ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング 番外編)   作:アズマケイ

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革命軍とトーンダイヤル

音貝(トーンダイアル)は、「音」を取り込む習性を持つ、空島原産のアイテムだ。音楽鑑賞用として用いられるのが一般的だが、ボイスレコーダーのような使い方も可能で、ウミット海運が養殖に成功しており、TD(「ト(To)ーンダ(Da)イアル」と呼ぶこともある。改良されて、CDとコンパクトプレーヤーが初めから組み合わさっているようなものが娯楽用品として世界規模で販売されている。ちなみに、今のトレンドはソウルキングと革命の歌姫ウタである。

 

商標登録している関係で、かならず碇マークがあるそれをドラゴンは再生し始める。トーンダイヤルからドフラミンゴファミリーのNo.2のコラソンを名乗る男の話す声が聞こえてくる。

 

ロックス急進派は、革命軍に潜在する急進派の受け皿となり、穏健派が1年かけて自身の思想にあわない者達をうつすための派閥である。武力闘争や蜂起を肯定するが、穏健派の計画を破綻させないよう事前に協議か事前通告するものである。

 

ロックスといいながら本懐は武力による革命ではない。闇のシンジゲートが裏で手を回し、内乱を泥沼化させて非加盟国に転落させる、あるいは内紛を激化させる。そのあとウミット海運かドフラミンゴファミリー傘下の組織で復興。リュウグウ王国の支持票を密約でかわすものである。

 

加盟国ばかり狙っていたら、勘付かれるため、そんなに集められないが。八宝水軍のように随伴戦力として世界会議に潜入することに意義がある。マフィア同士の兼ね合いもあるから基本は西の海以外の国を標的とする。

 

ほんとうは天夜叉ドフラミンゴもドレスローザに随伴戦力として行かなければならないが、諸事情により行くことができない。誰かしらいくことになる。ヴァイオレットは別枠である。

 

そちらの革命軍に了承得てから、スパイをわりだすための人間を数名送り込みたい。変な動きをしたやつを見つけ次第射殺する。

 

所詮は工作で生まれた暴徒からの流血革命なんていつまでも世界政府が構っていられるわけがない。手を引いてから横取りする形になる場合もあるだろう。手間も省けて一石二鳥。復興もすればシンパも増やせる。基本は世界経済新聞で活動報告を行う。他の新聞に載っている記事は全て無関係である。

 

ドラゴンは量産型トーンダイヤルをとめて、内容を全て消すためにいくつか動作をためした。一応確認するがなにも聞こえない。そのまま自室から外に出た。ここにくるまで見聞色でみたが誰もいないはずだし、能力の発動は感知できなかったから大丈夫なはずだ。もしここから全てばれていたらホーミングを本気で失望されかねないため、特に念入りに確認したから大丈夫なはずだ。ドラゴンより格上の工作員なら嘆くしかないが、もしいたら首を狙ってくるだろう。

 

そのまま歩き出す。

 

避難民のキャンプの前に設けられている簡易なステージがある。

 

「ウタ」

 

「あ、ドラゴンさん。なんですか?」

 

「ホーミングからだ。前話していたトーンダイヤルがやっと届いた。このトーンダイヤルにお前の選曲でいいから歌って収録するから準備しろ」

 

「やっと届いたんですね、やった!」

 

「一応言っておくが。曲数ではなく、演奏時間の合計80分まで入ることを前提に作れ。前みたいに追加、追加で取り返しがつかなくなることがないように、全曲用意して一回で作れよ。いいな」

 

「うっ......わかってるよぉ......」

 

「目を泳がせる暇があったら、さっさと位置につけ。一覧はどれだ」

 

「え、あ、はい、これです」

 

ウタの後ろにいる者達が楽器を構える。楽譜をめぐり始める。革命軍に賛同している人間は、かならずしも力をもつ者達だけではない。プロパガンダがようやく全世界に届くようになったとはいえ、プロモーションは大事だ。そちらを主に担当しているウタから紙をうけとる。

 

「これが1曲目か?意外だな」

 

「私なりの決意っていうか、ホーミングさんに伝えたいっていうか、その......私なりの新時代を歌いたいなって」

 

「歌詞変えたのか」

 

「私が消え去ってもなんて、本気でやろうとして、家族に止めてもらってやっと救われた人が聞くのに歌えるわけないでしょ!!!もう歌う気にもなれないから、そこだけ変えたの!ほかのも変えたの!色々大変だったんだからいわないでよ、ドラゴンさん!もう!!わらわないで!」

 

恥ずかしくなってきたのか、真っ赤な顔をしたままウタが叫ぶ。

 

「赤髪のシャンクスも喜ぶだろうから、今度手紙に書いてやれ。お前の悩みについて本気で心配していたからな」

 

「もう書いてまーす。なんかもうぐちゃぐちゃで、全然終わらないんだけど」

 

「それもいいだろう、受け止めてやるのが父親だ」

 

「ドラゴンさんは手紙かかないの、ルフィに?」

 

「ルフィももう大人だ、今更どうこうする必要もあるまい」

 

「そうかなあ......?あのころは知らなかったけど、今は名前は知ってるんでしょ?何でダメなの?」

 

「その時がきたらという話だ」

 

「またでた、ドラゴンさんのその時」

 

ウタは笑ったのだった。

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