ようこそ絶対★ひより至上主義の教室へ   作:†しんしん†

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混合合宿~決着~

最終日の試験は、

座禅→筆記試験→スピーチ→駅伝だった。

俺達のグループは無難に試験をこなしたので、ボーダーを割ることはないだろう。

 

・・・

 

試験が終了し結果が発表された。

男子はボーダーを割ったグループはなかったらしい。

一位は堀北君のいるグループであった。

 

しかし、女子はボーダーを割ったグループがあったようだ。

3Bの猪狩先輩のグループらしい。

南雲先輩と藤巻先輩が何やら言い争っている。

何も知らなければ、混乱しながら見ていただろうが、ひよりから結果を聞いていたので茶番にしか見えない。

 

・・・

 

「猪狩先輩。教えてくださいよ。誰を道連れにするのか、皆気になっていますよ。」

「決まっているでしょ。私たちのグループの平穏を乱した、橘茜さんよ」

 

全員に聞かせるように、猪狩先輩は怒気を含め吐き捨てた。

堀北君は、立ち尽くす橘先輩のもとに声をかけに行った。

南雲生徒会長は勝ち誇り、奇想天外!!とか規格外!!などと自画自賛をしていた。

見事なクズ野郎だな。

 

・・・・

 

そして、タイミングよく、伊吹が手を挙げる。

 

「星之宮先生。橘先輩は、猪狩先輩のグループの中で唯一真面目に試験に取り組んでいました。私たち1Cの女子は全員がそれを目撃しています。今回の試験説明であった、『好き勝手連帯責任にすることはできない。』という内容に反しているように見えますが、公平な判定をしていただけるのでしょうか?」

 

おお。伊吹がなんか賢そうなこと言っててウケるぜ。

あ、伊吹に睨まれてしまった。

恐らく、ひよりは目立つのが嫌いだから伊吹にお願いしたんだろう。

 

「1Bの一之瀬です。私たちのクラスも、伊吹さんと同様に、橘先輩が真面目に試験に取り組んでいる姿を見ています。」

「1Dの軽井沢です。私たちも、同意見です。ってゆーか、これで連帯責任がまかり通るなら、学校の実力主義が疑しくなるんですけど。」

 

軽井沢さんからのフランクな援護射撃をきっかけに、他の女子も次々と、橘先輩の擁護にまわり、ほぼ全ての一年女子が橘先輩の味方となった。

なるほど。かたっ苦しい言葉づかいではなく、あえてフランクな言い回しで発言のハードルを下げることで、他の生徒も援護をしやすくなる空気を作り出したのか。

いや。軽井沢さんはただの地な気もするが。

 

「な、帆波っ!」

 

南雲先輩は1年生を、ひよりを侮りすぎていたようだ。

3年生しか眼中になかったんだろう。

 

「南雲生徒会長って、女をもの扱いして、とっかえひっかえしてるって噂だよね?」

「あ、私も聞いた。なんか、いつも2,3年の女子をはべらして、見境なく手を出してるらしいよね。」

「うわっ、イケメンだけど無理。あんなのに騙されるなんて2,3年の女子って頭弱いの?」

 

1人であればとても発言できないだろうが集団心理が働き、臆すことなく意見をだしている。

 

「はぁ?マジで。うらやまけしからん。爆発しろよっ!」

「しかも今回の試験、元生徒会長の堀北先輩と、正々堂々と戦いましょうって宣戦布告したらしいぜ。」

 

しれっと俺も燃料を投下する。

 

「えええ!!そんなこと言っておいて、橘先輩を罠にはめたの?」

「最低じゃん。奇想天外(笑)」

「下種な卑劣漢が、勝ち誇っててキモイんだけど・・・。」

「あんなのが生徒会長でいいの?この学校。」

 

南雲生徒会長にとって、この反撃は完全に想定外だったようで、勝利を確信した顔から一転、怒りに震えている。

2,3年の女子も、思うところがあるのか、うろたえている生徒がちらほら見えた。

 

「だいたい、猪狩とかいう女も、橘先輩をいじめてAクラスに昇格してうれしいんかよ?」

「ほんと作戦に品がなさすぎだよね。しかも2年の口車にのってださいよね。」

「そもそも、2年の生徒会長の作戦なんだろうけどね。みんなで試験で手を抜くとか生徒会長がすることじゃないよね。」

「生徒会長って生徒の模範になるべき人でしょ?かよわい女の子をいじめて、退学に追い込むような人はふさわしくないんじゃない?」

「たしかに。約束も守れないし、女癖も手癖も悪い、いじめを先導する人とかやばいよね。」

 

南雲先輩は何か言っているが、圧倒的な数の暴力に全く声が届かない。

 

「そもそも、この学校はいじめ問題にだけは敏感って最初に説明があったよね。生徒会長だったら、いじめをしても問題ないの?」

「確かに!いじめを先導するような奴が生徒会長とか信じらんねーよ。辞めるべきじゃねぇ?」

「わかるー。副会長の桐山先輩の方が生徒会長にふさわしいよねー。」

「ソーダソーダ。恥ズカシイカラ、生徒会長ナンカ、ヤメチマエヨ。」

 

清隆の華麗なパスが池に通った。

 

「やーめーろ。やーめーろ。」

 

池君の「辞めろコール」に乗っかって、1年生全体の大合唱が始まってしまった。

お風呂で池君のコールを扇動する声が聞こえていたので、今回もうまくコールが発動するように、清隆に誘導してもらった。

清隆の棒読みがすごかったが。。。

 

Dクラスは、軽井沢さんといい、池くんといい、周りを動かせる生徒が多いのかもな。

生徒会長は、なすすべもなく震えている。

さっきまで、自分自身で自慢げに橘先輩を罠にはめたことを匂わせていたのだ。

証拠がないとはいえ、今更なかったことにはできないだろう。

 

キーン。

「はいはいー静かにっ。あなたたちの意見は確かに受け取りました。また、我々教師も試験監督として立ち会っているので、公平にジャッジしまーす、暫くおまちくださーい。」

 

そう言って星之宮先生はにっこり笑っていた。

まぁ、これは既に勝負ありだろう。

ひよりの作戦は、橘先輩が全力で試験に取り組み、その様子を一年の女子が大げさに教師にアピールして教師陣の印象に残るようにふるまったらしい。

そして、龍園の作戦が、南雲生徒会長のネガキャンだ。

 

まさかクラスの垣根を越えて、1年のほぼ全員が一致団結するとはな。

実際に操ったのは数人であり、ほとんどの生徒は龍園に操られている自覚もない。

それでいて完璧に思い描く方向にもっていったのだから大した奴だぜ。

皆が審議の結果を見守る中、俺は最後の一手の準備をしていた。

 

・・・・

 

審議の結果、橘先輩の連帯責任は無効となった。

3Aからは大歓声があがり、それ以外の上級生はお通夜のように沈んでいた。

猪狩先輩は大量のcpとppを吐き出して救済されたが、もはや3Aに勝つことは不可能な差になってしまったようで、3年の戦いはこれで決着がついたようだ。

南雲先輩の甘い罠に飛びついたのが運の尽きだな。

 

・・・

 

「あれ?生徒会長のリコール(解職請求)と大量のペンがならんでるぞ!」

 

いつの間にか体育館の後ろに机とリコール(解職請求)が並んでいる。

まぁ、俺が並べたんだが。

5日目にひよりに準備を依頼されたものだ。

 

俺は、3Aの先生に依頼して、準備してもらった。

先生は自分のクラスのメリットにもつながるため、5万ppで快く引き受けてくれた。

 

「なっ、リコールだと。そんなもの認めれるかっ!」

 

南雲生徒会長は血相を変えて、青い顔で叫ぶ。

 

「俺は書くぜっ!イケメンがここまで落ちるさま何て、そうそう見れねえからなっ!」

「俺も書くぜ!ちなみに、この署名ってどのくらい集まればいいんだ?」

「さあ?よくある制度だと全生徒の1/3は必要なんじゃないかしら?」

 

そんなことを言いながら、1年や3年の生徒がこぞって署名に参加しながら体育館から外に出ていく。

 

「ふざけんなっ!てめえら、」

「雅。もうやめよう。。。堀北先輩だけじゃなく、全生徒の信頼を裏切ったんだよ。」

 

そういって、2年の女子と思われる生徒が正面から南雲に話しかける。

 

「くっ・・・こんなはずじゃ・・・・。」

 

そう呻いて南雲は膝をついて崩れ落ちた。

 

・・・・

 

しばらくたって、南雲は生徒会長を解職され、生徒会から永久追放となった。

そして、桐山先輩が生徒会長に就任した。

 

・・・・

 

後日、3Aの打ち上げに、今回の功労者である、ひよりとついでに俺も呼んでもらった。

 

「ひよりちゃん。今回の試験ありがとうございました。ひよりちゃんがいなかったら私はどうなっていたか・・・」

 

そういって、目に涙をためて橘先輩が話しかける。

 

「正宗君も『橘先輩は大事な先輩だ。こんな試験で退学になっていい人じゃねぇ』っとおっしゃっていたんですよ。実はここに録音データが・・・」

「やめろおおおおおおおおおおおおお。」

 

俺の絶叫とともに場が盛り上がった。

なぜ俺が死にたくなるような苦痛を味わっているんだ?

 

「正宗君もありがとうございます。試験中は失礼な態度をとってしまいごめんなさい。」

 

そういって橘先輩は俺にもお礼を言ってくる。

 

「別に、ひよりのお願いを聞いただけだしよぉ。」

 

俺は照れくさくてそっぽ向きながら、できるだけぶっきらぼうに答える。

 

「ふふ、正宗君の可愛さがわかっていただけましたか?」

 

そういってひよりが揶揄ってくる。

 

「椎名、正宗。改めて礼を言う。卒業までに南雲落としを見ることはないと思っていたがな。見事なシナリオだった。」

 

そう言って堀北君も会話に参加する。

 

「南雲落としは龍園のシナリオだぜ。1年全体を巻き込むなんてずいぶんとスケールのでかい策を考えたもんだ。」

「龍園君もあの敗戦で大きく成長したんだと思います。今までは自分が楽しむことを優先して、隙のある荒い計画で相手の動きを見ていましたが、策の精度を上げてきているようですね。それに、私が動きやすい策をベースにシナリオを考えていただいたようにも思えます。」

 

なるほどなぁ。

清隆にボコボコにされたのがきっかけで、龍園も自身を高める方向にシフトしたか。

たしかに、龍園らしさが足りないと思ったが、ひよりの好みまで考慮したのか?

それはさすがに考えすぎな気もするが。

 

「1年全員を動かすなんて、やるじゃないか。それに南雲を追い詰めたときはスカッとしたぜ。ありがとな。」

 

藤巻先輩が俺たちにお礼を言ってくる。

それをきっかけに、3Aの色々な先輩から乾杯を受ける楽しい宴会になった。

 

・・・

 

「俺達、慣れない環境で疲れたから、そろそろ帰るぜ。今日はごちそうさま。」

「上級生の方とたくさんお話しできて楽しかったです。ごちそうさまでした。」

 

ひよりが疲れてきているようだったので、俺から堀北君に切り出した。

 

「そうか。俺達3Aからの気持ちだ。おまえらに是非受け取ってほしい。」

 

そう言って堀北君は1000万ppを俺に振り込んでくる。

 

「おいおい。これはあんたらが3年間ため込んできたppだろ。無駄遣いしてんなよぉ。」

「お前らがいなければ、2000万ppと300cpを支払っていたんだ。それに比べれば足りないくらいだ。受け取ってくれ。」

「そうだぜ。持って行ってくれ。」

「南雲のあんな顔が見れたんだ。安いもんだぜ。」

 

3A全員からの餞別のようだ。

断る方が失礼だと判断し、俺はありがたく頂戴する。

 

「大事に使わせてもらうぜ。」

 

そういって、俺とひよりはさきに店をでた。

 

・・・

 

「とても楽しかったですね。」

 

帰り道ひよりは俺に話しかける。

 

「しかし、ひよりの性格からして橘先輩を守るのは当然として、攻撃をしかけるのは違和感だったな。」

 

俺は思っていたことを聞く。

 

「そうでしょうか?私も怒るときは怒りますよ?」

 

そう言って、ひよりは怒っていたアピールを続ける。

 

「龍園の立ち直るきっかけを与えたんだろ?」

 

ひよりは微笑みを俺に返した。

 

「今回は龍園を含めて、1年のほとんどが、ひよりの掌で踊らされていたように感じるぜ。」

 

どこからが龍園の策で、どこまでがひよりの策だったのか?

今回の試験で勝ったのは誰だったのか?

 

「さぁ、それはどうでしょうか?」

 

ひよりは三日月のように、きれいに目を細めて、微笑みながら会話を打ち切る。

 

帰り道を歩きながら俺は考える。

 

はたして、龍園は自分が操られていることに気づいていたんだろうか?

 

俺が戦っているのは俺の意志だ。

 

しかし、本当にそうなのか?

 

俺は自分が操られていることに、気づいていないのではないだろうか?

 




あー、書き溜めていたところまで追い付いてしまいました。
見切り発車が過ぎました。

もっと先を考えながら投稿できると思っていましたが、手直ししながら投稿するのに手いっぱいで先まで手付かず。。。

更新スピードは落ちると思います。
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