ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング 番外編)   作:アズマケイ

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ドフラミンゴとサカズキ

「よう、お待ちかねの定期報告だぜ、サカズキ。郵便で届いてるだろうが事故があっちゃいけないんでな、一応持ってきといた。受け取れ」

 

ドフラミンゴから渡された数カ月分のリストがサカズキ元帥に渡された。

 

「ほんとは郵便やめてーんだがダメなのか?郵便代がバカになんねーんだが、ちょっとは予算出せよ」

 

「バカいうな、わしの一存じゃ決められんわい。かばちは財務担当にゆわんか」

 

「お前がいうから郵便してんじゃねえか。ホーミングを思想犯にしといて、ウミット海運の定期報告は続けてくれとか随分と都合がいいじゃねえか」

 

「やらかしたことを考えろ、われの師匠は世界を変えおったんじゃ。ロックスの亡霊が」

 

「ロックスはもう亡霊じゃねえよ。ホーミングにいってみろ、いよいよウミット海運が処刑しそこねた海賊リストが届かなくなるぞ、いいのか?海軍も不利益被りすぎるだろ。おれは七武海だから届けてんだ、忘れんなよ」

 

「天竜人の傀儡が」

 

「今はホーミングの窓口としてきてんだ、間違えんなアホ。七武海だ、七武海」

 

「そりゃあそれ、こりゃあこれじゃのぉ。ありがとの」

 

「んな嫌そうな顔でいうなら無理すんなよ、ジジイ」

 

「だれがジジイじゃ」

 

サカズキは苦い顔をしている。この男は出身地と生まれ育ちの関係で海賊そのものが嫌いで海軍に入ったタイプだ。七武海という制度自体が嫌いなのだ。

 

しかし、本人もいってるがそれはそれ、これはこれだ。欲しいものは欲しいらしく口は悪いが殺意はない。ドフラミンゴは残りのリストを渡した。

 

ドフラミンゴはまさかそこまでウミット海運の定期報告が海軍に重宝されてるとは知らなかった。深層海流で数時間単位で動けるため、世界基準の情報伝達の難しさを忘れがちなせいだろうか。

 

ガープがホーミングを襲撃するのはそれがきっかけでもあるのだ、実は。ホーミングがいるのは中立地帯で、どの勢力も共存が強いられている特殊な国地域だ。ロックス時代の連中が誰かはいてめっちゃ大事な話を世間話をするように話すのだ。ガープはSWORD特別顧問だから張り切っていくのだ。トーンダイヤルさえ仕込んでおけばそれだけで貴重な情報源である。

 

サカズキ元帥がガープ中将にわざわざ自由にしていいといったようなものだ。海軍が世界政府や天竜人の傀儡たるドフラミンゴにやりたいことを飛び越えて先を越される現実に風穴をあけたいのかもしれない。やはり大将時代にいくら好き勝手できた人間でも元帥になれば立場が変わるのだ。情報量と責任と中間管理職としての厳しさがのしかかる。

 

そのせいか、サカズキは大将時代よりドフラミンゴへのあたりがだいぶ弱くなっている。

 

「で、許可は降りそうなのかよ、サカズキ?」

 

ドフラミンゴは問いかける。サカズキ元帥は首を振り、世界政府からの返答を読み上げながら渡してきた。ドフラミンゴはため息をついた。

 

「またかよ。おれが七武海になってから何年目になると思ってんだ、もう15年だぞ?いつになったらおれ達は危ないヤマから手を引けるんだ?」

 

それは色々書いてある直訴状だった。空島ウェザリアや空島バロンターミナルを堕とす。表裏問わずシンジゲートを攻撃する。もはや公共機関と化してきたドフラミンゴファミリーとウミット海運の物流システムを破壊する。

 

全て四皇カイドウ達が脅迫してきて、処理に困った傘下や取引相手に泣きつかれ、海軍や世界政府と交渉した結果、見て見ぬ振りをするし、不問にするといってくれたはいいが、積み上げてきた危ないヤマの数々だ。

 

たとえば人工悪魔の実SMILE。あるいは世界政府が製造を表向き禁止している化学兵器、毒ガス兵器。違法改造された武器。非人道的な兵器。その流通と販路。顧客の開拓。表沙汰になればドフラミンゴが七武海の肩書きを剥奪されてしまいかねない案件ばかりである。

 

もちろん平気な顔をして売り捌くのがドフラミンゴなのだが、七武海の立場を考えたらそうはいかない。ただでさえクロコダイルがやらかしたのだ、マリンフォード頂上戦争での活躍で知名度は跳ね上がったが、逆を言えば足元をすくわれかねない立場でもある。

 

それから逃れるためにも、15年前からずっと直訴状を出しているのだ。四皇カイドウをなんとかしてくれ。軍隊を出してくれ。なんなら自分もなんとかする。世界政府がまず許可するわけがないが、とりあえず出すのだ。今回はこんな案件を投げられた。これを飲まないと一般人に甚大な被害が出る。どうしたらいいと書いておくと、だいたいが世界政府の法律にひっかからない方法を教えてくれる。見て見ぬ振りはお互い様ということだ。

 

15年という実績は案外重いのだ。なにせドフラミンゴが七武海に入ろうと思ったきっかけだとセンゴク元帥が勘違いするのだから、サカズキ元帥も同じだ。この事実を知ったサカズキ元帥がちょっとドフラミンゴに対して態度を改めようか迷ってくれるくらいには効果がある。やはりいつの時代も建前は大事なのだ。

 

「積極的正義だから期待したんだがな」

 

「世界政府の許可がいるけえの」

 

「本当にめんどくせえな、秩序側ってのは」

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