ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング 番外編)   作:アズマケイ

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ロビンの2年間

ロビンはシャボンディ諸島での天竜人との事件により、海軍大将黄猿をはじめとする精鋭部隊に追走されるという絶望的な状況に追いこまれてしまう。そんな窮地において、バーソロミュー・くまの機転により、一味は遠く離れた土地に散り散りに弾き飛ばされる。

 

ロビンは「東の海」のテキーラウルフに飛ばされていた。 各国から集められた「犯罪者」や「世界政府への加盟を拒んだ国民たち」が巨大な橋を建設し続けるこの国において、ロビンはそうした「労働者」の一人として重労働に使役される。

 

隙きを突いて脱出を図ろうとしたのも束の間、間もなく革命軍が同国を襲撃しロビンを解放する。革命軍は、ロビンを世界と戦ったオハラの生き残りとして「革命の灯」と呼び、10年以上ロビンを保護するため捜索を続けていた。

 

「ホーミングさんも協力していただけていたんですが......」

 

「それは知っていたわ」

 

「えっ、ならなぜ」

 

「人堕ちホーミングは、家族のためなら戦争まで起こせる人でしょう?手を煩わせたくなかったのよ、ただでさえ世界政府と戦い続けている人だから」

 

「ああ......それはたしかに」

 

「ウォーターセブンで会ったけど、私の判断は正しかったと思ってる。それに6年間組んでいた

サー・クロコダイルが嫌い抜いていた人だしね、ふふ。儲け話を持ってきたけれど、どのみち無理じゃないかしら。彼、ミーハーは嫌いみたいだし」

 

その後、新聞に掲載されたルフィの「16点鐘」の隠しメッセージを読み取ると、ルフィの父であり、革命軍リーダーであるドラゴンに会うため、革命軍に連れられ、彼らの本拠地バルティゴに向かう。

 

バルティゴにて世界の多くの出来事を知るとともに、ドラゴンやサボ、コアラ、ウタとも交流を深めていく。

 

特にコアラはハックに魚人空手を習い、高い実力を認められて師範代及び幹部にまで成長していた逸材。相性が良かったことでサボ・ハックとのチームで任務を任されるようになり、マリンフォード頂上戦争後にはモンキー・D・ドラゴンの指示で東西南北の海に散らばる革命軍幹部の軍隊長たちを招集した。

 

ニコ・ロビンが本部での滞在を望んだことで出会い、麦わらの一味の2年間の修業期間中に行動を共にすることになる。

 

「ロビンさん」と呼び慕っているが、2年後に自分たちと離れてしまうことで彼女の知識を狙う世界中の敵から守れなくなることを危惧し、ロビンに護身術として魚人空手の“奥義”を始めとした技術を指南し、実質的にロビンの師匠となることになった。

 

ウタがホーミングがライブに来てくれないことを嘆いている。

 

「仕方ないよ、ウタ。ホーミングさん、今、空島の防衛で忙しいんだから」

 

「そうだけど......わたしのライブで元気出してもらいたかったんだけどなあ」

 

「金獅子は元四皇なんでしょ?それどころじゃないよ」

 

「ホーミングのじいさんには、おれが言っておく。ウタは次の避難民のためのライブの準備を進めておけ」

 

「ふふ、ホーミングさんをそんな呼び方してもいいのかしら」

 

「避ければいいだけの話だろう」

 

「ルフィはそれができなくてダメだったのね」

 

「じじいの愛の拳がトラウマなうちはまだまだだ」

 

「えっ、なに、ルフィ、ホーミングさんのことじじい呼ばわりしたの?!」

 

ウタ達がロビンのところにやってくる。サボとウタは幼少期にルフィと親交があったようで、色々詳細を聞きたがる。ロビンは笑ってウォーターセブンの思い出を話し始めたのだった。

 

ロビンは思う。革命軍の人々は、それぞれが世界に反する強い思いがある。その中でも現在の肩書きが「魚人空手師範代」であるコアラという少女は、フィッシャー・タイガーの悲劇からどんな想いで生きてきたのか。ろくな知識もなかった魚人・人魚族と数週間共に過ごし、彼らのことを信頼するようになったコアラは、 正に人間側における受け継がない意志を体現できている 。

 

どのような形であれフィッシャー・タイガーの意志を継いだ者にロビンは数多く会ってきたが、解放と自由の意志は奇しくも人間のコアラが一番近い形で受け継いでいるのではないだろうか。

 

それにしても。ロビンはウタが見せてくれたライブのポスターをみる。初めて共演するんだとウタは張り切っている。

 

最近いきなり現れた歌うガイコツとして世界中を回り、音楽性を広げてついには『ソウルキング』とまで称されるトップミュージシャンとなった男がいる。

 

全世界ツアー真っ最中だという彼は、派手で綺羅びやかな衣装を身に纏い、ワイルドな言動を周囲に振り撒くロッカーな性格らしい。

 

ロビンは笑った。おそらくこれは、ブルックのアーティストとしての世間体に違いない。

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