ようこそ絶対★ひより至上主義の教室へ   作:†しんしん†

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【2年生編】1・2年合同ペア筆記試験

どうやら、騒ぎはDクラスで起こっているらしい。

1年の男女が堀北さんや平田君に喧嘩を吹っかけているようだ。

元気がよさそうだなって思ったが、よく見たら見覚えのある面構えだった。

マジで高育に入学したんかよ。。。

絡んでいる一年生は、俺の中学の後輩の『宝泉和臣』だった。

 

宝泉は平田君を突き飛ばし、いよいよ緊張感が高まったところで、石崎君が加勢した。

いやいや。君が加わっても収集つかないし、迷惑まであるから。。。

 

しかし、龍園が石崎君を抑えて撤退するらしい。

龍園も宝泉の実力は知っているからな、往来のカメラがばっちりの場所で喧嘩は避けたようだ。

 

だが、宝泉は伊吹にちょっかいをかけ、伸ばした腕は伊吹の首をつかんだ。

 

「っ!?」

 

伊吹は腕をはがそうとするが、宝泉はびくともしない。

 

「チッ、正宗。見てねえで、止めてこい。てめえの後輩だろうが。」

「面倒臭えぇなぁ。宝泉が相手なら、手加減出来ねぇぜ?ペナルティには目をつむれよ?」

 

そう言って俺は一歩前に出る。

 

「久しぶりだなぁ。正宗パイセンよぉ。龍園といい面白い学校じゃねぇかよ。わざわざ足を運んだ甲斐があったぜ。」

 

そういって、伊吹から手を放して宝泉はこっちを見た。

 

「去年より、でかくなってやがんな。やりあうなら、そっちもペナルティを覚悟しろよ?」

 

いまにも喧嘩が始まる空気となったが、もう一人の1年の髪の長い女の子が宝泉を止めた。

『アレを公表する』とかなんとか、言っていたが俺には何のことかわからない。

 

大人しく引き上げるようだ。

宝泉を制御するとは肝の据わった女の子だな。

 

宝泉が消えた廊下を見ていたら、三宅君が声をかけてきた。

「とんでもないやつが入学してきたな。正宗の後輩だろ?」

「あいつ強くなってやがるな。遠征とか言って三宅君の学校に迷惑かけた時とは桁が違うぜ。」

「え?みやっちと、まさむーってさっきの一年生のこと知ってるの?」

 

三宅君とよく一緒にいる、たしか長谷部さんだったか。ナチュラルに会話に参加していた。

 

「・・・三宅君よぉ。早急に確認したいんだが、俺ってDクラスからヘンテコな仇名をつけられてんのか?」

「いや。このヘンテコな仇名を付けるのは、波瑠加の趣味みたいなもんだ。呼んでいるのも波瑠加だけだ。」

「えーー、まさむーとひよりんって、可愛いと思うけどなぁ。気に入ったら仇名は好きに使っても良いよ。」

 

呼ばれるたびに力が奪われそうだ。

 

「確か長谷部さんだったよな?俺とみやっちは近所の中学だったんだ。俺らの地区だと龍園や宝泉は有名人だったぜ。」

「ちなみに、宝泉はまさむーの後輩なんだ。こいつの中学が特にやばくてな、まさむーと銀の悪名高いコンビにはヤクザも手を出さないと言われていた。」

「そういえば、みやっちは中学時代は、『狂犬』って仇名で呼ばれていてな、目を合わせたら殺されるって噂だったんだ。」

「・・・・・」

「・・・・・」

「やめようぜ。中学の黒歴史を掘り返すのは。」

「そうだな。少し死にたくなったぜ。」

 

・・・・

 

龍園と坂柳はppを使って1年生を買収する作戦にでているらしい。

ppだけならBクラスの方がため込んでいる額が多いから有利だろうが、こんな大して得にもならない試験で使うのはもったいないきがする。

 

「龍園君は、天井知らずにポイントを引き上げる人たちと手を結ぶ気はありませんよ。」

 

そういってひよりは龍園の作戦を教えてくれる。

 

「面接と言って、1年生を見極めているようですね。坂柳さんと龍園君を相手に交渉する1年生に対して、直感的に龍園君の方が上だと理解できる人を選定しているようです。坂柳さんも勘違いしていそうですが、今回の戦いは1位は狙っていません。」

「そういうことか。俺は龍園より坂柳さんの方が苦手だけどな。一度目が合ったことがあるが、全てを見透かしてくるような視線にはゾッとしたぜ。」

「そうですね。相性もあるかもしれません。クラスとしては、現時点では向こうに分がありそうですね。正面から戦うのであれば、私や正宗君の役割も勝敗に大きくかかわると思います。」

 

強敵には違いないが、Dクラスほどではないだろう。

坂柳に負けるようであれば、清隆君や六助とは戦う資格もないってことだ。

 

・・・

 

部屋で本を読んでいたらチャイムが鳴った。

勉強会にはちょっと早いなと思いながらモニターを見たら、ニコニコしている加奈が立っていた。

は?何で加奈が2年の寮にいるんだ?

 

宝泉といい俺の日常が壊れそうだ。

居留守を使おうか迷っていたら、俺の携帯に着信が入った。

知らない番号であったが相手が誰かは考えるまでもない。

どうやって調べたんだ?怖っ!

 

「ここの部屋は防音がしっかりしているからな。外まで着信音が届かないだろう。」

 

ドンドンドンッ

 

「あのーーーー、着信音きこえてるんですけどーーーーー?なんならぶつぶつ言ってる独り言も、だだ漏れなんですけどーーー!!」

「・・・」

 

あまり周りに見られたい光景ではないため、俺はあきらめてドアのロックを解除した。

 

「正宗君正宗君正宗君!ひっさしぶりー。感動の再会をいきなり居留守でスルーするのは、人道に反するんじゃないかな?入学祝は大したものじゃなくていいからね。こういうのは気持ちの問題だから。ちなみに私はティファニーのネックレスがほしいな!」

 

うるさい奴が入ってきてしまった。

あいかわらずのマシンガントークで口をはさむタイミングがない。

 

「なんでここにいるんだよ?」

「正宗君を追いかけて入学したんだよ。1年ぶりに会ったのになんか冷たくない??ってあれ?正宗君のクラスの人に挨拶してきたんだけど、何も聞いてないの?」

「そういえば、ひよりが何か言ってた気がするな。」

 

絶望しすぎて脳が忘却してしまったらしい。

 

「そういえば、試験のペアは決まってんのか?」

「まだだよ。なになに?加奈様とペアを組みたいのかな?正宗君の彼女さんに会えるなら考えてもいいよ?この部屋明らかに女が通ってる匂いがするね。気になるなー??」

 

こいつは犬か・・・。

しかし、加奈は成績優秀だからな。これでペアが組めるなら儲けもんだ。

OAAで調べてみたら加奈はCクラスみたいだ。学力はB+判定か。

 

「彼女ではないが、よく部屋で勉強会をしている女子ならいる。あとペアはうちのクラスの石崎君と組んでもらいたい。ちょっと聞いてみるぜ。」

 

こいつをひよりに紹介するのは重荷であるが、石崎くんが退学するよりはマシだろう。

 

・・・

 

事情を話すと、「すぐに行きますっ」と言って、ひよりが部屋に来てくれた。

そんなに慌てて来なくていいんだがな。。。

 

「椎名先輩。お昼はありがとうございました。いつも正宗君の部屋で遊んでるんですか?お勉強会って何のお勉強するんですか?半分同棲みたいですね!」

「もう半分は何だよ?ひよりが困ってるからマシンガントークはやめろ。」

 

ひよりも加奈の勢に押されて、どこで話していいか測りかねているらしい。

ひよりが困っていたので俺は、さっさと本題に入ることにした。

 

「約束通りひよりに会ったんだ。石崎君とペアを組むのか?」

「うーんそうだねー。。。貸しだと認識してくれるならいいよ。今後も学年を超えた試験があったときに、正宗君や椎名先輩の力を借りれるなら、文句はないかな。」

 

なるほど。1年には宝泉とかいるしな。

 

「それでいいぜ。」

「さて。加奈さんは喉が渇いたなー。正宗君、お客様に紅茶くらい出してくれてもいいんじゃないかな?」

 

加奈はひよりとしゃべりたいんだろうな。仕方がない、紅茶を3人分いれるか。

『混ぜるな危険』を地でいく二人な気がするがまぁ、なるようにしかならない。

 

・・・

 

「ひより先輩、Vシリーズ全部読破しているんですか!!私は第4作目の『夢、出逢い、魔性』が好きなんですよ!夢と現実の狭間で起きる殺戮ショー。燃える劇場で繰り広げられる、犯人と容疑者の対面。そこで放たれる犯人のタイトル回収の一言『夢で逢いましょう』。あのシーンが好きなんです!!」

 

「わかります!!しかも、タイトルの3つ目の意味、『You May Die in My Show(ユメデアイマショウ)』

とかけられていることを知った時は感動しすぎて、おもわずその後に10回くらい朗読してしまいました。」

 

紅茶を持ってくると、二人は想像以上に意気投合していたようだ。

ひよりが苦手そうだと思っていたから俺は少し安心した。

 

「俺は、クイズの答えを回答しながら、ついでに犯人の名前を回答する流れが好きだぜ。」

「ちょっと正宗君。今は私と椎名先輩がおしゃべりしているんだから邪魔しないでくれる?」

 

こいつ・・・誰の部屋だと思ってるんだ。

俺は女の子二人が話しているのを見ながら、おかしと紅茶を飲むことにした。

 

・・・

 

「さて、椎名先輩にも会えたことだし、私はお暇しようかな。あ、そうだ、ひより先輩って呼んでいいですか?私のことは加奈って呼んでください。また今度ゆっくりお話ししてくださいね。ばいばいー」

 

来た時も、去る時も台風のようにあわただしい奴だった。

ひよりも疲れたようなので今日は速めに勉強会を切り上げた。

 

・・・

 

その後も龍園の面接は続き、1,2年は無事全員ペアを組むことができたようだ。

成績の不審な1年生は、一之瀬さんがたくさん引き受けてくれた。

 

龍園と坂柳さんの思惑は俺にはよくわからないが、すでに戦いは始まっているようだった。

 

特別試験結果

1位:Aクラス(平均708点)

2位:Cクラス(平均668点)

3位:Bクラス(平均656点)

4位:Dクラス(平均621点)

 

5月になった。

------

A(坂柳 ):1487 → 1525(毎月260万ポイントをひよりに譲渡)

B(龍園 ):1025 → 1082

C(一ノ瀬):653 → 642 (毎月 40万ポイントをひよりに譲渡)

D(堀北 ):-30 → -30

ひよりバンク:4681万pp + 234万 + 280万 + 40万 ≒ 5049万pp

(1年生の面談に200万近くppが流れた)

------

 

 

テストも終わったし、ひさしぶりにひよりとご飯を食べに来た。

 

「そういえば、1年生のころから正宗君は女の子の扱いに慣れていましたね。入学初日に私をデートに誘いましたし。」

「自慢じゃないが女の子と付き合ったことなんかねえよ。宝泉みたいな、悪が集まる地域だったからな。」

 

なんでこんな会話になっているんだ?と思いながらご飯を食べる。

 

「加奈さんとは遊びに行ったり、カフェに行ったりしなかったんですか?」

「加奈とならあるぜ。だいたい、親父か義母さんが一緒だったけどな。」

 

俺の回答の何がひっかかったのか、ひよりは箸をテーブルに置いて考えだした。

 

「えーっと・・・正宗君と加奈さんってどういうご関係なんでしょうか??」

「え?聞いてないんか?」

 

俺は驚いた。

 

「妹だよ。今まで知らなかったんかよ?」

 

・・・

 

ひよりはテーブルに頭を埋めて、フリーズしてしまった。

俺はてっきり加奈が自己紹介したと思っていた。

加奈も俺が紹介したと思っていたんだろう。

顔をあげたかと思ったら、こっちをじとーっと睨みつけている。

 

「・・・だって、正宗君って呼んでいたんですけど・・・。」

 

ひよりは脱力したようだった。

 

「加奈は異母兄弟なんだ。親父が遊び人でな。俺達が小学生のころ初めて会ったんだが、そのころは『お兄ちゃん』とかお互い恥ずかしかったから、名前呼びで定着したんだ。俺の本好きは加奈の影響が強い。」

「なるほど。正宗君の見た目に似合わず本好きな理由がわかってすっきりしました。」

 

・・・いや。堀北君は『様になってる』って言ってくれたから。

 

「しかし、宝泉君と同じ学年というのは兄として心配ですか?」

「そうだな。妹との接し方を堀北君に聞いておけばよかったぜ。」

「堀北先輩の意見はあまり参考にならないかと・・・。」

 

加奈は頭もいいし、俺と違ってしっかりしているからな。それほど心配はしてない。

なんか、ひよりは最近元気がなかったようだが、少しずつ回復してきたようだ。

 

俺達はご飯を食べて、沈む夕日を見ながら帰路に着いた。

 




宝泉君がでてきました!
がんばって活躍していただきたいですね!
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