き出す事が出来れば良いのですが……かえでねーたん、欲しい物何かあるのかな?

 

「エルちゃん、最近色々な言葉を覚えて来たね〜良し、エルちゃんにミッションを与えよう! この任務をこなす事が出来たら、葵お姉ちゃんがお小遣いをあげちゃうよ♪」

「おお! がんばゆ!」

「じゃあ、リビングで掃除機かけてみる?」

「そーじき?」

「お部屋を綺麗にする時に使うやつ、あれかな」

 

 あ、なるほど。ゴミを綺麗にする魔道具の事だったのか。ふむ、日頃あおいねーたんが使ってるあれは掃除機と言うのか……良し、覚えたぞ!

 

「使い方教えてあげるから、やってみよっか♪」

「んみゅ! がんばりゅ!」

「あ、エルちゃん走ったら危ないよ」

 

 今日の僕はやる気に満ちているのだ! 今日は何でも出来そうな気がします! 沢山お手伝いをして、僕が出来ると言う証明を……はわわっ!?

 

 

 

 ―――エルちゃんは顔から思いっ切り、前のめりにで転んでしまった。

 

 

 

「ううっ……痛いの……ぐすんっ」

「ほら言わんこっちゃない。エルちゃん大丈夫? 怪我してない? ほら、お姉ちゃんが抱っこしてあげるから♪」

「あうっ……」

「エルちゃんは泣き虫さんだね〜♪ よしよし♪」

 

 恥ずかしいけど、あおいねーたんに背中トントンとされながら抱かれるの好きです。心の奥底がポカポカとして落ち着く……暖かい。

 

「でも、将来エルちゃんはかっこいい冒険者になるんだよね?」

「んみゅ、なりゅ」

「うふふ♪ じゃあ、泣き止まないとね♪ かっこいい冒険者さん♪」

 

 いつもの事だけど、あおいねーたんに恥ずかしい所を見せてしまった。何でこんなにも僕は転ぶのだろうか。この身体になってから、やけに転ぶ頻度が増えた気がします。これは何かの呪いなのでしょうか?

 

「あらあら、そんな顔を赤くして恥ずかしいのかな〜? くすくす♪」

「んにゅ……」

「エルちゃん、掃除機掛け終わったら美味しい物食べよっか♪ 冷蔵庫にバーゲンダッツあるよ♪」

「バーゲンだっちゅ……!?」

「うんうん♪ 期間限定のショコラブラウニー味があるよ」

 

 バーゲンダッツ……それは、至高のアイスの中でも頂点に君臨する超が付くほどの高級アイス。うめぇ棒で例えると30本分以上の代物だ。他のアイスも大好きですが、このバーゲンダッツに関しては別格なのです!

 

「あおいねーたん! はやく、しょーじきやるの!」

「エルちゃんチョロい……ごほんっ。そうだね♪」

 

 さて、こうしてはいられません! 掃除機なる魔道具を華麗に使いこなして、僕は優雅にバーゲンダッツを食べるのだ!

 

「あおいねーたん、おろちて!」

「はいはい♪ もう走ったら駄目だよ? また転んで痛い思いしちゃうから」

「んみゅ!」

 

 早速僕とあおいねーたんでリビングへと向かい掃除機の準備をし始めました。

 

「エルちゃん、これはコンセントと言ってね。このコードを出して、この先端のプラグをここの穴に差すんだよ」

「はいなの!」

 

 ふむ、このコンセントなるものをこの穴に差すのか。掃除機なら僕でも扱えそうな気がするぞ。

 

「そしたら、ここのボタンを押すと電源が入るよ♪ 後は掃除をするだけ♪」

「あい! ボタンおちたの!」

 

 おおぉ〜凄い勢いで吸ってる。これでいつも汚れやゴミを綺麗に掃除していたのか。何だ、めっちゃ楽勝じゃないか♪

 

「よち、これをこうちて……あ、あれれ? はわわ……!?」

「ちょっ……エルちゃんwww」

「ひえぇぇ!? た、たちゅけて!?」

 

 この掃除機とてつもない反抗期です! 僕の服を何と吸い始めたのです! フリフリのスカートが段々と掃除機の中へと吸い込まれて行っちゃうよ!

 

「ぷっ……エルちゃん、ここ押して見て」

「ここ? んみゃあああ!?」

 

 あおいねーたんがニヤニヤしてる時は、やはりろくな事がありません! あおいねーたんに言われた通りにこのボタンを押したら、さっきよりも吸う力が強くなったのです!

 

 くそ!? 遠目で白猫のタマちゃんがニヤニヤとこっちを見ながら笑ってる。掃除機でタマちゃんも吸ってあげようか!?

 

「エルちゃん、ごめんごめん♪ エルちゃんの凄い慌てっぷりに思わず笑っちゃったよ」

「ぐぬぬ……」

 

 あぁ、服がヨレヨレになっちゃった。今日の僕……朝から醜態ばかり晒してないだろうか? 僕が出来る男……あぁ、今は女の子か。まあ、それはさて置き、出来ると言う所をねーたん達に見せ付けたいのだ!

 

「エルちゃん、お姉ちゃんと一緒に掃除機かけようか♪」

「はいなの……」

 

 ぼ、ボクは諦めないぞ!? まだまだこれからなのです!

 

 

 

 

 ―――――――――

 

 

 

 

「はい、良く出来ました♪ バーゲンダッツ一緒に食べようか♪」

「わーい♡」

 

 さあ、お待ちかねのバーゲンダッツのお時間です! ゆっくりと味わって食べるぞ♡

 

「エルちゃん、お姉ちゃんの膝の上に座って食べて♪」

「んみゅ」

「食べさせてあげる♪」

 

 かえでねーたんもそうですが、あおいねーたんと2人で家に居る時は、かえでねーたんと似たような事を言いますね。こういうニヤニヤしてる時の顔は、本当に姉妹そっくりと言った所でしょうか。

 

「エルちゃん、はいあ〜んして」

「あむ……もぐもぐ……おいちい!」

 

 やはり至高のアイスだ。こんな贅沢な物をタダで食べて良いのかと後ろめたい思いにもなりますが、相手からの好意を無下にする事は出来ません。

 

「あら、おくちにアイス付いちゃったね」

「んみゅ」

「ぺろり……♡」

「はわわっ!?」

 

 かえでねーたんとあおいねーたんは、いつも突発的にこういう事をしてくるからビックリしちゃいますよ。少しは慣れたとは言え、かえでねーたんとあおいねーたんは絶世の美女です。僕の心臓にあまり宜しくありませんよ……かえでねーたんとあおいねーたんは、もっと自分が美少女だと自覚するべきです!

 

「エルちゃんは本当に純粋だよね♪ 大きくなってもエルちゃんは素直な子になりそうだね♪」

「ちゅなお?」

「ありのまま……まあ、エルちゃんは気にしなくて大丈夫だよ♪」

 

 んん〜まあ深く考えるのはやめておこう。てか、こうしてあおいねーたんの膝の上に座ると僕の背中に柔らかい物が当たる。しかも、あおいねーたんの胸……何だか僕と出会った頃に比べて大きくなってる気がします。僕と同じものを食べてるのに、かえでねーたんとあおいねーたんは何でこんなにも胸が大きいのでしょうか?

 

「ん? どしたのエルちゃん?」

「なんでもないの! あいちゅたべたら、たくさんおてつだいしゅるの!」

「エルちゃんいつもよりやる気だね〜そんなに欲しいのがあるんだね」

「んみゅ! かえでねーたんにぷれぜんと……あっ」

 

 し、しまった……!? 内緒だと先程言ったのについ言ってしまった。

 

「なるほどね〜そういう事か。エルちゃん、私と一緒にプレゼント考えよっか♪ お金は気にしないで♪ 私が全部出すから」

「ふぇ? いいの?」

「良いよ♪ エルちゃんは良い子だね♪ お姉ちゃんきっと喜んでくれるよ♪」

「あおいねーたん、あいあと!」

 

 思わずポロッと言ってしまった事でしたが、あおいねーたんに言って良かったです♪ あおいねーたんなら、かえでねーたんの欲しい物が分かるかもしれない。

 

「楓お姉ちゃんの誕生日は、12月19日。去年の誕生日は、私は手編みのマフラーをプレゼントしたかな〜」

「まふらー?」

「ほら、今日の朝お姉ちゃんが付けていた赤色の首に巻いてたやつだよ」

 

 あぁ、あの暖かそうな少し糸がほつれてた布か。あれマフラーと言うんだ。

 

「お姉ちゃん、私が手編みのマフラーを誕生日にプレゼントしたら号泣して喜んでくれてね〜家宝にするとか言い始めた時はそんな大袈裟なと思ったけど、今でも大切に使ってくれてるよ」

「しょうなんだ……ふむふむ」

 

 手作りの物の方が、かえでねーたんは喜ぶのかな? なら僕もかえでねーたんの誕生日の日までに何か作ってプレゼントしてみようかな。

 

「あおいねーたん、ボクもつくゆ!」

「うふふ♡ そかそか、楓お姉ちゃんの誕生日まで時間はまだあるから、お姉ちゃんが仕事に行ってる間に一緒に用意しよっか♪」

「んみゅ! かえでねーたんには、ないちょなの!」

 

 本当はあおいねーたんにもプレゼントしたいのですが、どうやらあおいねーたんの誕生日はまだまだ先らしいのです。今思えば、僕の誕生日はいつ何だろう……と言うか僕に誕生日はあるのでしょうか? でも、こうして生まれている訳だし……んみゅ。

 

「そうだね〜私はお姉ちゃんに新しくマフラーを編んでプレゼントしようかな」

「おお! ボクも!」

「じゃあ、私と一緒にお姉ちゃんがお仕事に行ってる間に編み物しよっか♪」

 

 こんなスラムの貧困孤児だった僕に沢山の愛情、優しさ、知識、家族の大切さ等様々な物をかえでねーたんとあおいねーたんは僕にくれました。

 

 かえでねーたんとあおいねーたんの優しさに触れてから、自分の中でも気持ちの余裕が少しずつ出来て、相手を思いやる優しさや助け合いながら生きて行く事の大切さ等、色々な事を教えて貰えました。一生掛かっても返しきれない程の恩を受けたのです。そして、これからも僕はかえでねーたん達と一緒に居たい。

 

「ボクがんばゆ!」

「うふふ♡ お姉ちゃんが喜ぶ姿が目に浮かぶよ♪」

 

 こうしてエルちゃんと葵ちゃんは、楓が仕事に行っている間に2人で楓の誕生日プレゼントの準備を進めるのであった。

 

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