愛鳥少女とキンヨク生活のすすめ。   作:田舎犬派

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73羽 チクブ訓練拠点

 

 合同訓練当日の朝は予報通りに気持ちのいい空が広がっていた。相変わらず停滞雲によって満たされた空ではあるが、その向こうにある太陽の光は地上へと辿り着き、暖かささえ感じられるほどだった。

 

 それが都市と都市周辺ともなればなおさら。唯一停滞雲の寄り付かない都市上空では青く美しい空が広がり、都市周辺であってもほんのり雲の向こうの青空が垣間見えるほどだ。

 

 その光景は都市がどれほどに特別な場所であるかを克明に表していた。おぞましく恐ろしい停滞雲が唯一入り込まず、強い日の光を受ける姿はまるで神に選ばれた神聖なる領域とも思えるほどだった。

 

 そんな光景が現れるたび、都市に暮らす者たちは自身が特別な存在であることを理解する。自分たちこそがこの荒廃した世界で生きながらえることを許された特別な存在なのだと。

 

 その認識は住民の中でも都市所属のカザヨミが特に強かった。事実として都市外の調査や他都市との交流においてカザヨミの存在はなくてはならないものであり、確かに彼女たちは特別だった。

 

 力ある上級カザヨミは特別であることによってもたらされる義務や危険性を理解しているが、下級は自身が特別である事以外に興味は無い。なので今回行われる合同訓練ではそんな下級に空を飛ぶことの難解さと危険性を再認識させるという目的もあった。

 

 本来再認識させる役目は上級、特級のカザヨミなのだが、今回はそのような事をしなくても自然と理解(わから)されるだろうと特級カザヨミであるヒタキは騒がしい下級カザヨミたちを冷めた目で見ながら考えていた。

 

「ちょっと! こんな場所で訓練なんて聞いてないわよ!」

 

「暗くて汚い……カザヨミにふさわしい場所とは思えないケド……!」

 

「サイアク! 湿気で髪が乱れるじゃん!」

 

 下級カザヨミのかしましい悲鳴を聞いても上級のカザヨミはほとんど無反応だった。上級は過去の合同訓練に参加経験のある者が多く、例年箱入り娘な状態で育てられた下級たちが訓練環境に文句を言い出すの事に慣れていたためだ。

 

 訓練が行われるのは湖上に浮かぶ島。周辺の都市がチクブと呼んでいる小島だ。都市に隣接した湖ではほとんど降害が起らず、故にチクブは奇跡的にもかつての風景を残している珍しい土地だった。いくらかの神社仏閣が現存し、歴史的にも貴重な島として名が知られている。

 

 それだけでなく、このチクブは湖周辺に存在する各都市を繋ぐ空路の結節点としての役割も担っている。チクブから北の空路を通ってヨゴの都市へと到達でき、南東の空路でオウミの都市へと到達出来る。さらにチクブからキサラギルートを利用すれば湖の南方へと行く事さえ可能。

 

 そんな便利なチクブであるが、降害発生以降はほとんど放置された状態が続いている。湖では降害が稀にしか発生しないとはいえ、一度発生すれば壊滅的な被害を及ぼすのが降害というもの。湖に突き立てられたビル群を見ればその恐ろしさは誰が見ても一目瞭然だろう。

 

 そのせいでチクブは誰も済んでいない無人島となり、カザヨミたちが年に一度の合同訓練のために訪れる以外に来訪者は皆無。カザヨミ管理部が合同訓練のタイミングで各施設のメンテナンスを行っているが、それも最低限しか施せないという状況だった。

 

 下級のカザヨミが騒いでいるのは訓練拠点である宿泊施設がそういった最低限なものであったからに過ぎない。

 

 やれ服屋がないレストランがない。ベッドが無く布団だけだと寝られない。配信できない。とにかくあらゆる不満を愚痴り始める。

 

 そもそも今回の合同訓練は長距離航行を想定している面もあり、必要最低限の環境で生活することも求められている。また、共巣協定の内容から訓練内容の無断撮影は禁じられており、配信することも出来ない。

 

「こんなのでほんとに大丈夫っスかねえ」

 

「問題ない。前年もこのくらいだったぞ」

 

「うへぇ……、ミサゴ先輩流石っスね。私は慣れていける気がしないっス」

 

「飛行訓練である程度は大人しくなるさ」

 

「でも都市から出たことの無い下級の方も多いですし……いきなりこれはきついかもしれませんね……」

 

 チクブの島に降り立った下級たちを見つめるミサゴと、下級の様子に辟易しているヒタキ。どこか同情的な視線を送るツグミの三名はあまりにもお粗末な下級の様子に同じような感情を抱く。彼女たちは何不自由なく今まで生きてきて、これからも都市最新鋭の防具に身を包んで安全な空だけを飛んでいられると考えている。それはあながち間違いではないが、ひとたび大規模な降害が発生すれば下級であろうと現場に駆り出されるのがカザヨミだ。その時万全の準備をしたまま空を飛べるかは分からない。場合によっては都市から数日はかかる離れた土地で収まり切っていない降害の中を、被害状況の把握と被災者捜索の為に飛び回らなければならなくなる。そんな時、道具に頼り切って自身の実力を見誤れば命さえ危うくなる。飛行隊を編成してチームで空を飛ぶ都市のカザヨミにとって一人の危うさはチーム全員の命を脅かす危うさである。

 

「きつくても耐えてもらわねばならないさ。これよりももっとひどい状況に陥る事だってこの先何度もある」

 

 毅然と言い放ったミサゴは未だ喚く下級から踵を返し、チクブに設置されたカザヨミの拠点へと向かっていく。

 

「もっとひどい状況って……彼女たち(アレ)が雲海調査に参加するかもって事っス?」

 

「ヒタキ先輩」

 

 ツグミのジト目に頭を掻くヒタキはわざとらしく咳ばらいをしてから言い直す。

 

「あーごめんっス。ええと、"若く有望なカザヨミたち"っス」

 

「そうだな、それもあるが……先生が危惧しているのもっと別のところだろう……、む?」

 

 ふとヒタキが視線を上へと向ければそこには美しい編隊飛行で空を飛ぶカザヨミの隊がこちらへと向かっているのが見えた。全体的には飛び慣れ始めた下級らしいぎこちない飛行だが、先頭を飛ぶカザヨミだけは違った。巧みに翼を操り、安定した飛行で後方のカザヨミたちを伺う程度の余裕さえある。

 

 しばらくすると先頭のカザヨミは何やら後方のカザヨミと言葉を交わし、彼女だけがこちらへと向かってきた。

 

「どこの隊の方でしょうか……?」

 

「見たことない顔ぶれっスねえ……新設の飛行隊っスかね?」

 

「……中々鍛えているようだな」

 

 ミサゴたちの前へと降り立った、編隊の先頭を飛んでいたカザヨミは淀みない動作で地面へと楽々着地し、すぐさま翼をしまい込む。

 

「久しぶりね、ミサゴ先輩、ヒタキ先輩、ツグミ先輩」

 

「……ほう」

 

「……え、ええ!?」

 

 翼を収めて三人の前に現れたカザヨミは頭を下げて丁寧ながらも馴染みのある声音を発する。ミサゴは感嘆とも思える言葉を零し、ヒタキに至っては混乱で言葉が出てこない。同じく戸惑うツグミは、目の前のカザヨミが本当に自身の知っているカザヨミなのか信じられず、思わず名前を呼ぶ。

 

「あ、あの……イスカちゃん……?」

 

「ええ! 第十七飛行隊でお世話になった嶺渡(イスカ)よ! 今回の合同訓練、よろしくお願いするわ!」

 

 目の前に現れた嶺渡姉妹の妹、かつてあれほどまでに生意気な態度を取っていたイスカはまるで姉のように聡明な視線を湛え、相応の敬意を持ってミサゴたちの前に現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 例の雲海調査計画は都市管理部による対外的報道によって大成功だと伝えられた。これによって作戦参加者は相応の報酬を手に入れ、中には昇級という形で称えられた者も多い。

 

 ヒタキの一級から特級への昇格はまさにそれで、それ以外にも実力があり昇級試験を待つだけの状態のカザヨミが数名昇級していった。本来ならばそのような特殊な昇級は認められていないのだが、実力さえ伴っていれば問題ないだろうという都市管理部の言葉により実現した形だ。

 

 そんな特殊な昇級を経たカザヨミの中でも最も異質だったのが嶺渡姉妹だ。

 

 もはや都市管理部の顔とも言うべき嶺渡の母親、その子供であるアトリとイスカはカザヨミとしての翼の発現と共に姉は二級、妹は三級の地位を与えられた。その後、雲海調査計画の功績によって姉は一級に、妹は二級となった。カザヨミ史上前例のない早すぎる昇級に周辺都市でさえ首を傾げる事態だったが、メディアの報じる情報が正しいのならば、それもある程度理解できるとおおむね納得されていた。

 

 けれど、メディアの情報によって納得したのは都市内外の一般人に限った話だ。同じカザヨミたちは姉妹の昇級に対して所属都市を通して抗議文を送ったり、配信活動を行っているカザヨミは配信内で名指しの非難をしたりと、カザヨミたちの姉妹に対する印象は悪化していた。

 

 けれどもそれらの"些細な事柄"は嶺渡の母とオウミ都市管理部によって大きな騒ぎにもならず、非難しているカザヨミたちは哀れにも嫉妬を隠せないでいる、という印象を一般人に抱かせる事で沈静化させていった。

 

 

 傲慢で愚かで、卑怯。それが下級カザヨミが嶺渡姉妹に抱く感情であり、実力不足を不安視して複雑な感情を抱くのが上級カザヨミ。それは特級のミサゴも同様であったのだが。

 

(実力はまだ下級レベルだったはず……少なくとも雲海に入り込んだ時はそうだった。しかし……)

 

 ミサゴの目の前に立つイスカはかつて第十七飛行隊に所属していた時とは様変わりしている。かつてと同じような生意気な口調はそのままであるが、ミサゴ達に対する明確な尊敬が見て取れる。以前のような気の抜けた表情は鳴りを潜め、佇まいさえも大人びているように感じられた。

 

「また、ご一緒出来てラッキーね。前みたいな恥ずかしい醜態は晒さないから安心して」

 

 下級カザヨミらしい驕った様子は消え失せ、イスカの声音には努力に裏打ちされた自信が滲んでいる。姉妹揃って染めていた長い金髪は飛ぶ際に目端に映ってうっとおしいという理由から染めるのを止めて短く切り、都市製の耐エーテル繊維によって作られた羽織りを身に着けている。まだ幼い顔立ちではあるが場数をこなした者特有の余裕も垣間見える。

 

「ほ、ホントにイスカちゃんっスか? あのわがままなクソガキだったあの!?」

 

「ちょっと! 流石に言いすぎだと思うんですけど!」

 

「おお~……そうそうソレっス。やっぱりイスカちゃんはそうでないと」

 

「どういう意味よ!!」

 

 あまりの驚き様にヒタキから漏れ出た本音。それに反応したイスカの様子はまさしくヒタキの知るところであるイスカだった。根本的な性格はそのままである事にどこかホッとするヒタキ達。

 

「……まあ、先輩たちにはあの時色々とご迷惑をかけた、わよ。……私だって、あのままじゃダメだって気づいたの」

 

 例の雲海調査計画によってイスカは姉のアトリと共に周辺都市に名を知られるほどの存在となった。イスカの性格ならばそのまま増長してひねくれたままの未熟なカザヨミになってしまうと思われていたが、イスカはそうはならなかった。

 

 イスカはあの荒れ狂う雲海の中で、ユナと出会った。かつて貧しい生活のストレスを発散する先として、自身よりも明確に格下の存在として見ていたユナに、命を助けられたのだ。

 

 助けられた当時はユナが由奈であることをイスカは気付かなかった。けれど絶えずネットで流れてくるBWの切り抜き動画からハヤブサの正体がユナであることをイスカは知った。

 

 あれほどバカにして、格下であったはずのユナに助けられた。それはイスカのプライドを大きく傷つけ……は、しなかった。

 

「……私が訓練に参加したのだって、それが理由なんだから」

 

「……そうか」

 

 イスカが雲海でユナに助けられた時、イスカは誇張なしに死にかけていた。体の痛みと不感の気持ち悪さによって意識はか細く、視界が閉じていくのと同時に死が近づいていく恐怖を味わっていた。これまでの自分の在り方を、人知の及ばぬ強大なものによって否定され命を奪われようとしていた。

 

 どれだけあがいてもどれだけ抵抗しても何の意味もなく、それこそ雲を手で掴むような無駄な抵抗であった。

 

 そんな時に手を差し伸べたのがユナだ。

 

 小さい身体のユナが必死に自身の体を抱き寄せ、雲の中を駆け抜ける。何度も振り落とされるほどの強風とエーテルに遭遇しても決して見捨てず、イスカの命を守り切った。

 

 明確な意識が無かったとしてもイスカは覚えていた。あの時の小さな温かさと、力強い翼の羽ばたきを。だから、

 

(だから、これは償いよ。命ひとつぶんの)

 

 イスカは雲海の恐ろしさを知った。雲海に挑む危うさを知った。それらを覆すほどの力を持つユナを知った。生来のプライドの高さは恐ろしさを受け入れ、危うさを回避し、ユナへと追いつくための努力へと昇華した。

 

 かつて見下していた少女が自身よりもはるか先を行っていた事に思う所が無い訳では無いが、そんなつまらないことを考えている余裕などイスカには無かった。ユナに追いつくためにはカザヨミであることだけに満足してはいられないのだと。

 

 雲海でユナに助けられた後イスカは姉のアトリと共に第十七飛行隊を離れた。それが母親の指示であったからだが、イスカはその後もカザヨミとしての鍛錬を怠らなかった。母親の意向によってカザヨミ管理部から距離を取ったとはいえカザヨミとしての訓練は先生を通じて一人で出来る内容を手に入れていた。

 

 それから今日に至るまでイスカは空を飛ぶ努力を惜しまなかった。周囲の人間が自身をもてはやし賞賛するのを受け流して訓練に励み、努力するなどカッコ悪いとバカにしている下級のカザヨミに見向きもせず、ただひたすらにユナの背中を追った。

 

 そうしてイスカは、今ここにいる。

 

「それで? まずは何をすればいいのかしら」

 

 腰に手をおき自信満々な様子のイスカは挑戦的な眼差しでミサゴたちに向き合う。

 

 対するミサゴはイスカから視線を外して、入ろうとしていた建物の様子を見上げながら答えた。

 

「そうだな……まずは、掃除だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 チクブの中にあるとある古びたお寺、既に名前さえも忘れ去られようとしているその一つが今回カザヨミたちが合同訓練の拠点とした場所だ。それなりに大きな寺社であったらしく、訓練に参加したカザヨミが生活するには十分なほどの広さがあった。もちろん、最低限雨風をしのげる、という意味でだが。

 

 一年に一度しか利用しないという事で建物の中はホコリまみれで蜘蛛の巣まみれ。このまま生活拠点として利用するには少々問題がありそうな光景だ。

 

「前来たよりも荒れてないっスかこれ?」

 

「野生動物でも住みついたのでしょうか?」

 

「にしてはそれらしい形跡が無い。単純に雨風のせいだろう」

 

 ミサゴたちはホコリっぽい畳を払い、雑巾がけしながらそんなことを話し合っている。都市ではカザヨミというだけでもてはやされ、上級やそれこそ特級ともなればそんなカザヨミの中でもかなりの地位に位置する者たち。そんな者たちでも今は只の合同訓練の参加者でしかない。他の上級カザヨミも慣れた手つきで神社の中を掃除していき、その中には意外にもイスカの姿もあった。

 

「てかさ、いいの? アレ」

 

 雑巾を手に持ちイスカが指さす先には、こちらをバカにしたような視線を送る下級カザヨミたち。掃除に参加せず、携帯端末を片手にサボっている姿をイスカは不満げに口にする。

 

「まあ強制ではないからな。掃除も私達が自主的に行っているだけさ」

 

「甘すぎなんじゃないの? 私の時も思ってたけどさ」

 

「でもイスカちゃんは変わられました」

 

「ふん、あんな体験して変わらない方がバカよ」

 

「いやーホントに変わったっスねえイスカちゃん」

 

 少なくとも昔のイスカならば一緒に雑巾がけするなんて考えられなかっただろう。どちらかと言うと下級たちと一緒に掃除しているカザヨミたちを嘲笑っていたはずだ。

 口調が柔らかくなり先輩を敬う気持ちが見て取れる、それだけでミサゴたちはイスカがどれだけの努力を重ねたのかを知ることができた。だからだろうか、ミサゴと共に掃除をしている上級のカザヨミはイスカに対する不安感を僅かに軟化させたように見えた。

 

 頼りになる後輩、期待できる新顔。気が強くとも自信を持ち余裕のあるイスカの姿は他のカザヨミが声をかけてくるくらいには認められ始めていた。

 

「あのー……」

 

「あ? 何か用?」

 

 イスカが振り返ればそこにいたのは瀬黒とセキレイだった。今回の合同訓練は特級が二人も参加するという事で瀬黒は少し緊張した面持ちでで先輩達の一団に声をかけたのだが、応答したのが下級カザヨミの間で噂になっている嶺渡の妹であることに驚いた。噂ではもっと"らしい"カザヨミだと聞いていたのに、他の上級カザヨミに混じって雑巾を手にする彼女の雰囲気は正しく上級のそれだ。

 

「瀬黒先輩とセキレイちゃんじゃないっスか。まだ訓練が始まるまで時間があるっスよ?」

 

「いえ私達も手伝いたいんですけど……」

 

「何か、する事ない?」

 

 おずおずと言葉を口にする瀬黒と、その後ろからひょっこりと顔を出すセキレイ。まだ合同訓練が始まる時間ではなく、上級のカザヨミが自主的に掃除をしているだけなので本来は手伝う必要は無いが、だからと言って黙っていられるような性格では無いのが瀬黒だ。セキレイに関しては瀬黒にくっついているだけのようだが。

 

「ありがたいっス! それじゃああっちの縁側の雑巾がけお願いするっス」

 

 イスカが二人を部屋の奥へと連れていくのを見ながらイスカはちらりと下級たちの集団に視線を落とし、それから部屋の中をぐるりと見渡す。

 

「……ねえ、ミサゴ先輩」

 

「なんだ?」

 

「その……参加者ってこれで全員?」

 

「いや、もう何名か来るはずだ」

 

「そう……」

 

 どこかぎこちなさを見せるイスカの様子にミサゴは首をかしげながらも壁に掛けられた時計を見る。あと十数分程度で合同訓練の予定時間になる。続々と集まるカザヨミたちはミサゴたちと共に掃除に加わる者とそうでない者に別れ始め、認識の違いにより早々にグループのようなものができ始めているようだった。

 

 どちらであったとしてもここに集まったカザヨミたちは次代として都市を代表するカザヨミに成長してくれるだろう。

  

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