ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング 番外編)   作:アズマケイ

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IF ドンキホーテ兄弟海兵ルート

あの日、ドンキホーテ・ホーミングはマリージョアの天竜人でいる限り、万物は隷属し、誰もが服従するからつまらないという本性を明らかにした。人に堕ちたと誰もが言ったが、ドフラミンゴからしたら修羅が本性を露わにしたのだと思った。

 

あの日、高熱に倒れてから目を覚ました父上は全てがおかしくなっていた。むしひとつ殺せないはずの優しい父上はあの高熱で死んだとドフラミンゴは思っている。父上としての最後の情でモルガンズの世界経済新聞本社を通じて海軍の英雄ガープ中将のもとに引き取られたドフラミンゴとロシナンテは、取り憑かれたとしか思えない暴力で非加盟国を滅ぼしたホーミングの加護で元天竜人だとバレても手出しをされなくてすんだ。

 

ドンキホーテ・ホーミングを含めた家族に手を出したら皆殺しにされるという実例が積み上げられていったからだ。畏怖と戦慄の眼差しで遠巻きにされる日々だったが、そのうちロシナンテのドジっ子とフォローするドフラミンゴを見ているうちに、子供は無害だとわかったのか、だんだんじゃけんにはされなくなった。

 

ドフラミンゴもロシナンテも義父となったガープ中将の願い通り、海軍を志し、世界経済新聞を騒がせ続けるホーミングの暴虐ぶりに戦慄し、いつしか止めたいと思うようになっていく。

 

非加盟国を葬り去った人堕ちホーミングはウミット海運に拾われ、用心棒から副社長の座にかけあがる。そのぶん儲け話をご破産にしてきた敵が誰であろうが処刑してきたし、すっかりマフィアの頂点に君臨するようになっていた。

 

北の海はウミット海運の支配下となった。フレバンスが滅亡したり、とある国が40年以上戦争をしたりする裏にはかならず父上の影がチラついた。しかし、肝心の証拠が掴めずにいた。なかなか尻尾を出さない父上に途方に暮れながらもドフラミンゴとロシナンテは懸命に犯罪という犯罪を追いかけた。

 

そして、運命の日が訪れる。

 

自分たちを見せしめのように北の海の非加盟国におろしたことに対する報復に、どういう繋がりかは不明だが父上はロックス連中を巻き込んで大規模なテロを起こす計画なのだという事が判明した。

 

ダイナ岩が盗まれたり、元MADSがNEWMADSとして化学兵器の研究をしたり、不穏な動きが加速していった。

 

ドフラミンゴ達は懸命に止めようと動いていたが、無情にもその年の世界会議にてまたリュウグウ王国の署名が否決され、根拠であったミョスガルド聖が処刑未遂されるという大事件がおこる。

 

その報復として、世界会議は火の海に包まれることになる。逃げまどう人々を火の海が行手を阻む。毒ガス兵器により動きを封じられる。逃げ遅れた人々は次々に火に撒かれ、死んでいった。正門も裏門もロックス連中が占拠して逃げようとした世界政府の用心や世界各地の王族、護衛や副官達が戦闘に巻き込まれて死んでいった。

 

「銃を下げなさい、ドフラミンゴ、ロシナンテ。お前たちに私を撃ち殺すのは無理だ。銃の使い方がなってない」

 

「うるせえ、誰のせいで銃声が苦手になったと思ってんだ」

 

「なんのためにおれがナギナギ食べたと思ってるんだよ、父上をとめるためだ」

 

「とめる......いうにことかいて、とめるだと?なにをこの場に及んでお行儀がいい言葉をつかっているんだい、ロシナンテ。私を殺しに来たんだろう、ふたりとも。さあ、始めようじゃないか。中将になったばかりの海兵とその部下が私を殺せるかどうか、大いに興味があるからね。見ものじゃないか、頼むから私をがっかりさせないでくれよ」

 

笑いながら覇王色を放つホーミングにより、ばたばたと海兵達が倒れていく。

 

「足手纏いが多すぎるのもよくない」

 

「うるせえ」

 

「くるよ、兄上!」

 

「いいことを教えてあげようか、ふたりとも」

 

ホーミングは笑いながらいうのだ。

 

「グリーンブラッドの紛い物にすぎないがね、ワプワプの真価は」

 

手にあったはずのダイナ岩の弾丸が消失する。後方の艦隊が大爆発を起こし、命からがら逃げていた人々もろとも爆発四散して大炎上を起こした。愕然とするロシナンテに冷たい銃口が向けられる。

 

「視線誘導からの狙撃、あるいは攻撃が可能になるのだ。今ここで発砲した弾丸がロシナンテを貫くとは限らない」

 

阿鼻叫喚が響いている。

 

「擬似的な誘導弾にもなるのだ、覚えておくといい」

 

「あの日父上は死んだんだ、ロシー。ガワだけ父上のこの男は、おれ達を愛してくれた心優しい父上じゃない。覚悟をきめろ」

 

「わかってるよ、そんなこと」

 

「かわいそうに半泣きじゃないか」

 

「泣かしたのはアンタだよ、人堕ち。いや、ロックスの亡霊といったほうがいいか?」

 

「どちらでも構わないさ、さあ、そろそろ始めようか。聖人たるミョスガルド聖はあやうく十字架にかけられそうになった。非人道的な所業をした世界政府の建前たる海軍の将校がどこまでやれるか、確かめてみるといいよ」

 

その日、仏のセンゴク以来の覇王色もちの将校と人堕ちホーミングの覇気により、そらが真っ二つににぶんした。

 

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