ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング 番外編)   作:アズマケイ

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調査団とドレスローザ

今日は朝からドレスローザ中が慌ただしかった。なにせ、世界政府から使者が送られてきたのだ。もちろん案件は世界会議中に起きた天竜人殺人未遂を起こしたレオの身分に対する問い合わせである。

 

リク王達はその対応に終始追われ、多忙を極めていた。世界会議から期間後、ドフラミンゴファミリーとの関係を継続すると協定の再締結をしたばかりである。当然ドフラミンゴはその調査団やリク王の側にずっといた。戦争の火種を探していたからだが、リク王は自らの外交努力と卓越した手腕でそれを捌き切り、なんとか回避した。

 

本人が麦わら一味の傘下の海賊であると公衆の面前で大々的に宣言したわけだから今更なわけだが、ドレスローザ側としては一部は肯定するが、大体は否定するしかない。たしかにレオはトットランド出身の小人であり、麦わら一味と盃を交わした麦わら大船団のひとりである。しかし、ドレスローザを去ってからは行方知れずであるとしらを切ったのだ。

 

ドレスローザが彼らを世界会議に引き入れたという嫌疑は全くもって的外れなものであり、レオ達を引き入れたのは天竜人ミョスガルド聖である。それがリク王達の主張だった。

 

その言い分が通るように、リク王達はレオやサイ達の存在に気づいても不用意に近づかないようにしていたし、トットランド代表のトンタ長とひとり娘のマンシェリー姫は見て見ぬふりをしていた。もし、姫達の邂逅にレオ達が混ざり、再開を喜ぶような感動的な場面を隠し撮りでもされていたら、今頃世界経済新聞にすっぱ抜かれていただろう。

 

調査団にはレオ達の行方がわかったらすぐに知らせるし、情報提供をすると約束し、トンタ長やマンシェリー姫達への事情聴取は滞りなく進められた。

 

一度ドレスローザに来たことがある海兵達も混ざっている調査団の事前調査である。麦わら一味を逃すために足止め工作をしたことはまだばれてはいなかった。そのためまさかトンタッタ族全体が麦わら一味の傘下にあると言う認識はなかったため、ゲスの勘ぐりをする奴らはいなかった。

 

調査団達と会食に臨むリク王を見送り、ドフラミンゴは呼び止めてきた部下と共に闘技場に向かう。電伝虫を手にした。ルルシア王国跡地に派遣していた内偵たちから情報が回ってきたのだ。

 

「で、どんな感じだった?」

 

受話器の向こうで内偵が報告書を読み上げる。ルルシア王国が地図の上から抹殺された一週間後、世界規模の大地震が発生、海面が1メートルも上昇し、砂浜が消失、国によっては沈んでしまう事態にまで発展した。

 

これは間違いなくウラヌスと思われる古代兵器がこの青い星の奥深くにあるとされるプレートに到達し、亀裂が入ったことによるもの。ある意味で人工的にもたらされた地震によるものである。そう内偵は結論づけていた。

 

その証拠にからくり島跡地やワフルド島が空に落とされた年と同様に震源地不明の地震が起き、海面が1メートル近く上昇している。ワフルド島に残された古代兵器の痕跡により、火によるものだと判明している。

 

「......ウラヌスの副作用か、なるほど。からくり島跡地と同じだったわけだな?」

 

まちがいない、と内偵は念押しする。

 

ドフラミンゴは昨日ようやく収まった地震により散乱する本の片付けが一苦労だったことを思い出す。

 

あの日、ツキミ博士のからくり島がウラヌスに消し飛ばされたあの日、深層海流を使った方がいいといった自分の意見を却下し、父上は空に逃げなければならないといっていたことを思い出す。

 

父上の飛行船がなければ今頃ドフラミンゴ達はルルシア王国のように海面に開いた奈落の穴に落ち、そのまま死んでいたかもしれないのだ。逃げ切れたとしても津波や高潮に巻き込まれて海の藻屑になっていたのかもしれない。

 

ルルシア王国があった場所は、調査船によると海面に穴が開き、エニエスロビーのように海流がまるで滝のように穴に落ち続けているらしい。

 

「フッフッフ、おれ達も空に逃げる準備をしなけりゃならねえな。そろそろこの本棚をマキシムもどきに積みこむか。匿ってるのがバレたらいつ世界政府から抹殺命令がくだされるかわかったもんじゃねえからな」

 

そして息を吐いた。

 

「Dr.ベガパンクがエネルギー炉を世界政府に提供するわけがねえ、一体なにが起きてやがる」

 

その疑問は机に置かれた世界経済新聞が教えてくれた。

 

「フッフッフ、麦わら一味がエッグヘッドで立てこもり事件だァ?とうとう空白の100年に到達したのがばれたのか?それとも移植したクローン共が反乱でも起こしたか?助けに行くのは革命軍だと思ってたが......」

 

24年前のドラゴンとベガパンク、ホーミングの密約を知るドフラミンゴは興味深そうに新聞を読みこもうとして、やめた。

 

「最近の役人どもは立ち入り禁止の看板すら読めねえのか、なってねえなあ」

 

ばさり、と新聞が乱暴に置かれる。次の瞬間には部屋は無人となる。開け放たれた窓からはドフラミンゴは雲に吊り下げた糸に飛び移り、不法侵入者のところに向かっていた。

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