ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング 番外編)   作:アズマケイ

103 / 105
vs古代兵器プルトン

本来、見聞色は相手の気配をより強く感じる力、これを見聞色の覇気という。これを高めれば 視界に入らない敵の位置、その数…更には次の瞬間に相手が何をしようとしているかを読み取れる力である。

 

見聞色の覇気を鍛えた暁には、「少し先の未来」が見える様になる者がいる。それは悪魔の実並みに特別な「未来視」という力だ。

 

未来視は、それを「もう少し先」まで高めたモノだ。それは数秒から数分の場合もあるし、私のように人外じみた年単位の場合もある。

 

ただ、見聞覇気の延長にある力だから、前提条件として知識や情報を把握する必要があり、それにより精度が乱高下する。

 

なにせ特定の個人の些細な動作や表情なんかを「見て」、その者の発する心音や呼吸音なんかを「聞いて」、全てを統合した結果「その時点での確定した少し先の未来が見える」のだ。

 

「不意に目覚めた超能力的な力」では無く、「鍛錬を極めた先にある力」。

 

元は見聞色の覇気だから、精神を乱し平静を欠いたら発動しない。あるいは精度が落ちる。

 

完璧な「無敵の力」では決して無く、明確な弱点もある。実に厄介だが使いこなすことができればこんなに力強い力もない。

 

ゆえに私はシャクヤクにアマゾン・リリーの未来を提示して選ばせたのだ。

 

凪の帯を航行することになる古代兵器プルトンの試し撃ちの餌食になるのを阻止するために闘うか、逃げるか。逃げるならば移住先は空か海底か他の島か。情報は提示した。この確定した未来をどう活用するかはシャクヤクに任せるといったのだ。

 

ちなみにニューゲートは古代兵器ウラヌスによる島の沈没に備えてすでにシマの住人達は空島に移住計画をたちあげ、すでに動いている。

 

「今回ほどロックスにいてよかったことはないわ、ありがとうホーミング」

 

タバコを燻らせながらシャクヤクは笑っていた。

 

「ねえ、アマゾン・リリーが危ないなら、ルスカイナにいるモンキーちゃん達も危ないんじゃないの?」

 

「ジンベエが知らせにいっているはずだよ」

 

「ならいいんだけど......」

 

「さすがに2年の修行で古代兵器相手は無理だろうからね、レイリーがなんとかするだろう。古代兵器プルトンは砲撃ひとつで島を1つ消しとばすというんだ、ウラヌスの威力を思えば同等の力を持っていると考えていい。さすがにゴッドバレーの二の舞にはさせないだろうさ」

 

難しい顔をしたまま考え始めたシャクヤクである。

 

「ねえ、島ごと浮かせるってできる?」

 

「ニューゲートがシキに頼んでるやり方だ、順番待ちになるが構わないね?」

 

「あらそうなの?そうねえ......まあいいわ。もし世界政府が協定を破って3キロ以内に侵犯してきたら、沢山の海王類ちゃんたちに攻撃してもらうことになってるのよ。だけどら間に合わなかったら、最悪住人だけでも運んで匿ってもらうことにするわ。ありがとう。ニョン婆に伝えておくことにするわね」

 

「古代兵器プルトンの攻撃は戦争の合図だからね、まきこまれないようにしてくれたまえ」

 

「任せて。ここまで明かしてくれたのに住人が全滅したら先代の面目丸潰れじゃないの」

 

 

 

 

パシフィスタマークⅢが搭載されているプルトンから無数のビームが発射される。これは黄猿のピカピカの実から再現されたものであり、光という特性上バブルシールドを突破する厄介な代物だ。

 

「迎撃用意、展開しろ!」

 

私の号令に従い、ミンク族部隊の面々が私の船をすっぽりと覆い尽くす形で無数の壁を展開していく。ビームはすべて受け止められ、私の船をどんどん古代兵器プルトン目掛けて距離をちかづかせることが可能になる。古代兵器プルトンと思われる黒い戦艦はじりじりと後退しはじめた。普通の戦艦と動きがちがいすぎる。はやりほぼ自動化しているのは間違いない。

 

この防護壁はベガパンク博士が発明した光だろうがなんだろうが触れることができる素材でできているのだ。ちょっとやそっとじゃびくともしない。

 

司令塔は黒い戦艦に乗ってない可能性がでてきたなと考えた私はただちに命令を下すのだ。

 

「シデ達は引き続き迎撃待機。イール達は他に海軍の船がないか至急確認だ。見つけ次第鎮めてくれ。スペーシア中尉は命令権をうばいたいからついてきてくれ、ハッキングする必要があるからな」

 

「わかった」

 

「了解でアリマス!」

 

私はワプワプの力でスペーシア中尉と共に古代兵器プルトンの甲板に降りたった。殺意は感じない。機械化された兵器しか乗っていないようだ。パシフィスタマークⅢからびーむが発射されるがただちにワプワプの力で真後ろに回避する。パシフィスタマークⅢは真正面しかビームが出せず、予備動作と標準を合わせるためどうしてもタイムラグが存在するのだ。

 

一番近いパシフィスタマークⅢの近くにおりたった私はビームの身代わりにするべく、標準を目測して高く蹴り上げた。またたくまにビームが身代わりに降り注ぐ。あっというまにパシフィスタマークⅢは真っ黒焦げになってしまった。

 

「この辺りには司令塔はいないようでアリマス」

 

センサーで感知できなかったとスペーシア中尉が教えてくれる。私たちは先を急いだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。