異世界少年~ロリエルフにTS♀して日本に転生! 言葉は分からないけど、過保護で美人なお姉さんに拾われて何とか生きています!   作:二宮まーや

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95話 先輩の家にお邪魔します!③【遠野舞香視点】

 

 

「楓先輩、起きて下さい! もう15時ですよ?」

「あぁ……んん……もうそんな時間なのね。そろそろ買い出しに行かなくちゃ……」

 

 私としてはもう少し楓先輩の寝顔を堪能したい所ですが時間も有限です。ここだけの話しですが、実はこっそりと楓先輩の寝顔写真を100枚くらい撮っちゃいました♡これでいつでも楓先輩のご尊顔を拝む事が出来ますね♡ え? それは盗撮じゃないかって……? 大丈夫です。バレなければセーフなの!

 

「あぁ……!? エルちゃん起きてるかな?」

「どうでしょうね……何か問題があるのです?」

「エルちゃんは寂しがり屋で甘えん坊さんなの……今頃私を探しながら【かえでねーたんどこぉ?】と言いながら涙目になって探してるかもしれないわ!」

 

 寂しがり屋さんで甘え坊さんなんだ……エルちゃんは本当可愛いなぁ。やばい、エルちゃんのそんな姿を想像したら鼻血出て来そう。

 

「舞香さん、リビングへ行きましょ!」

「はい♪ 何処へでもお供致します♪」

 

 

 

 

 

 ◆一ノ瀬家・リビング◆

 

 

 

 

 

「ふぅ……良かったわ。エルちゃんまだお寝んねしてる」

「はぅ……♡ 待って、楓先輩……エルちゃんの寝顔天使じゃないですか!」

「うふふ♡ そうよ、私の妹は天使なの! ほら、舞香さん見てよ! エルちゃんがタマちゃんを枕にしながら寝てるよぉ♡」

「尊い……尊しゅぎる♡」

 

 な、何と……!? 楓先輩が寝ているエルちゃんに毛布を掛けてニッコリと微笑んでいます! まさに聖女……女神の微笑みです! 女神様と天使ちゃんが……やめて、私まだ三途の川を渡りたくないよぉ……ああああああああぁぁ……!? 楓先輩がエルちゃんの頬っぺたをツンツンしています! む、胸が苦しい……これが職場ではお目にかかれない楓先輩の素の姿。新鮮だぁ……もっと楓先輩やエルちゃんの事を知りたい!

 

「むにゃむにゃ……くり……む……ぱん」

「あらあら、エルちゃん♪ それはクリームパンじゃ無くてお姉ちゃんの指でちゅよ〜♡」

「はむはむ……」

「そんな無防備な姿見せちゃって〜襲っちゃうよ? 良いのエルちゃん?」

「んん……むにゃむにゃ……」

「うふふ♡」

 

 笑顔だった楓先輩が、急に真面目な表情へと変わりました。楓先輩はエルちゃんの事について話してくれたのです。

 

「エルちゃんの髪の毛……本当に綺麗だよね。私も金髪に染めようかな……」

「うふふ……楓先輩の髪も美しいですよ♪ 楓先輩の金髪姿もきっとお似合いです♪」

「ありがとう♪ 舞香さん、見ての通りエルちゃんは私達と実の血の繋がった姉妹では無いの」

「…………」

 

 やはりそうですよね……見ればそれは誰しも思う事でしょう。あえてその事に突っ込もうとは思いませんでしたけど……ここまで来たら逆に色々と知りたいです。エルちゃんとどのようにして出会ったのか……

 

「漫画話しの様に思うかもしれないけれど、今から話す事は全部本当の事……そして、エルちゃんとの最初の出会いは河川敷だったの」

「え、まさか……」

 

 河川敷……もしかしてエルちゃんは実の親御さんに捨てられた子なの? それを偶然通りかかった楓先輩が見つけて保護したと言う事?

 

「川に溺れてた居た所を偶然助けてね。本当に間一髪だったよ……後少しでも遅れてたら、エルちゃんは溺れ死んじゃう所だったの」

「ええええぇぇ!? エルちゃん無事に助かって良かったですね……」

「うん、それからエルちゃんを家族に迎えて今に至るのだけど、一緒に暮らし始めた頃は本当に驚きの連続だったよ……」

 

 え、楓先輩が泣いている? 何があったと言うのでしょうか……?

 

「これはほぼ確定だと思う。エルちゃんは恐らくだけど……虐待を受けていたの。エルちゃんは最初ね……私達、大人に物凄く怯えて居たのよ。こんな幼い子がそんな風に怯えるだなんて、とてもじゃないけどまともな環境に居たとは思えない。しかも、出会った頃のエルちゃんの服装は素足にボロ布を纏ってるだけよ! 擦り傷や痣も複数あったわ」

「そ、そんな……酷い」

「エルちゃんを我が家に連れて帰ったら、突然泣き出したと思えば土下座をしたり、床に落ちた物や庭に生えてる雑草を食べようとしたり、机の下に潜って身体を震わせながら隠れたりと……見てて色々と私も辛かったよ。それに言葉も通じなくて尚更大変だったの」

 

 エルちゃん……まだ生まれてから数年しか経ってないのにそんな壮絶な人生を送って来たのね。テレビで育児放棄や子供を捨てたり、虐待をする酷い親が居るのは知っています。エルちゃんの境遇を思うと胸が締め付けられるように苦しいです……何の不自由も無く両親に愛されて育って来た私は、物凄く贅沢なのだなと改めて実感しますね。

 

「エルちゃんを家族に迎え入れてから、私はエルちゃんを絶対……幸せにしてやるんだと今は亡き両親の墓前にて誓ったの。血の繋がりが無くとも、誰が何と言おうとも……私の大切な家族であり妹です! エルちゃんが毎日笑顔で明るく楽しく過ごせるように……もう辛くて寂しい想いはさせないと決めたの。それは妹の葵ちゃんも同じ気持ちよ」

 

 私はただ頷く事しか出来なかった……楓先輩の熱意や気持ちが十分に伝わって来ます。楓先輩は本当にエルちゃんの事を大切に想っているのですね。

 

「楓先輩……エルちゃんも楓先輩や妹の葵さんみたいな素晴らしい人と巡り会えて本当に良かったと思います」

 

 何か泣きそうになって来た……エルちゃんの今後の人生に幸がありますように。

 

「話しは少し脱線しちゃったけど、私が初めてエルちゃんにあげたのがクリームパンだったの。今でもその時の光景を鮮明に覚えてるよ……エルちゃんが泣きながらクリームパンを食べるあの姿……エルちゃんにとって、クリームパンは特別な食べ物なんだと思うの」

「なるほど、さっきの寝室の棚に眠ってた沢山のクリームパンはそういう理由だったんだ」

「あ、エルちゃんにはあの場所にクリームパンがある事は内緒ね♪」

 

 クリームパンは確かに美味しいしエルちゃんも好物なのかもしれないけど、恐らくエルちゃんは楓先輩がプレゼントしてくれたと言う事が凄く嬉しかったのだと思います。職場でもエルちゃんの話しを聞きますが、エルちゃんは楓先輩に貰ったおもちゃの杖を大切にして、毎朝綺麗な布で拭いたり、熊さんのお財布やおしゃぶりを大切にしてると聞いた事があります。

 

「んん……んぅ?」

「あらあら♡ エルちゃんおはよ♡」

「エルちゃんよく寝れたかな?」

「んにゅ……かえでねーたん、まいかしゃん……おはぉなの……んにゅ」

 

 あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……!? え、エルちゃんが私の身体に寝惚けて抱き着いて来ました♡ はぁ……はぁ……一旦落ち着こう。あぁ、幸せ♡ え、エルちゃんの事を抱っこしても良いのかな? めっちゃ抱きたい……

 

「うふふ……エルちゃんは本当に甘えん坊さんでちゅね〜でも、舞香さんに抱き着くなんて……お姉ちゃん嫉妬しちゃうなぁ♪」

「あぁ、楓先輩すみません……」

「うふふ♡ 嘘だよ♪ エルちゃんの事愛でてくれるかな?」

「も、勿論です!」

 

 ふわぁあああ……エルちゃんこんなにも身体軽いんだ。あ、楓先輩と同じ匂いがする……まあ、同じ家に暮らしてるんだからそれは当然ですよね。絶対この子、間違い無く将来誰もが振り向くような美少女になるよね。アイドルグループで言うとセンターの座を独占してそうな……

 

「ひゃあ……♡」

「むにゃむにゃ……すぅ……すぅ」

 

 エルちゃんの小さなおててが、私の胸に……何だろうこの気持ちは……愛おしくて仕方が無い……何なのこの溢れ出る気持ちは!? 私可笑しくなっちゃったのかな?

 

「舞香さん、どう? 私の妹は」

「最高ですね♡ 楓先輩の気持ちが今なら良く分かります。しかし、ちゃんと見てあげないと知らない人に付いて行ったり、危なっかしい事をしそうですよね。エルちゃん……」

「そうね……好奇心旺盛で、何でも信じてしまう純粋な心を持ってるからねぇ……まあ、成長すれば多少は大丈夫でしょう」

 

 私も小さい頃はこんな感じだったのかな? 私もいつか母親になって、自分の子供が出来たら堪らなく愛おしくなるのでしょうか?

 

「楓先輩、エルちゃんは幼稚園とかには通わせないのですか?」

「うん、それも葵ちゃんと考えてるけど、まだ早いかなと思うの……エルちゃんはまだ色々とあやふやだからね……」

「なるほど。まあ、それは何とかなるとしても……問題が一つありますよね」

「うん、エルちゃんの長い耳だね。他の子に虐められないか心配よ……」

 

 エルちゃんも大きくなれば、必ずぶち当たる壁だと思います。容姿がいくら可愛くても耳が長いと言う事実。身近な人は大丈夫だけど、知らない人が見たらこれをどう思うか。流石にコスプレと言うのも限度がある筈です。

 

「エルちゃんを幼稚園に預けるのは心配ね……それに、私や葵ちゃんが居ない環境でエルちゃんが一人で大丈夫なのか……恐らく泣いてしまうかもしれないわ」

「うふふ……それほどエルちゃんに好かれているのですね」

「嬉しい限りだけど、完全にお姉ちゃんっ子になるわね♪ エルちゃんは将来独り立ち出来るかしら?」

 

 何だか楓先輩が過保護なお母さんに見えて来ました。楓先輩からしたら、エルちゃんは妹であり我が子同然と思ってるのでしょうね。

 

「エルちゃん……大きくなったらどうなるんだろう。何か夢を持って、大きな事をしてくれるかもしれないわね」

「そうですね……何だかエルちゃんからは色々な可能性を感じます。何か凄い事を成し遂げてくれそうな……そんな予感がしますね」

 

 私と楓先輩はスヤスヤと寝ているエルちゃんの顔を見つめました。私の腕の中で気持ち良さそうに寝ているエルちゃん……私も将来この子がどんな風に成長するのか見てみたいです♪

 

「楓先輩……もし、エルちゃんに反抗期が訪れた際はどうします?」

「ええぇ……エルちゃんが反抗期……き、きっとそれなら大丈夫よ! 愛情を沢山注げばそんな事には……」

「うふふ……楓先輩は面白いですね♪」

「全然面白く無いよ! もし、エルちゃんにお姉ちゃん嫌いとか言われた日には……私、ショック死する自信があるもん!」

「そんな大袈裟ですよ〜エルちゃんも大きくなれば彼氏や……あっ」

 

 しまった。ついうっかりと彼氏と言う単語を出してしまいました。楓先輩の顔が段々と青ざめて行くのがよく分かります。

 

「そ、そんなの絶対駄目よ! 私の目の黒い内は、どこぞの馬の骨にエルちゃんを渡してなるものですか! 何なら私がエルちゃんの彼氏になるわよ!」

「か、楓先輩落ち着いて下さい。そもそも、楓先輩は女性じゃないですか……」

「真の愛の前には性別なんて関係無いわよ! だって、エルちゃんが将来私と結婚すると言ってくれてるし……彼氏なんて……ごにょごにょ……」

 

 これは完全に虎の尾を踏んでしまいましたね。でも、楓先輩の慌てる姿……眼福です♡ 楓先輩可愛い♡

 

 楓と舞香はエルちゃんの寝顔を見ながら、エルちゃんの将来について雑談に華を咲かせていたのであった。

 

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