転生林檎 (ゆっくり茶番合作動画より)   作:わかひげゲームス

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初めまして。わかひげゲームスの中の人です。
あ、動画から来てくださった方、ありがとうございます。そうでない方もゆっくりしていってください。

ゆっくり茶番合作で作ったあまりにも長すぎるプロットと、生活を侵害するレベルの編集量を前に心が折れたので、このお話は動画ではなく小説という形で完結させることにしました。

それでは、ゆっくりしていってね。


序章 ~Future will kill you.~

宇宙船地球号、かつてそう呼ばれていたこの星で今、一筋の砂埃が走る。

幾度の技術革新の末、全ての祖先が羨む生活を送っていた人類が望んだのは、共存ではなく闘争だった。

かつてこの星に満ちていた優しさの上に胡坐をかくビルは、権威を示すための墓標のように見える。

動物らしく損得に強欲で暴力的なまま増えてしまった人間は、美しさの見る影もないビル間を見下げて、自分勝手も知らぬまま墓の中で死んでいった。

そんな人類の衰退期と砂埃の果てで、一人の男の声が聞こえる。

 

主人公「魅惑のダイヤモンド味ぃ?人類の進歩は留まるところを知りませんねぇ~。」

青年は商品棚の前にしゃがみ込み、インスタント食品のパッケージを不思議な顔で見ながら呟く。

人の声に反応したのか、一体のブルーロボットが男の横に近づいて来た。

機械「お客様、そちらは当店オススメの一品となっております。やはりなんといってもダイヤモンドの煌めきを閉じ込めた」

主人公「はいはい、ちょっとどいてね~。よっと。」

青年は興味なさげに手を払い、商品棚を物色している。

背後で言葉を失っているブルーロボットに、青年は続けた。

主人公「君らはなんでもかんでもすぐ褒めるからな~。」

プログラムされたブルーロボットに哀れみとも蔑みとも取れないことを言うと、青年は少し咳払いをして、もったいぶって機械の方に向き直る。

主人公「いいか?ロボットくん。大事なのは見てくれじゃない、心なんだ!」

老齢の男性を少し誇張したような口調で機械に語りかけた。

機械「?」

主人公「ま、分かんねぇよな。人としての在り方なんて。」

主人公「さてと……、」

独り言に飽きたのか、ウィンドウショッピングに飽きたのか、青年はおもむろに立ち上がると商品を袋につめながら準備運動を始めた。

 

機械「お客様、商品は指定のカートにお入れください。法律により今の行動は窃盗として」

主人公「すまんねロボットくん!今日の生死がかかってる!それにホウリツなんてとうの昔に死んだよ!」

 

青年は出口に向かって走り出した。

店の防犯機能が作動し、前方の自動ドアが閉まる。

しかし青年は焦らない。

ドアの間にはバッテリー切れで倒れたブルーロボットが三体重ねられていた。

役目を全うした鉄くずが、これから役目を全うするドアに挟まれていく。

頭部パーツがはじける。

生き物のように断末魔をあげるそれを青年は飛び越えた。

 

主人公「……そんな目で見んなよな~」

少しばつが悪そうな顔をするも、その足が止まる気配はなく、一直線に大型バイクへと向かっていった。

主人公「搭乗準備!」

バイクが目を覚ます。少し息を吸って、肺の空気を吐ききるように轟音を鳴らす。

動物のように唸る愛車に飛び乗り、座席の前、足元に付けられた箱に調達した食料を投げ込みながらバイクに指令を出す。

主人公「よし!出せ!」

待てを解かれたバイクは勢いよく地面を蹴って飛び出した。

青年は追ってくるブルーロボットが遥か後方に遠ざかるのを見て、ハンドルを握っていた手をずらしバイクの頭を撫でる。

主人公「あっ、これ置いてくんの忘れた。」

窃と、調達した食料を詰めた箱の隅からは「ダイヤモンド味!」と書かれたパッケージが覗いていた。

食べるつもりはなかったが、かといって食べ物を捨てるわけにもいかない。

主人公「運転よろしく」

そういって青年は運転と進路をバイクに任せハンドルから手を放した。そして色も形もバラバラな無数のボタンのうち、椅子のマークがプリントされたボタンを押す。

運転しやすいように高い位置にあった座席が下がり、くつろぐための手すりと背もたれが出現した。

座席、もとい椅子に座り直した青年は、一息ついたあと少し嫌な顔をして先ほどのパッケージを手に取った。

主人公「賞味期限……、切れてる訳ないよなぁ……。」

諦めたようにそういうと、切り取り線に沿って真一文字にパッケージを裂いた。

街を脱したバイクは砂漠用のタイヤに自動換装する。巻き上がった砂埃に、いつか栄えた街並みは埋もれて、砂漠を切り裂く一筋は、青年の明日へ伸びていた。

 




あ、不定期更新です。投稿したらTwitterとかでお知らせしますね。
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