獣人の小学生五年生のシロちゃんは、姉の友達である女子高校生に一世一代の告白をしてしまった。

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キスだけで

「お姉ちゃんと結婚したいっ!」

 友人の妹に、唐突にそんな事を言われた。

 

 学校が終わって一緒に帰り道を歩く夕暮れ時。彼女はそんな剽軽な告白を向けた後、獣人の証である頭についた犬耳をピコピコと動かして「じっ」とこちらを見つめている。

 私はどう答えたものかと悩んだ。

「シロちゃん。今日、エイプリルフールだっけ?」

 軽く笑顔を取り繕ってそう訊ねてみると、彼女は頬を膨らませて抗議している。四月馬鹿ではないらしい。

 彼女と私は、女性同士。年も、六歳も離れている。私は高校生で、彼女は小学生。普段から懐かれていたとは思ってたけど、まさかそこまでとは。

「気持ちは嬉しいけどさ、そういう冗談は良くないよ」

 彼女のぷにぷにとした柔らかい頬を指で突っついて、からかうようにいさめる。

 ぷしゅー、と空気が抜ける音と共に。くぐもった声で唸りながら、彼女は不満げに口を尖らせた。その仕草がまた可愛らしくて、私までつられて口元が緩んでしまう。

「…………」

 彼女は不満げに私の顔を見つめていたかと思えば、私の片手に頭をこすりつけるように寄り添ってきた。

 私を上目遣いに見上げてくる瞳には、期待の色が混じっているような気がする。まるで、子犬のような愛らしさを感じてしまう。

 こんな顔をされては、私だって困ってしまうのだけれど。

「そうだねぇ、今日は私のおうちに寄ってく?」

「いくっ!」

 そう言うと、彼女は嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。彼女の耳と、犬の尻尾が大きく揺れる。

 

 この子は、可愛い妹みたいなものだ。なんたって赤ん坊の頃から、『友人の妹』として見守ってきている。

 けれど私も彼女くらいの頃は、よく近所の年上の人に憧れたものだ。

 きっと、彼女が大きくなったら「そんな事もあったなぁー」なんて。黒歴史の一つにでもなるんだろう。

 

 私は自室へ彼女を連れ込んでから、彼女の小さな身体を正面から抱きしめながら、ゆっくりと目を見つめ合わせる。

 彼女の綺麗な銀色の瞳に映る私の顔は、厭らしい表情でニヤついていた。

「お姉、ちゃん……?」

 戸惑いの声を上げる彼女に構わず、私はそっとキスをする。最初は触れるだけの軽いもの。それを何度か繰り返した後、今度は唇を重ね合わせた。

 少しだけ開いた隙間から舌を差し込み、彼女の口内を犯す。甘い唾液を味わいつつ、彼女の反応を楽しんだ。

「や、ぁ……」

 息苦しさに眉根を寄せながら、弱々しく抵抗してくる様子はとても官能的だった。もっと虐めたくなる衝動を抑えきれず、私は何度も彼女の口腔を犯し続ける。

 

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 ミルクのような甘ったるい彼女の味が、私を夢中にさせる。

「シロちゃんが悪いんだよ。大人をからかったりするから」

 息継ぎのために唇を離すと、そこからツーっと銀の糸が垂れた。

 蕩けた表情の彼女の頭を撫で、再び唇を奪う。何度も何度もキスをして、その度に少しずつ、しかし確実に深く、大人の快楽を教え込んでいく。

 最初の内は息継ぎの度に「こんなの、やぁ……」って抵抗していたけれど。そのうち、抗う気力も無くなったのか、されるがままになっていた。

 完全に脱力した身体を抱きしめ、自分が窒息寸前になったところで息継ぎをする。肺活量の違いか、シロちゃんは虚ろな目で天井を見つめていて、酸欠でだらしなく涎を垂らしている姿はなんとも無様で可愛らしい。

 彼女はもう抵抗する力も残っていないようで、ただただ与えられる快楽に身を捩らせている。

 私は、再び彼女の唇や舌の感触を楽しむ事にした。

 先程までよりも激しく、そして長く口付けを続ける。お互いの唾液を交換し合うような情熱的なキスを交わしていると、彼女の身体が軽く痙攣するのを感じた。

 なんとまぁ、キスだけで絶頂を迎えてしまいそうになっているご様子。

「シロちゃん。自慰ってした事ある?」

「……じい?」

 私が突然そんな事を言ったものだから、シロちゃんは虚ろなまま不思議そうにしていた。

 この年齢だと性処理の概念も習ってないのだろう。自発的に行った事もないのだろうか。

 こういう初心な反応を見ると、白無垢を汚す事に悦楽を覚えてしまいそうになる。

 ……いけない、いけない。まだ早い。もう少し『手なづけて』からじゃないと、壊してしまいそうだ。

 私は、銀色の瞳に映った自分自身の卑しい表情に気づいて、優しい微笑みを取り繕う。

 しかし、だとすれば。彼女の性的な絶頂の初体験は、「キス」になるのだろうか? 

 同性とのキスで、初めて達してしまうだなんて、彼女の価値観はきっと壊れてしまうだろう。

 そんな背徳感に興奮しながら、そこへ導くために彼女と唇を重ねる。彼女はメスの本能からか、初めて感じる性的な快楽への恐怖からか、力尽きかけてなおも必死に抗おうとしたが、そんなものは劣情を煽るだけだった。

 私は、高校生の腕力で小学生の彼女を無理やり押さえつけ、そのまま彼女の小さな口にしゃぶりつくようにキスをした。彼女が酸欠で苦しそうにしても無視をして、ひたすらに自分の欲望をぶつけていく。

 彼女は口の中に溜まったお互いの唾液をだらだらと零しながらも、次第に抵抗力を失っていった。そんな彼女の唇を舐め回し、舌を吸い出し、歯茎の裏まで刺激する。

「…………っ!? ――っっっ♡♡♡」

 そうしている内に、彼女の小さな身体がビクビクッといっそう強く痙攣した。

 

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 どうやら、キスだけで達してしまったらしい。口を塞がれたまま声にならない声を上げながら、背中を弓なりに反らせて快感に溺れている。

 私はその頂から降ろさないように、なおも彼女の口を犯し続けた。舌を挿入し、口蓋を舐め回しながら、呼吸の自由さえも許さない。ちょっと舌先を伸ばして、喉の奥まで犯してあげると、酸欠とえづきも相まってか、彼女は嘔吐しそうになりながらまた身体を痙攣させていた。

 きっと、この初体験は将来の彼女にとって最低最悪な1ページになるだろう。

 でもごめんね、シロちゃんが悪いんだよ。こんな可愛い女の子に育っちゃったシロちゃんが悪いんだよ。私のせいじゃないよ。悪いのは全部シロちゃんだよ。

 自分の方が酸欠状態に陥りそうになってから、ようやく唇を離してあげた。お互いを繋ぐ銀色の橋がかかるが、それはすぐにぷつりと切れてしまった。

 彼女の顔は真っ赤に染まり、目尻には涙が浮かんでいる。しかし、その表情からはどこか恍惚とした色が見え隠れしていて、とても扇情的だった。

「気持ちよかった?」

 耳元で囁くように聞いてあげると、それだけで身体を震わせた。小さく頷いて、蕩けきった瞳の上目遣いで私を見つめてくる。

「……むねのなかが、あったかくて……すごく、ふわふわ、する……」

 焦点の定まらない瞳を彷徨わせながら、彼女はうわ言のように呟いた。

 

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 あぁ、シロちゃんが性的な快楽を覚えちゃった。獣人の性欲を甘く見ちゃいけないんだ。

 自慰で覚えられたのなら、自分自身でどうにか出来たかもしれないのに。同性相手で、しかもキスでだなんて。これからシロちゃんは、定期的にお姉ちゃんに発散してもらわないと、満足出来ない身体になっちゃうかもね。

 キス以上の行為を教えてあげようとも思ったけれど。それだけは、まだ我慢だ。この子はまだ小学生だし、大事な大事な『友人の妹』だ。キスだけで夢中にさせて、焦らせて、本番はお預けして……高まり続けた性欲の発散のさせ方も分からなくなって、女の子なのに腰をヘコヘコ情けなく振って発情しちゃうような、そんなかわいそうなワンコに躾けてあげないと……。

「……また、おうちに寄ったときにシテアゲル」

 私も、年上の友人である貴女の姉にそんな風に躾けられたのだから。これくらいの仕返しくらい、許されるよね? シロちゃん。

 

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