ようこそ絶対★ひより至上主義の教室へ   作:†しんしん†

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原作で龍園クラスの38人が、どうやって初日をすごしたのかよくわからないので、憶測ベースです。
原作とずれている個所も多々あると思いますがご容赦ください。


無人島~1日目~

7月の終わりが近づいたころ、俺たちの学年は豪華客船に乗っていた。

 

「すげえええ。ひより見てみろよ。めちゃくちゃいい眺めだぜ!」

 

船のデッキで、はしゃぐ俺をしり目に、ひよりはいつものように本を読んでいた。

しかし、俺が声をかけると本を置いて、相手をしてくれる。

 

「ふふ、正宗君は楽しそうですね。この後は無人島に行くみたいですよ?私は少し憂鬱です。」

「無人島かぁ。何か事件が起きそうで、おもしろそうじゃんかよぉ?」

 

ひよりは微笑まそうにこちらを見ている。

 

「的を射た表現ですね、正宗君。おそらく無人島が実力試験だと思います。」

 

ん?無人島が試験?どういうことか聞こうとしたらアナウンスが流れた。

 

『生徒の皆様にお知らせがあります。時間がありましたら是非デッキにお集まりください。まもなく島が見えてまいります。暫くの間、非常に意義のある景色をご覧頂けるでしょう。』

 

ひよりは放送内容に思うことがあったのか少し考えているようだった。

 

「おい、ひより見ろよ。あれが島か!楽しそうじゃねぇかよぉ!」

 

他の生徒もぞくぞくとデッキに上がってくる。

すると、喧嘩か?場所取りでもめて不穏な雰囲気を作っているようだ。

また龍園かと思ったら、どうやら違うらしい。

AとDが言い争っているみたいだ。

関係ないようなので無視しよう。心の中で疑ってしまった龍園に謝る。

船は島の周りをぐるっと一周するようだ。

 

「これが意義のある景色か?さっさと島につけてくれよなぁ」

 

俺は不満げにひよりに声をかける。

 

「おそらく、試験会場を見せてくれているんだと思います。拠点争いかもしれませんね。」

 

ん?拠点?島の中で陣取りゲームをするってことか?

 

「キャンプやサバイバルかもしれません。学校からの説明待ちですね。」

 

船は無人島に到着した。

ジャージに着替えて、荷物は持ち込み禁止らしい。

ひよりの言う通り、ただの無人島バカンスではないみたいだな。

 

・・・

 

全員が浜辺に集合し、点呼が終わると、Aクラスの担任である真嶋先生が説明を始めた。

 

「ではこれより――――本年度最初の特別試験を始める。」

 

どうやらひよりの想定通り、試験がはじまるようだ。

龍園も驚いた様子はなく楽しそうに笑ってるな。

 

内容は長くていまいち途中からわからなくなったが、聞き取れた内容をまとめると、

・300ポイント支給される。

・1週間このポイントで生活する。

・点呼に間に合わないと-5ポイント、いろいろ違反をすると-30ポイント

 

【追加ルール】

・スポットを占有すれば1ポイント

・リーダーを当てたら50ポイント。当てられたり外したら-50ポイント

 

他にもいろいろ言っていたが、キャパ越えだった。

複雑すぎるだろこれ。

 

・・・

 

説明が終わると、龍園はさっそく俺達に指示を出す。

さすが頼りになる男だ。この短時間で俺たちに、一体どんな指示を出してくれるんだ?

 

「金田とひよりはついてこい。それ以外は日陰で休んでろ。ポイントを使ったやつは殺す。」

 

・・・

 

いや。まぁ、呼ばれても何の役にも立てないからいいんだけどな。

俺は言われた通り日陰で休みながら考える。

さて、俺ができることは何だろうか?

 

「あの、正宗君。ちょっといい?」

 

俺には何にもできることはないと結論がでたときに、クラスの女子に声をかけられた。

たいして話したことはないが、真鍋と山下を筆頭に女子が5,6人ほどやってきた。

 

「あー、どうしたんよ?」

 

急にモテ期が来たわけではないだろう。

だが、悪意のある視線というわけでもなさそうだ。

 

「実は、お願いがあって。。。その、仮設トイレを設置するように龍園君を説得してほしくて。」

 

なるほど。簡易トイレとかいう段ボールで1週間過ごすのは俺も嫌だが、女子はその比じゃないだろうな。

伊吹ですら微妙な反応をしているようだったし。

 

「あーいいぜ。最低限1個だけでもトイレは確保するように龍園に言っとくぜ。それでいいかよ?」

「本当っ。ありがとう。頼れる男子は正宗くんだけだったのっ!!」

 

そう言って、女子たちは盛り上がっていた。

一方男子は、は?何勝手に決めてんだこいつ?ッという顔をしているな。

 

「おい正宗。龍園さんが勝手にポイント使うなって言ったの忘れたんかよ?」

 

石崎君がいち早く反応してくる。

しかし、ほとんどの女子から「余計な事言うんじゃねえ」っと睨まれていることに気づき、ちょっと後悔しているようだ。

 

「石崎君よぉ、ちゃんと龍園の許可を取るって話をしているだけだぜ?それに龍園は20ポイントぽっちでギャーギャー言うような、みみっちい男じゃねえさ。別に真鍋達からお願いしても通るレベルだぜ。」

 

そういうと石崎君は退散してアルベルトに愚痴を言いに行った。

 

・・・

 

しばらくして龍園はどこかに消え、金田とひよりは方針を決めたようで全員を集める。

 

「龍園さんの作戦を伝えます。200ポイントをAクラスに売りつけて、代わりに200ポイント相当のものをAクラスから奪いに行きます。そして、時間が重要となるため、龍園さんは契約を結ぶためにAクラスのもとに行きました。」

 

みんなの理解が追い付かず、ざわざわしだす。

うん。俺にもさっぱりわからん。

 

「200ポイント売りつけてどうやって1週間すごすんだ?」

 

金田はにやりとして答える。

 

「契約がうまくいった場合は、明日にでも全員でリタイアします。この試験は、生活必需品を買ったら、せいぜい150ポイント残せるかどうかといった試験です。それならば、200ポイント相当のものをもらった方が利口だと判断しました。」

 

3人寄ればというが、よくこんな作戦思いつくな。

感心している生徒と、内容の理解が追い付かない生徒が大半のようだ。

 

「まず、仮設トイレ、シャワー、食事×水セットを交換します。契約が失敗した場合に備えて、みなさんには島の探索をお願いします。」

 

トイレは俺が口利きするまでもなく考えていたようだな。

主に男子は島の遠くを捜索し、女子は近隣の捜索をする。

金田とひよりは指示係。2時間以内にこの場所に集合という流れになった。

しかし、龍園は水も持たずに迷いなくどっかにいったが、Aの場所しってるのか?

迷子になってたらおもしろいな。

 

・・・

 

しばらく探索してかえってくると、龍園が戻って会議を開いた。

 

「契約は成立した。テントや仮設トイレやシャワーはリタイア前にAクラスに譲渡する。他にもこのリストのものはAに譲渡するぞ。葛城はすでに勝った気になってやがるぜ。クックック、坂柳がいたら、こんな取引には応じなかっただろうよ。」

 

馬鹿な奴だ。っと龍園は笑う。

坂柳っていうのはAクラスの欠席者らしい。龍園の口ぶりからして切れ者なんだろうな。

 

「この試験はすでに勝ち抜けが確定している。あとは『おまけ』だけだ。」

 

こういう時は、本筋よりも『おまけ』の方が重要という典型パターンだろう。

なんか悪いこと考えている顔してやがる。

 

しかし、中学のころ、さんざん龍園の奇策に翻弄されてきたが、こういうことか。

相手の嫌がることをやらせたら、こいつにかなうやつはそういないんじゃないか?

 

「ひより。周辺の探索の結果はどうだ?」

「探索班が作った地図です。Aクラスは洞窟を。Cクラスは井戸を。Dクラスは川をベースキャンプに選んだようですね。私たちは、海辺近くの開けた丘をキャンプにしました。周辺を探索したところ、野菜や果物があるようで、分担して運んでいます。」

「上々だな。ひよりは、無線機3つとデジカメ2つを準備しろ。金田と伊吹はCとDクラスに潜入し、リーダーを調べてこい。あわよくばカードキーを写真に収めろ。写真は必須ではねぇ。」

 

テキパキと指示をだすな。他のクラスも同じ感じなんだろうか?

 

「はぁ?なんで私がそんなことしなくちゃならないのよ?」

 

当然のように伊吹が龍園に文句を言う。

 

「なら相手になってやる。負けたら大人しくいうことを聞けよ?」

「いいわよ。そのむかつく顔をぶっ飛ばしてやる。」

 

そう言って、伊吹はローリングソバットを放つ。

ジャージだからいつもより動きやすく、蹴りのキレも良いようだ。

龍園はハンデと言わんばかりに2,3発いいやつをもらう。

 

「なめんなっ!」

 

伊吹の怒りのミドルキックと相打ちになる形で、伊吹に拳を叩き込む。

うわ。女の子の顔に容赦しねぇな。

伊吹のほおは、あざになるだろうな。

 

「お前の負けだ。伊吹。その顔でDクラスのところに行ってこい。無線とデジカメは近くに隠しておけ。」

 

そう言ってついでとばかりに金田の顔面も殴り、金田は片膝をついた。

おいおい。メガネははずさせろよ。せめて。

 

「金田。おまえはCクラスだ。しっかりリーダーを探して来いよ。試験が終わった後好きなだけ殴らせてやる。」

 

他のクラスメートは完全にビビってるな。

金田も伊吹も納得しているようだし、クラス内の戦略とあっては、俺も黙認するしかない。

金田はメガネをかけなおして立ち上がる。

 

「いえ。たかが顔を殴られただけです。こちらからお願いしようと思っていましたので手間が省けました。」

 

金田は、無線やデジカメをひよりから受け取り、Cクラスのもとに歩き出した。

ただのインテリかと思っていたが、骨のある男じゃねえか。

 

「ひよりと正宗は残りのポイントを使って、マニュアルの中から好きなものを選んで、明日はクラス連中に豪遊させる準備をしとけ。」

 

そういって龍園もどこかに消えてしまった。

 

・・・・

 

龍園も金田もいないのでしかたなく、俺とひよりが指示役となった。

テントは女子が使って、男は簡易トイレのビニールや段ボールを有効活用して、がんばって1日を乗り切ることになった。

他のクラスは1週間こんな生活が続くが、俺たちは明日から豪華客船だ。

多少の不満はあっても、みなモチベーションを保つことができそうだった。

 

時任くんや山脇君は、がんばって枯れ枝をあつめて、火をつけてくれた。

今日は夜通し騒ぐやつらもいるらしい。

俺も誘われたが、眠くなって途中で抜けだした。

 

俺は、さっさと寝ることにする。

正直こんな島で7日間過ごすのは勘弁だな。

 

明日は豪遊して、それで満足してリタイアしよう。

 

 




正宗君は、クラス内でも唯一、龍園君に真っ向から意見が言える人というイメージが定着してきました。
原作では、葛城君が移動するまで龍園君にまともに意見できる人がいなかったことを考えると、龍園君の負担も結構大きいクラスでしたね。
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