ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング 番外編) 作:アズマケイ
「グララララ、やっぱり他のやつらと対立する運命だなァ、王直。あの時もそうだったじゃねえか。三大秩序を崩壊させて、いざという土壇場になって七武海の真似事してたおまえは、非加盟国まで犠牲になるのが嫌ってんで、インペルダウンだけは守りやがった。やっぱあれ、おまえの手引きじゃねえか。リンリン達あんときからお前のこと疑ってたんだぞ、おれがフォローしてやったんだ。感謝しやがれ。なのに今度は七武海を守るのか?いよいよ庇えねえ動きしやがって。変わらねえなあ。今回は自分でなんとかしろよ」
「うるさいな、今回はドフィがいるからだ。それにドフィが失脚したくらいで闇のシンジゲートは動かねえようにしてやったんだから感謝しろよ。あれがおわったら困るのはみんな同じだろ。加盟国の首根っこ掴んでたドフィが失脚したくらいで闇の秩序まで崩壊して世界政府につけこまれないようにしてやったんだからな。
それに今回はカイドウ達の言い分飲んだんだからいいだろ、おかげでインペルダウンも完全崩壊した」
「おれはよくてもカイドウはだめだな。ほっときゃいいのに、なんで革命軍庇いやがった。武力と啓蒙を無理やりひとつにまとめてたんだ、その矛盾は世界政府の付け入る隙を与えたはずだ。黒ひげかもしれねーが。世界政府は革命軍がしかけてくるのに気づいてるはずだ。おれ達とやってることがまるきり同じだからな」
「わかってんのに聞くなよ、あいつらは天竜人に喧嘩売りたいだけだから好きなんだ。おれがやりたかったことの理想系じゃねえか」
「おれは動かねえからな、王直。カイドウのいうとおり、どさくさに紛れて世界会議で一番発言権がある裏切り者の天竜人の末裔がおさめるアラバスタあたりを抹殺して宣伝するタイミングで、おまえがロックスの後継者ってレッテル貼れたらよかったじゃねえか。やらねえならおれがやるって笑ってやがったぞ」
「だから先手をうったんだ。なんのためのロックス急進派だと思ってんだ。おれは表向きオトヒメ様の悲願を叶えるために33年間奔走してきた人堕ちホーミングだぞ。おれすら制御できねえ建前だ、民衆がどう動くかわからんのはカイドウも困るだろうが」
「グララララ、任侠の徒に振り回されてたお前と一緒だな!」
「うるせえ、だまれ」
「しかし、そんなに七武海大事か?......大事だよなあ。天夜叉になんていってるのかはしらねえが、七武海って制度自体がおまえの悲願だ。天夜叉が今いる地位は、おまえが喉から手が出るほど欲しい立場だ。非加盟国を守って拠点にしても合法化され、建前さえ守れば闇のシンジゲートに加盟国を巻き込んで共犯者にできる。わざと世間に暴露すれば世界政府や加盟国だけ犯人扱いにもできる。秩序側に入り込んで好き勝手できるのはいいだろうよ。だがそいつはカイドウの秩序の崩壊と対立すっからなあ。次の世界会議は楽しみだ」
「謀略巡らせて楽しませろっていったのはお前だ、満足か?」
「世界がどう思ってるのがはしらねえが、おれァ、未来の海賊王にしか興味はねえからな。せいぜいカイドウとやり合え、グララララ」
「それだけなら楽なんだがな」
「まァ、たしかに。世界政府が露骨に七武海廃止の工作はじめやがったのは驚いた。自ら秩序を崩壊させる動きをするとかなにが目的か見えてんのか?」
「わからん、わからんが頂上戦争で暴れすぎたせいかもしれん。前と違ってドフィを失脚させた程度で世界は荒れない。お前との約束もあるが表向きは均衡を保てるよう調整したはずだ。なのに仕掛けてくるとは思わなかった。おれはあの時死ぬつもりだったからカイドウ達に好きにしろと放り出すつもりで、わざと世界政府と科学の代理戦争を起こして技術革新を進めてきた。なんかの地雷を踏んだかもしれん」
「地雷?そういやお前いってたな、800年周期の戦争のラインは技術革新が基準じゃねえかと」
「あァ、科学の進歩が悪魔の実に追いついた時、本気で自由を求める民衆が世界政府に真っ向から反抗できるように作り上げてきたのがおれの30年でもある。科学ってのは平等を実現する数少ない手段だ。勉強しなきゃならんが知識は民衆がもてる数少ない武器だからなおのことおれ好みだからな。だからマスコミ連中を先に儲け話に巻き込んで、運良く手にいれたベガパンクの繋がりを利用して、動きに合わせて、科学技術と情報操作っていう世界政府の独占を崩壊させたんだ。さすがにまずいとは気づいてるはずだ」
「グララララ、いよいよ古代兵器がでてくるか?」
「わからんが、プルトンの設計図渡してやったんだからおあいこだろ」
「うそつけ、あれはやられたんだろう」
「人の心がわからねえ時期だから仕方ねえだろ。そのまま焦って世界政府から全世界に本性晒してくれりゃ、あとは楽なんだがな。それでなくてもモルガンズははやくゴッドバレーを暴露したくてうずうずしてるってのに」
「どのみち世界会議が次の分水嶺か。自分のやりたいことがあんのに、ジーベックに会いたいなんて日和やがるからだ。せいぜい尻拭いがんばれよ、グララララ」
「うるせえ、わらうな。まさかここまで成長してるとは知らなかったんだよ」
「カイドウからすりゃ、いきなり協定破棄されたようなもんだ。いつもなら前面支援してくれるはずのお前がな。ロックスんときはまだ若かったから知らないのも無理ねえが。いつかはこうなるんじゃねえかと思ってたぞ、おれは」