綾小路からも龍園からも一目置かれる存在であるんですが。
傍観者か支援者的な立ち回りが多いミステリアス少女。
そこも魅力ではあるんですが、もっと活躍が見たい!!
「しかしよぉ、龍園といいひよりといい、クラスは変な奴が多いよなぁ。」
「さすがに龍園君と同列に並べられるのは心外なんですけど。。。」
そんな他愛もない会話をしながら、2年の教室を見て回っていると、奇異な目で見られたがすべて無視して歩く。
ひよりも、特に視線を気にしていないようだ。
「机の数が少なくね?」
2-Dクラスの教室を見ると、あからさまに机の数が少なかった。これは、ほぼ確だな。
「そうですね。それに、他に比べて表情が暗い人が多いですね。」
なるほど。いわれてみると、Dクラスからは他クラスに比べて特に活気がない。
どうやらひよりは、観察眼も優れているようだ。
「ポイントが枯渇しているのか。やはりおいしい話はないってわけだな。」
俺たちはその足で、3年の廊下を歩く。
やはり、AからDに行くにつれて、机の数が少ないようだ。
しかし、2年ほどあからさまではないようだな。
「ひよりはどう思うよ?」
「クラス対抗戦のようですね。Dクラスになるにつれ、ポイントの支給が少なく、退学のリスクも大きいのではないでしょうか。」
だよな・・・。転校先くらいは斡旋してくれるんだろうか?
「助かったぜ。付き合ってくれてありがとな。」
「いえ。私も確信が持てたのでよかったです。それでは帰りましょうか。」
俺たちは観察を終えて階段に向かおうとすると、3年生と思われる金髪の二人組に声をかけられた。
「おいおい、なんで1年が3年の廊下うろうろしてんだよ?」
「てめぇら迷子か?あ?」
俺はひよりをかばうように一歩前にでた。
「そうなんすよ。ちょっと迷子になっちまってよぉ」
なんかガラの悪そうな2人組だなぁ。
「はあ?1年がため口聞いてんじゃねぇぞ?」
入学初日から3年に目を付けられたくないんだがどうしようか。
「おい。おまえたち何を1年に絡んでいる?」
困っていると、メガネをかけた男と、お団子ヘアーの女生徒がやってきた。
「え、堀北君っ!いや、これは違くてよ。」
「そうなんだ。1年がうろうろしてたから注意しただけなんだよ。」
メガネをかけた男はやり手なのか、金髪の二人組は完全にビビっているようだ。
ばつが悪い感じでうろたえている。
「1年が校内をうろついても何の問題もないはずだが?」
視線だけでこんなに威圧感を与えるとは。この男はただものじゃなさそうだ。
「いやぁ、俺のシャツが出てんのを見かねて、先輩たちが注意してくれたんすよ?このまま外に出たら恥ずかしい思いをするところだったんでよぉ。先輩達助かったぜ。」
そう言いながら、俺は身だしなみを整える。
先輩たちもこのチャンスを逃すまいと乗っかってくる。
「そうなんだよ。かわいい後輩のピンチにあわてちまってよぉ。」
「ああ。今度から気をつけろよ。後輩」
そういって、金髪の二人組はそそくさと反対方向に去ってしまった。
「じゃあ、俺達もこの辺で・・・」
このメガネの先輩?に絡まれると面倒そうだったので、ひよりをつれて、俺達も去ろうとする。
しかし、まだ言いたいことがあるようで、話しかけられてしまった。
「入学初日から、上級生の教室に来るとは、大した行動力だな?」
「職員室を探して迷っていたんだよぉ。知ってるんすか?」
さっきから敬語を忘れていたからだろう。
ひよりが不思議そうに目をぱちくりさせて、こっちを見ている。
お団子ヘアーの先輩は俺の態度に、少しお怒りのようだ。
「職員室は1Fだ。ところで、2年の教室も観察してきたようだが?」
何で知ってるんだ?
ずいぶん前から観察されていたか、タイミングよく声をかけられたしな。
「実は少し調べ物をして、それが終わって帰るとこなんだです。」
隠せないと判断し、俺は正直に白状する。
「ほぉ。おもしろい。是非調べた結果を教えてもらおうか。」
「悪りぃ。この後、彼女とデートなんで、また今度。」
まぁ、そんな今度は訪れないがな。
「え?デートだったんですか?」
どうしましょう、っとひよりが両手を頬に充てて、照れている。
いや。んなわけないだろ。なんでひよりが騙されてるんだよ。
「デートでは仕方がないですね。恋人の時間を邪魔してはいけません。」
お団子ヘアーの先輩も怒りを忘れたのか、うんうんと勘違いして頷いている。
えー・・・どう見ても嘘八百だろう。俺がおかしいのか?
「上級生よりも想い人を優先する、か。気に入った。俺は3-Aの堀北学だ。こっちは橘茜だ。大して時間は取らせないから名前くらい名乗っていけ。」
紹介された橘先輩はひよりをみて微笑ましそうに笑顔で会釈する。
「・・・1-Cの筒井正宗。こっちは椎名ひよりだ。。。です。」
今更嘘ですと言いにくくなった。もうデートでいいさ。
「筒井と椎名か。覚えておこう。それと無理して敬語を使う必要はない。」
「よかったぜ。敬語は慣れてなくてよぉ。」
しゃべりにくかった敬語をやめて、気楽に話すことにする。
思ったより堅くない先輩のようだ。
「何か質問したいことはあるか?答えてやっても構わないぞ?」
言葉とは裏腹にあからさまに試すような視線を送ってくる。
この学校は、いちいち値踏みされるな。
「近くの本屋を教えてほしいんっすけど?」
「この程度ではつられないか。まぁいい。携帯を貸せ。」
どうやら連絡先を交換するようだ。上級生とのパイプはどこかで必要になると考えていたためちょうどいい。俺はだまって携帯を差し出す。
「ケヤキモールの2Fに品揃えの良い本屋がある。あと、寮への帰り道の左手に1件本屋がある。また、この学校の図書室の品ぞろえはかなり良い。本好きなら寄ってみることを勧めよう。」
堀北君は慣れた手つきで携帯を操作して、俺に返した。
連絡先が増えていることを確かめた。ん?
「えーっと、堀北君よぉ。なんか、ポイントが10万増えてるんだけど?」
俺の携帯には20万ポイントが表示されていた。
何考えているんだ、この人?橘先輩も驚いているじゃないか。
何ていうべきか俺は逡巡しながら、
「悪りぃけど、ポイントは返す。施しは受けねぇ。」
そう言って返却しようとすると、橘先輩はさらに驚いたようだ。
「ええええええ!!せっかく貰ったポイント返しちゃうんですか!?あ、でも普通は、初対面で10万なんて渡されたら、返すのが当たり前の感覚だったかもしれませんね!」
「確かにな。どうやら俺たちは少しこの学校に染まりすぎているのかもしれないな。」
そう言って堀北君は少し考えるようなしぐさをとる。
「だが、この学校に慣れる意味でもそのポイントは受け取っておけ。それは先行投資だ。入学初日にSシステムの裏に気づき、行動できる奴との繋がりはこちらのメリットにもなるだろうからな。」
「え!!初日にSシステムに気づいちゃったんですか!?ああ、それで上級生の教室を?」
どうやらこっちの考えはすべてお見通しらしいな。
「いったんこのポイントは受け取っておくけどよぉ。ひより、行こうぜ。」
会話を切り上げて、俺たちは立ち去る。ひよりも軽く会釈をしながら、俺についてくる。
上級生とやりあうときは、堀北君は要注意だな。
階段を下りながら俺はひよりに声をかける。
「ひより、ポイントいらない?連絡先交換しようぜ。」
このポイントは気持ち悪いから、ひよりに押し付けてしまおう。
「いえ。私は正宗君についてきただけなので、ポイントは結構です。連絡先は交換しましょう」
残念ながら押し付けることはできないらしい。
「・・・とりあえず、帰り道の本屋でいいか?」
「はい。実は私、本屋デートに行くのが夢だったんです。」
・・・ん?
ツッコミどころが満載な気がするんだが、、、ひよりだしな。
ニコニコ歩くひよりをみて、気にしないことにしよう。
俺たちは他愛のない会話をしながら本屋を目指した。
・・・
その後、本屋に寄って帰った俺たちは、寮のエレベータで別れた。
まさか、ここまで会話が弾むとは。共通の趣味の力は偉大だな。
帰りの道中、俺たちはほとんど途切れることもなく、会話を楽しんだ。
まぁ、ほとんどひよりが本のすばらしさを熱く語っていたのだが。
自分の部屋に入り、シャワーを浴びることにした。
その後、上級生の様子を龍園に共有してやるかと思ったが、
途中で面倒になってしまったのでやめた。
明日でいいだろう。さっさと寝よう。
ひよりさんは今まであまりお友達ができたことがなく、異性のお友達は正宗君がほぼ初めて。
っという感覚で書いています。背景がちがったらすみません。
あと職員室が何階かわからないので1Fにしました。
初めて感想いただきました!!
とてもうれしい気持ちになったので、今度から私も他の方の小説を読んだ後は、感想をかこうと思いました。
m ( _ _ ) m