夏休みも終わり、9月のポイントが支給された。
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A:1374(毎月260万ポイントをひよりに譲渡)
B:918
C:791
D:162
ひよりバンク:1311万+120万+260万=1591万pp
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来月からは体育祭が始まるらしい。
ルールは、あきらめているが、勝てばポイントがもらえる。
俺やアルベルト向きの試験がついにきたぜ。
龍園はメールを打っているが、こっちは何か良からぬことを企んでそうだな。。。
俺達BクラスはCクラスと同じ白組だ。
Cには神崎君たちがいるし心強いな。
体育館では、3-Bの生徒が色々とありがたいアドバイスを言って、あとは学年ごとに集まることになった。
しかし、ここでいつもの龍園が炸裂してしまった。
「話し合いをするつもりはないってことかな?」
一之瀬さんが龍園に話し合いを持ち替えたが、いきなり断るという暴挙にでてしまった。
体育館は騒がしくなり、他のクラスも注目していた。
「善意で去ろうとしているんだぜ?・・・・・・・・」
何やら挑発気味に一之瀬さんを困らせているようだ。
俺は目線でひよりに心配するなと伝えながら立ち上がり、ひよりはあきらめたように目をつぶった。
「おい龍園。おまえが体育祭をふけんのは勝手だけどよぉ、真面目にやろうとしているCクラスに迷惑かけてんじゃねぇよ。それにBの中でも、体育祭で活躍が見込める奴は多い。邪魔すんじゃねえ。」
龍園はチッっと舌打ちしながらこっちを向く。
「正宗。最近優しくしてやったからって、調子に乗ってんじゃねぇぞ?馬鹿のくせに、首突っ込むんじゃねえよ。」
「お前にどんな策があるかしらねぇが、今回Cクラスは同じチームだ。同じチームの足引っ張るようなつまんねえ策でも考えてんのかよ?」
突然始まった険悪な雰囲気に一之瀬さんは止めようかどうか迷っているようだ。
だが、俺は気づく。龍園が頭ぶつけてこないし、いまいち殺気が感じられない。今回はやりあうつもりがないのか?
「チっ、やりたい奴は勝手にしろ。俺に迷惑かけんじゃねぇぞ。」
そう言って龍園あっさり引いて、歩いて行った。
石崎たちはどうするべきか挙動不審な態度を見せたが、数人龍園について行った。
「いやぁ、うちのクラスがすまなかったな。一之瀬さん。神崎君よぉ。」
気分を切り替えて、意識して明るく話しかけた。
「ううん。助かったよ。筒井君の苦労を垣間見たけど、龍園君に正面きって意見できるのはすごいね。でもあんまり、ひよりちゃんに心配かけちゃだめだよ?」
うん。ひよりからプレッシャーを感じているのは俺だけじゃないみたいだ。
「ところで、今回の体育祭は同じチームということで協力関係になれると思うが。なぁひより。なんかあるだろ?」
ジトーッとした目をしながらひよりが近寄ってくる。
「まさか、正宗君。何の計画もないのに帆波ちゃんと話しに来たんですか?」
「ひよりからアイデアを話す計画だったんだ。」
ひよりはため息をつく。
「龍園君がいるので、個人戦の人選を綿密に調整することは難しいでしょう。Bクラスの参加表を提出する前に、データをCクラスに送ります。その時に、上位を狙いに行く人にマーキングをするので、Cクラスの方々は、調整が可能であれば、上位狙いの人が重ならないように修正いただくのはいかがでしょうか?」
なんだかんだひよりは考えてくれていたのだろう。さくさく会話が進む。
「うん。それでいいね。Cクラスの参加表はわたさなくていいのかな?」
神崎君が一之瀬さんを非難するように少し睨んだ。
「それは結構です。龍園君に参加表が渡れば、他クラスに売ってしまう可能性がありますので。」
同じクラスからもひどい言われようだった。
一之瀬さんも「あー、確かに」みたいに妙に納得し苦笑しているようだ。
・・・・
放課後、久しぶりに俺の部屋で作戦会議となった。
メンバーは俺、ひより、金田、龍園だ。
「よぉ。ヒーローになった気分はどうだ?正宗?」
龍園は笑っていた。要するにさっきのはプロレスみたいなもんだ。
他クラスに俺やひよりが、龍園にも影響する人間であることをアピールすることは、どこかのタイミングで考えていたらしい。
まんまと龍園に踊らされたのかもしれない。
これが何の役に立つのか?それはよくわからない。
「Dクラスのスパイから参加表を手に入れる予定だ。」
いきなりとんでもないことを言うな。
スパイなんてどうやって手に入れたんだ?脅迫か?
「さすがですね。見返りは何でしょうか?」
金田君が確認する。
「スパイは誰か言わねぇ。見返りは、堀北鈴音をボコボコにしてほしいってよ。笑えるぜ」
うーん。堀北ってのは、いつもツンツンしている子だよな。クラスを裏切ってまで痛い目見せたいかね?
俺にはよくわからないな。
「堀北には、木下をぶつけるぞ。そして、正宗。おまえは須藤に勝てるか?」
龍園が睨んでくるが、答えはわかりきっている。
「当たり前だ。バスケでは勝てないだろうが、それ以外なら退屈な相手だ。お前の遊びに付き合ってもいいが、俺にも条件を付けさせろ。」
須藤君は、運動神経はかなり良いみたいだが、今のところ俺の敵じゃない。
「いいだろう。てめえの条件をのんでやる。その分しっかり働け。」
よし。やる気出てきたぜ。
「本来はこのスパイに乗っかって、練習も何もせずDクラスの暗躍をがんばってる奴の動きを見ようと思ったんだがな。」
それで、さっきのCクラスとも共闘しない宣言しようとしたのか。
邪魔して正解だったようだ。
龍園は綾小路君に興味があるらしい。
とはいっても、暇つぶし程度にしか考えていないようで、ご執心ってわけでもなさそうだ。
基本的な方針は男子は俺とアルベルトが。女子は木下と矢島と伊吹がポイントを稼ぐことになった。
「正宗。今回はおまえとひよりに譲ってやったんだ。俺抜きでクラスの連中が動くいい機会だ。あいつらを成長させろ。」
龍園はなんだかんだ、クラスのことを考えている。
確かに今までの試験は龍園ありきで結果を出しただけだ。練習くらい龍園抜きで回すべきか。
俺としても、運動面であれば、クラスを鍛えるのも吝かではない。
「龍園さん。あからさまに堀北さんや須藤君をねらった采配をしたら、参加表が漏れていることがばれて、そのままスパイの存在がばれてしまうんじゃないですか?」
たしかに、スパイを今後とも使うのであれば、体育祭なんかで露見するのはもったいないな。
「かまわねぇ。スパイなんぞで3年間勝っても興ざめだからな。それに綾小路がどう動くか見るチャンスだ。」
龍園の考え方が少しわかった気がする。
・・・
その場は解散したが、なぜかひよりだけは部屋に残っていた。
「どうしたんだ?ひより?」
思い当たることが無きにしも非ずだが、恐る恐る俺は問いかける。
先ほどからひよりは何度もため息をついていた。
「・・・もういいです。正宗君はいくら言っても、危険な場所に飛び込んでしまうので。」
ああ、やっぱりさっきのか。
「悪りぃ、こればっかりは性分でよぉ。神崎君たちも困っていたしよぉ。」
俺は言い訳することしかできなかった。
「いいんです。そういうところも、正宗君の魅力だと思いますので。」
そう言ってひよりはあきらめてしまったようだ。
・・・
体育祭までは、俺たちは龍園抜きで練習をがんばった。
参加は自由ということで、俺と木下さんを中心にクラスの完成度を高めていった。
龍園は他人に見せないが、陰で努力するタイプだから心配はいらないだろう。
やっと体育会系が活躍できるイベントです!!
綾小路くんのように、完璧な人ならどのイベントも活躍できますが、脳筋だと、活躍の場が少ないことに書いてから気づきました。