よろしくお願いします。
「よぉ、正宗パイセン、まさか勝ち逃げする気じゃないよなぁ」
今日は、中学の卒業式だ。
相棒の銀と最後の会話を楽しみながら、校門を出たところで厄介な奴に声をかけられてしまった。
「よぉ、宝泉。なんだよ、見送りに来たんかよ?」
こいつは、後輩の中でもとびっきりやんちゃな奴だった。
なんせ、入学初日に上級生に喧嘩を売って、大暴れしたからな。
色々あって、俺と銀以外はほぼ全員やられたが最終的に俺がタイマンで勝ってそれから大人しくなった。
っといっても、何度か衝突もしたが。
「んなわけねぇだろ。負けっぱなしは性に合わねぇ。付き合ってくださいよ。先輩。」
どうやら、引いてくれる気はないようだ。
「俺はお呼びじゃないみたいだな。先にいつもの場所に行ってるぞ。」
そういって、銀はさっさと歩いて行ってしまった。
「しゃーねぇな、まさかここでやるわけじゃないよな?」
俺はいま、校門を出たばかり。他の生徒の目も多く、喧嘩なんかはじめたら即通報されることだろう。
「公園で2年を集めたぜ。」
そういって、宝泉は勝手に歩き出した。
やれやれ、気だるげに俺は後輩の後ろについていく。
・・・
5分ほどで公園に到着したが、その間、特に話すこともなく、俺たちは無言だった。
公園につくと、2年生30人ほどに囲まれてしまった。
「このあと3年の打ち上げなんだ。さっさと始めようぜ。」
俺は関節を鳴らして準備をする。
「この人数にビビんないのはさすがっすね。もちろん、タイマンだから安心してくださいよ。先輩。」
宝泉も完全に戦闘モードになっているようだ。
「上等だぜ。」
こうして、俺の中学最後の仕事が始まった。
・・・
結果はまぁ、俺の勝ちだった。
宝泉は地面に寝ていて、しばらく立てないであろう。
「ずいぶん腕をあげたじゃねぇか。だが、今回も俺の勝ちだな。宝泉。」
「はぁ、はぁ、くそが。最後までむかつくやつだ。ここ一帯を支配したら、てめぇの高校に乗り込んでやるから待ってやがれ。」
しゃべるのもきついだろうが、宝泉は最後まで悪態をつく。
「俺は、この学校初の高育にいくんだぜ?会いたければ、来年入学してこいよ。」
高育は外部から完全に切り離された環境だ。
普通に会いに来ることはまずできない。
「どこまでも追いかけてやるさ。さっさと消えやがれ。」
言葉通り、消えることにしよう。
「ご卒業おめでとうございます。」
「お疲れさまでした!!」
包囲していた2年は道を譲り、頭を下げて送り出してくれるようだ。
「これからはお前らの時代だ。元気でな。」
俺は振り返ることなく立ち去った。
この場所ではもう、俺の時代は終わったのだから。
宝泉くんは来年が楽しみです。