Re:ようこそ間違った教室へ   作:あもう

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こちらで改めて加筆修正していきます。
加筆修正前の方も随時更新して行きます。


第一章(一巻部分)【事実など何処にも無い、あるのは解釈だけだ。】
プロローグ


突然だがみんなちょっと俺の問に答えて欲しい。

 

問1:主観と客観との違いとは何か

 

これを一般的に捉えるならば、主観は自分からの視点、考え方であり、客観は周りの他人からの視点、考え方である。

 

とは言え大半の人間は客観的な視点を取り入れて物事を見ようと努力する。主観と客観が織り交じった思考になるだろう。

 

普通に考えるならば、自分だけの価値観で常に物事を判断する人間などほぼ居らず、逆にまた100%の客観でみれる人間も居ないと思うだろう。だが俺はそうは思わない。

 

自分が考えている「客観」は、周りがこうするだろう、こう思ってるだろうと言う自分の「主観」でしか無いのだ。結局、人間というのは自分本位なのだ。「客観」なんて言うのは自分の世間体の保身の為の言い訳に過ぎない。

 

俺の名前は天野聖、名前は読みがセイント。そして恐らく世界一不幸な15歳だ。そして恐らくこの話を聞いた皆は何故不幸か気になっている事だろう。気になっていない人も気になってるという事にさせてもらう。

 

問2:世間的に犯罪者はどう思われるか。(冤罪も含む)

 

大半の人間が犯罪者、と言うといい響きだと感じ無いだろう。虐められたり、ネットで匿名性を利用し叩いたり、悪口を言ったりされる事が殆どだ。最も、これは不祥事を起こした政治家なんかも同じであるが。

 

例えば「このハゲぇぇぇ!!」で一躍有名になった女性議員は次の議員演説の際に各方面から叩かれたらしい。そして落選をした。また、税金で私服を肥やしたある県議会議員は会見で号泣をし、国に居場所を失った。今は配信者になってるらしい。

 

他にも銀行強盗やら大量殺人やら色んな世間的には「悪事」と呼ばれる事を成してきた人間は数多く居た。そして彼らを傷つける事があたかも「当然の権利」だと思い、沢山の人が口撃をしている。それは他のみんなもやっている事。「客観的」に当たり前だと、そう「主観的」な解釈をしている。

 

だがもしある日、それが全て覆ったら?犯罪者だと、悪だと思っていた人間が冤罪を被せられただけで、罪なんて無かったとしたら?

 

答えは一つ。残念ながら彼らは謝ったりしない。自分達が悪かったとも思わない。多少の気まずさはあるかもしれない、が、それだけ。「誤報を出したヤツが悪い」だの、「アイツよりはマシ」だの、どこかに責任転嫁をして自分の非から逃げる事だろう。

 

人と言うのはどんな奴でも我が身が可愛いものなのである。

 

なんでこんな話をしているのか、と思う人も多いだろう。少し俺の身の上話を聞いて欲しい。

 

俺は大きな保険代理店の社長の子供として生まれた。会社を継ぐのは兄だが、行く行く大きなポストに付くのは間違え無いと思っていた。

 

お見合いで好きな子と決別する羽目になったり、複雑な家庭環境だったり、普通とは離れていたかもしれないが、それでも社長の息子というリターンを込で考えれば、そんなに不幸な人生でも無かっただろう。

 

だがある日突然悲劇は起こる。中二の夏、俺は免罪を被せられた。被せたと思われるのはウチを超える日本有数の大企業、判決を出したのは腐り切った国の上層部である。

 

そして罪名は、『内紛罪』、またの名を国家転覆罪。罪状は国の宇宙衛星をハッキングして、軌道を変更、国会議事堂に墜落させようとしたため。」らしい。

 

中学二年生一人で国の宇宙衛星にハッキングなど当然出来る筈も無い。そんなバカバカしい事を国が認めたと言うのもなんとも有り得なさそうな事である。しかし事実は小説よりも奇なり。実際に起きてしまったのだ。

 

こうして俺は、実名や顔写真こそ伏せられたものの一躍ニュースで時の人となった。マスコミやらSNSの特定班やらの情報を擦り合わせたら、もしかしたら俺に行き着いてる人間もいるかもしれない。何はともあれ、俺は歴代屈指の犯罪者になる冤罪を擦り付けられた。

 

そして一年掛けて、何とか冤罪が解けて、今日4月1日に東京都高度育成高等学校と言う高校に通う事になった。

 

元々、高校受験をする筈だった予定の日なんかは、冤罪の拘留によってキレイに潰された。冤罪の責任の一端として、国の特権で好きな高校に行けると言う事だったので、約束していたこの高校を選んだという訳だ。

 

 

東京度高度育成高等学校の紹介だが、まず場所と敷地はは東京湾に東京ドーム50個分の孤島。まるでアルカトラズだ。頭蓋骨にワカメを被せて脱出すら叶わないレベルである。

 

 

4月1日から学校があり、外部とは3年間連絡が取れない。その為俺の冤罪のニュースが入ってくるかも怪しいものである。まぁ学校の方から正式に5月1日(なんか手続きがあるらしい。)に発表されるらしいしそれまでの辛抱である。ちなみに俺の前世の高校は4月7日が入学式だった。

 

そしてそんな俺だがもう一つ秘密がある。それは前世の記憶がある、という事だ。急に前世とか言い出したが決して痛いやつとか厨二病とか一流黒魔術師とかではない。

 

こんな事を言っても信じては貰えないとは思うが、発明が趣味の兄さんの友達の人がこの高校に行くお土産(?)として残した薬品をジンジャエールと間違えて飲んでしまい、一度倒れて病院に行く事があった。次に意識が目覚めた時には前世の記憶が戻っていたのだ。

 

何故ジンジャエールのペットボトルにそんな変な薬品を入れていたのか、というかそれが原因なのかすら分からないのだが、まあそんな訳である。だからここがようこそ実力至上主義の教室への世界で、何が起こるかも知っている。

 

フィクションの世界、と考えればまぁそんな薬品があっても不思議じゃないのかもしれない。だが、だからと言って別に異世界チート転生したとかでは断じて無い。今の俺は天才の枠に入るだけの力はあるが、それでも全部後天的なものだ。本物の天才に勝てるかは怪しい所である。

 

まぁそれでも俺も天才、ゆったりとスローライフを過ごしたい……のだが冤罪のせいで怪しいものである。

 

と、まぁこんな感じで俺の人生は平々凡々と言うには余りにも波乱且つ濃厚であった。一言で纏めるなら「前世の記憶を持ってて冤罪を賭けられたボンボン」って所か。

 

という訳で俺はサングラスをマスクで曇らないようにスチャリとあげながら学校行きのバスに乗っている。ちなみにサングラスとマスクを付けてる理由は顔バレ防止の為だ。Twitterやらなんやらで俺の身元を調べてる奴がいるかもしれないからな。

 

そのまま俺はバスに乗り、学校まで向かうのだった。手元にある、『Dクラスへの合格通知』を握りしめながら。

 

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俺はバスの最後尾の右側の席に座った。正直どこの席でも良いだろと思われるだろうが、確か原作では主人公である綾小路清隆、それからヒロインである櫛田桔梗と堀北鈴音、それと世界一の変人である高円寺六助のイザコザがある筈だ。

 

原作主人公である綾小路清隆はホワイトルームという人工の天才をRTA養成する施設出身のチート主人公である。そしてそのせいなのか感情が欠落していたはずだ。

 

そしてヒロインである櫛田桔梗と堀北鈴音。この二人は同じ中学校の出身だ。と言ってもマンモス校で堀北は櫛田を覚えちゃ居なかったはずだが。そして櫛田はブログか何かにクラスメイトの秘密を書き込んで学級崩壊させてた筈だ。

 

最後に高円寺六助、唯我独尊自由人だが、天然の天才で高円寺コンツェルンの御曹司だったか。原作でもいまいち謎の多い人物だった筈だ。

 

まぁうろ覚えだが大体こんな所だったはずだ。

 

とはいえこの段階で何かしらの干渉をするのは早計だろう。5月1日に冤罪が晴れるまで、余計な行動はするべきではないという意味でもそうだし、目指す先が出来てない現状でちょっかいをかけてもいい事は無いだろう。

 

取り敢えず5月1日までの目標は目標を決める事だな。トンチみたいになってしまったが仕方ない、何処ぞのアニメキャラばりに色々立て込んでいた訳だし、そもそもこの学校に行けるのも冤罪の一件があったからである。最も我が家がこの学校にあった推薦を出せる権力を失ったのもその一件なのだが。

 

 

まぁ冤罪の一件について詳しくは気が向いたらおいおい話すとしよう。時間が立たねば心の傷に響くからな。

 

そんな事を考えているとバスが出発する。俺はバスの中を見渡すが綾小路を始めとして、原作キャラは誰一人見当たらなそうだった。どうやらバスの乗る時間帯がズレていたらしい。

 

まぁ仕方無い。原作やアニメでもバスの時間なんか分かるはずも無い。それに逆にこっちのが関わらなくていいかもしれない。俺はそんな悠長な事を考えながらバスの揺れに眠気を感じながら窓の外を見るのだった。

 

 

これから、地獄の一ヶ月が待っているとも知らずに……。

 

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暫くするとバスが着いたらしく、揺れが止まった。同じ制服の人間は……残念ながら居なさそうだ。少し早く着きすぎたのかもしれないな。

 

俺はそのまま門の前まで歩く。まばらに人は居るが、俺と同じ制服の人間はかなり少なそうだ。

 

そのまま門の前の人に学校の生徒の私物を預かる人がいる。何でも外部からの持ち込みは禁止らしい。と言っても俺の私物は帽子とグラサンだが……。何処ぞのパパラッチから逃げてる芸能人みたいな私物だな。

 

まぁまだ時間もかなりある。さっさと教室に向かう必要も無いだろう。

 

目の前にあるのはパンフレットにも載っている有名な桜の並木道だ。写真よりも少し枯れ気味なのは温暖化で開花時期が早まったせいだろうか?

 

何故か桜の幹の中に一つだけ油性ペンで日付が書かれているものがある。そこには何故だか来年の3月17日と書いてあるが、木の植え替え時期か何かだろうか。そしてそこから上を見上げると桜の木の上に監視カメラが設置されていた。

 

知識としては知っていたが、やはり周りをよく見渡してみると至る所に監視カメラが置いてあるようだ。この落書きの目の前の位置からだと特によく見える。

 

残念ながら施設の大半は学校を挟んで向こう側にあるらしく、これ以上の観察は無理そうだ。

 

やけに生温い春の風が吹き続けていた事に不幸体質な俺は少しだけ嫌な感触を覚えながら、そのまま教室に向かっていく事にした。

 

 

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教室に着くと、目の前のホワイトボードに座席表が貼ってあった。黒板ではなくホワイトボードなのにナウさを感じてしまう。これもホワイトルームの影響……な訳ないか。

 

 

ちなみに俺の席は窓際の後ろである主人公席……では無く廊下側の後ろから三番目の席である。

 

残念ながら俺以外に教室にいる人間はいなさそうだ。私物の持ち込みが禁止されている為読書も出来そうにない。原作で綾小路が暇そうにする訳である。

 

仕方ない、ここは1度睡眠を…

 

「はじめまして、君もDクラスなのかな?一年間よろしくね。」

 

「んぇ……なんだ?」

 

したら話し掛けられた。髪と目の色が渋い緑茶みたいなイケメンだな。爽やかそうなオーラもあるので、恐らくはコイツが平田なのだろう。

 

平田洋介…かつて虐めで友達が自殺未遂か何かをして植物状態になり、暴君となってクラスを支配した事でDクラスに来た男だ。その一件のせいでクラスの皆のためにならばどんな犠牲も厭わない人間になったんだったか。

 

「僕の名前は平田洋介、えーと…君は……」

 

俺の名前か……下手なゴシップ好きであれば俺の名前を知っててもおかしくないが、平田は恐らくそんなことは無いだろう。てかコイツの中学生活にそんな余裕はない。まぁ恐らく問題は無い、か

 

「俺の名前は天野 聖だ。我が家の親のネーミングセンスが無くて世にいうキラキラネームって奴だな。よろしくな。」

 

自己紹介をしたら、なんだか平田が妙に困惑している気がする。俺の曇りなき眼で見ると平田がキラキラネームで困惑してるとみた。

 

「えっ……セイント君って…もしかしてあの……?」

 

俺の眼は曇りまくっていたらしい。……平田ですら知ってるならもう望み薄だろう。これは自己紹介は早急にエスケープ確定だな。

 

「あぁ、と言っても冤罪だった事が国の裁判で証明されて、今この高校に居るんだけどな。」

 

 

「そうなんだ……これから宜しくね。」

 

 

平田はそう言い残して自分の席に去っていった。少し引いている用にも見えたが……平田であの調子だとするならば池山内なんかはもうどうしようも無い事になるだろう。

 

 

 

 

俺はこの先に起こりうる事態から目を逸らす用に、机の上に顔を突っ伏して狸寝入りをするのだった。

 

 

 

 

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