異世界少年~ロリエルフにTS♀して日本に転生! 言葉は分からないけど、過保護で美人なお姉さんに拾われて何とか生きています!   作:二宮まーや

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7話 魔法少女☆エルちゃんVS漆黒のG

 

 

 

 

◆エルちゃん視点

 

 

 

 

(ふぅ……良かった、貴族のお姉さん怒って無かった)

 

 僕は再び2人のお姉さんに愛でられて、現在また例の部屋へと戻って来ました。

 

「お、お姉さん? どうしたのですか?」

 

 僕は何となく嫌な予感がしていた。そう、僕は知っている……お姉さん2人が何だかニヤニヤしている時は、ろくな事が起きないのです。

 

「――――――♪」

「――――――!!」

 

 (2人は何を話しているんだろうか……)

 

 そしてボブカットヘアーのお姉さんが、手に持っている袋をガサゴソと中身を取り出して僕の前に広げる。

 

(こ、これは!? さっきの女の子が戦っていた衣装じゃないか! こんなものをすぐに用意するとは……お姉さん達は何者? やはり、ただの貴族では無さそうだ)

 

 そして僕はいつの間にかお姉さんにガッチリと後ろから抱かれていました。そして――――――

 

「え? この服を僕に?」

「――――――♪」

「ちょっと待って下さい! 僕はこんな可愛いらしいドレスを着る気は無いですよ! こう見えて中身は男なのですよ! んみゃあっ!?」

「――――――――――――♪」

 

 お姉さん達の目がギラギラと輝いて見える……僕はこの場から逃げようと試みたが、お姉さんの力が強くて腕の中から逃げ出せませんでした。

 

 結局なすすべも無く、お姉さん達に服を脱がされて強制的に可愛いらしいドレスを着せられてしまいました。

 

「うぅ……ぐすんっ……」

「――――――!?」

「お姉さん?」

「――――――!!」

 

 僕が涙を流していたら、お姉さん達は慌てて僕を優しく抱きしめてくれました。このお姉さん達はどうやら抱きつき癖があるのかもしれません。

 

 

 

 

 

 ◆(かえで)視点

 

 

 

 

 

「エルちゃん、可愛い……」

「お姉ちゃん! 良かったね~エルちゃん泣く程嬉しかったんだね。今まで可愛い服を着させて貰えなかったのかもね」

 

 エルちゃんは最初は遠慮していたのか、凄い暴れて抵抗して居たのですが、次第に落ち着いて行き大人しく服を着てくれました♪ しかし、エルちゃんくらいの年齢の子なら普通もっと我儘を言うはずなのですが、エルちゃんは物欲は無く大人しいです。

 

「エルちゃん、遠慮しなくても良いんだよ? エルちゃんがさっきテレビで、目を輝かせて魔法少女★みくるちゃん見てたのお姉ちゃん知ってるんだからね!」 

「――――――うぅ?」

「遠慮しないで、もっと我儘言って良いんだからね♪」

 

 何と!? 今、エルちゃんが笑いました! 幼女がはにかむように笑うその姿は、破壊力が凄まじいです。そして葵ちゃんの方に視線を向けたら、葵ちゃんは口を押さえてポカーンと目を♡にしていました。

 

「はぅ♡……お、お姉ちゃん! 次はこのみくるちゃんの魔法少女ステッキ渡してみようよ!」

「葵ちゃん、一旦落ち着こう? エルちゃんが少し怯えているわよ」

「あぁ、ごめんごめん! エルちゃん~はい、このみくるちゃんのステッキはね、ここを押すと光るんだよ~」

 

 葵ちゃんがみくるちゃんのステッキを押したら、エルちゃんは目を大きく見開いて驚いていました。そして、恐る恐るそのステッキを受け取り、ボタンを押してはキャッキャっと喜んでいました。私と葵ちゃんはその様子を見ながら思わず笑みを浮かべてしまいました。葵ちゃんは、スマホでパシャパシャとエルちゃんを撮ってご満悦の様子です。

 

「エルちゃん喜んでるね♪ よし、お姉ちゃんと魔法少女ごっこして遊ぼう!」

 

 そしてエルちゃんは首を傾げてキョトンとしていましたけど、みくるちゃんのステッキを光らせて目を輝かせています。

 

 

 

 

 ◆エルちゃん視点

 

 

 

 

「おぉ!? このボタン押したら杖が光ったぞ!?」

「――――――♪」

「これで僕も魔法が使えるのかな? お姉さん、ありがとうございます! この杖があれば、高ランク冒険者になるのだって夢じゃないぞ……ぐふふ」

 

 僕は杖を見ながらニヤニヤと笑いが止まりませんでした。この杖があれば、僕はお金持ちになれるんだ! この杖で魔物を沢山倒して、がっぽり稼いだら例の高級パン死ぬ程食べれるんだ!

 

「――――――♪」

「お姉さん達は凄いですよ! この杖の価値は計り知れない……本当に貰って良いのかな?」

 

 僕はここに来て己の罪悪感と欲望と戦っていた。だが、僕は高級パンの事が脳裏に過ぎった瞬間、僕の貧相な罪悪感は綺麗さっぱりと消えてしまっていた。

 

「女の子の格好をするのは抵抗があるけど、きっとこのドレスも普通の物では無い筈。感じるぞ、このドレスを着てから僕の能力が底上げされている気がする」

 

 あぁ、ニヤニヤが止まらないよ。これで僕は有名冒険者に……ぐふふ

 

 そして、ここで僕達の前に新たな強敵が現れた。

 

 

 

 

 

 ◆楓&葵視点

 

 

 

 

 

「お、お姉ちゃん! あそこ見て!」

「そんなに慌ててどうしたの……きゃあああ!? あれは、ゴ、ゴキブリ!?」

 

 私と葵ちゃんの悲鳴でエルちゃんが何事かと驚いていましたが、朝から緊急事態勃発です! 私と葵ちゃんの天敵、黒い悪魔(ゴキブリ)が現れたのですから。

 

「お、お姉ちゃん!? どうしよう、Gジェット今切らして無いよ!?」

「あ、葵ちゃん落ち着くのよ……よし、このガスバーナーで灰にしてやるわ!」

「お姉ちゃんこそ落ち着いて! そんなの使ったら家が火事になっちゃうよ!?」

 

 楓と葵はパニックに陥っていた。Gが動く度に悲鳴を上げて、お互いに身体を抱きしめて2人は涙目になっていた。

 

「エルちゃん!? 近付いたら危ないよ! ばっちちだから、離れて!」

「何だかエルちゃんが頼もしく見えるよ……」

 

 そして幼い金髪のエルフは、魔法少女★みくるちゃんのステッキを光らせて、一人でGに立ち向かって行ったのである。

 

 

 ◆エルちゃん視点

 

 

「何だこいつは……」

 

 壁に黒い虫がゴソゴソと蠢いている。お姉さん達はその虫を見た途端悲鳴を上げて、酷く動揺していた。

 

「あの貴族のお姉さん達がここまで酷く怯えるとは……いや、待てよ。見た目で侮るのは行けないかもしれないな。もしや、魔物? 安易に近寄るのは不味いな。ここは距離を取って様子を伺おう」

 

 僕は壁にくっ付いている、小さな魔物をじっくりと観察した。

 

(長い触覚らしきものがあるな、もしかして触れると猛毒に侵されるとか? いや、あのタイプなら麻痺属性を持っているかもしれないな)

 

 僕は伝説の杖を持って謎の魔物に少しづつ近付いて行った。

 

「――――――!?」

「――――――!! ――――――――!!!」

 

 お姉さん達が悲鳴を上げて僕に何か言っているようだ。

 

「お姉さん……止めないでください。僕は、お姉さん達にまだ何も恩返しが出来て居ません。僕はアイツと刺し違えてでも必ずここで仕留めてみせます!」

 

 僕は杖のボタンを押して戦闘態勢に入った。

 

(あの貴族のお姉さん達が、酷く動揺する程だ。恐らく危険指定ランクB級……いや、A級の魔物かもしれない)

 

 ここに来て僕の足が、ガクガクと震えている事に自分で気が付いてしまった。未知の物と戦うのは恐怖がある。だが、僕は男だ! 将来Sランク冒険者になる男なのだ! 軽く捻り潰してくれる!!

 

「恐らく呪文か何かを唱えないと魔術は発動しないだろう。適当に唱えて見るか……汝よ、我は求める! 我の名はエル! 目の前の敵を滅っせん為、我に力を与えたまえ! 【 朱き超新星爆発(ヴァーミリオンノヴァ)⠀】!!」

 

 僕は呪文を唱えながら杖を黒い魔物に向けて全力で振ったが、何も起きなかった。

 

「やっぱりちゃんと呪文があるのかな? でも杖は光っている、きっと上手く行く筈だ!」

 

 僕は魔法名を唱えながら、ひたすら杖を魔物に向けては振りかざした。

 

 ―――【 雪華・氷結円(アルマ・ブリザリア)⠀】!

 ―――【 貫く雷帝の牙(ヴォーパルランス)⠀】!

 ―――【 蒼き炎の壁(アトミック・フレア)⠀】!

 

「ぐっ……僕の実力不足なのか……いや、諦めたらそこで終わりだ! この一撃に僕の全てを篭める!」

 

 僕は天高く杖を向けて、黒い魔物に向けて思い切り杖を振りかざした。

 

「えいっ! これで終いよ!! 【 隕石落下(メテオ・ストライク)⠀】!! あっ……」

 

 僕が思い切り振りかざした杖は、僕の手を離れて黒い魔物の近くの壁に激突した。その音に驚いたのか黒い魔物は窓の方へと飛び去って逃げて行った。

 

「勢い余って、杖投げちゃったけど黒い魔物を撃退したぞ!! 僕もやれば出来るじゃないか!」

 

 結果オーライとなったが、僕はここでとんでも無い失態を犯してしまったのだ。

 

「う、嘘でしょ……杖が……杖が割れてる!?」

 

 僕が投げた杖を取りに壁際まで行ったら、杖が壁に当たった衝撃で壊れてしまったのだ。

 

「ど、どうしよう!? お姉さんから頂いた杖を僕は……うぅっ……これは流石に不味い。僕追放されるのかな……それとも処刑!?」

 

 僕は顔を真っ青にしながら、壊れた杖を呆然と見つめていた。黒い魔物を撃退出来たが、失った物の代償は物凄く大きかった。

 

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